「ぼかし肥料」の定義について

[園芸相談センター]の過去ログです

犬塚信乃 2007/07/21(土) 22:54:38
「ぼかし肥料」についての皆様の見解をお伺いします。

「ぼかし」の意味合いは、土や腐葉土を加えて肥効を緩める、穏やかにする
という意味だと思っていましたが
どうもそれが一般的な使われ方ではないような気がします。

本来の「ぼかし肥料」の定義をご存知の方のご意見を伺いたいものです。

ハッピ−マン 2007/07/22(日) 02:15:56
犬塚さん、こんにちは〜♪ お久しぶりです。

 ぼかし肥料の「ぼかし」という意味合いの第一は犬塚さんのお話のように肥料の速攻性を考えたときに、じっくり時間をかけて作用するという意味合いだと思います。そして第二は、じっくり時間をかけて作用する肥料とは、自然界にある有機物の分解系で生産される有機質成分を肥料成分としたものが多く「成分が定かでない」という意味での「ぼかし」という意味合いでしょう。第三は、こうした肥料を生産する面での技術的な手法が「ぼかし」という名称で呼ばれるようになったということだと思います。肥料として国が定義している肥料に「ぼかし肥料」という名称のものはありませんから、巷間の呼称ではないかとおもいます。

 具体的には、天然に存在する有機物の分解発酵菌種で、有機物を分解させた肥料ということで、概念的には「堆肥」と同じだと理解していますが、特定の菌種(酵素)や特定の有機物(家庭の生ゴミなど)を恣意的に利用することができるようになって、そういう手法で造った肥料を特別に「ぼかし肥料」というようになったのではないでしょうか? 分解菌のもつ分解酵素の研究が進歩したおかげかもしれません。
 ということで、定義としては、上のような、肥料の作成手法を意味しているものと思います。

郵便物はドブに捨てろ 2007/07/24(火) 03:29:06
じっくり時間をかけて作用する?
農文協の本じゃ「植えつけたその日のうちに
ゴムのような弾力性のある根が伸びる」とか書いてありますよw

ハッピ−マン 2007/07/24(火) 05:08:12
郵便物はドブに捨てろさん、こんにちは〜
>「植えつけたその日のうちにゴムのような弾力性のある根が伸びる」

この表現は実に怪しいですね。堆肥というものは、原料によって肥料成分もことなりますし(有害な成分が生まれることもあります)、施肥の仕方で大きくかわるというか、使い方のほうも大切ですよね。

たちつ 【近畿】 2007/07/24(火) 23:06:15

「ぼかし堆肥の定義」について、私の考え。
米糠と土を、混ぜて、白カビ(酵母菌)を、培養し密度を高めた、第一次発酵の段階を言うものと思っています。完熟状態ではなく、発酵過程で、田んぼや果樹園の表土に撒いて、追熟させるもの。
薄く広く撒いて、ぼかす(薄める⇒ぼやける・ぼかす・にじむ。美術に置き換えれば理解しやすい。)

いうなれば、土壌有機質を更に活性化させるもの。結果的に、今流なら、EM菌の原液・種菌を栽培土壌に、撒いて、地力を活性させるもの。
植物の為の肥料ではなく、土の為の栄養剤。結果的に、植物の成長を促進させる。

元々は、地方の方言と思う。多分、水田農家の青年会か果樹園の青年会が、言い出した言葉が、近隣に広まり、折からの時代に、合って、(ベトナム戦争枯れは事件・公害問題・化学肥料だけでは、上手くいかない差別化できないなど有機栽培の見直し・健康志向などの)農業雑誌に紹介され、知る人は知っていた。・・・この段階では、ローカルな単語。
それ以前は、親子伝承・地域伝承の意味合い。・・・農業産物の廃棄物の再利用、処分としていた程度。・・・学問的には解らないが、体験的に有効なものと言う程度。・・・発酵していないもの(籾殻・米糠・藁・枯れ草を直接撒く程度・将来の肥料) 発酵させてからのもの(家畜堆肥)
併用のもの(人糞)等原始肥料。その後誰か研究熱心な変人が、先に発酵させてから撒こうと考えた。ここから、ローカル単語に繋がる。
その後、オイルショックによる資源有限説と微生物の研究が始まり、
その後、住宅ブーム園芸ブームが広がり、インターネット時代になり、
定義無き単語として、独走し定着した。(定義や歴史は、紹介されていない。意味は、狭義・広義・派生と色々な内容と作り方は紹介されている。)
現在は、発酵繁殖状態なものから、発酵済み完熟状態のものまで、或いは、菌も、米ヌカ酵母菌を使うものから、複数の有益菌を使うもの。材料も、米糠単独から、生塵迄使うもの、化学肥料やアミノ酸を混ぜるものまで、発想が多方面からの参入者が入り込み、肥料の作り方に変わってきた。
従って、ムリに定義するのなら、EM菌の一部又は、複数のEM菌を使って、発酵させ有機物を分解させた肥料と言うことになる。昔の積層堆肥と同じ意味として、理解されている。結果的に、施肥したその日から、長期間に渡って(概ね3-6ケ月間)肥料効果が持続する。・・・植物の栄養源。
元々は、土の栄養源、から始まって、肥料に入れ替わってしまった。・・・ここが紛らわしくなった。

言葉も、「ぼかしを撒けば、肥料となる」⇒短縮して、「ぼかし肥料」と表記されますが、ぼかし(発酵の方言言葉。話をはぐらかせる・不鮮明にいうの ぼかす 。脳みそにカビが生えているとも表現されることもある。) ぼかしと肥料は、別なもの ボカシはカビが生える。その結果として、肥料が作られる が 正しいと理解しています。

ぼかし堆肥 とか EMぼかし は、おかしい。 燻製の魚肉や獣肉の干物 とか 危険が危ない と言うことと同じ。

定義付けすると、異論も多い。人それぞれによって、内容や意味が異なる為。概念で理解しないと仕方が無い。 或いは、宣言しないと仕方が無い。 私は、「ぼかし」の使い方で、園芸暦を推測しています。

私も、最初は、何のことか判らなかった。ネットで調べて、初めて知り、私なりに、解釈した結果、米糠を土と混ぜて、酵母菌を繁殖させたものを撒く ⇒土壌が肥沃になる。(植物の栄養素となり、悪玉菌を減らし、有益微生物を繁殖させる)
米糠を直接撒けば、発酵が上手くできずに、腐ったり、害虫が湧く。など色々と弊害もあるし、雨風・太陽で、より有効な品質が得られない。
そこで、人為的に、発酵増殖までの第一次発酵・事前処理をしましょうと言うことでしょうね。

肥料の定義も、おかしい。 肥料とは、窒素・燐酸・カリの3大栄養素を
主に含むものを肥料という。・・・狭義の肥料
その他の、必須栄養素・微量栄養素は、肥料とはいわない。あくまでも栄養素。・・・・広義の肥料
更に追加されて、有用栄養素と言うものもある。これも栄養素。・・・世論しだいで、将来に置いては、広義の肥料になるかもしれない。

植物活力剤(液)・植物栄養剤(液)は、有用栄養調合剤(液)のこと。でメーカーにとっては、肥料等の関係法に、引っかからないので、安上がり。統一標準試験が不要。勝手にやればそれで済む。成分表示も好き勝手に表示すればよい。法の対象外。
いずれも、すべて商品は、一般人にとっては、肥料となる。

このように、私は、理解しています。

魂や心の定義とおなじようなもの。
電気とは、何ぞと言っても、学問上は、エネルギーの一部としか、定義できない。定義付けしたところで、一般人に通じない。(・・?
エネルギーというより、触ったらビリビリくるから危ないものと言ったほうが納得する。ときとして、発電送電システムや電気製品と理解している。本質と手段と目的を同一視している。世の中それで十分に通用します。それでいいのだ。 Y(^^♪


たちつ 【近畿】 2007/07/24(火) 23:26:26

話を飛躍して、置き換えて、考えれば、リポビタンDは、本来栄養剤で、薬系。薬事課の管轄。薬局でしか売れなかった。 同じものに、後発メーカーのオロナミンCが有るが、これは、薬局以外に、何処でも売りたいと言うことで、
薬ではなく、飲み物とした。そこで、駅の売店で売り出した。
後発メーカーの発想。高級感から大衆へ。お気軽ドリンク。
今は、リポビタンDも、ドリンク飲料として、格下げした。でも、時は遅かった。
このようなもの。栄養剤は、薬か食品か。サプリも同じ。
ポカリスエットは、薬系か食品系か これも人により意見が分かれる。


のら 【北陸】 [URL:http://hey.asablo.jp/blog/] 2007/07/25(水) 01:16:45
一般的にボカシ肥は家畜やコウモリの糞、骨粉、魚粉、油かす、米糠などの有機質と山土(粘土やゼオライトなど保肥力のある資材)に水を加え好気発酵させてできた肥料と思ってました。発酵でできた無機質を山土に吸着させてあるので肥料バランスもよいと思い簡単にできるので自分も作っています。
最近流行のEMボカシは嫌気発酵なので別物と考えています。

ハッピ−マン 2007/07/26(木) 00:33:30
たちつさん、のらさん、こんにちは〜

たちつ論も健在でなによりですね。なるほどな〜とね。
昔、人が成長するのに必要な栄養源は、たんぱく質、炭水化物、脂質、必須アミノ酸、だと言われていました。今は数知れないサプリメントが巷に溢れています。植物と言うか園芸の世界もその流れの渦中にあるといえますね。
 分解酵素と書きましたが、微生物が有機物を自分たちの食料とするときに分泌する酵素さえあれば、微生物そのものを使わなくても発酵に似た状態が実現できます。そうすることで菌の生育環境の維持という条件がかなり緩和できます。寒い冬場でも肥料が造りやすいということです。また嫌気好気の区別もこだわりが無くなってきます。
でも酵素を得るには微生物を別のところで育てる必要があります。このあたりの技術の進歩が大きい。化学的に合成しようという取組みも進んでいます。
 のらさんのお話は、ぼかし肥料の作り方の説明で間違いないのだろうと思います。「ぼかし」というファジ−な表現が何を意味しているのか、たちつさんの説明は面白いですね。

gardenfan 【近畿】 2007/07/27(金) 20:54:53
のらさん

EM菌は嫌気性だけではありませんよ。
http://lib.ruralnet.or.jp/genno/yougo/index.php?%B9%A5%B5%A4%C0%AD%B6%DD%A1%A6%B7%F9%B5%A4%C0%AD%B6%DD

米糠だけだと好気性リッチになって発酵が長続きしませんので、EM菌のように混じっている菌構成で糖蜜なども追加して嫌気性の餌リッチ状態にするEM菌活性化は妥当なことです。

のら 【北陸】 [URL:http://hey.asablo.jp/blog/] 2007/07/28(土) 00:58:57
EM菌を発酵促進材としての利用でしょうか。それなら私も昔使ったことがありますがコストが高いように感じました。山土を使うようになってから必要性がなくなったので今は使っておりません。
先の発言は専用バケツなどでEMボカシを作る方法がありますのでそれについて述べたものです。

ハッピ−マン 2007/07/28(土) 11:51:16
 人工培養した、いわゆるEM菌と山土では、費用はかなり違うでしょうね。うちは、落葉がたくさんあるので破砕機で粉砕して、そこいらの畑の土で埋めて腐葉土にしています。
 専用の容器で、培養した菌種を使用するというのは、土の少ない生活環境で、生ゴミ処理に重点があるからでしょうね。最終的には、植物が吸収できるイオン性の物質まで分解すればよいということになりますが、臭いやガスや酸性物質の生成を考えると好気性の微生物のほうが安全なのかも知れません。
犬塚さんの「ぼかし」の語源から離れたお話しになってきましたが、おうちで分解菌まで購入して肥料を作っておられる方は多いのでしょうか。犬塚さんは、「ぼかし肥料」に挑戦中なのかなぁ〜

微生物は共存というより競争しながら生きているように思います。エサ(有機物)のあるところでは、そこの環境に一番適した微生物が一気に増殖してエサを食べつくす。そしてエサの減少とともに死滅の方向にむかう。微生物も死ねば有機物になりそれをエサとする微生物が次の天下をとる。こんな感じなのだと思います。

 「ぼかし」というのは、得たいが知れなくて説明しにくいということかも知れないし、ぼんやりしたというイメ−ジの中に、反化学合成無機肥料・農業という意味合いが込められているのかもしれませんね。単に肥料成分として比較するなら大して差はないのです。3R、5Rの時代ですから園芸の技術としては良い傾向だとは思います〜♪

犬塚信乃 2007/08/01(水) 21:28:51
[[解決]]
永らく放置してしまって申し訳ありません。

ハッピーマンさん、お久し振りです。
いつもいつも、犬塚のイレギュラー質問に反応してくれて
感謝しております。
今度、兵庫県エリアでのオフ会でも企画できたら楽しいですね。

たちつさん、おひさしぶりです。
ご活躍の程はちゃんと確認していましたよ。
エネルギッシュなコメントは本当に「若さ」を感じます。

失礼ながら、その他の皆さん、ありがとうございました。
解決とさせていただきます。


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