花にやる水について
うどんこ
【近畿】
2015/08/31(月) 13:59:02
小さい鉢植えに水やりする際の水に虫が嫌がる精油を混ぜて水やりしたいのですが、花がどうにかなってしまうとかわいそうで、花木に害がないかあるいは精油の種類によって害のあるなしなどがあるようでしたら教えてください。
先日、鉢の中にいるゴキブリを2回も目撃してしまい、寄せ付けたくないと思っています。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2015/08/31(月) 17:55:43
水に精油を混ぜて植物の土に与えると言うのは、虫除けにはなりません・・・。かえって植物自体に悪影響を及ぼす可能性の方が強いです・・・。
まず、油ですから乳化剤でも混ぜない限り水に均等に混ざるわけではありません。混ぜた直後は水と混ざったように見えますが、置いて少し経てばすぐに分離してきます。
それに土中に油入りの水を与えれば、その土の働き自体が阻害され悪い土になりかねません。すなわち土の内部の通気性が急激に落ちますし油は土中で分解がされず、粒子が植物の細根の先などに着けば窒息し先端の生長点が傷んで、それ以降根が伸びなくなる可能性が・・・。これはもし何か乳化剤を混ぜたとしても避けられない事と思います。また、乳化剤自体の成分が植物の根に良くないと言う事もあり得ます。
まず、精油を使うと言うのは基本的に空気に常時触れていなければ効果的な働きが望めないので、今回の目的には向かないと思います・・・。
もし効いてもそれは水遣り直後だけで、すぐに空気中に飛んで薄まってしまったり、土中の中の成分により分解されてしまう可能性があったりで割とすぐに(長くて数時間)効き目が無くなるかと。
そして、これが一番大きなリスクなのですが、土内に含まれる有用微細生物を減らしてしまう可能性が・・・。
有用微細生物と言うのは、土を植物の成長に適した状態に保つ為に働いてくれる人の目には見えないくらい小さな微細昆虫や微生物の事です。これらが沢山土内に居てくれることにより長期間土環境が良く保て、根の養分の吸収を助けます。
精油の多くには殺菌作用が多少なりあって微生物も殺しますし、人の肌にちょっと着いただけで炎症を起こすほど皮膚への刺激がキツイのも多い精油では、微生物の細胞壁はすぐに破壊されてしまいますし、油の粒子の方が大きくて全体を包まれてしまったり、微細昆虫なら呼吸口がふさがれたりで窒息してしまったり・・・。精油の為に死んでしまって急に有用微細生物が減ってしまっては、土環境のバランスが急に崩れてしまい植物自体がちゃんと育たなくなってしまう可能性も大きいのです・・・。
また、虫除け効果が得られる精油が採れる植物には「アレロパシー効果」(周りに他の植物を生えさせなくする成分。この成分が多すぎれば成分を分泌させている植物でも自滅する)のある種類もあって、その成分が香りに含まれる性質の物なら、精油と言うのは香りの濃縮物ですから土中に混ぜてしまうと極端に言えば「除草剤を土に混ぜてしまう」様なもの・・・。
お使いに成りたい精油と言うのは何の植物から採れた物でしょうか?
そしてその精油は「ゴキブリに効く」と言う効果がはっきりと解っている物なのでしょうか?
精油と言っても植物の種類によっては「虫除け」ではなく反対に「虫寄せ」に使える物もありますし(特にハチ類が寄ってくる)、一般に「虫が寄ってこない」と言う効果が書かれていても、実は吸血昆虫(蚊・アブ・ブヨ)にしか効果の無い植物と言うのも多くあり、そういう植物ならゴキブリなど食べる物が違う昆虫には全く効果がありません。
まずは使いたい精油の種類をお書きになってみて下さい。ゴキブリに効くかどうかの判断が必要です。
そしてゴキブリに使えるとしても、水に精油を混ぜるのではなく生きているその植物を近くに置くなど、「植物が生きている状態でないと使えない」と言う場合もあります。
以前、庭でブロッコリーの苗を植えた時にコンパニオンプランツ目的に株間へ、当時コレクションしていた「ミント類の鉢植え」を置いたところ蝶が全く近寄らず無農薬栽培で虫食いが全くない店で売っているような立派な花蕾が採れた事があります。
そのことを知人に話してしばらく後、会った時に「そういえば、このあいだ教えてくれた虫除け方法を試そうと、敷地にハッカが沢山生えているから大量に刈ってきて大根の畝の所に敷き詰めておいたら、大根の葉が凄く傷んだ」と教えてくれました。
これは、鉢植えにしている生きているミントだと株自体大きくないし香りは徐々に適度な量が蒸散してくれるのに対し、刈り取ったハッカだと量がかなり多いし、刈り取られているので急速に乾燥していくとき一緒に沢山の香りが蒸散してしまい、それが大根の葉に付着してしまって「葉焼け」を起こしてしまった様です・・・。
水に精油を混ぜて植物に与えてしまうと、精油の植物の種類によっては知人の所と物理的に同じ現象が起きる可能性があります・・・。
それというのも、水に混ぜる精油の量が例え一滴であっても、その一滴の量を採取・濃縮するには大きく育った株を何十株から採られます。
ハッカ精油やラベンダー精油の採り方を、ハッカ記念館での窯実物の見学や縮小された窯での実演、テレビの番組で富良野やフランスでの蒸留方法を見ましたが、大抵は蒸留釜一杯分は牧草ロール一個分くらいの植物量。その量から採れる精油はほんの何ccです・・・。
もし水に精油一滴を混ぜれば、私の知人が経験した被害の時よりももっと重症化する可能性が・・・。天然で蒸散する量よりも多い不自然な量の精油を植物に使う事自体、おやめに成られた方が良いです・・・。
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