トウモロコシの実のしまり

[園芸相談センター]の過去ログです

ちゃぽ 【関東】 2015/09/02(水) 00:29:05
株間の距離によって受粉が変わると思い
この間、株間の距離を10cmずつ変えて自然受粉をさせ、
実のしまりの違いを実験してみました。

3区間作り、30cm、40cm、50cmと距離を変えて植えました。

ですが距離が狭い方も遠い方も実のしまりに
あまり違いがなく、重さも測ってみましたが変化がありませんでした。

これはなぜでしょうか。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2015/09/02(水) 11:09:44
個人的には受粉状況と実締まりは直接関係は無いと思いますが・・・。

株間の距離も極端に離れていないのであれば受粉に問題なく、畝数とある程度の株数を確保しまとめて植えて植えてあれば良いものです。
三列の畝で50センチ程度の株間でも大抵のトウモロコシはきちんと実一本中の全粒に受粉できています(当地の家庭菜園や酪農家の自家栽培規模での状況)。

トウモロコシ類は密植(と言うか、株を決めた区画内に集めて植える。たとえば五列の畝に一列五株植えで25本栽培など。株数が少ないなら畝間や株間は少し狭める)すれば、株間が狭くても広くても受粉状況が良いので粒は揃います(花粉が空気の流れで舞うため)。
トウモロコシの大規模栽培地でのハーべスター収穫用に植えてある畑なぞ(缶詰製品目的栽培だと工場の受け入れスケジュールの関係で収穫日は農家一軒で1日だけ。早朝にハーべスターで収穫予定区画全ていっぺんに収穫します)、人が入り込めないほどかなり畝間も株間も狭いですよ。これは効率を考え畑での作業に手作業が入らないからです。土寄せ・除草・追肥など農作業は全て機械で行われます。

北海道の農法は基本アメリカ式なので加工用に収穫するトウモロコシ栽培はアメリカのトウモロコシ栽培とほぼ同じです。ただ、アメリカの映画やドラマでトウモロコシ畑の中を歩き回るシーンなどあったりするので株間は向こうの方が少し広めな様です。これは現代のアメリカの畑の広大さの規模が昔のアメリカ農業や日本とは大違いなためで(アメリカだと現代の畑は地平線までずっと続いている)ハーべスター機械自体が日本の物と比べものに成らないくらい大きい関係かと。

実締まりに関係するのは他の方と感じますが・・・。
もちろん受粉状況が悪くて受粉できなかった部分が出来れば部分的に粒が欠けて、その部分だけ粒同士の隙間が透いてしまうと言う事はありますが基本ほぼ全粒育っているのなら(先端部分は収穫時期により未熟な事はありますが)、実締まり=一粒一粒の育ち方の問題ですよね。
粒=実ですから、株自体の生育状況が実一本全体の締まり(実の太り)に関係し左右されるのだと思います。中でも養分関係から来るのではないでしょうか。

トウモロコシは非常に肥料喰いの植物と言われています。充分な養分が土に残って無いと、何度かトウモロコシを作った後の土は痩せ果ててしまい、輪作で後作に別の作物を作って数年トウモロコシ栽培を避けたり再度十分な土作りを行わなければ何も育たない不毛の地となってしまうのだとか。土の養分の枯渇も原因ですが、トウモロコシの根から排出される老廃物(動物で言えば糞尿にあたる)の蓄積などの影響で有用微生物なども激減してしまうのでしょう。
以前、残留窒素の酷い畑地の改善するのに種子・農資材屋さんに相談するとトウモロコシ栽培を勧められた事があります。「トウモロコシをほぼ無肥料で1〜2年植えて収穫し、収穫後の茎は根っこごと別の場所に移せば肥料過多は改善する」とのことでした。我が家では結局別の方法で残留窒素を減らしましたが・・・。

実締まりが悪くなる原因で一番可能性が高いのは土養分や肥料成分の片よりの方と感じますが・・・。

トウモロコシを栽培するからには、ちゃぼさんは肥えた土地を選んで植えたとか、事前にちゃんと土作りをしていたとか、適切な時期に適切に肥料を与えていた事と思います。
土内に十分な養分や肥料成分が入っていたのならば株間に関係なしに良い状態で収穫できたのだと思います。株間が一番狭くても畝さえある程度広さをとってあれば日光は当たりますし畝無しで縦横の株間が30センチであっても受粉が出来た事実からそんなに狭すぎるほどでも無かったのかも。

人が食べる目的のトウモロコシではありませんが、当地では酪農家が
株すべてを収穫し刻んでサイレージにする家畜用飼料のデントコーンの栽培が盛んです。
デントコーンと言うのは人が食べるトウモロコシとは系統が違い草丈もトウモロコシよりも高く、実は小さ目ですが、栽培方法自体は大規模栽培のトウモロコシの栽培とあまり変わりません。一年分の量を栽培するのに農家から土地を借りて道路脇などでも広く栽培している所が多いので当地ではとても目に付きやすいのですが株間は30センチも無い状態で植えられていますよ。
環境や栽培状況が悪く病気が付いてしまえばすぐに伝播してしまう様で広い範囲で不調な葉色で生えていたり、土地の部分的に土養分が乏しい所だと極端に育ちが悪かったりが良く伺えます(北海道郊外の国道は道路を高くして作っているので地形によっては2〜3メートル高くて畑を見下ろせる)。
時々収穫作業を見かける事もあり、サイレージその物も見たことがありますが、そうやって密植気味に栽培されていても収穫され刻まれた物の中に混ざる実はしっかりと粒が出来ていて締まりも良いものです。

それらの事から、おそらく株間の距離の違いと実締まりの方は、受粉不良が出ていない限りは直接の関係性は無いと思われます・・・。

実締まり=一粒一粒の育ちが順調で隣の列の粒との隙間が無く育ってくれると言う事から、実の育ち方からくる→土や肥料が関係してくるものと私は感じますが・・・。実の品質重視の農家は一株から実を一つしか成らせず、一つはヤングコーンくらいの幼いうちに取ってしまいます。こうすることにより粒がそろい実締まりが良く糖度が高くなるのだとか。北海道でモチキビを栽培し茹でて直売している所も一株一実での栽培でした。
高級ネットメロンもそうですが、一株から採れる実の数が少ない作物から品質のより良い物を確実に採りたいのなら、一株一実収穫が基本の様です。まぁ、こういう栽培は高級メロンや糖度の高いトウモロコシは高値で取引されるからこそ出来るので玄人で無い人の家庭菜園規模だと味の良さよりも数の多さの方が優先されてしまうのでしょうが・・・。

個人的には実締まりには実の育ちに関係してくるリン酸の質や量あたりが関係してくるのではとも思っています。そして肥料成分が効果的に効くか効かないかには土環境が関係してくるので、土内に含まれるミネラルや有用微細生物あたりも(これらがバランスよく含まれているのが肥えた土)間接的に関係してくるのではないでしょうか。

ちゃぼさんの畑は土内の環境バランスがちょうどよく整っていたので栽培密度が違っても、実(粒)の出来にはさほど影響が無かったと言う事だと思いますよ。

ちゃぽ 【関東】 2015/09/07(月) 17:18:08
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なるほど!!

詳しく教えてくださって
ありがとうございました✲*゜

わかりやすかったです(✽´`✽)

参考にしたいと思います!


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