石灰硫黄合剤の効果について
gardenfan
2006/01/15(日) 22:35:43
つるバラの誘引と同時にHTやFL以外の落葉果樹にも12月末の休暇のときに塗布していますが、本当に効果があるのでしょうか?
どの本にも例外なく消毒するという説明があります。
強アルカリなので付着した虫の卵やウィルスのタンパクを破壊するとは思いますが、春以降の病気や害虫の攻撃には効果がないのではと疑っています。
しなくて良い消毒はしたくないですからね。
たちつ
【近畿】
2006/01/16(月) 00:35:41
硫黄石灰合剤はあくまでも、冬場の越冬害虫特に、カイガラムシや越冬病原菌特に、黒星病の抑制であって、一時的(短期間撲滅)なものです。
冬場は、木質化した茎だけですから、薬害も少ないし、効果も多いので、一般化されています。しかし完全撲滅の手段ではありません。他に簡単で、安くて効果のの多い手段がないので、多くの方が採用しています。と云う事です。効果も塗って乾くまでの間程度。1週間もすれば、只の石灰と硫黄だけ。尤も石灰も硫黄も、付着していれば、それなりの効果はあります。
又冬場の病害虫は、拡散していませんから、都合が良い。
バラも、病害虫も、人も、敵対しているものの、共存し、それぞれの営みをしている以上は、日々の防衛が大切ですね。
R・ひろき
【関東】
[URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~mham]
2006/01/16(月) 08:04:30
こんにちは。
石灰硫黄合剤の作用については、「クミアイ農薬総覧2005年版」有効成分特性一覧表に載っています。
私の家でも、ミカンや茶にハダニがたくさんついたあとの冬に使っています。
あまりに臭いので、近所から嫌な顔をされることも多いです。
それでもなぜ使うかについて、自分なりの理由を書いてみます。
春から秋にかけては、ハダニなどについて、何種類かの薬剤を使いますが、どうしても、抵抗性がつきやすく、非常に不安です。石灰硫黄合剤は、抵抗性がついたもの(ハダニ選抜チーム)が越冬していても、それを越冬させないことができます。ハダニについては、べつにマシン油系でも良いのですが。
つまり、効果は短いものですが、春から秋にかけて選抜された害虫を、そこで一律に殺すことができるという意味で、貴重です。使ってもハダニは出てくると思いますが、ハダニの中身が違います。
病気のほうについては、耐性がついたものも、殺菌できますが、別の場所から飛んできて感染したりもしますので、結局出ることは出るのです。
では、ハダニも侵入されたら駄目ということになりますが、ハダニが入ってくる時期というのがありますし、雑草などにハダニがいても、餌がなくならない限りは、さほど移動しないものでもありますので、風が吹けば飛んでくる病気の類とは、違うようです。
バラに使われる場合は、冬場にやっておいても、春になると出てくると思います。
風で飛んでくるというのもそうですが、春苗などに病気や虫、ハダニがついてくるということもあります。
ほかの草花の苗についてくることもあります。
せっかく冬場にきれいにしたのに…という気がするときは、人為的に持ち込んでいることもあります。
また、庭の環境により、よそから来やすいこともあります。
マルチングをいつ取り払うか、取り払ったマルチングをすき込むか、捨てるか、などの作業方法や順序によっても、虫の出方や病気の出方が違います。
石灰硫黄合剤をやったから効果があるということではなく、他の方法と組み合わせることにより、効果が生きてくるのではないかと思います。
実はこの農薬、好き嫌いでいえば、どちらかといえば好きな方なのですが、扱いが難しいですし、目に入るととんでもないので、他の方にはお勧めしていません。
以上は、わたしの私見です。
ハッピ−マン
2006/01/16(月) 09:05:57
gardenfanさん、石灰硫黄合剤を含めて農薬というものは、そもそも、植物を生産、販売(自家消費も含めて)する農家の農業資材として研究開発されてきたというのが本筋です。そして農薬は害虫や病原菌を撃退する薬剤である以上、完全に安全なものはないというのが真実です。ということで、庭や畑で趣味として育てる植物の種類や数量が少ないならば、農薬の代わりをなるべくその人がするというのが、ベタ−ですよね。石灰硫黄合剤は越冬する害虫に効果があります。越冬する害虫は年が明けた翌年の繁殖の親玉になりますから、退治するかしないかではその影響は大きいと思います。ただし、予防と言う面では、自然界は広すぎてただ単に数十本、数百本の樹木を消毒したからといって効果があがるものではありません。・・・と思います。
Iwasaki
【近畿】
2006/01/16(月) 10:21:29
石灰硫黄合剤だけでなく 農薬全般に言える事ですが 完全な殺虫殺菌効果を長期に期待する事は出来ません。
耐性菌等の発生や 薬効が切れる頃に外部から来る物など様々ですからよく持って1〜2ヶ月です。
又いつまでも薬効を 持続させようとすると 薬害なども発生しやすくなりますし 農薬取締り法等の法律にも違反するほどの 高濃度の薬品や多回数の散布が 必要に成って来ます。
農薬はあくまでも 補助効果で有る物と考える方が 良いと思われますし 人体に対する害も有りますから 予防薬としての慢性的な長期使用は 控えた方が良いと思いますし 薬効も落ちてきます。
生産者側(農家)からの 考えとしては 消費者が見た目の良い物を選ぶ為に見た目が良い物の方が高く売れるのと 大量の商品(園芸植物等)の害虫を捕殺するコスト(人件費等)や 病原菌等からの隔離設備費の軽減の為に 使用しているのが現状です。
個人(一般家庭)での使用は 特に散布面積などが狭い為に 病害虫に対する効果も一時凌ぎ程度にしか過ぎず 病害虫に対し壊滅的なダメージは与えられません。
pinetree
2006/01/16(月) 20:00:00
果樹の場合ですが,基本的には一緒だと思いますので
防除には,発生する事を前提にして必ず行う「基幹防除」と,発生が予想される場合や発生した場合に必要に応じて行う「補完防除」があります。
お尋ねの石灰硫黄合剤やマシン油乳剤は,多くの場合,基幹防除薬剤です。だから,たぶん,
>どの本にも例外なく消毒するという説明があります。
なのではないでしょうか。
石灰硫黄合剤やマシン油等は,新しい化学合成農薬と比べると,効果はいまいちです。それでも基幹防除に使われるのは,抵抗性固体を排除する効果が大きいためで,まったくR・ひろきさんがお書きのとおりです。
また,特に冬季防除は,菌や虫の全体密度を下げて,春以降の発生を遅らせる効果があります。落葉では休眠期,常緑では活性が低下して薬害を生じにくい時期でもありますので,濃いめにたっぷりと撒く事で,ほ場全体,産地全体の菌や害虫の密度を下げるのです。その意味では,個人的には,ハケ塗りは奨めた事がありません。
菌密度を言うと,枯葉や枯れ枝の片づけ,通風や日照の確保,健全な肥培管理は重要で
>他の方法と組み合わせることにより、効果が生きてくる
も,全く同感です。薬剤を減らしたいのなら,まずこちらが先です。
思いつく理由は,この二つですが,このことで,翌年の薬剤防除の回数が変わってきます。石灰硫黄のハダニへの効果は今イチだと思いますが,殺菌性に関しては安価で優れた薬剤と考えます。これらを理解した上で,マシン油乳剤と併せて,上手に使ってください。
ところで,石灰硫黄合剤は,安価でメーカーにとっては利の薄い剤です。登録を取り消す所も多く,すぐに無くなるとは思いませんが,そのうちかなり少なくなるかも知れません。せっせと使ってくださいな。(って,バラに登録無いんだっけ?)
gardenfan
2006/01/16(月) 20:31:41
[[解決]]
みなさん
色々と教えていただき感謝しています。
今までなにも考えずただ本に書かれているから塗布しておりましたが、春以降の病気や害虫退治の為の薬の散布を出来るだけ減らす為にもやはり必要なことだったと改めて勉強させていただきました。
強アルカリだけ注意すれば、成分的にはそんなに体に悪いものではないのでこれからも使い続けることにします。
ありがとうございました。
初心者用掲示板@園芸相談センター