南高梅の剪定切り口が茶色の場合は

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梅の華 【四国】 2016/12/30(金) 20:51:07
10年ほど前に庭に植えた南高梅についての質問です。
樹高は3m、植えている場所は日当たりがよく、右横につつじを植えています。
先日2年振りに剪定したのですが、そのうち4本の枝(直径3〜5cm)の切り口を見ると、切った枝の中心部が茶色〜黒色に近い色でした。
(これらの枝から小枝は全く出ていません)
今回、切り口にはトップジンMペーストを塗りましたが、このような茶色〜黒色になった枝は病気に罹っているのでしょうか?
あるいは、いずれ枯れてしまうのでしょうか?
対応策等についてアドバイスをよろしくお願いします。

中耕寒肥 2016/12/31(土) 14:13:55
>切った枝の中心部が茶色〜黒色に近い色でした。
>(これらの枝から小枝は全く出ていません)
多分この枝は、死んでいるものと思われます。(枝のみの部分枯れ)
といって、梅ノ木が死滅するという事ではありません。(株全体ではない)

多くは、剪定や強風積雪による、ひび割れや枝折れにより傷口からの乾燥や雨風による風化や黴菌生態腐食菌によるものです。
樹木の生きている部分は、生長肥大組織としての、形成層です。
この付近に、血管や発芽組織があります。
樹皮は、皮膚(フケや皮膚垢ですから、これも生きていません)で、外敵や自然の驚異からの防護壁であり、中心部の材木部分は、樹を支えている内部の垢の蓄積で生きていませんから、無菌状態の水分と繊維質だけで生存していますから弱いです。
形成層の図(材木の横断面図)
http://honka-blog.jp/aoyama/wp-content/uploads/2014/08/1cb31fef27b799946e6c0bcd8d23264d.jpg
形成層をうまく利用したものに、盆栽の技法のひとつがあります。
http://pds.exblog.jp/pds/1/201202/26/53/f0147853_19474645.jpg
梅の伐採時の、本来の切り口の色(白い花は白く、赤い花は赤い色をしています。)
http://blog.goo.ne.jp/zassougoo/e/db3a3e7ec92910c3fc569483bd122423
南高梅は、白花ですから、白いです。(真ん中あたりに画像有り、左は癒合剤を塗ったもので、右と下は自然色)
http://ameblo.jp/kishuusui/entry-11950676487.html

梅切らぬバカといいますが、植え数が少ないとか思い出深い樹の伐採剪定で、そこそこ太い枝の切り口には、万が一のために、癒合剤(防腐乾燥形成層保護剤)を塗っておいたほうが良い。
http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/gardening/cabinet/ikou_20091001/img10431440800.jpg?_ex=300x300&s=2&r=1

全ての自然物には、自然調和を含む環境適応能力がありますから、
現存しています。
梅の場合には、葉跡や枝又根頭が防護壁(節)となっています。
http://blog-imgs-82.fc2.com/5/5/f/55funta/201509131253020c5.jpg
http://somen.tenobe.jp/images/nagaso10.jpg

切り口に癒合剤を塗るほかの対策として、根の活性化対策があります。
今の時節なら、表土を軽く耕して(硬くなった土を柔らかくし、通気と排水を改善し、根が元気に生える環境作り)、土や根の活性化を図ると尚良いです。
通称、中耕や寒肥を施すと表現されています。


寒肥は、寒い時期に与える肥料のことではない。(売らんが為の肥料屋、園芸屋のあおり文句と風評誤解)
肥料の変わりに、腐葉土と堀上げた土を良く解し混合して埋め戻す。
一般肥料を少しなら混ぜても良い、有機肥料が良い。
多く混ぜると、元気が出すぎて、枝が暴れ回り、花も少なくなる。
今の休眠期に、化成肥料を与えたら、新芽が生えるころには、分解して賞味期限切れとなり、無駄で蛇足的な行為となる。
有機肥料なら、今施せば、腐食して春に有効な栄養素と変わっている。

溝穴の主な種類
http://www.misawa.co.jp/ownersclub/gardening/vol_20/images/p_05_01.gif
http://niwaki.kimamaniwa.net/file/023.jpg
http://deliver.commons.nicovideo.jp/thumbnail/nc3330?size=l

注意
隣に、ツツジが植わっているという事ですから、石灰(アルカリ)はツツジ(アルカリに弱い酸性土壌植物)から遠く離す。雨水にも注意。
ツツジには、腐葉土と鹿沼土(酸性土壌資材)を混ぜて埋め戻す。

等の対策が良いかと思います。

梅の華 【四国】 2017/01/03(火) 20:54:46
中耕寒肥さん、いろいろ教えていただいてありがとうございます。
大変参考になりました。
さらに質問で申し訳ありませんが、この病気は樹木全体に広がってゆくものでしょうか。
また、側枝の部分が病気ということで質問しましたが、主枝まで傷んでいるのかどうかを調べる方法がありますか?
もし方法がありましたら教えて下さい。
よろしくお願いします。

中耕寒肥 2017/01/10(火) 12:59:52
>この病気は樹木全体に広がってゆくものでしょうか。
今後どうなるかは、まず見ないと解りません、見たとしても、あくまで
現状把握と今後の進行予想の程度です。
後は、梅の木の生命力しだいです。
生命力とは、形成層の活性度合いです。

人為的工作であり、手厚い保護をしていたとしても、このような姿でも生存しています。
http://hottime.sakura.ne.jp/konsyu6/umekoboku.JPG
自然風化での生存
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/20
/33a91c3fd3b47de0f4ea534d14d58eaf.jpg
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/c9/061b3179558634448990a8a04c655545.jpg

>主枝まで傷んでいるのかどうかを調べる方法がありますか?
枝を、短い目短い目に少しづつ輪切りしていけば、枯れ木色から、生きている本来の色艶へと変化が目視できます。
更に、より詳しくは、彫刻刀で縦方向(成長方向)へ細かく削って行けば
立体視できます。
確認したら、その場所で枝切りしておく。
できれば、一芽一枝でも残して、その芽の直近で枝落としすると尚よい。

その他 (これだけ朽木しても生きています)
http://kakemori-staff.up.n.seesaa.net/kakemori-staff/image/E794BBE5838F20069-e8bd7.jpg?d=a2
http://livedoor.blogimg.jp/gotokenta/imgs/e/d/edbb694b.jpg?787da675
http://wx25.wadax.ne.jp/~morinooto-jp/mori/wp-content/uploads/131121ikiteru04.jpg

次に、傷んだ枝側方向の空間が広がって、寂しくなれば、枯れるであろう枝元の元気なうちに、接ぎ木して蘇えらせる手立てもあります。

詳細技術は、ネット検索で
http://fushimura.net/pic-labo/llimg/IMG_7098.JPG
https://kotobank.jp/image/dictionary/nipponica/media/81306024010319.jpg

梅の華 【四国】 2017/01/12(木) 17:54:32
[[解決]]
中耕寒肥 さん、詳しく説明いただきありがとうございました。
植物の生命力は素晴らしいものがありますね。
説明いただいた方法でやってみます。
ありがとうございました。


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