堆肥を入れた後に苦土石灰で酸度調整をしても大丈夫ですか?
桜さん
2015/10/23(金) 16:23:59
秋にテーブルビートを育てようと思い春に育てた青紫蘇の残り土を消毒、フルイにかけたりした古土に堆肥を3割混ぜてから1週間後(今日くらいが1週間後ですが)に化成肥料を混ぜる予定でその後1週間後に種蒔きをしようと計画してましたが、 今日 ph液で酸度を測定したら【6.0から6.2】でした。
普通の野菜ならばこれでokなんですが ネットでビートのphを確認すると理想は7phと書いてました。ほうれん草なんかと同じアルカリ性に近い方が良いみたいです。
ここで質問ですが
一つ目は ph6位でも影響ないでしょうか?
二つ目は もしph数値を増やしたい場合は苦土石灰を混ぜますが 本来は古土に混ぜてから次に堆肥を混ぜる説明が多いですが今回みたいに堆肥を混ぜて馴染ませた後に苦土石灰を入れても良いのでしょうか?
またまだ堆肥を混ぜて1週間経ちましたが今からでもう苦土石灰を混ぜても良いのでしょうか?もう少し待たないとダメですか?
そして化成肥料はまだ入れてませんが苦土石灰と化成肥料を一緒に入れるのはダメなのでしょうか?
堆肥と苦土石灰はだめなのは分かります。※堆肥と化成肥料は一緒で良いのかな?
3.4個質問になりますがお願いします。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2015/10/24(土) 04:58:24
まずは、今まで育てたことの無い植物を容器植えで栽培する時は古い土を再生した物は使わない方が無難です。pHの他に、前作作物が消費したミネラル分が少ないままですし、植物繊維が消耗し土が痩せ老廃物も溜まっているので、できれば新しい土を沢山混ぜ(あるいは良質なバーク堆肥を2割混ぜる)十分な期間をかけて寝かせ堆肥に含まれる微生物に分解して貰わないと、新たな作物に良くない影響が出る事もあるからです。
できれば新たに買って来た堆肥入りの野菜の土に、適宜苦土石灰を混ぜた方がpH調節が簡単だし未知の野菜はうまく育ってくれます。
pH調節を厳密に行わなくても、よほど傾いていない限りは育ちには極端な影響はありません。ただ、収穫目的の部位が良く育つか、味が良いかの差が出るだけ。
そもそも使う土質自体がその作物に最適でないなら、堆肥やpHに拘っても良い物は育ちません。
昨日も友人が家族の作る野菜が見かけはまあまあ良いが味が凄く悪いと愚痴っているのを聞いたばかり。詳しく聞くとその土地は土が良くないのに、自己流の栽培で土の改善をせず肥料分(おそらく化成肥料の多用)で無理させて育てているらしいです。化成肥料の多量使用は年々土をダメにするので、有機肥料や良質な堆肥が必要。その家の近くに親戚が昔は農家を営んでいましたが、その頃は自家製の魚肥料(茹でて油を抜き乾燥させたもの)を使い、馬糞(これを得る為に遅くまで農耕馬を飼育していました)や野菜屑で作った自家製堆肥をたっぷり漉き込み植物の繊維をたっぷり土に補給させながら野菜を育てていて、遠くからも買いに来るほどの美味しい野菜を作ってましたから。
その一帯は元河川の川砂主体の土なので保水性を改善しないと肥料分はどんどん深い所に流出します。私も以前少し離れた場所に住んでいましたが、更に鉄分が多すぎる酷い土で花を満足に咲かせるのに土壌改良に5年もかかった土です。素人が充分な土壌改良を行わずに自己流の家庭菜園をするには向かない土質です・・・。
私の住む管内一帯は、テーブルビートの近縁に当たるビート(テンサイ。別名砂糖大根)の産地です。我が家は南北に長い管内の中間くらいで車で南に向かい2時間かかる実家に行くまで、国道沿いに途中までずっと広大なビート畑が見うけられるのですが、私の住むの地域と実家のある街より手前の地域では土質が違い育ち方の差がはっきり出るのが通りがかりに眺めるだけで解ります。ちなみに私が住む街から北の方では土質が変わり泥炭地帯でビート栽培には向きません。わが街が管内のビート栽培北限の様です。
素人考えだと「北の方が寒くて植え付けが遅れるので育ちも遅い」と考えるでしょうが、実際は逆で南の方が極端に育ちが悪く株がここらの半分くらいの大きさで、酷いと植えた苗が定着せず枯れて捕植できる時期が過ぎてしまい空いたままの所も多く見られます。私の住む街の周りでは全く見られない現象です。
これは実家のある周辺には大昔火山の活動で火山灰が大量に降り堆積している為。私の住む地域までは地形の関係で山に遮られ火山灰が届かなかったのです。火山灰土は余所の土を客土して土壌改良を何度も繰り返しても土自体が悪く丘陵地帯なので水はけも良すぎ。本来は根菜栽培にはあまり向かないのです。聞けば糖度の基準もギリギリで製糖工場の買い取り価格も平均低いそうです。いよいよ実家のある街に近づけば全くビート畑は無くなります。その辺がこちらの管内のビート栽培の南限なんですね・・・。その場所より南がもし良い土であったとしても、気候的にビートの基準に達する糖度の物の収穫は望めず、代わりにその土質に向くジャガイモの種芋やビール大麦に作物が変わります。こちらの管内では内陸の盆地の方が水持ちの良い地形で土質も気候もビートに最適なのでその辺の街での作付が多く、管内各地にあった製糖工場が次々無くなった現在でも、その土地の製糖工場だけはまだ残っていて管内中のビートはその街に集まります。
そのビートの育ちの良くない土地は買い取り価格が低いのになぜビートを作付するのか?これはその地方で輪作に向く作物が限られるためで、他に変わる「春に植え付けられる作物」が無く仕方なしの栽培です。糖度が低めでも、余所よりも広い土地で数を作付栽培できればそこそこ収入が望めますから。
輪作は大抵4年サイクル。最低でも4種類の作物を場所を変えながら作付せねばなりません。大抵は春に植え付けし、収穫後は次の作を作るか緑肥を育て漉き込み休ませます。同じ科だと土から消費する養分が同じで老廃物の成分も似ています。そのため毎年違う科を植えて4年トータルで平均な回復に仕向けます。同じ科なら種類が違っても4年経たないと同じ場所へ植えられません。そこの街周辺だと、こちらと同じ物の組み合わせではちゃんと育たないのです。
こちらの地域では玉ねぎが主要作物で他は小麦・ビートとトウモロコシ、気候によっては病気のリスクのあるニンジンとカボチャが輪作で作られます。海近くは泥炭地で野菜に向かず牧草地帯で牧草か家畜用飼料のデントコーンのみ。逆方向のちょっと内陸に行けば昔は薄荷を栽培していた農家がその経験を生かしシソ油を搾る青紫蘇を大規模栽培してます。
ここらは土質としては大昔の川の流域地帯なので地下の岩盤が浅く堆積土なので地力のある土ですが水はけは平均良くて、水分が必要な玉ねぎが基準内に育つギリギリ。夏は農業用スプリンクラーで水を撒かないと玉が育ちません。面倒な輪作をせずアスパラ一辺倒の農家もあります。これよりも水はけが良いと基準内の大きさに育たないので、南では玉ねぎが育てられずカボチャが一番良く育っています。それ以外の作物にはあまり適さない土地で、こちらの周辺では見られない「どんな荒れ地でも一応育つ蕎麦」が輪作作物に組み込まれていたりします。
個人的にはビート類は特徴的にアルカリ性を含む他に、根菜ですから水分を欲する野菜と思います。砂糖を採るビートは極端で無いなら乾燥に耐えられ糖度の為にもそれほど瑞々しく無くても良いのですが(水分が多すぎても糖度は薄いので。糖度がより増す様に晩秋に収穫し屋外で長く寒風に晒されます)、テーブルビートの場合だと柔らかくて瑞々しい甘い根が望まれます。容器栽培だと乾燥しがちなので、意識して保水性の良い地力のある土を沢山使って大き目の野菜専用プランターでの栽培をし、水切れに気を付けないと瑞々しい根の収穫は難しいと感じます。
新しい購入した土なら野菜専用の土は保水性良く堆肥も入ってすでに馴染んでいます。テーブルビートの栽培には大きすぎると感じるほどのプランターの大きさや土の量が、テーブルビートの生育には優位に成ると思います。
簡単に考えれば、大きく育つニンジンやそこそこ育つ大根と同じような栽培規模と養分が充分な土を使い「容器栽培で地面植えに近い栽培環境を再現する」。なので大型の栽培容器が必要となります。土が適度に肥えていてpHさえその種類用に大まかにでも合わせておけば瑞々しい根菜は採れ味も良いと思います。水分が保ちにくい土や養分が充分でないと思われる土は水分多めに育つべき根菜にはイマイチ向かないんですね・・・。
どうしても古い土を利用したいのなら、保水性が良すぎる土や堆肥を同量以上混ぜて、なおかつテーブルビートの葉の生育に必要な鉄分などミネラルの種類や量を調整しながら補給する必要があります。
日本で簡単に保水性を改善できる土資材はピートモスですが、そのままでは酸性度が強すぎるのでpH調整処理済みの物が必要。保水性のもっとも良い堆肥は牛糞堆肥ですが、堆肥としては余計な成分もありデメリットも多いので多く使うには扱いづらい・・・。詳しい方なら再生が可能でしょうが土壌改良に詳しくない人には面倒で難しいものですし、容器栽培が主流な環境だと、量が少なくても元の2倍は増えるので土が余ると保管場所の確保が大変。古い土の再生はちゃんと行うと年々増えていきます・・・。庭のや畑のある家なら2年くらい使ったら地面に漉き込むのが一番楽です。無いなら古い土から順に燃えるごみなどの収集に出し処分。私は鉢植えやプランターの古い土は、自家製コンポスト容器に台所から出る野菜の残渣や雑草を刈ったり抜いた物、栽培していて枯れたものや落ち葉などと交互に入れて層にし時々EM菌入りの堆肥化促進剤を少し入れて有用微生物を沢山殖やし、溜まればよく混ぜてから別の場所に積みあげ十分に寝かせて、ほぼ完全な状態の堆肥に替えてから庭に漉き込んでいました。
あと、栽培する環境も大切です。根菜は乾燥し湿度低めな場所は避け真夏を過ぎての収穫の物なら周りが高温に成る場所に置くのも避けましょう。栽培適温など条件から大幅に外れてしまうと正常に生育してくれません。酷いと早いうちにトウ立ちし食べられなくなり花が咲きます。庭の広めな地面の上に容器を置いて栽培するならそんなに問題は無いでしょうが、建物そばやコンクリート床、マンションやアパートのベランダやテラスなどだと作物の種類や状況によっては高温障害が起こる可能性もあります・・・。
今回のケースでは直接関係ありませんが、普通は堆肥を入れたら春の植え付け時期の気温なら1週間寝かせて馴染ませてから、石灰類を適宜混ぜます。
秋の今時期だと県により気温が違うので春と違い寝かせて馴染むまでの日数は変わると思いますから、できれば堆肥を入れてからの寝かせる日数を十分に開けてから石灰を混ぜ、更に数日から1週間置いてから栽培に使用すれば良く馴染んで安心と思います。これからそれをやるなら蒔き時が迫っていれば難しいです。もし蒔き時や植え付け時期が迫っているのなら、その期間を短縮するためにも堆肥入りの新しい土を使う方法は有効です。
あと、化成肥料は堆肥と一緒に入れるのではなく、堆肥が馴染んで石灰を入れてから。石灰を馴染ませる日数待つつもりがなく混ぜて蒔きつけや植え付けにすぐに使うなら化成肥料をその時に使います。石灰を馴染ませたいなら植え付けの時に混ぜます。要するに「蒔きつけ、植え付けの時に同時に化成肥料を入れる」のです。
元肥として使うのですから、混ぜてから日数を経てしまえば土内の水分で多少なりとも養分が溶けだして土の深い所に流失してしまい。もったいないですよ。
土についての基礎知識は書籍などで学んでいますか?いろんなところから探し出したり聞いた知識はつぎはぎで、合わせると矛盾している部分も有ったりと理解がなかなか大変で、時には見落としたり聞き逃している部分もありますので、一冊でも一般向けに書かれた本をお手元に置き読み込むことをお勧めします。
図書館や本屋の園芸本コーナーに、「土・肥料・堆肥」について解り易く書かれた本がいくつかあります。それぞれざっと流し読みしてみて自分で解り易く感じる物を一冊本屋で購入してみて下さい。図書館で見つけた本が本屋には置いていないなら取り寄せられるか聞いてみると絶版してなければ購入できます。個人的には某国営放送出版から出している本が内容が良くお勧めです。冬の間じっくり読み込んでおくと春にその本を参考にして実施出来ます。
農家の親戚の所でアルバイトしたり、義父からいろいろ教わってそれなりに土について知識のあった私でも実際読んでみると目からウロコの内容がいくつもありましたから、読まずにいるのは損だと感じますよ。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2015/10/24(土) 05:11:18
誤記がありました
古い土をどうしても使いたい時は「土を」同量以上混ぜる。です。
堆肥の入れすぎは良くなく土と同量も入れられず養分を良く吸う作物用の土だとしても3割が限度でしょう。
ニャンコチ
2015/10/25(日) 23:13:39
好みですが、石灰を投入するわけには、大きく分けて3つの目的があります。
1) 収穫した後で、耕して天日干し寒晒しや大気で、病害虫を消毒する、鳥や天敵に、地中地表の害虫食べさせる・
このときやしばらくして、石灰を薄く散布して土壌アルカリ消毒したり、散布後耕して攪拌し土壌消毒する。
2) 石灰をまけば、カルシュウムが補充される。苦土石灰ですから、マグネシュウム等の苦土も投入される。
3) いずれもアルカリ性ですから、日本の酸性土壌を中性に変化させる。
本来は、安くて手軽な、自然農薬としての生石灰による土壌消毒目的でしたが、アルカリ性が強すぎて、慣れないと根がアルカリ焼けして枯れる問題があって、嫌われだしてきた。 中和するのに時間がかかり、直ぐに植えつけられない。
特に、人糞肥料や家畜堆肥なら、保健衛生上寄生虫の消毒が不可欠でした。
雨水で流れれば、河川の消毒にも多少は寄与します。
川下で、野菜や食器の洗い物もしていた。
飲めば歯や骨も丈夫にした。
次に、石灰不足は、植物の成長途上で、生理障害を引き起こすと理由付けした。
必須栄養素の一つであると言い出した。
生理障害は確かに有ることはありますが、しかし、果たして石灰はそれだけ吸収され消費されたり、雨風で流失するものでしょうか、不足するものかということです。
MgやPも同じく水に溶けにくい。解けにくいものは消化したり流失しにくいものです。
次に今度は、pH問題だと言い出した。
植物の生育には、野菜別にそれぞれ酸性派とアルカリ派が有る。
細かく理解し覚えるには、わずらわしいので、大まかに弱酸性に是正する必要が有る。代表的なものに、ほうれん草はアルカリ派であると習慣付けた。
食べるだけ植えればよい派少量多品種栽培派 と 売れる野菜作り単一作物専用作付け派の専業専門派に分かれてきた。
そこで、自己収穫栽培派はどうでも良くなり、専業農家をリード役にしてきた。いずれ自家栽培も付いて来るだろう。
今では、専業農家の仕方なら、それで食っているのだから間違いないだろうという考えが主流になってきた。
又、農業学校や他の学校でも、生徒が学術として、画一的に習い、農家の技法や農業研究家の新しい考え方入り乱れているように思います。
勘違いや誤った理解も入り乱れています。
更に、一般的な趣味の園芸の範囲なら、筆記試験や実技試験もありませんから、細かいことまで堅苦しく考えませんし、わずらわしいものです。
そこで、趣味の世界では、何か一つ理解すればよいとして、今はとりあえずpH是正としてしか考えられなくなってきました。
生理障害が起これば、結果として肥料不足として、追肥すればよい。
消毒なら、より強力な専門農薬を使えばよいとなり、原始的な生石灰消毒なんか忘れ去ってしまった。
もう少し突っ込めば、専用培養土に人気が有りますから、石灰や肥料も処理配合済ですから、無視して忘れてもよくなることでしょう。
私は、趣味の園芸の範囲なら、一度まけば、数年間石灰は必要ないように思います。
石灰も、肥料も使いすぎ、撒き過ぎて、過度に堆積しているように思います。
腐葉土たる有機物も多すぎるように思われます。
それに付け、新たな障害も発生してきているようにも感じられます。
貰った土でも、種が生えない、植えたら枯れる場合があります。
いちいちとパッチテストしないといけない時代なのかもしれません。
従来なら簡単に、土のリサイクルも出来ましたが、最近ではそのようなわけにも行かなくなってきました。
従来なら、天日消毒と雑草と排水対策と追肥調整だけでしたが、今後は肥料抜きの土洗いも必要になってきました。
追肥や有機質漉き込みではなく、反対に、肥料抜きや有機物抜きも必要です。肥料は与えるなから、体積残留肥料は、洗い流せですね。
無機質に腐葉土を混ぜよから有機質を取り除き無機質を混ぜよですね。
いまさら、今では死語化してしまい、珍しくも何も無い、水質汚染は、富栄養化に有るが身にしみるように感じるようになってきました。無料提供された土ほど高く付くということかも。
いろいろと新たな楽しみが増えてきました。
野菜・家庭菜園用掲示板@園芸相談センター