イチイがうまく育ってくれません。
及川
2010/05/10(月) 22:50:29
3年ほど前に植えた,現在高さ2.5m位のイチイが元気ありません。
こんもりとなって欲しいのですが,枝も葉もボリュームが全然なく,スカスカの状態です。葉は茶色く枯れたところが,所々にあります。隣の家との間にあり,日当たりはいいとは言えません。高植えにはしていません。なんとか,このイチイを枝と葉でこんもりとさせたいのですが,いい方法がありましたら教えてください。宜しくお願いいたします。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2010/05/12(水) 13:57:44
まず、お住まいの地域と標高、植えた場所の土質や水はけ、その木の樹齢、雌雄異木ですので雄木か雌木なのか、適した時期に剪定(刈り込み)を行っているかを必ずお書き下さいね
まだ若い苗木から植えて現在2・5メートルであるのなら、まだまだ若過ぎてそもそも枝葉にはボリュームはでてきません。比較的若いうちから軽い剪定(刈り込み)を繰り返し枝から出る若い枝を多くし葉も多めに出るように人間が仕向けないと、なんの手もつけていないイチイは枝がこんもりしたりはせずに枝はスカスカでどんどん背が高くなるだけです。(綺麗な刈り込みをしたイチイの木を根元から見上げれば、葉の付いている部分はほとんど表面に集まっていて、枝は短く太く密に育っているのがわかります)イチイの木は放置していては絶対こんもりした樹形にはならず松の様な大きな枝ぶりでまっすぐの幹がかなり背が高くなって育ちます。植え木として楽しむには知識を持った人間がうまく剪定をして手を加えてあげない事にはいつまでたっても枝はこんもりせずだんだん横に上にと育つだけです
北海道の原生林に生えるイチイの古木は枝葉よりも幹の赤茶色がとても目立つ太い木で10メートル以上あるのがザラです。イチイは太古より(聖徳太子の絵で両手で持っているものがイチイ製で、その質の良さで「一位」の名が付きました)人間の手の付かないものは年々枝よりも幹の方が発達しとても質の良い高級木材として珍重されます。野性味を生かした庭木として庭に植えられていた樹齢の古い太い木が、何らかの事情でやむおえなく切り倒されたとしても、その幹は材木商に売ればかなり良い値で引き取ってもらえるほどです
芯を止めて2・5メートルくらいに成る様に仕立ててあった、樹齢の大きい木でちゃんと剪定してあっても、最初からスカスカに成る様に(玉状に枝葉を残す仕立て方)仕立ててあったり、雌木で実が成ると枝葉があまり茂らず全体にスカスカになりやすいものもあります
ある程度大きくした木を移植したのなら、雄木であれば少々環境が悪くても木自体は元気なものです。枯れた葉と言うのが常緑ではあっても新しい葉との入れ替わりで落ちる古い葉では無いのなら、一度病気を疑って植木屋さんに見てもらってはどうでしょうか?幸い生理的な枯れ葉であれば、プロにどんな形にしたいか好みの樹形を伝えて(洋風か和風か、特に作って欲しい樹形があればイメージを詳しく伝えて下さい)その形に育つ様に若いうちから仕立てや刈りこみを行ってもらって下さい。剪定の知識の無い人が刈ると修復出来なくなり、太い枝を切って不格好になることもありますので、同じ植木屋さんに長い間受け持ってもらって刈り込んで貰えばこんもりと立派な木に仕立てて貰えます
よく外国のお城の庭で綺麗なグリーンのいろんな形に刈りこんだ木や、背の高い生垣で出来た壁や迷路なんかがガーデニング雑誌のグラビアに載っていますよね?あれは「西洋種のイチイ」で出来ていて、大抵そこの城の持ち主に雇われている専門の庭師がいてマメに刈り込みなどの手入れが行われています
あそこまで自在に形を変化させた樹形のイチイは、もう芸術の域に達していますよね
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