防虫剤の効果について

[園芸相談センター]の過去ログです

Kiyo 【北陸】 2011/03/07(月) 13:09:44
防虫剤について、よく「同じ薬を続けないで違う薬をやると効果がある」と言われますが、ほんとうでしょうか?私の先輩がピレスロイド系の薬とネオニコチノイド系を交互にやると良いと言うのですが、なぜでしょうか?

たちつ 【近畿】 2011/03/07(月) 16:43:08

難しく考えないで、のほほぉ〜んと、簡単に,割り切って考えてみましょうね。

例えば、食べ物で何が一番美味しいかと言えば、お袋が作った食事が例え、不味くても、一番美味しいものです。超高級料理店の5つ星シェフが作ったものより美味しい。長期的に見れば、お袋の味は、文句を言っても食べ続ける。反面、シェフの料理は、飽きてくる。これが普通です。
感性によるものです。⇒慣れる⇒耐性が付く(抵抗力・解毒能力が付く)
=進化とも言える。環境適応能力・学習するという。

他に例えれば、河豚の毒は河豚にとって有効か。(・・?
河豚毒は、一固体の河豚にとって、条件付き無害であるし、解毒する(排出する)能力がないので、蓄積してしまう。
外敵には、概ね有毒ですが、河豚を食べれば即死するので、耐性解毒する能力が生まれない。従って、外敵は、進化できない。有毒という認識より、多分美味しくないということから、食べないのでしょう。
カモメで実験しましたが、一時は、追いかけるものの、反転して、見向きもしない。
でも、良く観察すれば、皮膚には、ある種の寄生虫がいる。寄生虫は共存している。寄生虫は、単細胞?なので、死ぬより、繁殖するほうが多い。
生き残った寄生虫が、進化して、解毒能力?(排出・選別能力)を持つので、今も寄生虫は、生き残っている。人は経験値=知恵を持っているので、毒を除去して食べるか、毒をある種の酵素で分解させて、無害化させ好みで食べている。

と言うことで、殺虫剤・防虫剤(忌避剤)は、単細胞?たる害虫には、徐々に効かなくなる。これを免疫ができるとか、耐性ができるという。
此の場合の、害虫とは、概ね、ダニ・アブラムシ(ゴキブリではない)などを指す。これらは、
産卵数が多くライフサイクルが短い事による。
散布と言っても、確実に致死量以上を与えられない。散布ムラがある(致死にいたる時間と濃度の溶液のな中へ水没させることもできない)
害虫の卵には、効果が極めて弱い。しかも、卵と成虫幼虫が同時に発現している。
エコ思想(残留毒からの忌避・副作用の脅威からの開放)の普及とか、取り扱いの無知な人々でも容易に手に入り、取り扱いに関しても、知ろうとしない。危険性に無頓着な人でも自己判断で無手勝流に利用するが故、毒性も弱くしている。
農薬も、専門化(単一機能化・細分化)して、万能。(総合化)なものではない。・・・風邪薬と言っても、昔の総合感冒薬でと言うより、今では、解熱剤・咳止め・頭痛神経麻痺薬などに細分化されている。
風邪薬といえば、アスピリンで、農薬と言えば、DDTが良かったというのが私の思い込み。
概ね、このようなイメージ。

ピレスロイド系(蚊取り線香のようなもの)やネオニコチノイド系(タバコ中毒のようなもの)、有機リン酸系(地下鉄サリン事件のようなもの)は神経毒。
其の他気孔閉塞窒息系殺虫物質もある(油・洗剤・牛乳・デンプン糊のようなもの)
火傷系・脱水系として、硫黄石灰合剤・食塩などもある。

料理のように、見て食べる・香りで食べる・舌で食べる・耳で食べる・感覚でたべるとか、辛味・塩味・酸味・甘味・苦味・旨味など海のもの・山のもの・里のものなど色々と変えたほうが美味しく感じる。
それらの食材等のサイクルを不規則に変える。
概ね、山のものは山のもの・海のものは海のものどおし組併せたほうが、万人向けの料理になりやすい。違和感がすくないものです。
と言うことは、同系列の農薬では、耐性が付き易い=効果がなくなりやすくなる。

結論として、害虫の耐性を防ぐために、色々な適合農薬を変えて、許容範囲内で、適量を回数多く使用するとより効果的です。惰性とかマンネリ化しないことです。
必要にして十分な時に・必要にして十分な農薬を・苦慮している害虫にたいし、適合する方法で、散布し、排除するという、排他的ゲームを楽しむことですねぇ〜。これでも遊びではなく、仕事しているという大人の格好良い鬼ごっことも言える。
これも趣味としての園芸の楽しみ方です。

と言うことで、一見して無関係な園芸害虫と料理の関連付けでした編。

  \(^o^)/


たちつ 【近畿】 2011/03/07(月) 18:39:15

尚 浸透移行性殺虫農薬(食あたり農薬)と接触毒性殺虫剤(気道閉塞)という別け方もあり、浸透性タイプは、食あたりタイプと皮膚浸透タイプがある。
概ね、浸透性は、持続期間は長く、皮膚浸透型や閉塞窒息型は、効能の期間が短い。散布し乾燥すればそれで終わり。
いずれも卵には、効果がない。

錯覚しやすい事は、浸透性や窒息性も、害虫が弱る・死亡するまで、体感的にかなりの時間なり、日数がかかる。弱っていても、死亡してもこれで全滅する・全滅したと思い込むことです。死亡しても、短日数で、卵は孵化して、再び大量出現する。此のときに、此の農薬は、効果がなかったと思い込む危険性がある。
そこで、卵が、孵化するまで、(害虫産卵するまでに)待ってから再度散布する。例えば、週一回を3週間つづけるとか。
家系を断つということかも。後は、飛来する別集団家系を近づけ安住させない為に、監視と適時適切な防除をする、つまり、セキュリティー管理を充実させる。防犯防火のようなもの。

農薬使用に関して、人的・植物的・環境的な薬害等直接的・間接的・蓄積などの影響は、別途考慮する必要もある。手間隙費用とか

いずれにしても、ゲーム感覚でも持って、楽しく感じないと、面倒でやっとれられないものです。   (^_^;)


kiyo 【北陸】 2011/03/08(火) 16:06:19
[[解決]]
要はこまめにやるしかないって事ですね、ありがとうございました。

Sekizuka(解決済みですが) 2011/03/08(火) 18:37:35
誤解が広まるのも何なので、一応、「学術的に正しい」事も書いておきます。

抵抗性というものは個体レベルで付くものではありません。群れレベルで考えます。
我々ヒト(H.sapiens)も同じですが、同じ種類の生物でも個体により、ある物質への耐性が異なります。例えば、ヒトでアルコールの致死量は個体差がある、ということです。
ここで、殺虫剤を用いるとその殺虫剤に強い個体が生き残ります。これを繰り返すとその殺虫剤に強い群れが残ります。これを抵抗性の獲得と称します。耐病性の育種と一緒ですね。

ここで作用点が違う殺虫剤を交互に用いると、両方に強い個体は少ないので抵抗性の獲得が遅れます。先輩さんの言っているのはこの事でしょう。
合ピレとネオニコは作用点がかなり違い、かつ、どちらも割とスペクトルが広いので、その組み合わせを選んでいるのでしょうねぇ。作物と虫の組み合わせによっては、より合理的な組み合わせはあり得ます。



基本的な知識については↓の書籍をお薦めします。
「病気・害虫の出方と農薬選び」
http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_4540042912/


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