バラに石灰硫黄合剤は

[園芸相談センター]の過去ログです

公子 【中国】 2010/12/23(木) 10:43:28
いつもこの掲示板を楽しみに見させています。

石灰硫黄合剤はバラへの適用が無くなったので使えませんと以前に書かれていたかと記憶していますが、サカ***ネの園芸通信1月号にマダム**様が、8−10倍の高濃度散布を書かれています。
有名な方ですし、種苗会社の出版物なので、使っても良いのかなーと思いますがどうなのでしょう。
何かルールが変わったのでしょうか。

gardenfan 2010/12/23(木) 15:06:02
公子様

サカタの園芸通信は確認しました。まだこんなことを言う人がバラの世界にいるのですね。驚きです。一応ご本人も原稿のチェックはされていると思いますので。(ひょっとするとサカタの社員かも)

石灰硫黄合剤は、今日現在もバラには適用がありません。農水省のホームページに詳しく載っています。農薬の使用者は自ら薬剤の適用を確認する義務が農薬取締法に規定されています。
つまりバラに使用してはいけません...というのが公式見解です。

しかし法律は、食用または飼料用農産物に対しては使ってはいけないと書いています。ですから農水省のQ&Aにもありますが、非食用農産物に対して適用の無い農薬を散布しても罰則の対象にはなりません。
石灰硫黄合剤は法律が改正された平成15年以前は、長い間冬季のバラの病害虫をリセットする安価で効果の高い農薬として使われてきました。
ですから私は使ってはいけないとは言いませんし、自己責任で使うのであれば誰も文句はいえません。ただ臭いが強いので、周囲には気をつけて下さい。また噴霧器での散布は回りに飛びますので危険です。刷毛で塗るのをおすすめします。
でも出来ればこの時期は適用のある硫黄水和剤などで消毒された方がおすすめかな。サンケイのクムラスなんかは散布回数もありませんので検討してみて下さい。ハダニにも効くようなので昨年から使っています。

R・ひろき 【関東】 2010/12/23(木) 15:08:40
 こんにちは。

 これはサカ***ネの園芸通信か、マダム**様ご本人に質問されてはいかがでしょうか。それで判断されてはと思います。

 石灰硫黄合剤については過去ログの範囲です。
 バラに適用が無くなったのではなく、もともとありませんでした。
 先ほど農薬登録情報提供システム(独立行政法人農林水産消費安全技術センター)で検索しましたが、バラや花卉類・観葉植物には適用がありません。

 農薬取締法の改正はたしか2003年頃だったと思います。
 それ以前の本では、バラに石灰硫黄合剤が必須のように書いてあることがあります。最近の本では書いていないものもあります。

gardenfan 2010/12/26(日) 15:13:41
公子様

サカタからの回答です。

冊子発行後に関係者により、農薬取締法に抵触して
いることが判明いたしました。
ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした。
現芸通信2月号にて、お詫びと訂正を同送する予定です。
1月号につきましても、これからの出荷がお詫びと訂正を同送する予定です。
またオンラインの会員様には、メールでお知らせする予定です。
今後十分注意いたしますので、ご了承ください。

公子 【中国】 2010/12/30(木) 16:40:28
gardenfan様 R・ひろき様

ご返事ありがとうございました。返事が遅れまして申し訳ありませんでした。
農水省のホームページも見ましたが、法律の解釈は難しいようですね。
またサカ***ネに直接問合せいただきまして、ありがとうございました。
結局はバラへの適用がないので使えないと考えたのが良いということでしょうか?
Q&Aなどもありましたが、難しいです。

gardenfan 【近畿】 2010/12/30(木) 17:26:38
公子様

農水省の法律をご覧頂いただけでも良いことです。でも法改正の背景として、無登録農薬の使用や残留農薬の問題などによる改正だということの理解が重要です。

農薬取締法では、12条が使用する者に対しての規定です。つまり我々のことです。
そこには農水・環境大臣は、省令をもって登録農薬についてその種類ごとに、その使用の時期及び方法その他の事項について農薬を使用する者が遵守すべき基準を定めなければならない。と書かれています。
また農薬使用者は、その基準に違反して、農薬を使用してはならない。
とも書かれています。

では省令とは何か?
それは農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令
(平成十五年三月七日農林水産省・環境省令第五号)です。
(表示事項の遵守)
第二条
 農薬使用者は、食用及び飼料の用に供される農作物等(以下「食用農作物等」という。)に農薬を使用するときは、次に掲げる基準を遵守しなければならない。
一 適用農作物等の範囲に含まれない食用農作物等に当該農薬を使用しないこと。
二 付録の算式によって算出される量を超えて当該農薬を使用しないこと。
三 ◆農薬取締法◆施行規則(昭和二十六年農林省令第二十一号。以下「規則」という。)第七条第二項第二号に規定する希釈倍数の最低限度を下回る希釈倍数で当該農薬を使用しないこと。
四 規則第七条第二項第三号に規定する使用時期以外の時期に当該農薬を使用しないこと。
五 規則第七条第二項第四号に規定する生育期間において、次のイ又はロに掲げる回数を超えて農薬を使用しないこと。
  イ 種苗法施行規則(平成十年農林水産省令第八十三号)第二十三条第三項第一号に規定する使用した農薬中に含有する有効成分の種類ごとの使用回数の表示のある種苗を食用農作物等の生産に用いる場合には、規則第七条第二項第五号に規定する含有する有効成分の種類ごとの総使用回数から当該表示された使用回数を控除した回数
  ロ イの場合以外の場合には、規則第七条第二項第五号に規定する含有する有効成分の種類ごとの総使用回数
2 農薬使用者は、◆農薬取締法◆第七条第十二号に規定する最終有効年月を過ぎた農薬を使用しないよう努めなければならない。

ここで法律ではバラなどの非食用農作物については、罰則規定がないということがわかります。
そして最低希釈倍率の遵守しか書かれていない つまり薄い濃度の散布は罰されません。でも薬剤耐性の問題からお勧めしません。

そして施行規則には
2  法第七条第五号 の登録に係る使用方法の表示は、適用農作物等の種類ごとに、次に掲げる事項を記載してしなければならない。
一  単位面積当たりの使用量の最高限度及び最低限度
二  希釈倍数(農薬の希釈をした場合におけるその希釈の倍数をいう。)の最高限度及び最低限度
三  使用時期
四  農作物等の生産に用いた種苗のは種又は植付け(は種又は植付けのための準備作業を含み、果樹、茶その他の多年生の植物から収穫されるものにあつては、その収穫の直前の収穫とする。)から当該農作物等の収穫に至るまでの間(次号において「生育期間」という。)において農薬を使用することができる総回数
五  含有する有効成分の種類ごとの総使用回数(生育期間において当該有効成分を含有する農薬を使用することができる総回数をいい、法第二条第三項 に規定する登録票に当該総回数が使用時期又は使用の態様の区分ごとに記載されているときは、当該区分ごとの当該総回数とする。)
六  散布、混和その他の使用の態様
七  前各号に掲げるもののほか、農薬の使用方法に関し必要な事項
と書かれています。

つまり法律的には、石灰硫黄合剤をバラに使っても罰されることはありませんが、出来るだけ適用のある薬剤をお使い下さいというのが公式見解かなと
そういう意識で今回のサカタの記事も掲載されたのかなと思います。

ということで石灰硫黄合剤の使用は自己責任での使用をご判断下さい。

石灰硫黄合剤については、バラへの適用をお願いしたいと希望しています。日本バラ会や育種会社が積極的に適用への依頼をしていただきたいと思っています。

R・ひろき 【関東】 2010/12/30(木) 18:54:27
 こんにちは。

 入り組んだ話になるのでレスをするのは躊躇われるのですが、農林水産省の出した当時の資料を見ますと、「ということで石灰硫黄合剤の使用は自己責任での使用をご判断下さい。」という感じではないですね。


 たとえば、農薬取締法第十二条第一項に係る省令(案)の概要に関する意見・情報の募集結果について(平成十五年3月回答)「農薬取締法第12条第1項に係る省令(案)の概要に関する意見・情報の募集結果について」のなかには、

「食用農作物等だけでなく食用農作物以外の作物についても農林水産大臣の登録を受けた農薬をそのラベルに表示された使用方法を守って使用することが原則であり、指導の徹底を行います。」

 指導の徹底とまで書いてありますので、自己責任でOK,なるべく守ってねとか、「出来るだけ適用のある薬剤をお使い下さい」という感じではないということです。

 また、同コメントのなかには、面白い意見がありました。
「5.非食用作物に対して大量に農薬が使われており、散布の飛散による健康への影響や雨による流入、子どもへの悪影響が心配。」
 非食用作物だからといってたくさん農薬が使われているのですけど、という意見に対して、返答のほうは、
「 非食用作物についても、農林水産大臣の登録を受けた農薬の使用が義務づけられており、その使用方法を守って使用することが原則で、そのことについて指導していく考えです。」
 ここにも指導とあります。自己責任なら好きに使っていいよという話ではありません。非食用であっても農薬を使うかぎりは環境への影響や負荷がありますから、好き勝手に自己責任で使ってよいということではないのです。

 食用でない作物の適用外使用などについても、やらないように指導していくという話です。
 実際に農協などで相談しても、非食用作物だからといって適用外を自己責任で、と言われたことは一度もありません。適用等々は守りなさい、という言い方をずっとしてきています。


 法律は条文等々だけでなく、当時のパブリックコメントなどを読んでいかないと細かい部分はイメージできないことがあります。細かい解釈は慎重にやったほうが良いと思い、あえて追加のコメントをしました。


※個人的な意見を言えば、活動期に使っている普通の農薬を濃くして使うより、石灰硫黄合剤なりの冬用の農薬をきちんと使う方が効果もあり、環境にも良いだろうと思えますので、石灰硫黄合剤に限れば適用拡大されれば嬉しいというのは同意見です。ただ、少量瓶がなくなるという話も有りますから、家庭園芸では使いづらくなるかもしれませんね。

※この件について回答者同士で討論になりますと、別スレのように質問者さんが置き去りになりますので、お互い自重してはと思います。よろしくお願いします。

gardenfan 2010/12/30(木) 21:40:45
ひろき様

>※この件について回答者同士で討論になりますと、別スレのように質問者さんが置き去りになりますので、お互い自重してはと思います。よろしくお願いします。

冷静なご対応 ありがとうございます。
これで最後にしますが、法律の解釈は個人が勝手に出来るものではありません。法律、省令、施行規則そしてQ&Aなどでその解釈が説明されます。だだしパブリックコメントの意見はその方の意見であって最終決定ではありません。
つまり私は今でも石灰硫黄合剤を10倍程度の高濃度でバラに刷毛で塗布していますし、周りになんの迷惑もかけていません。
ですから今回のサカタの記事もそんなに問題にはしていません。

農水省のQ&Aに以下の記載があることを掲載させていただいて終わりにしたいと思います。これをどう判断するかにより違いがでるかなと思いますが如何でしょうか?

Q:罰則適用について、法第12 条で農薬を使用する者が遵守すべき基準で、花卉や植木などの非食用作物に使用する場合は罰則がないと読めるが、そのとおりか。

A:貴見のとおりです。
ただし、当然のことながら罰則がないから自由に使って良いというものではなく、基本的にラベルに記載された記載事項を遵守して使用するよう指導することは従来と何ら変わりはありません。

R・ひろき 【関東】 2010/12/30(木) 21:57:01
 こんにちは。

 パブリックコメントは意見のほうではなく、「回答のほう」を読んでください。意見のほうは公募されたそのままだと思います。

 Q&Aとパブリックコメントの回答の共通点は「罰則が無いからといって好きに使っていいわけではない」ということと「指導する」という言葉ですね。

 つきつめると、「指導」されても罰則が無いから自己責任で良いと考えるか、「指導」されたらその通りにするか、ということに尽きますね。


 2010/12/26(日) 15:13:41に貼っていただいたサカタの回答、これがすべてを物語っていたように思います。
「冊子発行後に関係者により、農薬取締法に抵触していることが判明いたしました。(後略)」

公子 【中国】 2011/01/01(土) 00:06:42
[[解決]]
gardenfan様 そして R・ひろき様

コメントありがとうございました。
ひろき様は、赤信号を無理に渡って子供が見ていて真似をしたらどう責任を取るのですか?
そしてgardenfan様は、交差点に誰もいないのに赤信号で立ち止まっているのは?
と言われているのかなと。変な例えですみません。

お二人の考え方の違いは別として、法律の解釈は難しいですね。
でもお二人の共通のお考えのバラへの適用を期待されるということで、私はバラへの適用があってから使用したいと思います。
色々とありがとうございました。

gardenfan 【近畿】 2011/01/01(土) 23:44:14
公子様

レスの時間を見て、相当プレッシャーをおかけしたみたいで申し訳ありません。

>ひろき様は、赤信号を無理に渡って子供が見ていて真似をしたらどう責任を取るのですか?
そしてgardenfan様は、交差点に誰もいないのに赤信号で立ち止まっているのは?
と言われているのかなと。変な例えですみません。

それは多分そういうことです。法律の解釈を安全サイドで考えるか危険サイドで考えるかの違いだと思います。本質を理解されているようで安心しています。

>でもお二人の共通のお考えのバラへの適用を期待されるということで、私はバラへの適用があってから使用したいと思います。

その判断も正解です。サカタからのメールも種苗会社として取締法を遵守するという建前は守らねばなりません。

基本的にはひろき様の書かれていることを信用するのがベターだと思っています。

でも法律は難しいです。今NHKの番組を見ています。ハーバードのマイケル・サンデルの正義という番組の再放送です。最初は哲学の話かなと思いましたが、リスクとベネフィット便益などの話は、レギュラトリーサイエンス法規制科学の話なのでこのレスを見ておられたらテレビも見て下さい。


[園芸相談センター]の過去ログです

初心者用掲示板@園芸相談センター園芸相談センター