石灰硫黄合剤について

[園芸相談センター]の過去ログです

新雪 【九州】 2007/03/08(木) 14:02:49
皆様こんにちは。どうぞ宜しくお願いします。
皆様の豊富な知識に感嘆しつつ、この掲示板をときどき参考にさせていただいておりますが、拝見するうちに不思議に成ってきた事です。
それはタイトルの石灰硫黄合剤についてです。
臭いがするとの事で、自分で使用してみたことはまだ無いです。しかしバラの管理について調べていると必ずと言ってもいい程に名前が登場する薬剤ですよね。でも、こちらを拝見していると回答者の皆様がバラには適用外と書かれておられ、疑問を持ちました。
効果があって広く使用されているらしいのに「適用外」になっているのはどうしてなのでしょうか。

Iwasaki 【近畿】 2007/03/08(木) 16:44:44
実際問題として、薔薇への使用は法律上使う事は出来ません。
実際に、今の所家庭での使用では、検挙されてはいません。
ただ、法律上の罰則は有り、検挙された場合は、
石灰硫黄合剤等の農薬は、農薬取締り法で規定されている使用方法を守らなければいけません。
薬剤の適応に付いては、法律上 製造業者が、農林水産省に届け出て、許認可を受けなければ成りません。
しかし、許認可を申請するに当り、残留量等の安全性を確認出来る法律上の書類等を各植物に対して出さなければいけませんし、又、其の為の試験等も行わないといけません。
ですから、コストが掛かり過ぎる場合は、一部作物に対する許認可申請を行わない場合も有ります。
どちらかと言うと、メーカーにとって価格が安い薬剤より、高価な薬剤に安全試験等の費用をかける傾向が有ります。
手続きの概要の書かれているサイト等も見てみてください。
http://www5.cao.go.jp/otodb/japanese/houseido/hou/lh_05010.html
後、農薬取締法等の載っている農林水産省のページです。
http://www.maff.go.jp/nouyaku/

Iwasaki 【近畿】 2007/03/08(木) 16:53:37
すみません、途中が消えていたので、追加してください。
「ただ、法律上の罰則は有り、検挙された場合は、」を「ただ、法律上の罰則は有り、検挙された場合には罰金等の処置が取られます。

R・ひろき 【関東】 2007/03/08(木) 17:09:06
 こんにちは。

>効果があって広く使用されているらしいのに「適用外」になっているのはどうしてなのでしょうか。

 これは、適用の有無と、効果の有無が、別々のことだからです。

 適用は、農薬の瓶に書いてある範囲(最新は農薬検査所のホームページなどで検索可能)の作物にあります。

 詳しくは農薬検査所のホームページに載っていますが、この適用を広げるためにも、いろいろと手間がかかります。
 今現在、バラ用としては登録されていないのです。

 効果の点では、適用外作物・バラの根元で越冬するハダニと、適用作物・茶で越冬するハダニ、どちらにも効くはずです。
 でも、バラの場合は適用外です。という書き方になります。

 適用の有無と、効果の有無、一部、関連するところもあります。
 それは、薬害の程度です。
 同じ効果があるなら、適用がある農薬のほうがバラへの害は少なくて済む場合が多いと思います。

 農薬の説明書き通りに使う場合、その範囲(作物、使い方、回数等々)ではテストされていると考え、私などは薬害についてさほど不安を抱かず使っています。絶対でないということはないと思いますけれども。
 でも、適用外で効果のある場合、農薬の登録ができるレベルでテストされているわけではありませんから、薬害についても不安が残ります。
 別スレッドですが、効果があるかもしれないけれども、散布用のものを土壌灌注で使った場合、一番心配なのは、適用外作物・バラへの悪影響です。
 本でもよく薦められている刷毛塗りも、便利ですが、ミニバラなどの根元に伝ってしみこむと、根がやられることもあります。
 その他、環境に対する負荷や、残留についてもいろいろあると思います。

 というわけで、石灰硫黄合剤の話が出るたびに、必ず適用外ですが……と書くようにしています。農薬は説明書きどおりに使うことが基本なのですから。
 逆に言うと、バラの栽培本等々は、あまりそういうことを気にしていないようだということですね。

gardenfan 【近畿】 2007/03/09(金) 00:25:35
皆さん薬剤の適用について農薬取締法について言及されますが
その根本は食品衛生法の大改正に対応したものだということを書かれる方が少ないですね。
特に海外からの冷凍食品等に残留した無許可薬剤に対応する為の法改正だったと思います。
ですから法律的な解釈は別として食品ではない「バラ」についての多少の適用外使用はおめこぼしということでしょうか。法律の運用にはよくあることです。
勿論食用バラの場合は厳格な適用薬剤使用が求められまし、近くに食用作物を栽培されている場合には、ドラフト(薬剤飛散)の問題はよくよく注意する必要があります。

最近よく行く京都府立植物園のバラ担当者は、石灰硫黄合剤の使用は止めているとのことでした。適用外使用は公的植物園では出来ないということでした。

適用の拡大申請にも経費がかかりますが、石灰硫黄合剤は500ccで多分150円程度でしょうか。10倍希釈でも普通の家庭で使用する場合には数年分になります。そんな安い薬剤に経費をかける薬メーカーは多分ありません。

Iwasaki 【近畿】 2007/03/09(金) 21:26:59
現状では、昔の食品衛生法の大改正とはかけ離れた状況に成っています。
過去の経緯を書いても、今の改正農薬取締法では殆ど意味を成さないと思います。
現法(改正農薬取締法)では、どちらかと言うと環境ホルモン等の環境問題や散布地域の二次的被害が重視されつつあります。
又、食品衛生法を管轄する厚生労働省と農薬取締法を管轄する農林水産省でも、毒劇物の取り扱いの考え方などが違います。
ですから、どちらかと言うと殆ど切り離されていると思っても差し支えないと言えます。
又、花卉類での使用でも、周辺への環境汚染が懸念される今日では、排ガス等と同じ様に取締りの強化される傾向に動いています。

ハッピ−マン 2007/03/10(土) 02:23:59
新雪さん、こんにちは〜♪

農薬はもともと商品としての農産物の価値を守って農業を維持・発展させるために使用される薬品でしたが、対象となる病気や害虫は自然界に広く存在しますから被害が出た時の対処療法ではなく予防のためにも使われています。また農薬は商品ですから農薬会社は開発した商品のライフサイクルを想定して次の新商品の開発を進めています。そのような商品のなかで、効果が安定して実績のあるものは知名度がでて商品としての寿命も長くなります。石灰硫黄合剤はそうした意味で広範囲で長く使用されています。

一方、農薬は病害虫を駆除する薬品なので100%有害性があります。食料としての農産物のなかに農薬が残っていると人の健康に問題が起りますし、自然環境にも問題が起ります。ということで農薬会社は農薬を商品化するに当って色々な検査や調査をしますが、そのなかには、どういう植物のどういう病虫害に対してどういう使用方法をすべき薬であるかを明らかにしないといけないことになっています。これは法律で定められています。

石灰硫黄合剤は薔薇には適応外ということは、これを商品化した農薬会社の開発意図のなかに薔薇がなかったということです。ですから厳密には薔薇には使用できないということになります。しかし、ここでお話がでているように、対象外の植物でも効果があるならば、食料にしないこと、環境に害が出ないように配慮すること、農産物として売買しないこと、使用した植物に悪影響が出ても自己責任が取れる、ということであればお使いになっても差し支えないと思います。

新雪 2007/03/12(月) 10:27:49
[[解決]]
皆様よりの多くの返信をいただきましてありがとうございます。お礼が遅くなりまして申し訳ありません。

私は言葉からの印象から単純に、
●適用有り=効果があると認められている。
●登録外=効果は認められない。効果がない以上みだりに使用しない。
と理解しておりました。

>ですから、コストが掛かり過ぎる場合は、一部作物に対する許認可申請を行わない場合も有ります。
>これは、適用の有無と、効果の有無が、別々のことだからです。
>法律的な解釈は別として食品ではない「バラ」についての多少の適用外使用はおめこぼしということでしょうか。
>効果が安定して実績のあるものは知名度がでて商品としての寿命も長くなります。石灰硫黄合剤はそうした意味で広範囲で長く使用されています。

お陰様で納得がいきました。また薬剤使用について、適用の有るものについても充分な配慮が要ることを改めて留意していかねばと思いました。
また何か疑問ができましたらよろしくお願いいたします。お世話になりました。

新雪 2007/03/12(月) 10:31:03
●登録外=→●適用外  のタイプミスでした。解決とさせていただきます。


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