チューリップを来年も再来年も
りっぷ
【四国】
2009/04/16(木) 21:24:10
チューリップを来年も再来年も同じ球根で咲かせるには、いつ、どのように堀りあげ、秋までどのように保管したらベストでしょうか。花は年々小さくなると聞きますが、それもまた可愛らしいでしょう、ぜひ咲かせてみたいと思います。今、ちょうど花が終わり、花の茎を切り取った状態です。施肥をし、葉が枯れるまで待ち、掘りあげるのでしょうか。また、球根がかすかすにならないように秋まで保管するにはどうしたら良いのでしょうか。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2009/04/17(金) 11:52:56
チューリップという植物は1年間の生育で言うと元々は寒冷地を好む植物なんです。日本では春に立派な花が咲き揃うので日本ではお馴染みの花ですが、関東以西では開花後の環境が合わなくて球根の生育期間が極端に短くなり、どうしても次の年もまた開花できるくらいには球根が太れないんですね・・・。なので使い捨てと割り切って毎年球根を買う本州の人も多いです
生き残っても暑さや梅雨時の蒸れで弱って虫が付いたりウイルス病(治らないうえに他のにもうつる可能性がある)にかかったり、蓮作を嫌う植物なので年々弱っていくんですね・・・
チューリップの球根生産をしてるのは富山以北だと記憶しますが、そこから南では開花後の外気温が急速に上がってしまい、球根の開花が保障出来るくらい大きいものが出荷できるほどの球根は育たないので、球根生産が無理なんです。それほど園芸植物としてのチューリップというのは暑さを嫌うんです
花が小さくなるくらいならまだ良いのですが、さすがに四国ではよっぽどの高地でない限りは花芽さえつけることができないくらい新しくできる球根が大きくなれない可能性もあります(開花可能な球根は毎年新しくできる球根に更新され、元々の球根は枯れてしまう性質です)
ただ、本来の花茎が長くて背の高い性質のチューリップ以外なら育つ可能性のあるものはあります
グレイギー系やカウフマニア系と呼ばれる極早生から早生の系統だと、外気温が上昇するまでの球根の生育期間を少しでも稼ぐ事ができます。見かけは花茎が極端に短く背が低くて、その割に花が大きい頭でっかちで、花のすぼんだ姿よりも満開になり花の内側の色を楽しむのが目的という一見チューリップとは似ていない姿です。これは本当に開花が早いのでうまく生き残れば次の年も花が咲くでしょう
あと、裏ワザ的な方法でプランターに秋球根を植えておき冬は外に置いて寒さに当てます(乾かさないよう注意。土が湿っていても球根は凍りませんがプランターの下に足をつけ地面から浮かせておいて水はけだけは良くしておく)。2月くらいまでは屋外に置きっぱなしで、四国での屋外での開花期よりも一月早く、日当たりの良くて寒さを避けられる場所や、地面植えのままならビニールトンネルのビニールを二重にしてかけその中で芽出しします(通気性を図るため昼間は少し開けておく)夜は閉め、芽が出て来るまではムシロや古毛布などかけて保温しておくと早く芽がでてきます。でも外気温が低いうちは花芽が伸びられないので昼間天気が良い時だけビニールを大きくあけ外の空気に慣らせ、天気の悪い日や夜はビニールを閉めておけば(出てきた芽が開いたらもう上にかけるムシロなどはいらない)蕾が上がってくるはずで、花茎の伸び具合で夜の寒さが緩んできたらトンネルはいらなくなります。ただ開花を早くするためには夜にだけダンボールを被せ保温してあげると良いでしょう。はっきり言ってすごく手間がかかります。天気の良い日はすぐに開けてあげないと蒸れて痛むので、朝から夕方まで家にいなければできないでしょう。できるのなら、毎年同じ事を繰り返すことにより四国でも毎年同じチューリップが楽しめます。経験上特に赤や黄色の花のが性質が丈夫ですが、それ以外の色のは弱く同じ管理でもすぐ弱ってダメになりやすいです
割高ですが、球根を植えてポットごと冷蔵施設に入れて休眠打破してから出荷し早く花が楽しめるアイスチューリップというものもあります。でもこれは処理するため結構割高ですので数が楽しめないでしょう。この処理のチューリップなら次の年はまだ咲くでしょうが、それ以降の開花は望めません
原種チューリップという、まだ改良前の性質の強い種類もあります。見かけは本当に園芸植物のチューリップの仲間?と思うほど小型で地面に這いつくばって咲いたり、花茎が細く花も小さいものも多いです。これらは主に園芸の元になった種との改良時(異種交配時)受粉の相性が悪くて使われなかった園芸種のとは違う系統のものがほとんどだそうです。近縁種なら異種交配ができますが、性質が違いすぎたり花粉が受精できなかったということは性質がかなり違うというのも多く、原種チューリップの類は園芸種よりは暑さに強い物もあると言います。どのくらい強いのかはわかりませんが、これらの原種チューリップか原種チューリップ同士での交配種あたりなら毎年花が咲く可能性はあるかもしれません
どのタイプの花、方法でも連作を嫌うというのは共通なのでできれば毎年葉が枯れたら掘り上げ保存し、植え付け時期に違う場所や新しい肥えた土(リン酸多めの土)に植え替えてあげて下さい。チューリップは植え付け直後から根を伸ばし土の養分を吸いますので、植えつけたらそのまま根は一度切れるともう伸びないので葉が枯れるまでは絶対に根を動かさないで下さいね
球根の保存方法まではわからないので他の方の回答を待っていただければ・・・。北海道ではほとんど植えっぱなしでも咲くのと沢山植えていなければ数年は連作障害も出づらく球根を掘って保管というのはほとんどした事がなく植えっぱなしで、新たに買った球根を植えるくらいなんですよ
Toris
【関東】
2009/04/21(火) 10:10:50
>>今、ちょうど花が終わり、花の茎を切り取った状態です。施肥をし、葉が枯れるまで待ち、掘りあげるのでしょうか。
そうですね、そこまではそれで良いとおもいます。
掘り上げ後は、乾燥させて次の植え付け期まで保存。
具体的には夏みかんやタマネギのネットなどにいれ、蒸れないよう、水にぬれないようにします。(冷暗所に段ボールに入れてほっておくなど)
傷の無い物など選抜し、経験的にはしっかり乾かして保存していれば
殺菌をする手間は省いてよいようです。(やっても、たいしてかわりない)
花が小さいけど咲く時はさきますし、また色もつかない、あまり鑑賞価値はない
ちーさな蕾がついたりします。
やはり、花後の施肥と、枯れるまでしっかり光合成をさせて球根が太らせることが
ポイントと思います。
りっぷ
【四国】
2009/04/21(火) 19:08:21
[[解決]]
お二人の解答、ありがとうございました。それぞれ、とても専門的なお答えと、実用的なお答えで、勉強になりました!先日少し掘ってみましたら、最初の球根の周りに、さといもみたいに子どもの球根がついておりました。これを大きくしないとだめなんでしょうね。がんばってみます。
タネツギ(解決後)
【関東】
[URL:http://homepage2.nifty.com/tane-tak/]
2009/04/21(火) 21:45:29
りっぷさんのご質問への返事ともなりうる内容を、4月8日に次に書きました。ご参照くださいますか。
http://botany.cool.ne.jp/wwwlng.cgi?print+200904/09040003.txt
初心者用掲示板@園芸相談センター