堆肥はなぜ高温になるのですか

[園芸相談センター]の過去ログです

お母さん13 【外国】 2006/02/09(木) 04:40:19
病気に強い土作りを勉強中です。
化学肥料を使いたくなく、どうにかして自然な
方法で土作りと考えると、自分で堆肥作りしかないかなと。
そこで、質問なのですが、
野菜くず、木の葉、卵の殻、コーヒーかす、骨粉をよく
まぜ、其の上に土をかぶせただけでも、数日で高温になっていくのでしょうか。
また、どういう仕組みで熱のないものが高温になるのでしょうか。
発酵するためでしょうか。
また腐葉土を作った場合も高温になるのでしょうか。
ただいま試作中ですが、毎日マイナスの日がつずいたため、失敗したようです。
寒冷地では、どのようにされているのでしょうか。
皆様のご経験をお聞かせください。

アオイのねこ 2006/02/09(木) 09:42:28
おかあさん13さんこんにちわ、私も今堆肥作りしています。干草、落ち葉、生ゴミ、牛糞などを集め、1ケ所に山のように積んで米ヌカをまぜ、水をビショ、ビショになるぐらい、かけて、その上にシートやビニールをかけ、風で吹き飛ばないように固定しておきます。1ケ月ぐらいたったら、積み直しながら、水をまたかけます。おなじように繰り返し4ケ月ぐらいして、葉の形が残っていなければ完成です。
水が引けないときは雨をまちましょう。雨の時シートをはずせば良いことです。私はホームページのジヤンプの仕方はわかりませんが、生ゴミリサイクル、なずなグループのページを見れば参考になるとおもいます。赤峰勝人先生の本もいろいろ出されています。

ハッピ−マン 2006/02/09(木) 13:55:20
お母さん13さん、堆肥に挑戦ですよね。自作の堆肥で良い土が出来たら最高ですね。無機化学肥料よりも堆肥で育てた野菜は美味しいとよく聞きますよね。

生物の体は、水と有機物と無機物でできています、地球と同じですね。お母さん13さんがお料理に使う食材のうち、美味しい部分はお母さん13さんたちご家族がいただき、残りは、生ゴミとなる。この生ゴミを鳥が食べても鳥の栄養になり、消化されなかった部分は鳥のウンチとなる、これもリサイクル。で、堆肥の場合は、生ゴミは土の中にいる微生物のエサになる。

お母さん13さんの体温は36.5℃ぐらいある。鳥の体温は人よりも高い。お母さん13さんが歳をとって亡くなれば体温は下がる。われわれ生物は、命を保つ為に食事・エサを食べる。食事はエネルギ−をいただくことに等しい。体温を保つことは食事から熱エネルギ−をいただくことだといえる。恒温維持生物は外気温が上がると体を冷却しなければならばいから変温生物に比べるとエネルギ−ロスが多い。だからたくさんのものを食べなくてはならない。

植物をはじめとして生物は、自分に適した環境というものがある。そして棲み分けをしている。食事・エサからエネルギ−を取り出す仕組みもおのずと違っている。そして人間だけは、環境に左右されない独自の環境を作り出す文明を持ったので例外、人間以外の生き物は環境変化におびえながら生存している。そして人間に庇護された生き物だけは人間の造りだした環境の中にいる。共通していることは、生命を維持する最低限の環境は「水」があること(酸素呼吸をしない微生物もたくさんいてはる)。

生ゴミを地面に埋めると、もしそこに生ゴミをエサにする微生物がいたら喜んで食べる。そしてどんどん増殖する。増殖するということは死んでいくものより生まれるもののほうが多いということ。そして満員電車のすし詰め状態になり温度が上昇する。自分たちに適した温度を超えてくると、増殖の速さが鈍ってくる・・・このとき、この上昇温度に適した次の微生物が活動を始める。生ゴミが残っていたらそれもエサにし、また増殖が止まった前の微生物の死骸もエサにする。こうした形で温度に適した微生物の連鎖が続く。何らかの原因(生ゴミ・エサがなくなったり、水がなくなったり、外気温が下がったり・・・など)で微生物の増殖が停止すると温度は上がらない。連鎖が上手く行くとそこにいる最高温度で生きられる微生物の環境まで温度は上がることになる。一般的には高熱バクテリアといわれる種類で、80℃ちかくにまでなる(普通の堆肥つくりではここまでは無理)。

では。どこまでいけば「堆肥」になるのだろうか? それは、生ゴミが食べつくされた時点だろうと想像する。ここで、「食べる」ということが微妙な表現になる。「食べる」ことと「消化する」ことは仕組みが異なる。微生物にもこれが当てはまる。エサとして食べたものが吸収されることをここでは「消化する」と言うことにしよう(分解とか醗酵とか・・・ややこしい部分は、たちつさんにお任せします・・・)。生物はエサを消化するときに、消化酵素を使う。この消化酵素は厳密に言えば薬品に等しい。だから生ゴミを堆肥にするときにこの「消化酵素」を入れると堆肥化する。ただし、この消化酵素が有効に働くためには、この消化酵素を出す微生物の胃袋?に似た条件でないと作用しない。

お母さん13さん、まとめです。
@自然堆肥には水が必要です。
A堆肥化するには保温が大切です。
B低い温度でも堆肥になりますが時間がかかります。
C微生物が死ぬような有害物があってはいけません。
D微生物の消化酵素が役に立つことがあります。

たちつ 【近畿】 2006/02/09(木) 15:19:02
屁理屈を言えば・・・

摩擦熱(振動熱)・化学反応熱・絶対熱(太陽熱の蓄積)・保温(発生熱が放射熱より多い。)の和=蓄積熱

摩擦熱・振動熱・・・体温や電気製品が暖かいのも、摩擦や振動である。走ったり・手をもめば暖かくなる。おしくらまんじゅうすれば暖かくなる。電子レンジや電熱器。氷は冷たく(分子が動かない)湯気は熱い。(分子が飛び回る)

化学反応・・・焚き火をすれば暖かくなる。水に硫酸を混ぜれば暖かくなる。

絶対熱・・・物質は存在することそのものに熱を持つ。寒暖計などの温度計はそれを元にして作られた。物を持てば熱いとか冷たいことがわかる。

発熱と放射熱の差・・・曇りの夜は暖かい。星が見えれば寒い。布団や服を着れば暖かい。汗をかけば寒くなる。湯を置いておけばさめて段々と冷たくなる。(お風呂)

このようなことが、微生物の働きで、発酵(有益)・腐敗(有害)の過程で行われている。微生物がいなければ発酵腐敗は行われない。缶詰めや冷凍庫。 色々な微生物を組み合わせて、どの微生物が人間にとって便利かを調べて、専門的に組み合わせて利用している。堆肥は、米系を主成分に考えて、藁とか米糠を使う。その他落ち葉も混ぜる。これらに、有益な微生物(バイキン・虫)が多く、植物やバイキンの作った酒(砂糖)を食べに色々な微生物が集まったり・死んだり(温度と酸)する。やがて分解されて、形がなくなる。お料理ですね。
作る人(工場)が植物で、お客さんが(動物)で、ゴミ掃除・清掃局が微生物。そして微生物が作った材料を集め、太陽熱で植物が再びものを作る。これが自然の仕組み。如何に早く作らせるかが人間の知恵。知恵があるから、人は自然の頂点に立つ。人の行為が行き過ぎると、太陽が怒って、天災と言う罰を与える。従ってこの世の中生かすも、殺すも太陽のご機嫌しだい。ここに太陽を神様・台地を母と言う。日ノ本=日本の名前と国旗ができた。日・月・火・・・・等色々な暦や四季・24季・時計・方角・ギリシャ神話も植物名の多くも、そこからきている。 ということです。

お母さん13 【外国】 2006/02/10(金) 03:44:35
アオイのねこさん、ハッピーマンさん、たちつさんへ

とてもわかりやすい説明ありがとうございました。
また、とてもたくさん書いてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうーーーーーーーーーーー!

タネツリ 【関東】 [URL:http://homepage2.nifty.com/tane-tak/] 2006/02/10(金) 07:38:11
>野菜くず、木の葉、卵の殻、コーヒーかす、骨粉をよく
>まぜ、其の上に土をかぶせただけでも、数日で高温になっていくので
>しょうか。
 ならないことが多いはずです。量を多くし、窒素を補います。
>また、どういう仕組みで熱のないものが高温になるのでしょうか。
>発酵するためでしょうか。
 発酵すると、どうして熱が生じるか。ここが知りたいところです。堆肥化は、CとNに係る分解菌が、Nをエネルギーとし、熱と炭酸ガス、アンモニアを放出しながら、Cで菌体を作る過程、ということだったしょうか。
>また腐葉土を作った場合も高温になるのでしょうか。
 腐葉土と堆肥の違いは、材料だと思います。葉、水、空気だけでも、量がまとまれば、日数はかかりますが、ある程度高温になり、腐葉土になります。
>寒冷地では、どのようにされているのでしょうか
 冬季も作っていました。今年は、寒すぎてやめています。
 HPに詳しく載せております。

ハッピ−マン 2006/02/10(金) 10:48:28
タネツリさん、醗酵するとなぜ発熱するか? だんだんと園芸から遠ざかってゆきますね。進む方向は熱力学かな?

そもそもの始まりは、無機物の世界。次に生物の誕生。生物は無機物から有機物を造る。炭素、窒素、水素、酸素などの無機分子が主原料。これらを原料にして有機物を造るには、たくさんのエネルギ−が必要。だから最初の生物のつくれる有機物は分子量がごくごく小さい。が、だんだんと分子量の大きなものを造りだすものが出現。ということは、有機物は分子量が大きいほどたくさんのエネルギ−を内臓していることになる。生物がエサとしているたんぱく質、糖質、脂質は石油も含めて地球表面での三大エネルギ−、いかに大きな台風のエネルギ−がすざまじいといえど、この三大エネルギ−には及ばない。そしてこの三大エネルギ−は日夜、生物が生産と消費?を繰り返している。

ここで問題は、タネツリさんがいかに優秀な園芸マンであったとしても、そこいらに落ちている葉っぱの一枚たりとて、ご自分では醗酵とか分解とかはできない(洗って食べれば分解できるけどセルロ−スは無理)。食物連鎖は、三大エネルギ−三種の有機物のエネルギ−の配分順序であるということ。そして残り物となった最後の有機物を無機物に変えているのが微生物。微生物がいなかったら地球上は有機物の残骸で覆いつくされる。

さて、有機物からエネルギ−を取り出す仕組みは、有機物を構成している、炭素、酸素、窒素、水素のどの部分を切断してエネルギ−を取り出すかによって変わってくる。ハサミの役目をするのは「酵素」。だからどういう酵素をその生物が持っているかで取り出せるエネルギ−量はことなる。当然人間も酵素をもっている。しかし完全にバラバラに切断できるのは微生物しかいない。微生物君ありがとうと言いたくなる。

ということで、発熱の仕組みはタネツりさんのお話しのように、窒素と炭素を切断したときのエネルギ−が主体だと言われています。最終無機物まで分解しない場合は、有機物を切断した切り口をそのままには出来ないので、その部分をつなぐ(結合させる)エネルギ−が必要になり、そこでもエネルギ−が使われます。当然のことながら生体を構成する部分にも使われます。
@酵素により有機物を切断し、このときエネルギ−を得る。
A生体合成に使用するエネルギ−を消費
B新たな有機物を合成するエネルギ−を消費
C生体の生命維持活動(ガスの放出、運動など)に使用するエネルギ− を消費
Dあまったエネルギ−は生体の温度上昇となる・・・発熱 

では、このへんでおきましょう。おっと、お母さん13さん、長話でゴメンナサイ。

タネツリ [URL:http://homepage2.nifty.com/tane-tak/] 2006/02/10(金) 11:17:06
>醗酵するとなぜ発熱するか? だんだんと園芸から遠ざかってゆきま
>すね
 そうでしょうか。お母さん13さんの質問に、的確に答えてあげたかったのです。

たちつ 【近畿】 2006/02/10(金) 13:49:56
>最後の有機物を無機物に変えているのが微生物
微生物は有機物を無機質には変えないと思う。しいて言えば、分解過程におけるガスの発生程度では、(・・?

有機質を無機質に変えるのは、自然風化の化学反応では。 (・・?
微生物が大きいものを噛み砕く・・・消化する。 又は酵素分解する。・・・・排泄物・分泌物を出す。・・・その成分が水に溶けたり・揮発したり・濃縮石化(結晶化)したり・冷えたりして、(化学反応して)固まる(リンやカルシゥム等の石)
例えば、歯石・胆嚢結石・尿道結石(トイレの黄ばみ)や貝殻・珊瑚。
極端に言えばセメダイン(有機物)やセメント(無機質)が固まるようなもの。
と思う。
従って、固まる性質の物質(材料)を作っても、その段階ではまだ有機質?。 トイレの黄ばみ(石)は微生物の力ではない。蒸発や沈殿による結晶。骨の生成も引力を利用して、一定の法則によって、化学物質を並べていくだけと思う。 やぱっり、これって、微生物が作ったことになるのかなぁ〜?  ここまで屁理屈になると、生物と化学と物理の範囲はどこが境界線なのかと言うことにもなる。
骨は引力が無いと組み立てられないと聞く。(骨粗しょう症)従って、宇宙飛行士は、自分で立てない。最も筋肉も弱っているので、その方の影響の方が大きい。

>腐葉土と堆肥の違いは
腐葉土は、植物の茎葉が堆積して、朽木したもの。本来は、森林で拾い集めたもの。これが山の産物なら、湿地帯のミズゴケなどが堆積したものが、ピートモスとか泥炭(ケト土)とかいう。
堆肥は動物(主に家畜)の排泄物を発酵させたもの。大抵は、家畜の寝床に敷き藁を敷いていたので、藁が主成分になる。敷き藁を家畜小屋の横に積んでいた。ある程度溜まれば、田畑に肥料として捨てた。
純粋な排泄物を腐らせれば、人糞とか鶏糞とか牛糞とかいって、区別することもある。

落ち葉も(腐葉土も)発酵すれば、発熱します。只、自然では薄く広いので、熱くならない。(放熱が大きい)。又 発酵の期間もながぁ〜かかる
。最近は、廃棄物処理対策と需要が多いので、色々な細菌を混ぜて人為的に早く作る。腐葉土工場では、高温になる。
堆肥は積層させて、厚いので、放熱が少なく動物の体内微生物や藁の発酵菌がもともとから沢山含まれているので、発酵も早く、自然に高温になる。細菌にも最適活動温度がある。寒すぎれば保温し熱ければかき回して、温度を下げる。

>寒冷地では
寒冷地でも、家畜が居れば同じ様に堆肥にする。昔は、家畜小屋に積んでおいて、暇な秋冬に田畑にに捨てた。家畜も個人個人で飼っていたので、その量も知れていた。今は大規模に集中して飼われるので沢山の排泄物が出る。又田んぼの機械化になり、藁も田んぼに捨てられるので、藁の含有率も低い。家畜も飼うというより、生産なので、糞も純粋化している。(鳥小屋飼育というより、鳥かご生産)
家畜や落ち葉(剪定屑)が大量になければ、山の腐葉土を集める事になる。シベリアの山火事は、温暖化(永久凍土がなくなる)と風や雷や焚き火で山火事と成っている。長年の腐葉土の堆積で、厚みがあるので、消すことができない。種火は、地下深くで横に広がり、とんでもない場所から地表に噴出す。根の広がりと火山をあわせたようなもの。
砂漠や草原では、家畜の糞を燃料代わりに燃やすし、密林では、開発が面倒なので、山火事にする。その灰が肥料となりますが、量も少なく補充されない(木が無いので落ち葉もない。)ので、彼方此方と焼きながら移動する。と人の住む環境により様々な形をとる。
日本では、江戸時代が一番リサイクルの完成した時代と言われている。
一番の浪費は、戦時中以降です。利便性追求と生産集中消費離散がリサイクル率を下げる。(汚い・面倒臭い・卑下される。)戦争とは、リサイクルできない状態。(危ない・忙しい) 一番懸念されるのは、ブランド品・ファション性の高いもの。使わないものでも、質草やほったらかしに成っている。使わないうちに捨てる事になる。売れなければ、裁断破棄。偽物も裁断破棄。いづれも役立つと言うより捨てるもの。ブランドとは捨てるもの。ゴミを高く買って喜ぶもの。従って、成り上がりセレブしかもてない。持てるということと、似合うと言うことは別。似合うと言うことは、自他共に認める。両方か片方が認めない事を似合わない・房が無い・ふさわしくないという。
 と考えます。

ハッピ−マン 2006/02/10(金) 19:57:37
う〜ん、アンモニアだとか炭酸ガスは無機物だと解釈しましょう。現実的には、窒素は無機塩類として少し固定されています。また生物を構成する微量の金属も無機有機を問わず塩類として固定されています。最終的に死骸となった微生物の体は、自然の物理化学的風化作用と太陽の紫外線などで無機物まで分解されて行くのでしょう。このあたりのマスバランスは私にはよく分りません。地球規模で考えるなら、地球に入るエネルギ−はお日様からいただく輻射エネルギ−だろうし、失っていくエネルギ−は宇宙への放射エネルギ−、その差し引きしたエネルギ−が地球上で使われることになる。(さて、地球の自転などは運動エネルギ−として使われているのか?)地球の自転などは、すでにエネルギ−をいただいたあとの結果の運動だろうからゼロでいいのじゃないかと思う。お日様からいただいたエネルギ−を地球のみんな(生き物ばかりじゃなく自然現象のすべて)が利用して一様の平衡状態になっているという事実は奇跡的ですよね。 やかんのお湯を50℃で一定にするのさえも難しいのですからね。

的確に答えようとすると、どんどん理詰めのお話しになってくる。堆肥・腐葉土のお話が、宇宙のお話しにつながってくる。でも、それもまた大変重要なことに違いない。しかし堆肥作りが実は太陽エネルギ−の有効利用であることを意識する園芸と、早く春がきてほしいと単純にお日様にお願いする園芸とにたいした差異はないと最近思うようになりました。 

タネツリ 【関東】 [URL:http://homepage2.nifty.com/tane-tak/] 2006/02/11(土) 07:57:35
>堆肥は動物(主に家畜)の排泄物を発酵させたもの。
 それは、厩肥というべきでしょう。堆肥の一部でしょうが。

お母さん13 2006/02/25(土) 05:11:05
[[解決]]
たちつさん、ハッピーマンさん、タネツリさんへ
とてもわかりやすい説明ありがとうございます。
もう一度挑戦してみます。
ありがとうございました。


[園芸相談センター]の過去ログです

初心者用掲示板@園芸相談センター園芸相談センター