大賀蓮について

[園芸相談センター]の過去ログです

ぱぱ 【関東】 2006/04/06(木) 20:30:10
ツタンカーメンのエンドウの話をつい最近まで「ふーん」と信じていましたが、最近この話を耳にし、↓を読んでこれが嘘だと言う事を知りました。
http://bios.sakura.ne.jp/gf/note/tutpea.html
普通、種子の寿命は数年以内と聞いていますので、ちょっと考えれば当然だな、と自分の愚かさを恥じ入りました。
その後、思い出したんですが、S26年に約 2000 年前(弥生時代)の泥炭層から発見されたハスの種子3 粒のうち 1 粒を大賀博士が発芽させた蓮(オオガハスまたは古代蓮)のこと。
これも嘘なんでしょうか?検索してもそういう情報はありません。
本当だとすると、蓮の種子は2000年ももつものなのでしょうか?また、その場合、2000年もの間泥炭層の中で何故その蓮の3つの種子は発芽しなかったのでしょう?種子の保存に適した条件なのでしょうか?
ツタンカーメンのエンドウの場合もそうですが、日本人はこういったロマンを楽しむことのできる人種だと思いますので、ひょっとしたら大賀蓮も、と考えるのは誤りでしょうか?
ご意見をご教授頂きたく存じます。

ぷーよん 2006/04/06(木) 23:33:51
大賀蓮の話は事実です。
このことにより世界一寿命の長い種子として知られています。

たちつ 【近畿】 2006/04/07(金) 01:23:06
例えば、つぎのように置き換えて見ましょう。

高松塚古墳の壁画7〜8世紀の作品で、自然環境下では、約1300年保存されていました。でも発見は、昭和47年で約42年前。莫大な資金を投じ、日本の最も優秀な頭脳と最新の技術を持ってしても、朽ち気はたった42年しか持ちませんでした。
このように、自然界の脅威・すばらしい事の中には、何億何千万ぶんの一の確立で、あらゆる条件が整うことも有ります。
エジプトのミイラは干物・乾物ですが、日本の生き仏?(日本版ミイラの心算・専門用語が解らない)は、死蝋といって、体の脂肪が蝋燭状になって、腐敗せずに保存されているようです。
古代魚のシーラカンスも同じようなもの。笹の葉から数十億年前の冬眠細菌も発見されています。笹の葉は毎年生え変わるのに何故? と思います。自然界の稀に見る条件の一致とはわからないものです。
このようなものでしょう。偶然の一致。
反面、  最近は、巧名を得る為に、有名な歴史学者でさえ、歴史を偽造する学者も多いので、真実のところは解らない。70年万博の時に展示されていた月の石も本物かどうかも解らない。世間が真実と云っているのだから、真実でしょうと合わせておいた方が、無用なトラブルに巻き込まれなくてよい。ばばさまの体験がばばさまにとっての真実、その他は、全て疑問符ですよ。限りなく真実に近いものを「真実という」と考えておけば楽。
困ることでは有りますが、北の国が偽札を印刷していると行って騒いでいますが、日本でも昔は、国を挙げて、偽札(外国紙幣)を製造し使っていたし、著作権どうのこうのと騒いでいますが、日本も昔は、コピーしていた。これを新技術の高揚と国も、援助金を出して、応援していた。
今度は立場が変われば、コピーはダメとは身勝手なものです。
時代に応じて、その都度都度に応じて、真偽は合わせておいた方が、楽。裁判官だって、見たこともない事・体験していない事の真偽を、見たこともない・体験した事も無い人たちの話を聞いて、判断しているのだから、いい加減なもの。秩序維持のためには、多少の犠牲も仕方が無い。真実に、絶対的真実は必要ない、相対的真実で十分なものです。
世の中とはそのようなもの。ということで、大賀蓮の話は事実ということにしておきましょう。反論するに十分な証拠も、論証もない。

ぱぱ 【関東】 2006/04/07(金) 06:08:34
ぷーよんさん、たちつさん、有難うございます。
そうですよね〜。「高松塚古墳」、驚異ですよね、東洋の神秘。
「干物・乾物」、あははは…。吉村先生が読んだらきっと大笑いするでしょうね。
最近、いろいろと世知辛い世相、もう少しロマンや侃侃諤諤の議論を楽しんでいたい気がしますので、我が侭ですが、もう少しだけ解決を後回しにさせてください。
こんな情報もあるよ、とか、こういう風に考えると楽しいよ、とか、いや、おれ(私)はこう考える!とか、これはこうだよとか、何でもいいですから、ご見解をご教授ください。

ハッピ−マン 2006/04/07(金) 07:35:19
ぱぱさん、おはようございます。大賀ハスの真偽はともかく、すべてのことは起りうる時代です。

大賀ハスは日本全国に広まっているようです。わたしの住む兵庫県では社町というところにある「平池公園」の池にあります。地元の中学校の先生が大賀ハスの種をいただいて育てらものを移植したとのことです。けっこう大きな花が咲くので感動しますよ。

大賀ハスは昭和26年千葉県検見川遺跡の地下7mの青泥中から古代人の使っていた丸木舟などと共に3粒の種が発掘されたとされています。ハスの研究で有名だった当時の東京農工大教授・大賀一郎博士が苦心のすえ3粒のうち1粒の発芽に成功され 翌27年7月に素朴な花を咲かせたことで話題になりましたね。2000年前の種子だというのは、丸木舟に使用された木材の炭素C14の分析で測定されたということで当時としては最新の科学技術が使われました。ただ種子から発芽したというのに開花までの日数の記録が早すぎる事など、ハスの栽培に詳しい人たちからは本物なのかどうかいまだに疑われています。

ハスは根っ子であるレンコンからも種子からも栽培できるので大賀ハスの遺伝子は交配と遺伝子分化の絶好の研究材料となりましたが、遺伝子のレベルでは普通の食用レンコンとの違いはそんなになかったようです。ただ花の形質は種子の代が変わるごとに変化があり、全国各地に広まった大賀ハスも、純粋のものは少ないともいわれています。
それにしても2000年の時を越え、風雪に耐えて発芽する生命力はすごいとしか言いようがありませんが、よくよく考えてみれば、2000年間ほとんど変化の無い条件下で保存されてきたものが無事に発見されたことが奇跡的ですよね。有機物で出来ている種子が地中深くで腐敗もせずに生命力を維持してきたことも脅威ですよね。遺伝子の調査でわかったことは、ハスとスイレンは生育環境が良く似ているにも関わらず、遺伝子的にはかなり遠い親戚であったことです。

大賀ハスの生命が持続した大きな理由は、たちつさんのお話のように、自然界の脅威、偶然に温湿度が一定条件の無酸素環境下で種が休眠を深めたためでしたが、それについてはわたしたちの精子や卵子も液体窒素のマイナス196℃の世界では生命力を維持できることが確認されつつあります。その種子が何かのチャンスで生命の息吹に目覚めるためには、今度は種の中に生命の火種がなくてはなりませんよね。その火種の研究もかなりの部分が解明されつつあります。生命力は生物の内側と外側の両面で維持されていますが、外側の環境に対しては進化という言い方で示されるように多様化という形で対応してきましたが、内側である細胞組織内では多様化ではなくて頑強で単純なメカニズムがつくられてきました。それを支えてきたのは「ミトコンドリア」という細胞内生物?。いつぞや小説や映画にも登場しましたね。 原子力発電所ではウランの核分裂が原子炉のなかで非常にゆっくりと進みながらエネルギ−を放出しています。これと同じように細胞内には常に生命維持の火種があります。それは「エネルギーの缶詰め」といわれる「アデノシン三リン酸」(ATP)これがすべての生物の細胞でエネルギーを供給する物質です。生体エネルギーとしてのATP生産工場は細胞のミトコンドリアにあります。種子があるとき一定の酸素、水、温度を与えられ、生命を復活するには、生体内でごくわずかずつ生きるためのエネルギーを燃やし続けなければなりません。2000年間ハスの種子の中で仕事をしていたのはミトコンドリアだったということになりますね。

ミトコンドリアがそれ自体生物なのかどうか明確にはなっていませんが、ミトコンドリアはそれ自体DNAを持っています。それで大昔にわれわれの細胞に侵入して共生するようになったのではないか、という研究者もいます。わたしたちの遺伝子はふた親からいただきますが、ミトコンドリアの遺伝子はお母さんのものしか伝わりません。わたしたちはお母さんの子宮で育ちますが、生命の火種そのものも実はお母さんからいただくのです。だからといってお父さんを馬鹿にしてはいけません。お母さんだけでは(いまのところ)子作りはできません〜♪。

ところでハスのことで紹介すれば、わたしのふるさと滋賀県守山市には「近江妙連」というハスがあります。守山市川田町の大日堂という寺院に室町時代の初期から、珍しいハスの花が数百年咲き続けてきました。この花は紅色で一茎に二個から十二個という多くの花をつけます。そして花の特徴は雌芯、雄芯が全部花弁(花びら)に変わり、花びらの数は3,000枚から5,000枚にも達するのです。雌芯、雄芯がないために蓮の特徴である蜂巣(果実)はできない。珍しさから江戸時代には毎年皇室、公郷、諸大名へ献上されていたらしい。集合花でなくて単花でこれだけの花びらをもつ花は数少ないでしょう。

ぱぱ 【関東】 2006/04/07(金) 19:54:20
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ハッピーマンさん こんばんは!
またまた、興味をそそるお話しを沢山。。。有り難き幸せ。。
嫌気性の生命しかなかった頃、酸素をATP生産でエネルギー源に変えるミトコンドリアが太古の昔に細胞に共生して今日の生命体が形成され、ミトコンドリア・イブからはじまって綿々と母ちゃんから娘へと受け継がれてきた。。。(♂って寂しい)
その活動が2000年もの間種子の中で延々と。。。しかもそれが可能な環境がたちつワールドで。。。そして、ミトコンドリアDNAは核DNAから独立して利己的な遺伝子としての側面を垣間見せるようになり、パラサイト・イブへと・・・(←RPGのやりすぎ!(^^♪)
しかし、最近の著しい遺伝子工学の進歩にも拘わらず、免疫システム異常、特に自己免疫性疾患の治療の進歩の遅さに苛立ちを感じるのは私だけでしょうか?
ところで、オオガハスや大賀蓮ではなく、大賀ハスで検索すると沢山ありました。皆さんが仰るように、大賀ハスは真実のようです。大賀博士の死後(1969-70年頃)その真偽についての論争がおこり、大賀ハスを受け継いだ弟子である阪本祐二氏が、真実であるという証拠を発見して論争に幕が下りたそうですね。(http://www.city.gobo.wakayama.jp/0120ka/kyoudono_ijin/senjin_doc/12.htm
日本各地の植物園や博物館に大賀ハスの子孫が広がっているとのこと、調べたら我が家の近くの水戸歴史館にもあるとのことでした。6月になったら見に行こうと思います。実はまだ見たことが無いのです。
「近江妙連」面白いですね、花びらが3000−5000ですか。写真を見ましたが、断面は栄養過多のキャベツのようですね。私の父の実家が滋賀県ですが、聞いたことはありませんでした。一度見に行きたいです。

みなさま、色々とご意見有難うございました。
大賀蓮は真実であり、これは東洋の神秘が作り出した奇跡である、ということで「解決」させて頂きます。

deepsea 【東北】 2006/04/08(土) 02:06:54
解決したところにちゃちゃ入れるようですみません。

大賀ハスは、当地のあるお寺の池にも移植され、毎年立派な花を咲かせております。実はこのハス、朝早くに行かないと花を拝むことができないことがあります。早朝〜昼にかけて咲き、その後は花びらをすっぱり落としてしまって、何とシャワーの吐口のようになってしまうんです。これは当地のものだけかもしれませんが、フキのような大きな葉ばかりどんどん育って、花やつぼみをみつけるのが難しいくらいです。
そんな訳で、花を鑑賞にいかれる際は、時間帯を考慮なされるほうがよいかと思います。

ぱぱ 【関東】 2006/04/08(土) 05:47:23
deepseaさん
ご助言ありがとうございます。
大賀ハス 早朝で検索するとどこでも早朝-昼とあります。
開花時期等確認して行ってみたいと思います。


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