雨の日の受粉 メロン

[園芸相談センター]の過去ログです

べじべじ 【東北】 2013/06/17(月) 19:19:52
メロンは雨の日でも受粉するでしょうか?
露地でトンネル栽培しています。
気温は最低20度、最高30度は確保出来ています。

もし、効果的な方法をご存じの方いましたら、教えて頂ければ幸いです。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2013/06/19(水) 18:54:07
レスがつきませんね・・・。
簡単に言ってしまうと、トンネル使用のままでは雨続きなら自然受粉は難しいと思います。
虫媒花なので昆虫の活発に飛ぶ条件が揃わないと花粉がうまく運ばれません。(昆虫が活発に飛ぶ条件は気温だけではありません。)
また、トンネル栽培では雨の日は気温が低くなりがちなのでトンネルは閉じたまま。実質虫の立ち入り禁止。虫の入り込む余地がありません・・・。(雨の日に一部を開けたままでは虫もなかなか入らないし、広く開ければトンネル栽培にする意味がありませんものね)

人工授粉(人が手で受粉する)をマメに行うなら少しは成功率が高いと思いますが、晴天(気温の他に日照と湿度が関係してくる)に成らないと雄蕊の葯の開きが悪くて花粉があまり吹き出ていないかも。花自体が雨に濡れてしまっていたりすれば花粉の付き(受精)も良くないかと・・・。

北海道の夕張メロンは露地栽培(露地というのは外気に晒している事なのでトンネル栽培は露地植えとはいえません)のメロンよりも3か月くらい早く収穫できますが、あれはビニールハウスでの栽培(ハウス内暖房使用)の賜物です。買うと高いのは暖房費なども含まれるため。
まだまだ屋外は寒いうちから(酷いと所々雪が残っている)、苗を植えて栽培し、露地栽培ではまだ育苗中で畑地に苗を植えていないうちから花を咲かせます。ハウスはビニールをめくっての通気をすれば寒い空気が入りますから新鮮な空気は機械で温めてから循環。
そういう環境なのに、人工的な授粉を行わなくてもちゃんと受粉するのはなぜか?(一つ一つ人が人工授粉させていれば人件費も加わり値段はもっと高くなる)
「ビニールハウス内で蜂を飼って受粉させているから」です。
ビニールハウス内だと、室温は一定にさせてあるし換気しているので天木に関係なく割と湿度は低めです。そういう環境だと昆虫も割と活発に飛びまわるので(よほどの曇天だと昼間でも薄暗く動きが鈍くなるかも?)まんべんなくハウス内の受粉が出来ます。昔はセイヨウマルハナバチの販売がありましたが逸脱・帰化で問題に、現在はセイヨウミツバチを蜂屋さんからレンタルして飛ばせています。

ビニールトンネルでの栽培だと、株自体の生育には有効なのですが自然受粉にはかなり不利に成り易いのです。今の気温ならもう遅霜もなく仮に同じ大きさの株が露地に植えてあっても育ちはそんなに変わらないと思いますし、今時期の受粉率はもちろん蜂の自由に飛びまわれる露地植えの方が楽に多く受粉すると思います。
今時期でもビニールトンネルをかけての栽培を続けるのなら、人がマメに人工授粉させてやるしかないと思います・・・。

私の伯父が昔メロン栽培をしていましたが完全露地栽培でした。子供の頃は兄弟3人で夏休みに遊びに行き、収穫や梱包作業を手伝ったものです。これは行くと出荷できないメロンの食べ放題だったからですが、伯父の所は苗の育苗以外はマルチを張るくらいですべて露地で栽培していました。
結婚後は連れ合いの親戚がメロン栽培をしていて、そこもマルチ使用での露地栽培でした。どこかの会社と契約栽培してるとかで、ネットメロンですが最適な場所が川の近くで氾濫すると冠水するので、トンネルやハウス栽培が出来ないからだとか。

実の収穫間近に雨に当ててしまうと実が割れやすいので、その時期にはまたトンネル掛けするのは有効と思いますが(必ず通気性は良くしておくこと)、トンネル使用のままで受粉の心配をするよりも、今時期はトンネルは片方に寄せて畳んでおき全開にして置いた方が、同じ天候でもトンネルありよりも、かなり受粉率は良くなると思いますよ。

べじべじ 【東北】 2013/06/21(金) 16:37:49
ばんざいうさぎさんありがとうございます。
北海道でのメロン栽培についてまで、詳しく教えて頂きありがとうございました。興味深く読ませて頂きました。
実は、私はトンネル栽培をしていますが、トンネルといっても温度が高温になりすぎるために、最初は穴を空けますが、現在は両脇を解放しています。小蔓15節まで位はトンネルのビニール下での生育になりますが、それ以降はトンネルからはみ出てしまいます。そんな栽培をしているのですが、肝心の受粉期(現在)に雨が降ってしまった場合どうすれば良いのかという不安から質問をさせて頂きました。先程述べましたように、受粉する箇所は直接雨に当たることはありません。けれども、ばんざいうさぎさんが述べられるように、雨の日は雄しべの葯が開かずに花粉が出にくいというのであれば、受粉を控えた方がよろしいのでしょうか?しかしながら、待っていると適時を逃してしまします。農家のみなさんは、天気が雨でも雨が花にかかっていないのであれば、通常の受粉作業を行うのでしょうか?それとも、オーキシン(トマトトーン)、ジベレリンを用いたホルモン処理による結実を促す方法をとるのでしょうか?それだったら、雨でも大丈夫なのでしょうか?
雨の日ということもありますし、虫媒花で蜂や他の虫が少ない時ですので、自然受粉は見込めないと考えます。
アドバイスをお願いします。

ばんざいうさぎ 2013/06/21(金) 21:06:15
べじべじさんこんばんは。長文になります。申し訳ありません・・・。
最初に聞くのを忘れましたがメロン栽培は何年目でしょうか?
そして今までも同じ栽培法ですか?

現在はトンネルの両脇(端っこの事ですよね?)のみ解放とのことですが、青天の時でも同様なのですか?
もし、そうであれば受粉を行う虫の為に日中は必ず両脇では無くトンネル側面の方を全部畳むか、少なくとも南側(又はより日光の当たる方向)だけ真上まで引きあげてやって下さい。
飛翔昆虫は入口が狭いとうまく入りませんし(ビニールが実質壁に成っていて入りにくい。このために受粉が特に悪い可能性が・・・)、うまく入っても周りが透けて見えるのに何かに遮られている狭い空間(の様に昆虫には見える)に入り込んだと気が付けばすぐにパニックを起こして花に止まるどころではなくなり内部でしばらくやみくもに飛び回りビニールにぶつかって、ようやくもう一方の端から出ていくだけです・・・。(もし横のビニールも開けているのなら上の文は必要ないです。申し訳ありません)

自然受粉でできるだけ受粉率をあげるには昆虫が飛んできやすく、特に昆虫の目の構造と、ウリ科の上向きの花の中に(人の眼には見えない)昆虫へのアピール用の目印があるため、虫が目印を真上から見やすい(目印がよりはっきりと見える)様に、上下左右の空間は何メートルもの広さがあるか、完全解放が基本。開花期にビニールトンネル使用が向かないのはこの為。透けている壁で遮られている中に、上手に端っこの開口部だけから出入りするなぞは到底無理です。
虫によって日光のより強く当たる方を好んで飛び立つ性質もありますので、ビニール張りだと飛ぼうと思ったら透明なビニールに激突する事になり、トンネル程度の空間は昆虫から見れば迷惑な存在なので上記でこの時期はトンネルのビニールは畳んだ方が良いと書いたわけです。そうすれば昆虫が安全に自由に飛びまわれ、美味しい蜜や花粉を求めて何度も同じ場所に通ってくる様に成り易いのです。

私の住むこの辺の農家は例えメロンを作っていても 市場に出す規模は無くほとんどが8月のお盆に食べる自家用で片手間に作る程度です。こちらは主要作物(農協が出荷管理)栽培に手がかかる為、ネット系のメロンの栽培までは手が回らない(作っても農協は無関係。他社と契約すれば農協との関係が悪くなる)。伯父の所はまだ農協がメロン出荷を行っていた頃の昔の話。ネットメロンが知られる以前の、プリンスメロンとエリザベスメロンが主で、あと自家用にマクワウリを少し。受粉は完全に自然任せ。
プリンスメロンは、最近「ホームメロン」と呼ばれ家庭菜園用に苗が売られているくらい作り易く実が成り易いです。
ホルモン剤使用についてはミニトマトを出荷している農家だと、促成栽培で花の咲き始めにトマトトーンを使用している事がありますが、農家はわざわざ自家用のメロンにまでは使ってはいないと思います。
それというのも農家は出荷用の作物栽培には薬剤を積極的に取り入れますが(農協が勧め時期や量や回数は厳守。決まりを破ると農協が引き取って出荷してくれない)。
自分たちの為の自家用野菜には極力農薬やホルモン剤などは避けます。薬剤は見栄え良く作る為に使う(早く採れる、大きさ・形が揃う、数が多く採れるので)だけで、農家は野菜の消費者とは違い(消費者は薬剤の効き目が切れている物を購入するだけ)、薬剤の使用頻度が多く健康への影響(薬剤使用当事者の、口に入る他に散布時に吸入・皮膚に付着での中毒やカブレ)の恐ろしさを良く知っている人たちなので自家用の野菜にまではできるだけ使いたくないし、収穫も決して急ぎませんから極力良い土で(商業栽培は化成肥料で土がやせ気味)有機栽培でしっかりと健康に育て(薬剤を使うのは作物に無理をさせて育てる為の弊害を防除の為)、早くも大きくも形が良くも無くていいので安全な物を旬の時に豊富に食べたい(これが一番味が良く栄養価が高い)と考えています。(少なくとも北海道の農業は。無理に育てず土や環境さえ良ければ気候が良いので病害虫に罹りにくい)
商業栽培はあくまでも消費者側の考えと運搬・販売にかかわる人間側の都合優先(いつも食べたい、見栄えの良い物、アクの薄い物、効率よく運びやすい形など)せめて自分達の口に入る物は理想的な土から昔からの栽培で味の濃い物を作りたいと言う事です。

家庭菜園と言うのは、商業栽培の野菜では無い安全な物を自分で育て食べたいとの思いからすることで、薬剤に頼ってしまえば実質商業栽培野菜と似た様なもの(自分で薬剤を使うのなら、もっと悪い)。
経費を考えれば出来た物を買うよりも割高になる栽培なのに、更に薬剤使用では家庭菜園の意味があまり無くなると思いますが・・・。

メロンを専門に栽培している農家だと積極的にホルモン剤など使用しているところも一部にはあるのかもしれませんが、ブランドメロンはどこでもビニールハウスで授粉用セイヨウミツバチのレンタル巣箱設置でしょう。

使う量や時期、扱い方を間違うと人体に影響が出易いホルモン剤や農薬など薬剤は、家庭菜園なら頼って使うべきものではなく、もし購入しても余らせ期限内に使いきれない、処理に困るなどで、使用は極力避けた方が良いのではないでしょうか・・・。個人的には、私は医療知識があり勤務時には患者さんの、薬剤の影響による症状を見たり経験談を聞いた事があるため、できるだけ使いたくはないです・・・。
使用時に必要な装備を準備万端に、使用に最適な条件の見極めなどが難しく、誤ってご自分の健康を脅かす事にも成りかねないですから、人工受粉で運に任すか昆虫がうまい具合に受粉させてくれるのを、トンネルのビニールを解放して待つのが、正常に受精してもらうには一番確実と思いますが・・・。

受精というのは、環境(花粉にとっては湿度の低さも重要な条件)の他、雌蕊の成熟具合で自然でも人工的でも受粉率が左右されます。雌花の雌蕊の先が成熟してもいないのに花粉を付けてもホルモン剤を付けても受精はしませんし、変に人工授精させようとして雌蕊を傷めてしまえば美味しい実は成りません。メロンは元々夏が旬ですから今時期から受粉させたとしてもまだ旬では無く「はしり」です。家庭菜園程度だと美味しいものが採れるかどうかまでは解りません(今時期から確実に受精させ実を付けさせ良い物を作りたいなら中で蜂を飼いながらのビニールハウス栽培しかありません)。今時期はそんなにうまく結実しないのは当たり前な野菜です。
早く実をならしたい気をもんでいろいろと人が手を加えれば、かえって不都合が出て受粉率を下げたり変形実を作りかねないと私は考えます・・・。

雨ばかりと言っても、日中とめどなく降っているわけではなく雨の止んでいる時や曇りの日には虫が飛んでいます。花粉を出す準備の出来ている雄花は短時間でも条件が整えば葯から花粉を出しますし、雌花も受精し易い状態になります。
花粉の事だけ気にしていても雌花の成熟具合が一番重要で、こればっかりは人が思う様にはいかず無理に受精可能な状態に出来ないし見守るしかありません。

梅雨が終われば、栽培法さえ適切なら毎日どんどん受粉し実が多く成るでしょうから摘果して良い実だけを残せます。今は受粉率が人の側から見て悪くても、ビニールハウス以外で栽培されているメロンなら当たり前の事かと・・・。

季節的に受粉が悪いんじゃないかとお感じになっているのなら、お近くでもし同じ様にメロンを栽培しているところがあればやはり同じ様な物かと・・・。設備投資しての特別な環境での栽培をしている所以外、余所より受粉を良くしたいと思っても難しいのでは・・・。


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