ポットマム若草色が山吹色に、先祖返り?

[園芸相談センター]の過去ログです

京華 【近畿】 2009/11/29(日) 11:34:39
若草色がめずらしく、開花していいたポットマムを昨年購入しました。花が終わり冬至芽を成長させたうえ摘心し、今年5〜6月に挿し芽で更新して殖やし、今月中旬に開花しました。若草色でなく、原種の色なのでしょうか、開花では山吹色になっておりました。先祖返りでしょうか?
F1からの種蒔きでは親の特性が消えますし、メンデルの法則では何が出現するか興味深いものですが、挿し木・挿し芽は親の特性は変わらないはずと思っておりました。
花色が変わってしまったメカニズムと対処法について、ご教示いただきたく、よろしくお願い致します。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2009/11/29(日) 13:58:48
園芸種の菊は元々複数の原種の野生ギクを交配させたものを、さらに交配され続けて遺伝的にはいろんな性質を持っています。なので系統や品種によって実生苗では親とは似ても似つかない子孫が出来るのはご存じのとおりです
それが、菊の場合は冬至芽など根元から生えてきた芽や枝別れした枝からも時として親株と違う葉が出たり(斑入りと呼ばれる)形や色の違う花が咲くときもあるんです
その点、あまり品種改良が盛んでない植物なら栄養増殖体でも元株と全く同じものが出来ますが、バラやセントポーリアではメリクロンで殖やすと割に確率が高く、クリスマスローズなどでも稀に色などが変化したクローン体が出来る事もあります。特にセントポーリアなどでは花の柄によっては葉挿しで殖やすと一色だけのものに必ずなるものもあり(生長点でのメリクロンか、生長点を取り除いて出てきた脇芽からしか模様のある花の株が出来ません)、遺伝子だけでは説明のできないクローンでの変異と言うのは結構ありますが、これは元のよりも劣ったものが多いので市販されるまでには至らないだけです

我が家でも、種から育てた中輪のF1品種が大きい株に成ってから地面から生えている茎に付いた花一輪だけから花が半分ずつに咲きわけたので珍しいと思い、その茎の株だけ親株からわけて育てた結果次の年に咲いたのは残念ながら咲きわけの花ではなく、元々の親株と同じ花色のが1色で咲いただけで、その咲きわけの遺伝子は花の部分にだけしかなく茎の部分は親と同じ遺伝子だったようです

バラやバラ科の果樹などでは枝変わり由来による親とは性質の違う品種というのが結構ありますバラだとツルバラからツルのないバラが枝変わりで出る事も。キク科とバラ科には何も近い性質はありませんが、共通しているのはかなりの昔から人間によって自然ではありえない様な品種改良がされてきています。そのうちに遺伝子にはいろんな性質の情報が集まり、表には見えない情報が隠れていて時として何かのきっかけで突然出てきてしまうのでしょう。そういう意味では遺伝子が傷つけられたのが原因の突然変異とまでは言えず、先祖と同じものとも言い切れないので先祖帰りともいえません。色以外は親株の性質が強いならどちらかというと「色変わり」的な分類くらいだと思います。もしかすると、今咲いている山吹色の株からさらに採った冬至苗で育て、咲かせてみればまた違う色のが咲くと言う事もあり得ます。これは「性質が安定していないもの」で、もし品種として固定したい場合はクローンで殖やすのではなく、自家受粉で採った種から育てる事を何代も繰り返し、実生苗から育って咲く株の性質がほぼ同じものになった時に初めて「性質が固定化されたもの」とされ、それを品種登録出願して同じような品種が余所にないと認められれば「新品種」と認められます

山吹色の花の株は性質が安定していないので、もしやすると来年は違う色に変化する場合もあります。植物では初めて咲いた年の色はその花の遺伝子情報が決めた花色とは違うものというのもあります。これはまだ株が成熟していない事も条件に成るようですが2年目にはその株の遺伝子情報で決められた色に落ち着く事も多いのです

本来野生の植物が故意でも故意でなくとも人為的に変化した(放射能を浴びせたとか除草剤など薬剤をかけた→品種改良で試される方法の一つです)物に対し、自然に偶然変化するものは突然変異と言えるものが多いです(中にはウイルスに侵され遺伝子が傷つ居た事により変化が出来き、その後ウイルスは無毒化されたというのもあり)。元々野生種で人為的な実生苗の選別物や近縁種との交配がまだ数代で頻繁ではないものなら先祖がえりもあり得るのですが、キクやバラ科などの元々は野生下では絶対あり得なかった自生地が全く異なる複数の原種の異種交配から作られ、古来から数えきれないほど品種改良し続けてきた植物なら、実質クローンなのに違うものが出来るというのは一種の「遺伝子のエラー(混乱)」の様なものと考えるのが良いかと思いますよ

兎の耳 【近畿】 2009/11/29(日) 17:20:03
トラディスカンティアの挿し芽においても、セブリナや紫御殿はほとんど親通りですが、クローン再生なのにトリカラーの'Maiden's Blush(ハツユキツユクサ)'の挿し芽がの白色や赤色が出ず緑葉ばかりになる時があり、'Albovittata'や'fuluminensis'などの斑入り葉の挿し芽も斑が目立たず消える時もあります。プミラが緑葉に戻るように、トラディスカンティアも、変わった品種ほど、日照、育て方、挿し芽などで、本来の緑葉に戻ることが多く見受けます。
菊について詳しく存じなくて感覚的で恐縮ですが、めずらしい園芸種ほど原種に戻り易いように思えます。京華様の育てておられるポットマム若草色の源が山吹色であり、ばんざいうさぎ様のおっしゃるように、遺伝的に若草色の特性がまだ固定していないのかも知れません。
来年も続けて愛情をこめて育ててあげれば、山吹色が若草色に傾くかもしれません。期待をこめてポットマムを慈しんであげて下さい。

京華 【近畿】 2009/12/05(土) 02:27:19
ばんだいうさぎ様、兎の耳様、おおきにえ、有難うございます。
私の干支は、うさぎではおへん、猫どす。
ポットマムがはんなりの若草色に、紫陽花の若草色もむそうなるのでしょうか。
兎の耳様の西洋石楠花サッフォーが、ただのピンクになったように、本来の特性がそたきえてしまうのでしょうか。

京華 【近畿】 2009/12/05(土) 03:03:17
若草色もむそうなるのでしょうか。本来の特性がそたきえてしまうのでしょうか。→若草色もそうなるのでしょうか?本来の特性が育て方で消えてしまうのでしょうか。
(こころならずも、中途半端に送信になってしまいました。かんにんえ。同時通訳どす)


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