桜の実生

[園芸相談センター]の過去ログです

着た切り雀 【関東】 2010/04/16(金) 16:30:10
山桜か大島桜を実生で育ててみようと思っています。調べてみると、種まきは2〜3月とのことですが、種まきは今の時期では遅いでしょうか。また、昨年採れた種を来年まくのは発芽率はかなり下がるものでしょうか。

ingilart 2010/04/16(金) 20:46:24
着た切り雀さん 在住地が関東なのですね・・・・。少々厄介な地方です。意味するのは冬の空っ風と、雨量の少ない事を配慮する為です。
それでは本題。
所持されています種子の保存状態が記されていませんが、多分乾燥している状態かと思います。乾燥と高温(夏場の気温の意)で発芽不能になっていると思います。若し冷蔵庫での保存で有っても、今も芽(根)が出ていない状態であれば芽が出るのを期待しない方が良いでしょう。
それよりも、5月末から6月初めには新しい果実(サクランボ)が熟しますので、それを採果なさるのが良いでしょう。
ご質問では、種蒔き時期が遅いかとの件では、遅いと表現するよりは、前記致しましたように、その種は発芽不能の状態でしょうと推測します。
今一つのお尋ねの、昨年の種を来年蒔いては如何かとの件ですが、種子採種後に約30日程の陰干しを行い、乾燥した状態を保ち、冷蔵庫にて3℃前後の温度で保存してあれば播種可能です。播種前に低温湿層処理を行うか、播種を11月頃に行い、戸外で寒さに当てれば良いでしょう。翌年3月頃に発芽を始めます。
私は毎年播種していますので、この様な方法での播種経験はありませんが、文献では80%程の発芽が見込めるとあります。
若しお持ちの種が何かを意味する記念すべき種であれば、今から低温湿層処理(種を湿らせた砂と半々に混ぜて、圧手のビニール袋か瓶に入れて、冷蔵庫にて3℃に3ヶ月保存する)を行って播種を行えば良いのですが、播種時期が真夏になります。芽が出ても充分な成長が望めない内に冬の到来になり、決して良い方法とは言えません。
特に意味の無い種であるので有れば、今年に新たに採種されまして、直ぐに播種されるのが一番簡便かと思います。種子は乾燥させますと休眠状態に入る事がありますので、乾燥には充分に注意下さい。
詳しく条件等を書きますと未だ未だ続きますが、詳しく知りたい項目がありましたら再質問なさると良いでしょう。

着た切り雀 【関東】 2010/04/17(土) 00:18:09
ingilartさん、回答ありがとうございます。
種はまだもっていないのです。山桜や大島桜の種を探していたところ、あるお店で山桜の種(昨年採取)が売られているのを見つけて、5月まで播種可と説明されているので、古い種でも発芽させる方法があるのかと思って質問させていただきました。
質問を書いた後、図書館で桜の播種について調べたところ、一般的な2〜3月の他、取りまきと、夏の間冷蔵庫で保存したものを秋にまく(要加温)やり方を見つけましたが、前年採取の種を翌年4月とか5月というのはなかったので、そのお店の人は勘違いされているのだとわかりました。おっしゃるとおり、その種は発芽しないと思います。
アドバイスいただいたように、6月あたりに種を採取して、取りまきにすることにしました。発芽率がだいぶ低いようですが、一度冷蔵庫に入れる以外に発芽率を上げる方法はあるでしょうか?

ingilart 2010/04/17(土) 09:45:46
着た切り雀さんへ。
勉強されたようですね。でも、netは玉石混合で有りますから、余りにも信用するのは考えものです。特に冷蔵庫の利用が失敗を生む第一の理由に挙げられると思います。
冷蔵庫を利用する方法は、東京都が桜接ぎ木用台木を早期に得る為の試験の一環として行ったものです。6月初めに採種して、直ぐに冷蔵庫にて低温湿層処理に入り、9月に播種して芽が出たものを温室内で育成越冬する一環で行っています。(休眠性のある他の種子でも低温湿層処理を行いますが)
此の内容の内で、冷蔵庫で保存するだけが一人歩きをして、保存詳細や冷蔵期間なりが無視されております。netの怖いところです。
発芽率が悪いと思われるかもかも知れませんが、最初の採種の時に浮遊選別にて浮く種子は捨てること。
夏の間に過乾燥に遭わせなければ発芽率は80%は有ります。然し、その後の立ち枯れ病やネキリムシ等の被害によりますが、少なくとも50%は確保出来る筈です。
netでは6%とかの極めて少ない数字が拝見出来ますが、余程下手な種子保管をしたのでしょう。発芽率は種子保管にかかっています。
此処での技術を知っても、貴方の技能が有る程度伴わないと戸惑いが出るかと思いますが、最初は授業料(時間と実地勉強)は多少払う必要があるでしょう。
検討を祈ります。
実は関東地方や内陸部と日本海側の積雪部とは播種時期等に付きまして違いが有ります。netでの意見の大部分は関東地方や内陸部の方々の方案ですので、他の地方の方は注意が必要です。貴方の地方が分れば、今少し詳細に説明が出来ます。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2010/04/17(土) 12:58:03
高校時代に、学校行事にいらっしゃるお客様への記念品として、地元自生の桜(エゾヤマザクラ)の実生苗作りのお手伝いをしたことがあります
その一番最初の作業が、地元の神社の桜の種を拾ってくる事でした(もちろん神社の許可は受けていました)。その年実って落ちた実の、果肉がすっかり分解されて種子だけに成ったものを拾ってきて、水に入れて沈んだものだけをよく洗って発芽抑制物質を洗い流し土に蒔いて一冬そのまま過ごさせると春に発芽していました。
それを考えると桜の種子はその年に実ったものなら一度乾燥してしまっても、よく洗ってからすぐ蒔いてしまい冬の寒さに当てれば翌春発芽するのではないかと思います

元々その地に無い桜の実生苗というのは地域によっては難しくて、途中で枯れる株も出てくると思いますので蒔く種子数は植える予定の本数の2倍以上はみておいた方が良いと思います。ですので実生苗の育成で毎年植え替えるポットの大きさが増すので、置く場所の為にある程度広い場所が必要ですね
それでも植物は、種子を蒔いて育てればその土地に適応しやすくなると言いますので(植物によっては、実生を何代か繰り返す必要もあるのですが・・・)数本は育ってくれるかもしれず試してみる価値はあるかも

でも、実生苗木からの株は接ぎ木苗木から比べると開花がどうしても数年は遅れてしまいます。何年後には開花するだろうとは思わず、まず木が丈夫に育つことを一番に考えて下さいね

あと、ヤマザクラなど改良されていない桜の場合はできるだけお住まいの標高の環境と似た所で採れた種子を蒔くのがコツと思います。極端に言うと、北海道自生由来の種を関東で蒔くと環境が違い過ぎて生き残ることが難しいかもしれません

私が在学中に赤十字関係の行事で某宮妃殿下が学校にお見えになられて、エゾヤマザクラを珍しがって是非皇室の皆さまへのお土産にしたいと他の来賓者分の苗木も譲っていただき、まとまった数の苗木をお持ち帰りに成られました。開花をとても楽しみにして下さってある年の歌会始にはそのサクラの木の事を詠んでくださったくらいなのですが、元々北海道の地に生えて育った極寒の土地の桜が関東の環境では生き残れたものかどうか・・・。それから30年近く経った今、果たして宮様のお庭であの桜は生き残って春に花を咲かせているのだろうかと時折思いだすことがありますよ

着た切り雀 2010/04/17(土) 16:10:44
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> 此処での技術を知っても、貴方の技能が有る程度伴わないと戸惑いが出るかと思いますが、最初は授業料(時間と実地勉強)は多少払う必要があるでしょう。

なるほど、自分でやってみるのが一番良いですね。わかりました。ありがとうございます。

ingilart 2010/04/17(土) 21:12:15
解決後ですが。
ばんざいうさぎさんへ。
良い事を書いて頂きました。杓子定規に考えるよりは、想像するよりは桜種子はタフなようですね。一昨年の11月に余分にあったソメイヨシノの種子を、軒下の夏は乾いてパンパンになる所に捨て置きました。昨春20本ほど芽が出ていましたので、全部を移植した心算でしたが、芽が出ずに雨に打たれてか見えなくなっていたと思われます残りの種が、先日来の春の訪れを感じたのか8本芽を伸ばして来ました。此れを見まして、劣悪な場所でも自然に芽生える程に自然環境に適合している筈ですから、変に人間が手を加えるのも考えものだなと思い居ります。
でも、確率からして種子がどれだけ残っていて、どれだけ芽生えたのか知れませんの、矢張りあるルール??を与えてやる必要が有るかと思いおります。
別の場所では、樹下に落ち葉と小枝を捨てた所に、浮遊選別で浮いて捨てた種より10本ほど芽生えて居ります。前もって浮いた種子でも有る程度の確率で芽生える事が有ると聞いてはいましたが、矢張りどれだけかは発芽するようです。
生物相手ですので、キメキメな約束事・勝手なルールは通用しないですね。
一つの疑問が有ります。播種する節には果肉部分を綺麗に除去しないと、発芽抑制物質により発芽が悪くなるとの説です。果肉部分は虫や土中の微生物により食べ尽くされる筈ですので???が残ります。学説?ですので間違いは無いとは思いますが、今年は此のジンクス??に挑戦したいと思っています。桜に限っての事ですが。

タネツギ(解決後) [URL:http://homepage2.nifty.com/tane-tak/] 2010/04/20(火) 12:56:49
>播種する節には果肉部分を綺麗に除去しないと、発芽抑制物質により
>発芽が悪くなるとの説
 実験室内で無菌無動物かそれに近い状態で播種した場合のことでしょう。
>果肉部分は虫や土中の微生物により食べ尽くされる筈ですので???が残ります
 特定の鳥の腹を通過することで除かれるものもあります。
 人工的にする場合、いつまでに発芽抑制物質が除去されているべきなのかの疑問は残ります。保冷保湿の前までなら十分、かつ、実用的とは思いますが。


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