じゃがいもの有機栽培

[園芸相談センター]の過去ログです

てながえび 2009/02/15(日) 00:15:52
はじめまして、今春初めて、有機栽培でじゃがいもを
植えようかと思いますが、肥料(元肥・追肥)はどのようなものを
与えればよろしいですか?

ばんざいうさぎ 2009/02/15(日) 15:04:51
有機栽培なら、肥料に頼る栽培は有機栽培とは言いません。有機栽培とは既存の肥料や農薬に頼らないとても手間のかかる方法です

土さえ肥えさせれば極端な話肥料は入れなくても良いものは採れます
土に繊維質とそれを土に変えてくれる微細昆虫や微生物、土の栄養分を根が吸収する時に必要なミネラルなどが豊富に含まれていれば良いのです。そのためには堆肥を入れて土壌改良しなくてはなりません
そちらの土質が分からないので具体的な説明は無理ですが、土に有機物が少ないのであれば落ち葉堆肥や完熟腐葉土、バーク堆肥などの繊維質が豊富な堆肥を鋤きこんで、分解されて土に馴染むまでしばらく寝かせます。冬の間にこの作業を済ませておくのが理想的です

普通の農家の栽培法では、そうやって出来上がった土に、植える野菜に合わせた成分の化成肥料を元肥で入れ(ジャガイモならカリ分の多い化成肥料)、追肥も化成肥料で与えます。でもこの方法では有機栽培とは呼べません

有機栽培とは、化成肥料や農薬の使用が8年くらいされていない土地を堆肥で地力を強め、自然由来の肥料を少量使い、野菜自身の力を強くして無農薬で栽培する事で、元々野菜作りの基礎が出来ていてそれよりレベルアップの出来る人が出来る難しい栽培法です。肥料に頼る栽培法では有機とまでは呼べません

普通本州でじゃがいもを作るのは春からというのはあまり聞きませんがどちらにお住まいですか?お住まいの地域によっては春栽培の向かない地域もあります。近くのホームセンターで春になると種芋が出回る地域ですか?市販の種芋はたっぷり農薬を残留させているものですので、この種芋を使用する時点で有機栽培は不可能になりますけど・・・。個人で昔から代々無農薬で栽培しているものでない限りは農薬の全く含まれない種芋というのは入手不可能と思います。市販の種芋は栽培初期に病害虫が発生しにくいようにと年に何回も農薬を蒔いて国の基準に達するほど芋に薬が残留したものしか種芋として使用できません。ただしこの残留は種芋から収穫した芋にまでにはほとんど蓄積はせず、残っていても人体に影響のない程度です。徹底して無農薬の栽培をしたいなら、有機栽培で育てられた食用で売っているじゃがいもを使うしかないでしょう。ただし農薬を残留させていない芋からの栽培は早くから病害虫にかかる恐れがあり、その芋の品種がお住まいの地域でも丈夫に育つものか、どんな病気が芋自体に伝播しているかは実際栽培して発病してみないことには不明なのです・・・

結論を言えばじゃがいもは素人での有機栽培は種芋の入手から難しく、天然素材の肥料の自作も、栽培ノウハウもしっかりと基礎知識がないと難しいです
家庭菜園規模では栽培適期に地元で市販の種芋を使い、堆肥をたっぷり入れ地力を強めた土地に、化成肥料を少量入れての普通の栽培しかできないでしょう

有機栽培とは、思いついて簡単にできる様な栽培ではありませんし、これから新たに有機栽培を目指すのならまず土地の農薬の残留や化成肥料の残留を何年もかけて野菜を使って取り除き、それから天然素材だけでの自作の肥料や虫よけの工夫で手間暇を沢山かけて栽培しなくてはなりませんよ。市販の有機栽培野菜が高価なのは、ほとんどが天然資材と人件費なのです


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