鉢植えの用土に牛糞堆肥を混ぜても大丈夫ですか。
nelton
2015/11/01(日) 21:22:12
地植えの用土に牛糞堆肥を混ぜて,土をふかふかにして,土壌を改良するということが書かれていますが,鉢植えの用土にも該当するのでしょうか。というのは,プランター用の培養土として販売されているものに牛糞が入っているものをあまり見たことがないからです。狭い鉢の中に牛糞を入れることになると虫が発生したりしないか心配です。
鉢植えの用土に牛糞を入れても差し支えない場合,その量はどの程度なのでしょうか。また,肥料と同じように,成長の途中で追加してもいいのでしょうか。
よろしくお願いします。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2015/11/02(月) 02:19:54
地植えの土に牛糞堆肥を混ぜる目的は痩せた土を肥えた土に変える目的の土壌改良的な意味合いが大きいです。そして地面の土ですからもし不要・余分な成分が含まれてしまっていても時間が経てば地下に浸み落ちてくれたり周囲に放散してくれるので、それほど気になるほどのリスクも無いのかと思います。
元々牛糞堆肥と言うのは一応「堆肥」と呼ばれていても他の堆肥とは同じ使い方はしない方が良い性質の物ですから(適量を元肥として根の真下深い所に埋める等肥料的な使い方が向く)鉢などの容器栽培で使う土に混ぜたりの使用はしない方が良いと個人的には考えています。と言うのも下に書きますがいろんなリスクがありますので・・・。
牛糞と言う物は馬糞堆肥などとは違い植物の繊維質が消化し尽されてしまっているので(牛は胃が4つあり反芻する為。)牛糞そのものはベトベトの泥に近い非常に水分の多いシロモノです。水分を完全に抜けば重さは軽めではありますが繊維はほぼ無い固形物となります。水を一度吸ってしまえば水はけがかなり悪い資材・・・。
完熟の牛糞堆肥を使う時は他の土と混ぜて使う事が多いのですが、その混ぜる方の土質次第では水はけが悪くなる可能性もあり、植える植物の好む土質にはならない可能性も・・・。水はけが悪いと根が育ちにくく酷ければ根腐れしますし、そこまで行かなくても土内の空気の循環がうまく行かなくなり有用な微細生物が土内で死滅し、微生物も嫌気性の物(有用微生物には好気性の物も多い)が増えてしまう可能性も・・・。
鉢植えと言うのは、鉢と言う固形物のいれものの中で土の量が限られてしまう栽培法ですよね?つまり鉢内の土に入れてしまった物は容易に周囲に出て行かないと言う事。これが容器栽培でのデメリットです。素焼き鉢やテラコッタ製の物だと水分は鉢の側面から蒸散しますから、その時に不要・余分な成分が外に出てくれますが(よく長年使っている鉢の表面に白い固形物などが付く、あれです。でも牛糞の不要・余分な成分が必ず出てくれるとは限りません)もしそういう素材で無く釉薬のかかった陶器鉢やプラスチック製の鉢なら、不要・余分な物が出るのは底穴ひとつに限られ土内に長く留まってしまい植物の根に悪影響を及ぼす事も・・・。
牛糞を堆肥として使ってしまう事に付いてのリスクと言うのは「牛の飼料由来で余分な、害の多い物が含まれている」事。
これは、堆肥内にどれだけ牛糞の量が混ぜられているかにもよりますが、窒素分が多かったり(我が家では畑一つ、先代が長年牛糞堆肥を入れ続けたことで残留窒素の影響を受け、葉野菜に害虫が大量発生・花が咲くはずの植物が何年間も咲かないと言う酷い害が続き、ほぼ放棄畑に)混ぜた土の保水性が良すぎて雨に当たると水がなかなか抜けずベタベタヌタヌタに成り易い、乾けば固まる事もあります。
牛の飼料には外国産穀物も使われるのですが、輸入先の国の穀物畑に生える性質が強固な雑草の種子が牛の体内を通っても生き残り糞に混ざって排出されます。その牛糞を使った牛糞堆肥だと施した土からその雑草が多く生えて来やすく、そうなるとマメに駆除しないと蔓延り易いです。我が家敷地には近所の畑に積んである牛糞堆肥にコウリンタンポポが大発生して種子が飛んできて蔓延り駆除しても未だ根絶できません・・・。
牛の飼育には餌と一緒に多くの塩分を与える事があり、余分な塩分が牛糞に多く含まれて排出されるので、購入した物によっては塩分が多く含まれる牛糞堆肥もあります。一部塩分に耐えられる・又は好む植物以外の植物のほとんどは塩分が含まれる土が苦手です。特に感受性が強い物だと植えて早々と不調に成り枯れてしまいます・・・。
牛糞堆肥には、牛糞に混ぜる他の資材の指定や基準などがありません。よって牛糞堆肥を作る業者によって質は様々。よほど信頼できるメーカーでない限りはあまり信用も出来ません。大切な物を植える事も多い容器栽培では使うとリスクの方が多いので使う事はあまりないのでしょう。
堆肥はどんな種類でも栽培中に追加するのはよした方が無難と思われます。堆肥を使う目的は「養分を加える」という事よりも、「土内の有用生物や微生物を殖やす事」です。簡単に言えば、植物の繊維を完熟させ有用生物が食べやすい状態の餌として与える目的。あとの目的は快適な住処の提供。これによって団粒構造が作られます。
ただ、堆肥の種類によってはそのまま与えるのは有用生物にとってはあまりありがたくないんですね・・・。
堆肥は大体使う土の量の2割くらいを「土と良く混ぜて」から一定期間寝かせ土と馴染ませてから植え付けます。堆肥そのものでは有用生物には食べにくく住みにくい状態。他の土と混ざって馴染んでからだと食べやすく住みやすい環境となります。今までいなかった新たな種類の有用生物の補給にもなりますので簡単に考えると「堆肥=土内に住まわせる有用生物を補給できるもの」と考えるのが良いかも。
地面植えの植物だと経年で根元やその周辺の土の量は徐々に減っていきますから(落ち葉など取り除くなら特に減ります)土の浅い所を掘って混ぜ込んだり(そのものを足さず、必ず完熟腐葉土など他の土と混ぜたものを使います)、根元に敷いたりできます。
でも鉢植えの場合は、あまりその作業は行わない方が良いです。土が入る容量が限られていますから途中で堆肥入りの土を足せば大抵は根元がすっかり埋まってしまいます・・・。根元を埋めてしまうのは植物の種類によってはあまり良くありません。酷いと根元が腐ります。
では、どのように足してあげるのか?「植え替え作業」です。これが結果的に同等の効果となってくれます。
鉢植えなどの容器栽培だと、地面に植える場合よりも土が劣化したり悪くなるスピードが速いです。それは限られた量の土から養分やミネラルが消費し尽されたり、根から放出される老廃物質(動物の糞尿にあたる)やアレロパシー成分などが土内に蓄積しすぎてしまったりと、地面植えなら真下や周囲に放出されるはずの物がその土内にずっと留まり溜まり易いのです。
上から新しい土や堆肥が補給されても、蓄積した物はなかなか出て行きにくい・・・。その為に植え替えると言う作業があり、其れまでになる期間の間には容器内に根が回りすぎる事も多いので同時に植え替え・鉢増しが行われます。
その際に大株に成っていれば株分けなどしますし、株分けせずとも細い根が露出する程度に古い土を取り除いたり、植物の種類によってはすっかり古土を根から取り除き根をさらけ出して古い根や枯れた根を取り除くので、それを新たに植え替える時に堆肥入りの新たな土に植え付けます。
植物によっては何年も植えっぱなしと言う物も多いのですが、そういう物の中には盆栽などの様に「あえて大きく育たない様に抑え気味に遅く育つように」との目的の物も少なくありません。特に葉を観賞するものや根を切って育ちを制限している物に多いですね。
そういう目的は無い物には毎年から少なくても2年間隔くらいで植え替えするのが望ましいです。それ以上置けば根詰まりすることも多いですし、アレロパシー成分を根から放出するものは成分が土内に溜まりすぎ自滅して枯れます。
特に大きく育ってほしい物や花を観賞する目的や実を付けたい植物の場合定期的な植え替えは必須。堆肥を混ぜないと成らなくなるくらい長期間植え替えなしと言うのは、あまり良くない管理なのです。
鉢栽培などの様な栽培の場合は堆肥の途中追加と言うのはあり得ませんし、地植えの場合であっても肥料の追加(追肥)はあっても、途中で堆肥を追加すると言うのは普通致しません。
牛糞堆肥じゃない堆肥でお勧めなのはバーク(樹皮)堆肥です。バーク堆肥も広葉樹の樹皮主体や針葉樹の樹皮主体、混ぜられる比率や質もさまざまですが(酷いと完熟腐葉土に近いくらい落ち葉や小枝の混ざった物も)できれば樹皮がなるべく多く混ざっている物が望ましいです。
個人的には、地元で生産している(家族の職場の関係先で生産)針葉樹のバーク100パーセントが土壌改良には非常に向いていて、以前住んでいた家の庭の、鉄分が多く混ざった川砂主体でしかも酸化した錆び土で何を植えても枯れると言う、痩せて水持ちも肥料持ちも非常に乏しかった土に、3年間針葉樹バーク堆肥を2割混ぜ続ける事で太いミミズが住み着くような好環境の土質に替えられ更に5年目には非常に植物が良く育つ土に土壌改良ができました。後は毎年自家製コンポスト堆肥を入れる事で維持でき、引っ越し時に持っていけないのが惜しくなるほどの肥えた良い土に出来ていました。
ただ、針葉樹のバーク堆肥の場合は使い方が難しく望むようになってくれないと言う人もいますし、鉢などの容器栽培には向かないかもしれません。広葉樹のバークは市販品ので良質な物であるなら使いやすいのではと感じます。
バーク堆肥や腐葉土の自作の場合は、広葉樹ではなかなか堆肥化しない樹種もあるので、市販品を利用するのが心配ありません。
他に手軽に使えるのは良質な完熟腐葉土あたりですが、完熟腐葉土も質がピンキリで、しかも市販のものが限られていたりなどがあり他の堆肥よりは効き目は緩やかです。
個人的には容器栽培に使うには自家製堆肥が一番なのですが、これも知識が充分でないと途中で臭ったり不快昆虫が発生したりと失敗しやすく・・・。
コンポスト堆肥や段ボール堆肥(段ボール箱内で作る堆肥)は台所の野菜ゴミなど捨てる物を材料に作れ、それにEM菌などの堆肥化促進剤を加えたり、コンポスト堆肥だと古い土(土を再生せずに済む)やその土地の土を混ぜる事で効き目良くリスクが低い堆肥をお金をかけずに沢山得られるのですが(興味があれば詳細は過去ログにて読んでみて下さい)、コンポスト堆肥はある程度広い場所が必要ですし何回か積み直したり、早くても数か月は寝かせる手間もあり、出来た物でもバラ栽培など土の配合に拘る場合には最適な配合比率など把握するのに何年かかかるかもしれませんね・・・。
nelton
2015/11/02(月) 23:46:31
早速の回答ありがとうございます。
このような大作の回答をいただけるとは思ってもいませんでした。
一度には十分理解できませんので,後ほど,また,質問したいと考えています。
ありがとうございます。
nelton
2015/11/03(火) 21:21:02
回答内容を拝見した上でのお礼です。
牛糞堆肥については,基本的には地植えの土壌改良のために使用するものであり,鉢植えの場合には使用しないのがいいということは理解できました。牛糞は動物の排泄物であり,どのようなものが混ざっているか,いろいろと難しい点があるということですね。
回答内容を拝見していて気になったのは,馬糞堆肥ことです。
牛糞については,植物の繊維質が消化されつくしているということは,馬糞の場合には,完全に消化されていなという理解でいいのでしょうか。
そうすると,牛糞堆肥とは異なり,鉢植えに使用してもいいのでしょうか。
本日,ホームセンターに行って馬糞堆肥を購入しました。購入した理由は,その説明書きに,プランターでも使用できると記載されていたからです。
馬糞堆肥を購入して,中を開けたところ,非常に軽くて乾燥しているという印象でした。
20リットル入りが4キログラムです。
糞というよりも,乾燥した植物の繊維という感じでした。
もちろん,生産者によっては,質の悪いものがあるでしょうから,本当にプランターに直接入れた場合,悪影響があるのかもしれません。
次に,鉢植えの場合には,体積が少ないので用土の管理が簡単ですが,その分,用土を十分に管理しなければ,植物の成長に大きく影響するということを理解しました。当然といえば当然ですが,なかなか意識できないものです。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2015/11/03(火) 23:59:31
neltonさんこんばんわ。
馬糞堆肥なら使って大丈夫ですよ。そうです、馬糞堆肥の場合馬が食べた飼料の植物繊維は未消化のまま排泄されるんです。
食べられた餌の養分だけが馬の体内に吸収されて、あたかもジューサーにかけて作った野菜や果物のジュースの、別に排出される絞りかすの様に体外に排出されたのが馬糞と考えれば解り易いかもしれません。その馬糞を砕いて適宜腐葉土など別資材と混ぜて寝かせ熟成させた後に乾燥させたものが馬糞堆肥。市販の物でしたらすっかり乾燥されていることが多いと思うので「乾燥した植物の繊維」と言う感じでしょうね。まぁ、馬が排泄したばかりの馬糞でもしっとり濡れている状態と言う違いはあるものの、やはり植物の繊維の塊といった感じですから。
完全に乾燥されていても有用生物の卵には乾燥していても生き残り土に混ざって湿ってくると孵化するものも居ますし、菌やバクテリアなどの微生物も休眠していて再び水分に触れれば活動を再開するものが多く含まれているので問題ないですよ。
ちなみに馬糞堆肥を使う事についての効果の一例は、私の園芸知識の師匠の一人である伯父が農家でしたが、美味しい野菜を作り続ける為にとすでに周りではもう農耕馬を手放していたのに、かなり遅くまで「馬糞を得る為に」農耕馬を飼っていました。伯父の家の畑周辺は元々川砂主体の水はけがよすぎる土質で土壌改良しない・不十分な畑では美味しい野菜を得るのは難しいのですが、伯父の家だけは祖父の長兄が家族と共に入植して以来100年近く毎年畑に漉き込む馬糞堆肥のおかげで良質な土質を保て、特に長芋栽培には定評がありわざわざ遠方の長芋産地である街から「ここの方のが数段美味しいから」と毎年買いに来る人が沢山いらっしゃいました。
この馬糞堆肥内の未消化な植物の繊維質が、土内の有用生物(ミミズ含む)の餌となり、細かく消化されて排出されたフンが今度は有用微生物が食べ更に細かく分解されて微生物の作る粘りと共に土にまんべんなく混ざって程よい団粒構造を作り上げるんです。
なので、馬糞堆肥の方が牛糞堆肥よりもずっと良い土ができやすいんですね。他に先に挙げたバーク堆肥や稲わら堆肥も向きます。
栽培する植物によって鉢やプランターに使う土の配合率は変わりますが、市販の土資材だけ使う比率では花や花野菜・実野菜なら花用の土(培養土では無い。大袋で販売されている堆肥・肥料の混ざっていない安価な物)をベースに花用の土5・完熟腐葉土3・馬糞堆肥2と言う所でしょうか。もし赤玉土も一緒に混ぜて使う場合は堆肥の方の比率は変えずそのままに、花用の土や完熟腐葉土の方を使う赤玉土分減らしてください。詳しくは栽培する植物ごとに使用する配合が違うので、「植物名 植え替え」のキーワードでインターネット検索すると大体書かれている物と思います。
もしご興味があれば図書館や本屋の園芸本コーナーに「土・肥料・堆肥」について一般向けに解り易く書かれている本がありますから数冊ざっと読んでみて、解り易そうな物をできれば購入され手元に置いておくと良いですよ。
この類の本は、土については伯父や義父からいろいろ教わって大体の事は覚えられたと思い込んでいた私が読んで目からウロコな知識がいくつもありました。
基本的な土の性質や土の配合率がいくつか出ていますのでとても参考になりますよ。
nelton
2015/11/07(土) 12:13:08
再度の回答ありがとうございます。
馬糞堆肥の場合は,牛糞堆肥の場合と大きく異なることが理解できました。
馬糞堆肥は,牛糞堆肥と比較してホームセンターではあまり種類がないので,使いにくい堆肥だとばかり思っていたのですが,安心しました。今後は,馬糞堆肥を積極的に活用しようと思います。
さて,プランターに使用する土の配合比率について,詳しく教えていただきましたが,これによりますと,土の比率が約半分程度ということになり,完熟腐葉土と馬糞堆肥の合計とほぼ同じということですね。
この比率というのは,重さの比率なのでしょうか,それとも体積の比率なのでしょうか。というのも,完熟腐葉土も馬糞堆肥も軽いので,もし,重さの比率ということになると,完熟腐葉土と馬糞堆肥の体積が多くを占めることになり,花用の土が少なすぎないのか心配だからです。
花屋の店頭で販売されている鉢植えは,流通上軽くするためなのか,ピートモスなどの軽い材料を使用していますが,ピートモスなどの軽い材料は有機物なので,時間の経過とともに微生物によって分解されてなくなってしまい,体積が減ってしまいます。
完熟腐葉土と馬糞堆肥についても,時間の経過とともに減ってしまうので,プランターの土を使いしていかなければならなくなるのではないか心配なのです。
アドバイスいただいたように,書籍を探して勉強すればいいのでしょうが,なかなか自分の疑問に正面から答えてくれる書籍に恵まれませんので,この場で質問した次第です。
基本的な質問ですので,回答する方も,がっかりするかもしれませんが,よろしくお願いします。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2015/11/08(日) 13:28:47
昔の植物栽培ではまだ馬を飼う所も多かったので副産物?の馬糞利用は多かったようですよ。日本でも大昔生活がまだ豊かでは無かった時代から、田舎生まれの私がまだ幼かった頃このへんは平地だったこともあり(近くの坂道の多い街は農家も無く車の普及率が高かったです)トラックや自動車などが普及するまでは農家も農作業には荷馬車を使っていました。私も幼い時に冬山に木を切って積み保管してあった薪を伯父が取りに行く時馬橇に載せて連れて行って貰った記憶があります。今からはくらべものに成らないくらいの頭数馬が飼われていたんですね。
園芸が盛んなイギリスでは春になると馬糞堆肥売りがトラックで住宅街を周り売るそうで、イギリスの庭には欠かせない物だそうです。
日本では馬糞は今や手に入りにくい物で、牛糞の方が牛の飼育数が多いので入手しやすいのでしょうね。それでも競走馬の厩舎や乗馬クラブなどでは希望すれば安価でお譲り下さるところもあるそうです。
馬では無いですが、我が家はペットでずっとウサギを飼ってますのでフンや牧草屑を以前はコンポスト堆肥の材料に、今は痩せ地の土壌改良のために土に漉き込んでます。牛糞と違い食べている物を完全に把握できており余分な物が混ざっておらず処分の手間も無くて土が徐々に良くなってきていますよ。ここら辺では農家でもヤギをペット兼草刈要員兼ヤギ乳目的で飼って糞は堆肥にしますし、私の姉の夫の実家では農家を辞めて街に降りてくるまで家畜をいろいろ飼っていましたが(私も以前お邪魔しましたが子ブタや鶏もいました)オス羊を何頭か飼って肥育中は草刈要員として利用し糞は堆肥に、ある程度育ったらジンギスカンのマトン肉用に売っていました。牛以外の草食動物の糞と言うのは餌にさえ気を付ければ質の良い堆肥になるんですよ。
日本国内では馬糞生産?自体が少ないので、馬刺しを食べる習慣がある地域以外では馬糞堆肥自体少ないと思います。牛糞堆肥よりもお値段が高めかもしれません。それでも効き目に満足できるなら馬糞使用も良いと思いますよ。完熟していて匂いも少ないのなら気にならないと思います。
土の配合の場合比率は重さでは無く体積です。土をすくう容器単位です。重さで計ってしまっては適さない配合率に成ってしまいますし、同じ種類の土と言われていても産地により重さは微妙に違いますから。
あと、植物を鉢植えで買われた時に植えられている土は、流通上軽くするためと言うよりも、生産中に管理がしやすいためです。温室やビニールハウス内で管理するのに、鉢を置く棚への重さ負担の軽減、水遣りなどに一つ一つに目が届かないのと鉢同士の間隔を取らずびっしり置くため、一度の水遣りでなるべく多く水分を吸い保ってくれるように(寒い時期も栽培しているなら早く育てるのに暖房を使うので乾きやすい)、肥料なども生産者独自の物を使うためと、近年はピートモスも酸度調整されている物が手軽に使えるのもあってピートモスを使う事も多いのでしょうがピートモスは水を吸膨らむので決して軽い土では無く、どちらかと言うと重い土の方に含まれると思います。軽い土は鹿沼土やバーミキュライトやパーライトなどくらいですね。
そもそも植物が好む土はそれぞれ違いますから鉢植えに必ずしも軽い土が使われていると言う事もありません。生産者によっては水はけの悪い重い土を使っていることもあります。その生産者の栽培法では独自の配合で、以前買った多肉植物に使われていた土はきめの細かい砂と粘土っぽい土が使われてたり、大きい粒の赤玉土だけと言うのもありましたから・・・。
買った鉢植えに使われている土はそんなわけで生産中に都合の良い土で、購入後もその土で育てて問題ない物では無く時に購入後比較的早くダメにしやすいのはその土のまま栽培しているのと、出荷時はもうほぼ根つまり気味なための事が多いです。鉢植えと言うのは運搬しやすく(ビニールポットのままより振動が原因での土の動きが防げる)花屋に置いた時に見た目が良く売れ易いので使用されているに過ぎない場合も多いです。よく鉢植えと思ったらビニールポットに植えられたのが同じサイズの鉢に入れられただけと言うのもみかけますよね。
本来は鉢植えで購入しても、植え替えの出来る時期なら大き目の栽培に向く鉢に本来向く土で植え直すのが良いんです。特に花をいっぱい咲かせるものならできれば根鉢のまま抜いて鉢増しするだけでも開花期間が伸びたりより花付が良くなります。植え替えに敏感な物だと出来ない事もありますが、丈夫な植物なら買った時の土そのままで暫く栽培するのよりも新しい、普通栽培に向く土で養分も補給させてあげた方が長く楽しめます。
鉢植えの土が減るのは、すでに土内の養分のほとんどが消費されて土が古くなり痩せてしまっている為。土が分解されているうちはまだ体積は減りません。古くなり痩せると減ります。鉢植えと言うのは鉢内と言う限られた容器内の土容量なので土内のミネラルの減少が早いし(地面植えなら根が周囲に伸びて補給できる)、根からの排出物(動物の糞尿にあたる)のが溜まります(地面植えなら周囲に放散される)。おそらく苗を定植した時の土のままか、大株の物なら出荷までの植え替えや鉢増し作業が省かれているのだと思います。大量生産はあまり手をかけられないので普通の栽培作業と違い、簡略できるところはどんどん簡略されます。生産者は出荷した後は保証する義務はないので出荷まで元気に保てれば良く、切り花生産よりも(切り花は出荷後の品質が重視されるため)責任感は薄いところが多いです・・・。直販も行っている様な小規模生産者は生産中もマメに管理し一番良い状態で販売してくれるところも多いのですが、大量生産し出荷するだけの所は自分の都合優先で生産し、売った後はどうなっても気にしないと言う所が多いですよ・・・。
それと言うのも、買った後に何か不都合があった時の対応が全く違うんです。
私が以前買った同じ植物の問い合わせの対応が全く違う・・・。
あるネットショップ(生産もしている)で欲しくて買った植物は送られてきた物が注文時の画像とは一見似ているものの全く別の種類でした。それでメールで問い合わせてみると、わざわざお電話下さって「こちらでも調べてみるとお客様の言う様に別種を送ってしまいました。本来ご希望だった種類はすでに品切れなのでご返金させていただきます」との対応。こちらの手元にある別種も「返送しなくて結構ですから、良ければ育ててみて可愛がってあげて下さい」との事で、とても気持ちの良い対応でした。
別の生産者の場合は、購入自体は普通植物は扱っていない通販会社の特別企画でシリーズ物の花色違い4品種の組み物販売でした。予約後半年くらい経って送られてきた時は蕾でしたが、数日後咲いたら一つだけ注文時の時と花色が違い、白花のはずが薄紫色だったので通販会社にメールで問い合わせたところ生産者の返答を転送して下さいましたが、その答えというのが「購入者の置き場所の日当たりが強すぎて花色が濃くなった」と言う内容でした。でも、置いていたのは北海道の早春と言う時期でしたから寒すぎて屋外や玄関内に置けず、日が少ししか入らない廊下内・・・。日当たりが悪い場所。濃い花色の物が薄く咲くことは有っても(現に他の品種の花色が薄めに咲きました)色素をほとんど含まないはずの白い花色が濃くなるわけがありません。調べてみてもその品種は日当たりで色が変わる特徴はありません。要するに適当な理由をつけて通販側に返答をしてきたのです。バカにしてますよね・・・。そして通販を通しての販売という事もあり結局保証はなく通販側も植物の販売のセオリーを知らずトラブル時の対応が出来ない様で、対応にあたふたしており気の毒で「もういいです」と答えるしかありませんでした。生産者はもししようと思えば直接連絡してきて交換や返金も可能なのに全く音沙汰なし・・・。別のネットショップで生産者が別の所でも何か不都合(生産者側で間違って送ったかもしれないなど)があれば良心的な所は直接お電話下さったところもあるんですよ・・・。
数年後、同じ品種を地元の店で見つけ購入し、現在栽培していますがやっぱり白い花は直射日光下でも薄紫には咲かず白い花です。さらに後で知った事では、この品種は性質の固定が甘く増殖するのにはランナーか株分けか閉鎖花から採った種子でしか花色が保てにくいのに、普通に咲く花の方から採った種子を蒔いて育ててしまって花色が先祖がえりしてしまった「品種名の名乗れない劣化個体」だったのです。良心的な生産者ならこんなものは流通に載せずに処分するものです。こういう物が出る事が解っていて(転送なので生産業者名が解り調べてみた)毎年生産しているのに、普段取引の無い会社用の物には品質の悪い物を混ぜると言うのは悪質です。更に後で知った事ではそのシリーズは外国の登録品種なのに、その点がラベルで触れられていない・・・。確かに外国の登録品種を国内で売るのに外国の法律は適応されませんが無断で増殖され売られることが多く外国の権利者には日本の生産者は評判が悪いです。その生産者は英語の品種名を間違った読みや違う意味に訳してラベルに印刷してしまっているのもいいかげんで・・・。大規模生産業者にもきちんとされている所もありますが、こんな目に遭えば信用がなりません・・・。
鉢植え販売は購入時にすでに根が土内に廻り切っている物が結構ありますのでお気を付け下さい。購入時は見える部分で無く見る事が出来れば持ち上げてみて鉢底も良く見てみて根が少しでも出ていれば根詰まりしてますのでご注意下さいね。
nelton
2015/11/08(日) 21:42:03
回答ありがとうございました。
様々な体験談を交えて説明していただき恐縮します。
私が誤解していた点についても,納得しました。
馬糞肥料,完熟腐葉土と花の土の配合比率について,体積比であることがわかり,納得しました。重量比だとあまりにも土が少なくなりますから当然といえば当然のことです。安心しました。
鉢植え植物の生産者についての感想は,ばんざいうさぎさんのおっしゃるとおりだと思います。季節外れの鉢植え植物が店頭に並んでいたので購入したところ,花が終わった後,すぐに枯れてしまうのを見ると残念な気がします。購入後の手入れや,購入後,その鉢植え植物がどのような成長を遂げるのか,あるいは,元気をなくしてしまうのか,説明書きを付けるか,そうでなければ,インターネットで生産者のホームページを閲覧すれば分かるようにしてもらいたいものです。
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