黒法師
ピース
【四国】
2013/11/27(水) 10:47:33
よろしくお願いします。
3年前、地中海の島からもらってきた先端5センチほどの黒法師を鉢に植えました。今は直径1センチほどの茎が30センチほどに伸び、一番上に(花というか葉っぱが)10センチほど間延びしたように咲いてます。
ちっとも増えずさりとて枯れず、地中海では瓦屋根の上にもいっぱい咲いていたのに何が足りないのでしょうか。
鉢は一年中、日が当たる場所に置いてありますが冬の間、特に寒い時期は室内に取り込んでいます。肉厚系?かなと思って水やりはあまりしていません。
一度、県外の民家の前に黒法師ばかりの鉢がどっさり置いてあったのを見たことがありそれは見事なものでした。
ご主人によるとそれほど神経使わず外に置きっぱなしで、茎を挿してもすぐつくそうです。
あれほどに育ててみたいものです。
どなたか教えてください。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2013/11/27(水) 15:42:03
>地中海の島からもらってきた
帰国時に空港などでの植物検疫はきちんと通してあるのでしょうか・・・。
アエオニュームの仲間だとは思いますが、おそらく厳密には「黒法師」ではありません。日本で改良された園芸種ではありませんし、この仲間には色や形が良く似ているけれど性質が少し違う別種か別タイプも多く存在します。海外での入手や国内でもお店で買ってきた物ではない、親株にラベルが付いていなかった場合は基本種類名や品種名は不明です。お手持ちの個体も黒法師とはお呼びに成らない方がよろしいかと・・・。
外国に生えていた個体である場合、日本に持ち込んでも同じ様に元気に育つとは限りません。日本で流通している物は全て何代もかけて日本の気候に馴化するように改良した個体から殖やした物ばかりです。
これは主に多肉植物の業者や愛好家が海外から持ち込んだらすぐに実生増殖で殖やしていき、その中から丈夫に育つ個体を選抜、何年もかけて交配と選別を繰り返して性質を固定化して(多肉は栄養増殖が出来るので固定化を省いてある事も)、結果日本でも丈夫に育つ系統ができあがります。
例えが適切ではないかもしれませんが、外国発祥の人種の方や動物が日本に入ってきて、日本の人や日本の近縁の生物とは血縁が隔てられたまま育ち、生まれては子孫を残すを何代も繰り返し経るうちに、日本生まれ日本育ちだと本来の出身国の時の性質から少し変わってしまう様なもの。
日本で性質を変えられてしまった個体は、元の先祖の出身国にこれから持って行っても環境が急に変わる為に、おそらくうまくは育たない事でしょう。
時折、海外からアエオニュームの日本ではまだ知られていない種を個人輸入(植物検疫をうけている)しては栽培している方のブログなど拝見しますが、やはり日本での栽培はなかなかうまくは行かないようです・・・。どの植物でも言える事ですが環境が違う所から移動された物は大抵日本での栽培は難しく、最初の2〜3代はできるだけ自生国の環境に近い様にしての栽培が望ましいです。
日本で見かけるアエオニュームはすでに環境に馴化している大変丈夫な系統のものですから育ちが良いのは当たり前のことですし、‘黒法師’や‘サンバースト’などは日本ではすでに園芸植物として完成しているものと言えます。
反対に、海外の自生物の採取というのはその地の自生物や、かなり昔にその国に持ち込まれすっかり馴化している個体が、環境がかなり違う遠い国へ持ち込まれた訳ですから育ちにくくても仕方ない事が多いのです。
見事に育ったアエオニュームを目指したいのなら、今お持ちの海外産では残念ながら難しいと言う事です。日本の環境にすっかり慣れている物を改めてご入手の上、育ててみて下さい。
それと、アエオニュームは基本宿根草ですが、性質上花が咲いてしまうとその株は枯れてしまう事が多いので(同じ科の日本原産の異種でも同じ性質を持つものがいくつかある)、同一の性質のものを必ず残したい場合は早いうちから茎の途中で切り離して挿して殖やしておく必要があります。また、一本仕立てよりも頭部分を切って脇枝を出させる仕立ての方が育ちが良くも感じます(正しいかの確信はありません)
お手持ちの株に将来もし花が咲いた後にうまく受粉できれば(自家受粉より日本にある個体との人工交配の方が丈夫な子孫が出易いかも)種子が取れれば種子で殖やして複数栽培の上丈夫な個体を残す様にお薦めしたいですが、多肉植物の愛好家の方レベルの設備でも無いと数多くの栽培は難しいかもしれません・・・。
植物検疫については検索してご確認の上、これからは迂闊に海外の植物を持ち込まない様にお願い致します(海外で購入した花の種子も対象になります)。きちんと許可をいただけてからの採取・国内持ち込みは何の問題もないのですが、計画なしの一時的衝動からの持ち込みの場合は、今回の様に国内に持ち込んでも素人には上手に育てられない事がとても多いです。
植物の種類によっては付着や植物体そのものに潜んでいる病害虫の菌や卵など日本への持ち込みの危険性が考えられますので・・・。
ピース
2013/11/27(水) 16:16:30
[[解決]]
早速のご返事、大変詳しく書いて下さってありがとうございました。
勝手に黒法師と思い込んでおりました。
色や形が似ていても様々なタイプがあることも分かりました。
ネットで調べてみても似ているようでも何となく違うような気もしておりました。環境に順応しにくいことで成長が芳しくないことも分かりました。
大切な植物ですのでずっと見守っていきたいと思います。
どうもありがとうございました。
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