ほふく性ガザニアとスミチオン

[園芸相談センター]の過去ログです

とも 2006/07/08(土) 16:15:29
2年もの苗で北側の玄関に植えてあるほふく性ガザニアがあります。40センチ径の浅型の植木鉢で肥料も適宜やっています。日当たりは北側なので、午前中に日がさすくらいの明るい日陰だと思います。

1月ほど前に虫に花びらが食害されるのでスミチオンを散布したところ、せっかくの蕾がその後枯れてしまったのです。その時は、蕾だけが枯れてしまって葉に異常は見られませんでした。そして、その時は希釈のやり方を誤って500倍くらいになってしまっていたので、きっとそのせいではと諦めました。

ところが、1週間前に今度はダコニールとスミチオン、ダインを1000倍にして散布したところ(合計3ミリリットルに水1リットル。間違ってますか?)今日、株をみたら葉が黄変して蕾は今のところ青々としていますが、花は萎れていました。

これは、また薬の散布のせいでしょうか? 散布しないと花が食べられるし、散布すると株に異変がみられるしで、どうしたら良いだろうと悩んでいます。

どうかご助言をお願い致します。

R・ひろき 【関東】 2006/07/08(土) 16:56:33
 こんにちは。

 もしも、農薬のせいとしましたら、おそらく、この部分だと思います。

>(合計3ミリリットルに水1リットル。間違ってますか?)
 
 ダインは展着剤で、使用量は、10リットルの水に1cc程度です。
 水1リットルの場合は、割り箸の先から2滴ほど垂らす程度(0、1ミリリットルくらい)です。
 規定濃度より10倍ほど濃いめですので、株に異変が見られたのかもしれません。

 また、スミチオンは乳剤です。
 私の場合(バラなんですが)、乳剤には、ダイン等の種類の展着剤は入れないです。

とも 2006/07/11(火) 13:40:02
Rひろきさん、ありがとうございます。返信が遅れました。

花が食べられる食害にはスミチオンでいいのですよね??ナメクジの形跡はないです。

では、「乳剤」という言葉がついている薬についてはダインは不要と考えてよろしいですか??

オルトラン1ccとスミチオン1ccでは、水を1000cc(1リットル)で良いのでしょうか?

本当に初歩的な質問であきれてしまうかと思いますが、何卒お願い致します。

R・ひろき 【関東】 2006/07/11(火) 14:12:39
 こんにちは。

 花が食べられるという症状にも、さまざまあります。
 たとえば、住化タケダ園芸等のホームページの病害虫ナビなどで、ある程度、害虫を絞ってから、農薬を選ばれたほうがよいです。

 乳剤のなかに入っている展着成分と、同じような成分である展着剤は、不要という意味です。
 葉の濡れをよくし、弾かないようにする展着剤です。葉の濡れが良ければ、入れない方がかえって良い場合があります。入れると薄くくっついて、農薬の展着量が減ることもあります。

 農薬と展着剤の組み合わせ次第なところもありますので、とりあえず、園芸店で売っている乳剤の場合、ダインは要らないかと思います。

>オルトラン1ccとスミチオン1ccでは、水を1000cc(1リットル)で良いのでしょうか?

 これで大丈夫です。
 混ぜ方等で不安な場合は、園芸店などの店先に、病害虫パンフレットのようなものがあることがあります。そこに、混ぜ方や希釈の方法も出ているものがあります。読んでみると参考になるかと思います。

マツ 2006/07/12(水) 13:37:21
こんにちは、薬剤についてですがやはり花の部分は敏感なので難しいかもしれませんが花には直接薬をかけない方が良いかと思います。スミチオン乳剤の乳剤成分は展着効果はありませんので展着剤は必要だと思います。乳剤というのは薬の原体(有効成分)が水に溶けない成分なので乳化剤という媒体で水に溶ける状態にしているためです。ですからオルトランのように水に溶ける成分は乳剤ではなく液剤となっています。
スミチオンは接触効果もありますがガス効果もあるので直接かからなくても効果は期待できるはずです。

R・ひろき 【関東】 2006/07/12(水) 15:05:19
 ともさん、マツさん、こんにちは。

 少しだけ、自分では調べきれないことを、追加で聞かせていただけないでしょうか。

 スミチオン乳剤の場合、主成分50%、キシレン30%、灯油10%、残り10%は、界面活性剤等です。(MSDSより)

 スミチオン乳剤に含まれる界面活性剤の内容がよく分からないのですが、これは、まったく展着効果の無い界面活性剤でしょうか。

 あるいは、10パーセント以下ということで、実質上、問題にならない(どんな作物にも展着効果の出ないような)量でしょうか。

 または、濡れの悪いものには展着剤で展着効果を補ったほうが良い程度の量なのでしょうか。

 私はスミチオン乳剤は使いませんが、質問者のともさんを始め、使っておられる方は多いと思います。
 私にはインターネットで公表されているMSDSの範囲までしか調べることができないのです。

 もし、詳細のところがわかっておられて、ここに載せても問題がないようでしたら、この質問にも関係あることですので、追記していただけないでしょうか。もちろん、これは私的なお願いの範囲ですので、無視されてもいいのです。よろしくお願いします。

マツ 2006/07/12(水) 17:53:24
R・ひろきさんこんにちは。スミチオン乳剤に入っている界面活性剤ですが乳化させるために必要なもので展着成分の界面活性剤とは違う性質の物なのです。これが入っていないとスミチオンの成分と水が分離してしまって効果が安定しないのです。ですからスミチオンに入っている界面活性剤は展着効果がありません。ですからスミチオンをもし使われるなら展着剤も入れてあげてください。

R・ひろき 【関東】 2006/07/12(水) 19:32:31
 こんにちは。
 お返事、ほんとうにありがとうございます。

 私がこのように書くに至った元ネタも紹介しておきます。
「新版 ピシャッと農薬選び便利帳 岩崎力夫著 農文協 1995」
 これの63頁、ダインの欄です。
 でも、ご指摘頂いたあと、よくよく調べてみると、ダインの主成分は二種類あり、それぞれ界面活性剤としての性質が違います。展着させる目的も違います。(ダインの場合は、濡れの改善と、分散の改善。 展着剤全体では、目的とする効果は、濡れや分散を含めて、6つあります。)
 この本の一覧には、分散性に優れた方の成分のことだけについて書いてあるように読み取れます。それで、ダインの欄の真下に、「乳剤には不要」と書いてあるのかもしれません。
 マツさん、ありがとうございます。もう少し調べてみます。

 できれば、どの界面活性剤なのかがわかれば と思いました。わかれば、そこからまた少しずつでも調べ、どうして不要と書いてあるのかを調べることができるかもしれません。
 でも、MSDSにも載っていないので、仕方がないです……。


 以下は余談なのですが、その他の乳剤について、展着剤を入れた方がよいかどうか分からないとき、説明書にも特に書かれていないときは、試しに、自分が育てている作物をちぎって吹き付けてみようかと思います。

 作物によって付き方に差があり、同じ株でも古い葉と新しい葉で付き方が違うこともあります。また、かなりつきの良いものは、入れなくても実際に、よくつきます。(この場合は濡れの効果)

・濡れを改善したいという目的のとき、ちゃんと濡れているか。(「濡れを改善」するための展着剤の効果)
・分散性を改善したいという目的のとき、薬剤が混ざり、分離したりせずに均一についているか。(「分散性を改善し、凝集を防ぐ」ための展着剤の効果。)
 というようなことを確認してみようかと思います。

とも 2006/07/13(木) 16:00:55
マツさん、Rひろきさん、有難うございます。

なにやらプロ並みのレベルのお話しに同乗は出来なくてすみませんが、教えて下さい。

ガザニア以外に同じ希釈薬をバラや菊、朝顔、ひまわり、ゼラニウム、ダリア、ビオラ、サフィニア等々散布したのですが、なぜガザニアだけなのでしょうか???

今日チェックしましたら、葉はすっかりショゲてしまって枯葉も目だっていました。花はなんとか咲いている感じではあります。
このように一度薬負け?してしまったものに応急処置の方法ありましたらアドバイスをお願い致します。

R・ひろき 【関東】 2006/07/13(木) 18:27:59
 こんにちは。

 ともさん、話題がずれてしまってすみませんでした。

 こちらの植物は、バラなのですが、これは同じ薬液を同じようにかけても、品種によって、やられるものとやられないものがあります。品種数が250くらいありますので、年に何回か、何品種かはちょっと出ちゃったかな というのがあります。
 ともさんの場合も、植えておられるバラの品種によっては、カザニアと同じ症状が出たかもしれません。
 同じものをかけても、すべてに同じように出ることは、よほどでないかぎり、無かったです。その日の気候にもよります。

>このように一度薬負け?してしまったものに応急処置の方法ありましたらアドバイスをお願い致します。

 応急処置として、希釈を間違えたと気づいた時点で、水をかけて洗い流そうとされる方もおられます。散布翌日から翌々日あたりに症状が出てくることがありますので、その前に出来る限り洗おうとされます。散布直後に気づいた場合などは、多少は軽くなるかもしれませんが、散布して一度乾いたあとなどは、なかなか難しいものがあります。

 長期的な処置は、二度と同じものをかけない これに尽きます。
 たしかに、同じ薬液でも、真夏と春秋では、やられ方が違うこともあります。でも、一度出た組み合わせでは、二度とかけないようにします。出た原因が希釈倍率と考えられる場合、次回からは正しく薄めるようにします。

 枯れ込みの始まった葉等は治りませんから、切り取ったり摘んだりして次の葉が出てくるのを待ちます。

 こちらでは、いちばん酷いときは、庭の1割くらい(25品種くらい)の株で出ました。まだ柔らかい枝葉に黒いシミが出来、壊死したりしました。もちろん、ここ6年ほど、スミチオンは使っていませんから、スミチオンのせいではありません。
 そのときは、人間の方(私)がショックで、しばらく立ち直れませんでした。
 やられた部分を切って集めて捨て、一週間ほどすると、健康な枝葉が育ってきました。


 以下は、ご参考までにお読みください。

 今回の場合、もしも、私でしたら(私はとても慎重派です。)、スミチオン乳剤、ダコニール、ダインの希釈倍率を正しくしても、二度と同じ組み合わせで、カザニアにはかけないと思います。

 ほかの人が、もしも、その人の庭で、ガザニアに使っても大丈夫だったとおっしゃっても、私は絶対に同じ組み合わせでは使いません。(ここのところは、頑固にやります。庭はそれぞれ条件が違うのですから。)

 スミチオン乳剤、ダコニール、ダインの性能とか、薬害の出やすさとか、その問題とは、まったく関係なく、自分の庭でやってみて、何かしら出た場合は、大事を取りまして、別の農薬に変更します。

 他の人の庭の場合は、同じ組み合わせでも出ないことがありますから、「この組み合わせは何やら出たよ。」とは、人には言わないと思います。(ここは公開の掲示板ですから、上記の酷いやられ方をした時の組み合わせは書かないことにします。という意味です。)


 ともさん、途中で話題がずれて、申し訳ありませんでした。当方バラばかりで、ガザニアの薬害の出方について、詳細部分がわからず、それも申し訳なかったです。バラには、どの品種でどういうときに出やすいというのはあります。ガザニアにも、品種ごと、成長段階ごとに、出やすい時期というのもあると思うのです。


 ***

 お騒がせした 乳剤に展着剤は要るか という件、あのあと少し調べましたので、書かせてください。。

 一般的に展着効果というと、「濡れを良くする」という意味ですが、実際の展着剤のなかには、「分散をよくする」ものもあります。

 「分散をよくする」ものには、一般的な展着剤の効果である「濡れ」を良くする機能が無いものもあります。

 物質名等がわかりませんので仮定ですが、これから使おうとする乳剤のなかに、「分散、懸垂性をよくする」もののみが入っていて、「濡れ」を良くするものが入っていない場合、濡れの悪い作物では、濡れを良くする展着剤を補う必要があります。
 ダインのなかの展着成分は、「分散、懸垂性をよくする」ものだけではなく、「濡れ」をよくするものが入っています。
 ということで、吹いてみて、その作物の濡れが悪いときは、ダインを入れた方が良いのではないかと思います。
 

 しかし、実際には、どの乳剤に何が入っているかわからないので、とりあえずは、濡れを確保するために、吹いてみて入れるか入れないか決めようかと思った次第です。

 じゃあ、最初から、とにかく「濡れ」をよくする展着剤を入れればいい という考え方もありますが、たとえば、「クミアイ農薬総覧2005」の展着剤の部分を読みますと、「濡れ」をよくするものを入れすぎると、付着量が減るということが書かれています。この本のほかにも、何カ所かで同じことを読んだことがあります。農薬選び便利帳のほうには、この種類は濃度を高めてしまうと薬害が出るとまで書いてあります。濡れがもともと良い場合は、皮膜が薄くなりすぎるので不要ともあります。
 ということで、この系統の展着剤は、必要最低限の量がよいと考え、事前に吹いてみて決めようと思いました。
(今回、スプレッダーという種類の展着剤について書きました。スチッカーとアジュバントはまた別の話なので、除外しました。)

マツ 2006/07/14(金) 12:37:43
ともさん、こんにちは。
薬害についてですがダコニールの説明の中に花卉類の花弁の着色後の散布は薬害が出ますとの記述があります。ただ、葉の枯れについては明記されていないので不明です。
それから、展着剤についてですが確かにタケ○さんのスミチオン乳剤の中の界面活性剤はノニルフェニルエーテルでダインの成分:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、リグニンスルホン酸カルシウムなので同じ物が入っていますがスミチオンの中の成分はスミチオンが溶けた油を水とくっ付ける事に界面活性剤の能力を使われており、さらに葉や虫につけるために展着剤が必要になっている、という考え方が出来るのではないでしょうか。それからスミチオン乳剤の界面活性剤は各メーカーで違うので超微細ですが効果に差があるようです。まあ気にならない程度だと思いますが。
P.S R・ひろきさんの調査はすごいな、と思いました。

R・ひろき 【関東】 2006/07/14(金) 15:43:50
 こんにちは。

 ともさん、バラも植えておられるということで、バラの情報も書きます。

 何冊かのバラ栽培本にも掲載されていることですので、書きます。
 ダコニールは、高温期に、品種により、多少、葉に黒ずみが出ます。枯れるほどではありません。(前回発言のシミ壊死とは違います。あれは別のものを使ったときに……。)
 私は30度を超えて晴れる予報が出ている日は使わず、28度くらいでも、秋の花の前など、大事な時期は用心します。

 薬害をより出にくくするということで、もうひとつ、追記させてください。
 かける対象の作物が濡れやすくても、害虫が濡れにくいことがあります。害虫に直接かかったほうが有効な殺虫剤の場合、害虫が濡れるほど展着剤を入れた方が、殺虫しやすくなります。ただ、作物のほうへの影響が心配ですから、いちおう、作物に吹いてみて確認しながら、なるべく少なめに混合されるほうをお勧めしました。
 もう一つ、濡れにくい害虫に、やや濃いめで使える種類の展着剤もあります。アジュバントという種類ですが、これも、農薬との組み合わせで、多少出ることもあるので、お勧めはしませんでした。

 もうひとつですが、実際にスミチオンとダコニール以外の農薬を探されるときは、すぐに園芸店に行かれてもいいと思いますが、下調べとして、「ルーラル電子図書館」のホームページの右下、「登録農薬検索・作物病害虫から」というところで、ざっと探してから行くと、探しやすいです。個別の作物のほかに、「花卉類・観葉植物」のものも使えると思います。



 マツさん、界面活性剤名をありがとうございます。
 おおまかな界面活性剤の系統別に、展着剤として使った場合の各々の展着効果の有無を、一覧にした資料を持っています。これに当てはめてみているだけです。

 以下、界面活性剤名を教えていただいたので、それをもとに、前回の自分の発言(仮説含みでしたので)を、修正させてください。

ダインの成分のなかで、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルは、
 湿展性(濡れ改善)◎、分散性○〜△、可溶力○、懸垂性○

 同じく、リグニンスルホン酸カルシウムは、
 湿展性(濡れ改善)無し(空欄)、分散性◎、可溶力無し(空欄)、懸垂性○
 (クミアイ農薬総覧 2005 JA全農肥料農薬部,2004 展着剤用界面活性剤の分類と一般的な特性 より)

 スミチオン乳剤のなかの物質(ノニルフェニルエーテル)が、ダインのポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと同じものとすると、展着剤として使用した場合は、分散効果(分散性○〜△)のほかに、◎くらいの湿展性(濡れ改善)効果のある物質と読み取れます。
 もともと湿展性(濡れ改善)効果を期待できるものが、その効果を出せない場合は、量の問題か、すでにすべて溶かす方(分散性)に使われていて、散布するときには、湿展性が望めない状態なのか ですね。

 わたしは、リグニンスルホン酸カルシウムの系統(湿展性無し、分散性有り)が含まれているのかと仮定していましたので、そこを訂正させてください。(リグニンスルホン酸カルシウムの系統が、いくつかの乳剤や水和剤に入っていると書かれている本もあり、今回の場合も、こちらだと思いこんでしまいました。)

 マツさん、いろいろありがとうございます。
 私は、手元の資料と、新しい情報が食い違っているように見えたときは、納得いくまで調べております。
 いろいろ質問してしまい、申し訳ありませんでした。

とも 2006/07/18(火) 13:00:48
[[解決]]
マツさん、ひろきさん、詳細に渡りご指導をありがとうございました。

これからは、蕾や花弁には直接散布は避ける、一度失敗した同じ薬品は極力二度使いしない、という方向でやってみます。

かなり突っ込んだ?内容でしたが、じっくり読んで勉強させていただきます。ルーラル電子図書館の存在も初めて知りました。こんなサイトもあるんですねー。

まだまだ試行錯誤の初心者です。又、何かありましたらお願い致します。


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