リンゴの落下

[園芸相談センター]の過去ログです

退職者 【九州】 2014/08/29(金) 17:52:47
5年前に植えたリンゴ(つがる)が今年初めて30個近く実をつけ、成長過程で10個がダメになり、20個は順調に成長し8月末現在一部色つき始めもうすぐ収穫できると楽しみにしていた矢先、この数日1日2〜3個の実が続けて落下しました。落下したリンゴは見る限り特別問題はなく綺麗で試食しましたが甘味は少ないですが食べられないことはなかっです。来期のために落下する原因やその対策等について指導いただければ幸いです。

リンゴ 2014/08/29(金) 19:35:39
結論から言えば、一般的ではない技法を使わないと対処方法手・立てはありません。
今後も、可愛がって、日々のメンテをされていれば、年々美味しいリンゴが実るようになってきます。

原因は、2つ考えられます。
1) リンゴはもともと青森など寒冷地で栽培されていたものです。
ということは、トツプブランドの信州長野のリンゴ栽培の初期時代は、細部にわたって、相当努力されたことでしょう。
今や ゆとりちゃん時代ですから、どこでも苗木が簡単に手に入りますから、栽培されていますが、もともと環境に合わない果実ですから、いろいろな不具合が引き起こります。・・・・立地上の問題とくに、高温化(温暖化)障害。 簡単には防ぎようがない。
一般的には、月々の管理温度は不明ですが、概ね年間平均気温が10度といわれているようです。
栽培地の年間気温との差が、危険リスクとなります。
隔年結果は別にして、関西以西の温暖平地では、気候とリンゴの木のバイオリズムが一致すれば、みのるし、一致しなければ、果実がないという極端なことが不定期年度として、引き起こってきます。
これが、地理上の農業系特産物・産地となっています。
特産地には、ほかに、努力系産地というものもあります。(温泉利用やハウス栽培・工場栽培など、海魚のフグ養殖や革製品のワニを山の中の温泉地で育てているなど。)

2) 樹齢が若いということです。 リンゴは、接ぎ木苗などにより、4年でなるといわれていますが、安定して収穫するには、10年近く必要です。
鶏の玉子でも、人でも、最初の子は、無意識流産しやすいといわれています。 玉子の場合には、黄身がない小さい玉子ができます。
このように、木の小枝と果実の柄の接合点の癒着が不安定で、外れやすい。これが安定するのには、リンゴの木にも、胎盤接合が落ち着くという経験値が必要です。受粉不良や雨風で揺れる・体調不良果樹の疲労・栄養不良・暑い寒い乾湿・日当たり・気温変動・果実肥大による重み・・・・・など
総合して、生理落果・ふるい等と言われています。
  これらは、樹齢により徐々に解決されていきます。

1)と2)が解決されたとしても、美味い不味い(糖度と酸度のバランス)や粒の不揃いは、自然には解消しませんから、人為的な努力が必要です。
これは、人間のご都合主義ですから、リンゴの立場に立てば、健康な種子が育てばそれでよい。可食部の果肉は、余裕としてのファション・デコレーション・インテリアでしかない。

ということで、また来年のお楽しみということです。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2014/08/30(土) 11:19:09
摘蕾や摘果はしましたか?木が若いうちは木自体が早く丈夫に育ちたい事もあり、あまり多くの実は残せません。もし残しても木自身が無理と判断すれば、急に多くの実を整理落下させてしまう事もあります。

私の住んでいるところは昔はリンゴの産地だったので役場管理の施設敷地で将来観光果樹園を開く為に苗木を植えて育てているところが私のいつもの散歩コースなのですが、見ていると苗木を植えてまだ数年のうちの若い木の場合は花を摘み、もし実が成っても育つ前に全て摘み取っています。
最初の木が植えられて少なくとも15年は経っていて木も結構育ち、一見もう実も充分採れるのでは?と感じますが未だに果樹園オープンの話は聞きません。住んでいるところの財政難を考えれば、はたから見ればもうオープンしてお金を取ってもぎたてを提供しても良い頃では?と感じるくらい木は大きいのですが、ちゃんと年間の手入れはしているものの全くその兆しが無いのです。
10年近くなればどうにか実を成らせる物もあるはずですが、それでもまだ木が若いのでお金をとってまで人に採らせるほどでは無く個人所有では無い施設ですので、地域の保育園児にリンゴ狩り体験をさせた後の残りはどこかで消費出来るものでもないらしく、収穫せずに落ちたまま放置の実を多く見かけます。

お隣の家が元リンゴ農家で、その息子さんが幾本の木を所有していますが、樹齢15年位の木でも1本につき摘果で残す実は多くはなく収穫数は今のところ多くて40個くらい。息子さん自身は若いころから別の仕事でリンゴ栽培経験は手伝い程度。亡くなった親御さんほどの技術はなく商売でもないので実がそこそこ成れば良く、味はそれほど重視していないようです。
例えリンゴの木の栽培に最適な所であっても木がまだ充分に育っていないと美味しい実にするのは難しく、樹齢10年程度じゃ、まだまだ味が良い実は成らないとも聞いたことがあります。

家庭果樹なので早く実が食べたいというお気持は解りますが、まずは木が健やかに育って充実してくれるのが最優先ですので、木が若いうちはまだ多くは実を付けさせずできるだけ我慢し、もう5年ほどは木の成長優先で味見程度の個数の実を少数精鋭で成らせた方が良いかもしれません。リンゴというのは植えてから美味しい実を取れるまでが他の果樹より遅めで長い年月がかかり、その後は手入れ次第では100年近く生きて実を成らせ続ける性質です。新しく苗木を植えれば20〜30年位が一番良く実が採れるとも。5年じゃまだまだ若すぎます。お気持は解りますが焦ってもどうしたって年月のかかるものですので木を植えてからその木が充分に実を付けるのはご自分が植えた時の年齢から見てよく採れる様になるのは老年期に入る頃か、子供の代まで待つ事になると覚悟なさる位に考えておくのが賢明かと・・・。

リンゴの実は熟して収穫してすぐに食べて美味しい品種と、追熟させないと美味しく無い品種があります。‘つがる’に関してはこちらで栽培されていないので私はどちらかにあたるのか解りませんが、あらかじめ調べておいて追熟が必要な品種なら、オガクズなどに埋めて保存し食べごろになるまで低温と適度な湿度を保てる環境で保存し待たねばなりません・・・。(うちでは昔は生産者からリンゴ木箱ごと買って自宅で追熟させていましたが、今の市販のリンゴは皆追熟済み出荷なので、この性質を知らない人は案外多い様です)

あと、‘つがる’は青森県で作られた品種なので九州だと気候が過酷ですね・・・。寒暖の差が大きい地域じゃ無いと糖度が多く付かない性質の品種ですし・・・。九州だと秋の収穫までの寒暖差があまり無く、充分な糖度はどう頑張っても出ないかも・・・。
気候や栽培環境が違うと病害虫などの不調に陥り易い傾向や、木自体が夏の暑さなどの悪条件から実を熟させるのは無理と判断し通常よりも多く整理落下させる傾向が強くなりがちです。そういう面からの早期落果も考えられますが、この場合だと不調を起こす木自体への対処は難しく、植える木の品種を暖地に性質を適応させてある品種(リンゴの木は元々北方性の樹木なので、関東以西で植えるなら暖地に適応させてある品種がうまく育つ)を植えなおすくらいしかできないでしょうね・・・。

あと、リンゴの木と言うのは人為的に作られた「野生種が存在しない木」なので、元となった複数の原種由来の性質を無理やり変えた弊害で性質が弱く、人への依存度の高い樹種です。樹齢を経るほど病害虫に罹り易くなりますから(今回は環境不適応の品種の面からも)、発生前からの充分な農薬散布が必要です。これについては生産地でも無農薬栽培がいかに難しいかが「奇跡のリンゴ」と言う本が話題になり映画化された事で知られていますが、通常の栽培だと無農薬はほぼ無理です。でももしお住まいが余所のお宅が近くにある場合は農薬が拡散すればご近所の方の健康まで脅かす事になりかねなく迂闊に農薬自体が撒けません・・・。
元々とても広い植え場所を必要とする樹種(強剪定で低く仕立てますが本来はかなりの高木ですので根張りも凄く家の側に植えられない)その点から住宅街などでは「植えられない木」の類いです・・・。

もう植えてしまった物は仕方ありませんが、苗木を植える前にまず事前に品種の性質についてのリサーチは充分になさるべきだったと思います・・・。

退職者 2014/08/30(土) 20:46:11
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リンゴさん、ばんざいうさぎさん、的確なアドバイスありがとうございました。落下の原因がよくわかりました。当面は長い目でリンゴを観察し、リンゴが実をつけてもいいよと云うまで焦らず急がず見守りたいと思います。

薔薇と鳥 2014/08/30(土) 21:05:50
解決済みですが・・・

収穫前の落果については、品種によるところも大きいようです。津軽は、落果しやすい品種です。落果防止剤を使用すればかなり効果があるようですので、来年は検討されてみてはいかがでしょうか?

落果の原因については、高温、乾燥、日照不足、木の栄養不良、芯カビ病などがあげられるようです。(高温と日照不足が重なった年は特に落果が多いそうです。)

また暖地では、着色不良になりやすいのですでに完熟で落果と言うこともあるのでは?津軽などの早生品種は、店頭で見かけますし・・・(私も津軽とフジを栽培していたことがありますが、津軽はかなり早くから食べていたように思います。)

それからリンゴは、品種にもよると思いますがもぎたてより、1週間くらいたったものの方が追熟しておいしく食べられるそうですよ。(リンゴ狩りを検索していたら、「もぎたてもいいけど、家に持ち帰ったリンゴは1週間ほどおいてから食べるともっと美味しいよ。」と書いたリンゴ園がありました。)

余談ですが、落下すると傷つくので、ミカンネットをかけて枝からリンゴが取れても地面に落ちないように工夫されている方もおられますよ。

pine 【九州】 2014/09/01(月) 00:06:59
解決積みですし,落葉は専門外ですが・・・

 お書きの内容からは,あまり多くの情報は得られませんので,木の大きさや,植えてある場所,肥料やかん水,そのほか気づかれたことを書いた方が求める答えが近くなりますよ。

 日当たりや排水,土壌環境が悪くない事,鉢植えではない事が前提で。
 初結実であれば,樹体が30個の果実に耐えられなかったと考えた方がよろしいかと。そうであれば,来年以降,徐々に安定してくるはずです。
 また,九州では,今夏,多くの地域で日照不足が問題となっているようです。結果量が多く日照不足が重なれば,ある意味,落ちても不思議はありません。
 排水不良などが加われば,更に落ちやすくなるかと思います。排水不良が懸念されるなら,早めに排水対策を採られることです。

退職者 2014/09/07(日) 21:14:41
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薔薇と鳥さん、pineさん、重ね重ねご指導bありがとうございました。是非落下防止剤も活用し来年を楽しみに頑張ります。


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