ハイドロボールを利用したバラの挿し木

[園芸相談センター]の過去ログです

nelton 2016/01/16(土) 23:48:48
 冬なのですが,バラの挿し木をしようと考えています。バラの剪定で切った枝を有効利用するのが目的です。
 現在は冬ですので,この時期に挿し木をするのは,よくないのでしょうが,室内で挿し木すれば,気温が高く,根が出やすいのではないかと考え,ハイドロボールを利用した挿し木を検討しています。
 ハイドロボールを利用した場合,水の管理がしやすいですし,また,発根した場合,確認しやすく,挿し木が簡単ではないかと考えたのです。
 インターネットでハイドロボールを利用したバラの挿し木を調べてみたところ,あまり,お勧めではないようです。本来であれば,気温が高くなってから屋外の日陰で赤玉土を利用して挿し木をするのがよいのでしょうが,そうすると,バラが成長するのは春以降になっていまい,春の開花には間に合いそうにありません。
 冬に挿し木して,発根すれば,うまくいけば春に開花するのではないかと期待するのです。
 冬にハイドロボールを利用したバラの挿し木を経験された方がいらっしゃれば,体験談を聞かせてもらいたいと思い,質問しました。
 

ばらバラ薔薇 2016/01/17(日) 17:08:40

先ず、挿し木とは何か、どのような現象が起こるのかということを理解しないと、面白くありません。

分身増殖法の一つで、植物の一部を根のない状態で分離し、自活(元の植物親から自立)させることで、茎や葉を利用する。
このようなことは、国語辞典系の解説で、趣味の園芸では、どうでも良いことです。
どのような手段方法をとってでも、分身を作ればよいことです。
とりあえず、独立して自活するには、口たる健全な根を生えさせないことには、ただの活け花に他ならない。

挿し木とは、根のない茎から根を生えさせることですが、そのためには有る程度の温度は必要です。
しかし、茎には根を生えさせる能力もあれば、新芽を生えさせる能力も同時に持っています。
そこで、どちらが重要なのかといえば、根を先に生えさしたほうが有利に展開します。
温度が快適すぎると、頂芽優先(母たる太陽エネルギーをいち早く得ようと先走る。芽の温度光センサーが働く)の法則により芽(茎葉)が先に成長する傾向にあります。
根が無ければ、やがて脱水栄養失調で、枯れてしまいます。

簡単に言えば、挿し木とは、挿し軸に蓄えられている栄養エネルギーが枯渇するか早いか、根を生えさして補充するのが早いかの競争です。
埋められた茎の切り口からは、水分と栄養素(元素)は吸収されますが、
反面、茎からも水分は蒸発します、更に、土が乾燥すれば、切り口からも脱水します。
この場合の栄養素は、害はあっても役に立ちません。
栄養素は、栄養として変換しないと利用することができませんから。
切り口から侵入する雑菌にも無防備です。

挿し木は先ず、切り口に、自己防衛ライン(外敵からの防衛と、敵味方を分別する関所を設ける)として、初期カルスを作ります。
次に第二期カルスとして、発根細胞を作り根を成長させます。

其の一連の製造過程をスムースにさせるには、どうしたらよいかというTPOの選択には、其々の好みが有ります。
要は、とりあえず根が生えればよいことですから、何が正解かとか、これしかないということは、ありません。

水刺しであろうが、雑菌まみれのヘドロ挿しであろうが、ハイドロカルチャーであろうが、滅菌資材であろうが、人それぞれの好みです。

私個人としても、ハイドロボールは、お勧めしません。
理由は、先ずわざわざと買い求めなければならない(面倒で高価)、
次に、粒子が大きい。

挿し木は、冬では寒すぎて、都合が悪い植物でない限り、できる限り冬にしています。
理由は、雑菌が繁殖しにくい、腐りにくいように感じるからです。
昔から、挿し木時期は、梅雨と言われていましたが、変人の私は、幼少よりもっぱら、挿し木は冬にすべきであるとしています。
現実的には、春夏秋冬年中可能な植物の方が多いです。

室内より、凍結しにくい(短時間の凍結なら良い、夜凍結しても昼には融ける。)屋外の方が、私好みです。

挿し木土は、0.5〜1.5mm粒子の川砂を、今一度良く洗って、清潔にし利用しています。鹿沼土が手元にあれば混合したりしています。
大量に安価無料で入手し易い。
更に、挿し木が終われば、洗って天日干しすれば、自然減耗流出が無ければ、永久に使い回しができる。
排水が抜群に良く、保湿性もダントツです。洗い易く天日干しすれば直ぐに乾きます。 水炊煮沸すれば、滅菌効果にも良い。(別に煮沸する必要もないですが)、一般培養土の基礎資材にも混ぜられる。 保管しても虫が湧きにくく、悪臭もなく、埃にもなりにくい。
短所は、重すぎることです。
この場合の鹿沼土の混合は、鹿沼土は軽くつぶれ易く、保肥性がよい
事から、発根後鉢あげしなくても液肥だけでよい。 乾燥させれば浮力が増して、砂との分離が簡単。
本来は、適期に根切り鉢あげ育苗したほうが望ましいものですが、面倒。
鉢あげすれば、場所がそれだけ広く必要になる。(そのままなら一鉢で済みますが、鉢あげすれば、10-50倍の広さが必要になる)
同じ品種でも、個体により木姿生長が異なり、是非の分別には、当分の間は、様子を見なければならないので、捨てられない。少なくとも最初の花を見るまでは(発色花の形など四季折々の傾向)

挿し木の最初の花は、初夏から初冬と思ったほうが無難かも。

ということで、ハイドロボールでも何でもよいことです。
私は、砂専用ですから、試したことはありません。
プレゼントされることもありますが、鉢底石に転用しています。

自由にお楽しみあれ!!

最後に、植物というものは、不器用な面があって、根が成長しているときには、地上部の成長が停滞し、新芽が活動しているときには、根の成長がいったん停止する。
花が咲いているときには、茎葉の成長が緩慢となり、花が一巡すれば、再び茎葉が成長する。
何か一つの事しかできないようです。
部品はいろいろと有ることですから、同時に働かせばよいのに、本当に不器用な存在です。
もっとも、われわれもそうですから、高望みはできませんが・・・
パラレルは、パソコンだけかも。

nelton 2016/01/17(日) 20:32:30
 回答ありがとうございます。
 私が気づかなかった問題点を次々に挙げていただき,薔薇についての認識を新たにしました。
 発根させるためには,様々な方法があり,ハイドロボールを使っても問題がないことが分かりました。
 私としては,冬の挿し木には,ハイドロボールが適しているのではないかと考えていたのですが,そうでもないようですね。
 冬の挿し木で心配なのは,ばらバラ薔薇が指摘されるように,発根よりも,初芽が先になった場合,結局,根からの水分等の補給が不足して,枯れてしまうということです。
 室内に置いておくよりも,室外の寒気にさらすほうがいいのでしょうか。
 また,室内に置く場合,さらに光が当たらないようにして,初芽を抑制すればいいのでしょうか。
 この点,悩むところです。
 植物が不器用な存在であるという指摘は,非常に意外でした。
 詳しい解説,ありがとうございました。

ネミ 【関東】 2016/01/20(水) 19:03:57
剪定枝ですよね?
この時期の剪定枝なら数もあるでしょうし、答えとしては不躾で申し訳ないですが上記の方がいうようにとりあえずやってみるのも面白いと思います。
私は野外で冬剪定枝を使い回した土に挿し木して成功したことがあります。
しかも私の地域は雪が降らない年もあるのにそんなときに限って4月に降り積もりました。
枝も木質化した小枝や関節技でしたがこんな悪条件でも1年にシュートが2本生えたものもありました。
勿論冬剪定枝ですので成功率は低かったですが植物って想像以上に強いものですし試す価値はあると思います。

nelton 2016/01/20(水) 23:13:53
背中を押していただきありがとうございます。
挿し木で使用するのは,冬剪定で切り取った枝を想定しています。
どうせ,廃棄するのであれば,実験するつもりで,挿し木に利用することを考えたのです。
ただ,失敗覚悟であるとしても,挿し木する場合には,場所をとるので,ハイドロボールを使用すれば,コンパクトに栽培できるのではないかと思ったのです。ネミさんは,成功率が低かったということですので,50パーセント以下ということなのでしょうか。
3割程度成功してくれれば満足します。

ネミ 2016/01/21(木) 13:46:54
発根率は50%よりはあったと思います。
ただこんな無茶苦茶な挿し木をしたのも当時何も知らない初心者だったので鉢あげのタイミングミスや水切れも起こして1年もったのは30%くらいでした。
そういえばそのあとハイドロボールも一つ挑戦してみました。
ちょうどグラス一杯分くらいのハイドロボールがあったのでグラスに一本だけ挿してみたのですが残念ながら失敗してしまったんですけどね。
原因としては上記のとおりガサツな者でして水を与えるときに慎重に与えずだいぶグラついたと反省しています。
言い訳になってしまいますがハイドロボールは根付いていないと想像以上に動きました。
あとは当然ですが水は清潔に保たないとと思います。
失敗はしてしまいましたが参考にしていただければ…

ミコミコ 【近畿】 2016/01/22(金) 19:39:04
初めまして。

私の挿し木でオススメは、バーミキュライトを使用する方法です。
使い捨ての透明プラコップの底に穴を開けて排水できるようにして、1カップに1本を挿していきます。
バーミキュライトだけですと乾燥しやすいのでカップの下にはトレーを敷き、水やりは1週間に一回程度優しく注ぎます。
流れた分の水は溜めるようにしトレーが乾くと少しだけ水を入れて常にトレーに少しだけ水があるようにしていました。
置き場所は、雨のあたらない軒下で半日陰になる場所で発根するまではほぼ放置気味で育てます。

この方法で挿し木するようになってから確率がぐんと上がって最近は90%以上は成功していますよ。
透明のカップは発根も確認できますし、鉢上げするときにバーミキュライトごとカップから出してそのまま土に植え付けます。
鉢上げは出来るだけしっかりした根になるまで待ったほうが失敗が防げます。

それからハイドロボールはネミさんが経験されたように水やり時に動いてしまう懸念が大きいと思いますので
動かしてはいけない挿し木は、かなり難易度が高くなると思いますが、せっかくなので試されてはいかがでしょう。
また、挿し木の成長は時間がかかるので室内で管理しても春の花は難しいと思いますよ。

nelton 2016/01/24(日) 20:34:55
アドバイスありがとうございます。
透明のプラスチックコップを利用しているということですが,参考になりました。
穴をあけるということですので,水をためるのはよくないのですね。
ハイドロボールの場合には,根が動きやすいのではないかということですが,確かに,コップに水を入れると,ハイドロボールが動いてしまいます。根が動くと失敗する確率が高くなるというので,工夫してみます。
バーミキュライトの場合も,その自体軽いので,水を入れたときに,根が動きませんか。
ありがとうございました。

ミコミコ 【近畿】 2016/01/26(火) 11:00:48
そうですね、水のやり方にちょっとコツがあるのですが少々訂正をさせてください。
上には、優しくと書きましたが、霧を吹くというのが正しいです。

挿し木には直接水は注がず霧にしてバーミキュライトがしっとりするような感じで濡らします。
完全に乾かないようにするためと水を注いで茎が動くのを防ぐためですので流れ出るほどはかけないように注意が必要です。
そして底面からも水分が上がってこれるようにするため水受けのトレーには、常にではなく数日で乾く程度の水を入れて乾いてから水を入れます。
試行錯誤の結果、カップに穴を開けずにすると中の水分調整が難しいので、この方法でしていますが
カップのままでも可能かも知れません。
また、ほぼ放置ですが目につく場所に置いてあり乾燥しないようにだけは注意していました。
寒い時期は、キッチンの出窓に置いています。

一番大事な水やりのコツを書き忘れていましたね、すみませんでした。

色々ご自分のやりたい方法で試してみるのも楽しいと思います。
私も勿体無い、かわいそうという気持ちで挿し木を始めたのですが
成功率が高まるにつれて、置き場所に困るようになってきたので、今は絶対に残したい品種やお気に入りな品種だけにしています。

上手く出来たら良いですね、頑張ってください。


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