有機石灰とは何か?
犬塚信乃
【関東】
2005/10/23(日) 20:40:51
一般に有機石灰として販売されているものは
貝殻の粉砕物乃至は貝化石の粉末状製品が多いように思います。
従って、その成分には有機質は含まれないものと思いますが
何故「有機」と銘打って販売されるのでしょうか?
そのへんの理由を判り易く教えていただけると幸いです。
さくら
2005/10/23(日) 21:19:47
広辞苑では「生命力を有するもの」と説明されてますね。
私は「自然素材を使ったもの」と理解していました。
「有機」という言葉は、自然力を使った環境に優しいものの様な印象がありますが、疑いを持つようなものや、自然素材ではあるけれどそれ自体が人為的に作られたものなど(遺伝子組み換え大豆など)があり、あてになりませんな。
「有機発毛剤」なんかは返って使おうと思いませんな。ウンウン。
たちつ
【近畿】
2005/10/23(日) 21:26:18
単純に、化学反応させたり、工場で大量生産されなかったからです。
自然物=有機物の意味で、炭素が無くても有機物。石油は石でなくても、鉱物資源。
無機石灰は、石灰石を砕いて、焼けば、生石灰、水で反応させて、消石灰。炭酸ガスを吹き込んで、沈殿物を加熱すれば、又生石灰が出来た。と思います。・・・一寸忘れました。
貝殻は、一部でしか使われずに、捨てられていた。最近は、環境汚染と廃棄物コストが高いので、再利用されるに至った。
牡蠣貝殻、貝柱帆立貝殻、浅蜊貝殻が問題視されている。
其の他、卵の殻、甲烏賊の背骨、海老蟹の甲羅も健康食品や水質浄化などに利用されている。 昆布・若布・漂着海草も肥料や糊として利用。
今の問題は、鶏・牛・豚の骨が家畜の飼料として、用いられていましたが、狂牛病やサーズの問題で使い難くなって来た。
ハッピ−マン
2005/10/24(月) 08:50:32
犬塚信乃さん、おはようございます。有機栽培の野菜は値打ちがあるということで、有機栽培では肥料が「有機肥料」に限定されています。肥料成分は最終的には無機物として植物に吸収されますので、どういう肥料であっても有効成分が含まれていて効果が同じであれば同じなのですがね。有機肥料の定義が農林省から出されています。有機肥料とは、化学工場で化学的に生産された肥料を一切含まない、自然由来の肥料とされています。このあたりの見極めは難しくて、肥料の検査監督をしている肥飼料検査所でも、有機肥料の検定は、各地にある認証団体というものに丸投げしています。ということで、自然由来の肥料が、いわゆる「有機肥料」です。有機栽培、無農薬栽培は消費者にとっても、生産農家にとっても、自然志向のひとつの形になっています。
犬塚信乃
2005/10/25(火) 18:09:05
[[解決]]
さくらさん、たちつさん、ハッピーマンさん、コメントを有難うございます。
「自然物由来」っていう定義はなんだかとってもアイマイで
すっきりしないですね。
有機の文字が入ると、有難いみたいな風潮はなんとかならないものでしょうか?
pinetree
2005/10/25(火) 23:28:43
犬塚さんこんばんは 解決済みですけど
私が持っている土壌肥料関係の本は20年以上前の物です。ただ,それなりの書物ですが「有機石灰」の記載はありません。農学大事典でも同様です。いつ頃から言われだしたのか,私も知りたいですね。
石灰質肥料のほとんどは,「自然物由来」で,多くは炭酸カルシウムが主体のはずです。
石灰石を焼いた物が生石灰ですし,それに水を加えて反応させた物が消石灰です。苦土石灰はもっと単純で,珊瑚化石などのドロマイトと呼ばれる鉱物を砕いた物です。
お書きのように,貝化石なども有機石灰に入れられるようですが,さて,苦土石灰と何の違いがあるのでしょうか?単にマグネシウム(苦土)の有無だけでしょうか??「有機」の付く理由,本当に,教えて欲しいですね。
最後の一文は同感です。
たちつ
【近畿】
2005/10/26(水) 11:47:33
有機にこだわる至った理由は、昭和37年のPCBの問題と46年の農薬取締法の改正やチッソ訴訟・カネミ水銀中毒事件からだと思います。日立カドミユウムは無視されていた。そこで、各社は、消費者の拒絶反応を和らげる為にこぞって「化学」の使用をやめ、「有機質」の「質」を使った。「有機質肥料」「有機質除草剤」「有機質農薬」等。「有機質」の意味は、動植物が持っている成分を分析して、化学的に生成したもの。
その後、「質」を省略した。その名残りが、例えば、除虫菊に含まれているXXXXから、抽出されたXXXXである等の表示している。科学・化学上の定義と、農業の定義? 意味は一寸異なります。最近は、良心が傷むのか、商法上なのか、含有比率が微量でも、「有機XX入り」「有機XX抽出」と表示されている。
これなどは如何でしょうか。
「有機農薬というのは、有機化学的手法で人工的に合成された農薬、ということですが、読者の方にはピンと来ないかもしれません。現在の農薬の9割は有機農薬と考えればいいでしょう。」
ここまで、表現出来れば、立派なものです
・゜゜・(≧д≦)・゜゜・
もっと手短に、草木灰や墨(モミガラ燻炭)も炭素は在っても、水素との結合がない。でも有機資材。これが有機物なら、ダイヤも有機物になる。
動植物が生成した、自然物から産出したものが一般的解釈となっているようです。ここで問題になるのが、石油・石炭を含めないという意味です。
>石油は石でなくても、鉱物資源。・・・・・上の送信の数行部分で簡単に書き流した。
又、ドロマイトも書くべきか迷いましたが、ややこしくなるので省略した。ドロハイトも貝殻も、粉砕しただけとか、加熱粉砕しただけで区別が付かなくなる。・・・区別の説明が出来ないので、逃げた。(^_^;)
其の他、オイルショク時の有限資源説やドルショック円高など社会の要求や潮流も影響している。
と理解しています。
犬塚信乃
2005/10/27(木) 22:43:51
Pinetreeさんとたちつさん、回答の難しい質問に敢て応えて戴いて
有難うございます。
貴方達とのやりとりは実に楽しいです。
こんなこと書くと怒られそうですが。
ハッピ−マン
2005/11/02(水) 20:09:02
みなさん、今日仕事の関係で石灰メ−カ−の人に会いました。有機肥料というのは天然由来の物でないと認められないということで、天然の石灰石(炭酸カルシュウム)をベ−スに化学工場で製造した生石灰や消石灰はどうなのか?聞いてみました。答えはNoということで、それらが少しでも混合されている肥料は「有機肥料」ではない、とのことでした。ただ単に化学工場で焼くという処理をしてもいけないのだそうです。
それから、無機物も含めた肥料の体系に「有機」というかんむり言葉をかぶせて使うのは、おかしいのではないかということについては、役人が法律文書をまとめるに当たって「有機」という言葉の定義を新たに創作したのであって、従来からの有機という意味からずれているかどうかは問題ではないとのことでした。有機物が生きた生物から造られるということで、「有機石灰」とは、かつて有機物であった魚介類が作りだした石灰成分という意味合いだそうです。 まあ、法律の世界は一般常識では考えられない定義をする世界のようです。
以上、ご報告まで。
旬
【関東】
2005/11/02(水) 23:10:00
本論からずれる上、変なツッコミになって申し訳ないのですが、
>カネミ水銀中毒事件からだと思います。日立カドミユウムは無視されて...
カネミ油症事件はPCB(ポリ塩化ビフェニル)が原因、水銀中毒は水俣病です。
また、日立カドミウムというのは寡聞のせいか初めて聞いたのですが、
日立鉱山で問題になったのは煙害で、
カドミウム汚染は神通川(三井鉱山)や足尾鉱毒事件(古河鉱業)の問題であったと記憶しています。
「どれも同じようなもの」と言ってしまえばそれまでですが、日本の公害問題や企業コンプライアンスにおいて
重要な事件であったので、せめて情報は正確に伝えたいと考えます。
閑話休題、犬塚さんご指摘の「有機石灰」については、「有機」のもつふたつの意味(「炭化水素」と「生物起源」)、
の混用が原因と考えます。
誤解を防ぐために、生物起源石灰は「バイオ石灰」とするなどの方法が必要では?
と個人的には思います。
(「石油・石炭もつきつめれば生物起源」というご指摘もありますが)
たちつ
【近畿】
2005/11/02(水) 23:53:04
旬さん、訂正くださりありがとうございます。公害も多すぎて、混乱しています。(^_^;) & <(_ _)>
旬
【関東】
2005/11/03(木) 00:14:50
失礼な指摘になったかと危惧していたのですが、暖かいご回答ありがとうございました。
たちつさんのご博識とご高察、それと何より(失礼ながら)お歳にも関わらないご意見の先進性や柔軟さにいつも感服しております。
今後も貴重なご見識のご教授をお願いいたします。
犬塚信乃
2005/11/04(金) 18:51:51
旬さん、お久しぶりです。
ちょっと皆さんはたちつさんに騙されていますよ。
たちつさんは皆さんが思っているよりずっとお若いんじゃないかと
私は感じているのですが。
はやと
2005/11/07(月) 22:24:57
顔文字なんかも使われていますしね!?(笑)
旬
【関東】
2005/11/08(火) 07:46:34
犬塚さんこんにちは
>たちつさんは皆さんが思っているよりずっとお若いんじゃないかと
おおっ、これは大胆な推理ですね。
確かにあのバイタリティはお歳にしては尋常ではないようにも思えます。
ただ、たまに登場される「かあちゃん」のお話や、老眼ネタなど、えもいわれぬリアリティがあって、
やはりそれなりのお歳では、と個人的には思うのですが...
園芸相談掲示板@園芸相談センター