イングリッシュローズの輸入大苗について

[園芸相談センター]の過去ログです

のん 【東海】 2006/11/16(木) 22:23:39
9月頃、某種苗会社の通販で『クイーンオブスウェーデン』というイングリッシュローズを注文しました。
そろそろ苗が届く予定だったのですが、先日購入先より『国産大苗を予定していたが、都合により輸入大苗に変更になった』との通知が来ました。
そして、説明書を読み進めていくと、輸入大苗の取り扱いが結構手がかかる上に、再来年の春にようやく成長するような説明がされていました。
(接ぎ木部分を土中に埋めてしまう、活着するまでビニールで被う、
検疫の関係で根がかなり少なくなっている・・・等々)
それなら、今回の分はキャンセルし
来年春の新苗の時期にあらためて購入した方が良いのかな?と考えています。
ただ、説明書に書いてあるほど手がかかり難しいものでないのなら
すごく欲しかった品種なので、そのまま購入しようかとも思うのですが
まだまだ初心者の私としては手がかかった上に枯らしてしまうのも不安なので迷っています。
輸入大苗と国産大苗では扱い方には本当にそんなに違いがあるものなのでしょうか?
アドバイスよろしくお願い致します。

R・ひろき 【関東】 2006/11/17(金) 00:16:10
 こんにちは。
 今年は輸入苗が多いようですね。
 私のも輸入苗になりました。

 ところで、輸入苗ですが、国産苗とはいくつか違うところもあります。
・根がゴボウのようで、長いのが1〜2本だけだったりする。
・根の皮が剥けていることがある。
・やや高めのpH、といっても、6.0くらいを好むことがある。
・台木の寿命が長いものもあり、短いものもあり。(短いといっても不良品ではありませんが。)

 私は、以前にイギリス産、カリフォルニア産、ニュージーランド産、オランダ産の大苗を植えました。
 そのときのことをちょっとご参考までに書いてみます。
・根がゴボウで長いときは、深い植木鉢に植えます。
 菊鉢や、浅めのポットではなく、深鉢というのにします。出来れば深く穴を掘って地面に植えます。
・カリフォルニア産以外は、pHは普通のものより高め、6.0〜6.5くらいにします。
・根が剥けていることがあるので、清潔な土で植えます。
・説明書通りの植え方をします。長く水に浸けなさいと書いてある場合は、その通りにしています。根の先端を清潔なハサミで少し切り戻してから、半日以上水に浸けて植えてくださいと書いてあったものもありました。
 赤玉土を踏み砕き、どろどろに練ってから、苗を浸けるように植えてくださいという説明書もあり、その通りにしました。
 風よけが必要なものもありました。

 結果ですが、輸入苗で芽が出ず枯れたものは、何十本か植えたなかで、たった1本です。
 逆に、国産苗の場合は、ちゃんと植えても、3割程度が枯死しています。
 輸入苗が芽吹きにくいということはありません。説明書通りにやれば、出来る可能性は、国産より高いことがあります。
 よほど酷い業者でないかぎり、大丈夫だと思います。
 ただ、芽が動くのが遅いことはあります。

>そして、説明書を読み進めていくと、輸入大苗の取り扱いが結構手がかかる上に、再来年の春にようやく成長するような説明がされていました。

 とくにゴボウ根のものは、初期生育は遅めです。
 来年春に咲かないということはないと思います。我が家のものもみな咲きました。ただ、国産苗や、カリフォルニア苗のように、初年度からガンガン咲くかというと、そういうことはありませんでした。
 ゴボウのような根がしっかりついてから、本調子になってきます。そうなりますと、国産品と見劣りすることはありません。
 ただ、地面に植えた場合、長い根が深く入り込みますから、移植は難しくなってきます。でもどちらかといいますと、地植のほうが向いているのかなという気がします。

>接ぎ木部分を土中に埋めてしまう、活着するまでビニールで被う、
>検疫の関係で根がかなり少なくなっている・・・等々

 接ぎ口を土中に埋めるのは、イギリス等の栽培本ではごく普通に載っている方法です。
 品種の根も同時に出していく方法でもあります。
 説明書にそう書いてある場合、その苗(台木)にとって、それが最も良い方法であるのかもしれません。説明書通り、埋め込むことをお勧めします。私、国産苗では、埋め込みはお勧めしないですが、輸入苗で、説明書きがある場合は別です。

 活着するまではビニールでというのも、やっておかれたほうがいいです。根の動きが遅いと、枝のほうが乾燥してしまいます。植木鉢に支柱を4本立て、大きな肥料袋やゴミ袋の底を抜いてくくりつけて、四方からの風を防いで植えたことがあります。あまり日向ですと温まりすぎるので、少し日陰気味なところに置きました。

 根のほうは、細い根はほとんど無いと思います。そもそもそういう根の形の台木であることもあり、検疫で細かい根が取れていることもあります。また出てきますので、それは大丈夫です。初めて手にしたときは、もうどうしようかと思うくらいショックは受けましたが、植えたら大丈夫でした。

 私は総合的に見て、輸入苗のほうを好んで買っています。それで、今年は久しぶりにイングリッシュローズを買うことにし、クイーンオブスウェーデンも届く予定です。のんさんが、偶然同じ品種を手配されていたので、つい長々と書いてしまいました。
 キャンセルするかどうかですが、地面に植えるご予定でしたら、輸入苗のほうがいいかなと思います。
 浅い鉢で楽しむ場合は、国産苗のほうがいいかなと思います。
 みなさま、いろいろな苗を植えておられますから、しばらく待って、たくさんのご意見を聞いてみてください。
 私のほうからは以上です。

シルヴィア 2006/11/17(金) 16:42:46
のんさん始めまして。我が家にも今日、同じような旨の手紙が届きました。まったく同じ文面でしたので、きっと同じ通販会社のものでしょうね。R・ひろきさんの説明ですと、出来れば地植えのほうが良いということですが、やはりそうするべきなのでしょうか。説明書には、一年目は植木鉢に植え込む方が良いとのことでしたが・・・。皆さん、どうでしょうか?
私もバラ初心者ですので、質問にお答えするよりも、逆に質問してしまいました。のんさん、ごめんなさい。

R・ひろき 【関東】 2006/11/17(金) 17:19:55
 こんにちは。
 う〜〜ん、そうですね。ちょっと追加させてください。

 地面に植えるときは、たしかに日照が確保できていないと、だめのようです。
 以前に植えたオランダ大苗のHT、日照の確保できる場所では元気でしたが、半日程度の場所では、なかなか成長しませんでした。
 初年度の生育が遅いのは、地面に植えても同じです。遅い上に日照が少ないと、弱ることがあります。
 それならまだ植木鉢で移動式にし、太陽にあてたほうがいいのかもしれません。お庭の条件次第だと思います。

 植木鉢は深めのものをお勧めします。菊鉢くらいの深さ(横から見るとほぼ正方形)では、失敗することもありました。枯れたわけではないのですが、1年目は調子が悪いです。

R・ひろき 【関東】 2006/11/17(金) 17:39:04
 こんにちは。
 すみません。たびたび。
 追加です。

>・根がゴボウのようで、長いのが1〜2本だけだったりする。

 自己レスですが、ゴボウ根ではない場合もあります。
 4〜5本放射状に太い根がある苗もありました。でも、国産品のようなしっかりした房のような根ではないのです。

 実際に手元に着いてみないと、どのような根のものがくるかわからないので、私はとりあえず、週末にでも深い鉢を苗の数、買うことにしました。地植のスペースはもう塞がっておりまして……鉢植するしかありません。

のん 【東海】 2006/11/18(土) 00:06:06
R・ひろきさん、こんにちは。
いつも丁寧なご回答ありがとうございます。
R・ひろきさんもクイーンオブスウェーデン買われたのですね!
なんだか嬉しいです。
今回はキャンセルする気持ちになりつつあったのですが、説明書どおりやれば大丈夫なのかな、という気になり、自信も湧いてきました。
相談してよかったです。
またまた質問で申し訳ないのですが、乾燥を防ぐ為
活着するまではビニールで被ったり、日陰気味の所に置いたり、を
考えるととりあえずは、鉢の方が良いのでしょうか?
(花壇は日当たりが良いのです)
近い将来、地植えに植え替えする予定であるならば鉢の深さについては
そこそこの深さがある鉢で大丈夫だと考えてもいいのでしょうか?
また、何をもって活着した、と判断すれば良いのでしょうか?
一般的には活着するまでにどのくらいの期間がかかるのですか?
活着次第、ビニールを外したり、徐々に日に当てたりしてもいいのですよね?
質問ばかりですみません。よろしくお願い致します。

シルヴィアさん、はじめまして。
あんな通知が来ると戸惑ってしまいますよね。
私はここで相談させていただいたおかげでこのまま受け取る決心がつきました。
たまたま輸入苗に変更されてしまいましたが
これもいい勉強になるかもしれませんね。
お互いがんばりましょうね。

R・ひろき 【関東】 2006/11/18(土) 10:14:07
 こんにちは。
 
>また、何をもって活着した、と判断すれば良いのでしょうか?
>一般的には活着するまでにどのくらいの期間がかかるのですか?

 芽が動いて葉が出たあと、枝が出てきて、その「枝」が伸び始めたら活着したと判断しています。
 葉が開いた程度では、根がろくに出ていないこともあり、その状態から枯れることもありました。
 11月に植えた場合、1月頃には白い根が出ていることが多いです。でもこのとき、枝葉はほとんど動いていないと思います。(関東地方)11月や12月に植えた場合、地上部だけでは、活着したかどうか、春にならないとよくわかりません。
 4月頃に植えた場合、約3週間くらいです。

>活着次第、ビニールを外したり、徐々に日に当てたりしてもいいのですよね?

 2〜4月に植えたときは、少しずつ日に当てるように移動させたりしています。
 11〜1月のときは、根がついても、枝葉は動きませんから、やや日陰のままで置いておくこともあります。
 鉢ごと根を温めた方がいいかなと思うくらい寒いときは、鉢が日に当たるような場所に置いたりしますが、あまり日や風があたらないようにします。
 休眠期は、枝葉に日光をあてるというより、鉢が冷えすぎないように、ひどく温まらない程度に、鉢ごと日光にあてるという感じです。

 で、花壇と鉢で迷うところですが、私でしたら、植える場所さえあれば、最初から花壇に植えると思います。
 花壇に植えて、周囲に4本支柱を立て、一番大きな肥料や土の袋の上下を切り、支柱の外側にはめ込みます。
 よく農家さんが日当たりの良い畑でやっている方法です。肥料や土の袋は、適度に模様が入っていて透明でないため、遮光にもなり、上を切ることにより、蒸れません。四方はビニールなので、強い風は当たりません。あまり乾くようでしたら、上に蓋をして置いて、蒸れるようでしたら取ればいいので、このような方法でやると思います。
 最初から花壇にならしておいた方が早く一人前になるかなと思います。
 7年くらい前、オランダから着た裸の大苗を、何も気にせず地面を掘って植え込みました。年末のことでした。南側で、日がよく当たる場所で、あまり覆いもせず、風よけもしませんでしたが、活着して、今は庭でもっとも丈夫な株のひとつになっています。ということもありますので、南側に植えて保護無しで絶対ダメかというと、実はそういことでもないのです。

 ただ、万一を考えて、根がつくことを最優先にしたいときは、鉢植にする選択肢もあります。
 長い鉢に植えて、やはり4本支柱を立てて同じような模様つきの袋を筒型にしてはめこみ、鉢を半日陰に置きます。この方法で、3月末にイギリスから着た大苗が活着しましたので、たぶん大丈夫だと思います。
 日陰に置いて、6月末にニュージーランドから着た裸の大苗が三週間で活着したこともありましたから、意外に強いものです。

 花壇の場合も、鉢の場合も、筒型にした袋は、2〜3月頃に取ります。3月末に着いた苗のときは、三週間から一ヶ月くらい、袋をつけておきました。

 長々と書いてしまいましたが、このへんのご判断は、実際にお庭の風の通り具合、気温の上がり方、日照などをみて、どちらかに決めてみてください。お悩みになるところだと思いますが、輸入苗は良いところもたくさんありますので、かわいがってみてください。

のん 【東海】 2006/11/18(土) 23:21:58
[[解決]]
R・ひろきさん、こんにちは。
たくさん質問してしまったにもかかわらず丁寧にお答えいただき
ありがとうございます。
活着の件、大変参考になりました。
販売元から来た輸入苗についての説明には『活着するまで・・・』と
書いてあったのですが、どうなると活着なのか、まさか根をチェックする
わけにもいかないだろうし・・・と悩んでいました。
とにかく様子を見つつ、日の当たり具合やビニールのかけ具合を
調整しながら頑張ってみようと思います。
欲しかった品種だけに、輸入苗に変更されてしまい
結構ユーウツになっていたのですが、いい勉強になりそうですし
俄然やる気が湧いてきました!
R・ひろきさんのおかげです。
本当にありがとうございました。


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