鉢底石って本当に必要でしょうか?

[園芸相談センター]の過去ログです

ミッチー 2016/01/05(火) 18:54:44
鉢底石の説明を参考書などで見ると「排水のため」とか「根腐れを防ぐため」などと書かれているのだが、本当にそのような効果があるのでしょうか?

鉢底石を入れないと植物の生育に悪い影響でも出るというのでしょうか?

ばんざいうさぎ 【北海道】 2016/01/06(水) 03:45:04
個人的には鉢底石が必要か・使わなくても大丈夫かは「鉢に植える植物の種類」ごとに違うと感じます。あと、鉢の材質と鉢底穴の形状、置き場所の環境にもよると感じます。

植物により好む土環境というのがありますよね?主に水はけの良さや乾燥しやすいような保水性が低めな土を好む植物と、水持ちが良い乾燥が苦手な保水性の良い土を好むもの。
個人的には水はけの良さを好む物だと本当は鉢内全てそういう土だけ詰めたいところなのですが(地植えなら迷わずそういう土に入れ替えて植え付けます)、鉢栽培に「こういう土だけを」詰めてしまえば非常に乾燥しやすく夏場などだと渇きが早すぎてしまう・・・。そんな時に、株の大きさに適するサイズよりも大き目の鉢に大目に鉢底石を入れて、植え付ける方の土は「あえて普通の培養土を入れたり」します。そうするとある程度乾きすぎない程度の水持ちが確保でき、なおかつ保水できる土は鉢の大きさの割には量は少ないので、どうにか水はけと水持ちのバランスを折り合えるんです。(種類によってはかなり水はけを好む植物だとこの方法でも水持ちが良すぎる物もある)本州だと梅雨時などあり同じ方法ではうまく行かないかもしれませんが、北海道の気候なら我が家にある植物では割にうまく行っています。

逆に、保水性の良い乾きにくい環境を好みがちの植物なら全く鉢底石を使わないで全て同じ土を詰める事もありますが、その場合はかなり大きな高さもある鉢で、我が家ではテラコッタ素材の物が多いです。イメージとしては花壇の様な、レイズドベッドの様な目的での使い方をしています。
これはある植物の品種同士が偶然自然交配して出現した優良個体を実生で世代を繰り返させ性質を固定化しつつ、別の特徴を持つ個体の出現も待つと言う目的の個人的事情があり(植える植物は匍匐性で根は浅くて土には深く潜らない性質)本当は地植えでの栽培が一番良いのだけれどもアリからの干渉を受けない様に、何世代目の個体か明確に各個体が識別できるようにと一鉢一鉢に隔離しています。大きくて高さもある鉢に植えた後は数年は何もせずに植えていても何の影響も受けない性質を持つ種類で元々いつも湿り気味の土を好む植物のため、口径が広いボウル型を使ってしまうと浅すぎて熱が土に伝わり易く乾燥が早くて株が暑がり寿命が短くなるため。
大鉢で栽培していると鉢の内側で土との間に隙間が出来たり土内に居る微細生物の働きで自然な通気が出来たり、テラコッタ素材は鉢自体の通気がある(でも素焼き鉢ほど通気が良すぎない)ので我が家で植えている植物には鉢底石が無くても大丈夫なのです。

ただ大きな鉢でも、製品によっては鉢穴の形状が悪くて(テラコッタは作りによって鉢の穴が小さすぎたり、分厚いプラスチック鉢だと底の一部分に水が常時溜りやすかったり)水の通りが良くない物もあり、そういう物の中で素材が加工しにくい物(プラスチックや木製なら穴を新たに開けますが、テラコッタなどは穴あけが難しい)の水抜け改善を考える時に、鉢の内側底部分にすこしでも空間を設ける目的で(中にスノコを入れている様なイメージ)大粒の鉢底石を入れ鉢底網シートを大きく丸く切って敷いて仕切ってから土を入れる「上げ底」にすることは時々あります。鉢底の形状で出てくる水が再吸収されそうな形状なら地面に直接おかず鉢ごと少し浮かせるのにテラコッタの鉢用の足をかませたり、煉瓦を並べた上に置いたりもします。

あとは、スタンド型プランター(ワイングラスの様な形状)も、鉢部分の深さがあまり無い物は鉢底石を入れてしまうと詰める土の量が減ってしまい、我が家の砂利敷きで直射日光を受ける置き場所だと夏に乾きすぎるので鉢底石はあえて入れません。でも、これが別の所でも通用するかどうかまでは解りません・・・。

事情によっては使わない場合もあるものの、何にでも鉢底石を使わないでの栽培と言うのは、植物の性質を把握せずに行うと管理が難しく早いうちに根腐れしてダメになる事が多いので、できれば行わない方が良いと感じます。もしするのでも、長く栽培していて性質をすでに把握しており保水性のある土を好み適しているかもと思える種類で余剰があるものからまず試しに一鉢だけ行ってみる方が良いと感じます。

私は、今まで栽培したことの無い新規購入の物は全て念のために鉢底石を入れたプラスチック鉢に植え替えます。それで一年栽培し好む環境や性質を把握します。種類によっては前に近い種類の栽培経験があれば最初から自己判断でロングサイズの鉢に鉢底石を通常よりも多めに入れて植え替える事も。その植物の性質がまだいまいち把握できないうちは」基本に沿ってしばらく様子を見ながら次の年からの植え場所や栽培の仕方を考えていきます。

それ以外では多肉植物の栽培では全く鉢底石をつかいませんが、荒れ地や砂漠を好む植物で普通の栽培土では無く、我が家で使っているのは鉢底石とおそらく同じ種類の軽石を2〜3ミリに砕いた物が主体の「多肉植物専用土」なので、まるで「鉢底石に植え付けている」様なものですし・・・。

鉢栽培を行うには、基本的には「鉢底石的な物」は必要と思います。ただ、植物の性質によっては「市販のもの」じゃなくても使えない事はないですが。極端な話砂利石でも代用できます。ただしゴツゴツが少しはある不定型な形状のもの。角がありすぎだと平らな面があり隙間が少ないし平たい物も石同士の接着面が多すぎて水が留まり易く水はけが良くないです。それと、砂利の場合は隙間が大きすぎて上の栽培土が砂利部分の隙間を伝って流出しやすいので、上記の私の工夫の様に砂利の上に鉢底網シートの様な(使い古しの網戸の網でも代用できる)水は通っても土だけを留めさせるものを敷いてから栽培土を入れる必要があります。昔だと割れた素焼き鉢の欠片を適度な大きさに割ってから鉢底石の様に詰めて使っていた様ですよ。

代用できるものはある事にはある。でもそれを使う事でデメリットも出てくる。それを考えると市販の鉢底石の軽石の様な素材とある程度大きさが揃い不定型な形と言うのは一番使い良いと感じます。適度に余分な水分を下に落とし、でも完全には落とさず鉢底石内に留めておき、そのおかげで通気が良すぎる事もなく、鉢底穴から入ってくる空気もスムーズに栽培土の方に移動できる・・・。

鉢栽培の場合、水遣り時に土内の空気の適度な入れ替えが行われます。水が染み込むと同時に新鮮な空気が入り、古い空気は鉢底穴から出ます。この時に鉢底石が適度に入っていると鉢底穴から水が流れ出た後に下からも新鮮な空気が入り込みます。鉢底石が無いと通気は下からは無く「上の土部分からのみ」で、根が深めな物だと空気不足に陥りやすい事もあり鉢底石が必要なんです。個人的にはこの「下からも空気の入れ替りが出来る」のが重要なんだと思っています。と言うのも、私の趣味が陶芸で時々手作りの鉢を作るのですが、ちゃんと鉢底の形状を考えて作らないと底が鉢底皿と密着してしまい水を与えると水が底から再吸収されて大抵根腐れしてしまうからです。今ではちゃんと高台を作ってから部分的に3か所くらい切り込みを入れたり(素焼き鉢の底と似た形)、脚付きの鉢の形にしたものにすれば根腐れしなくなりました。

植物の根は土内に入ってくる空気を必要としています(地面でも実は微細生物が作った通気できる小さい穴が沢山あり植物の根はそれを利用し呼吸しています)。植物の種類によって水持ち具合・通気具合の好みや耐えられる程度はいろいろ。
もし過度の水持ちは好まず、ある程度の通気が必要な植物を鉢底石無しで育ててしまったら?これが根腐れに繋がってしまう可能性はかなり大きいです・・・。それを防ぐのに鉢底石を入れての栽培となりますが、その好む程度によっては、鉢底石使用の栽培でも「保水性の良い土を使うだけで」根が傷んでしまう物さえあります・・・。

底穴土を使わない栽培も出来ないわけでは無いでしょうが市販の既存の鉢の形状では難しいですね・・・。理屈だけなら鉢の鉢底石を詰める分のスペースを空間にすれば(要するに完全な底あげ)栽培できなくもないと感じます。でも、これを実施するには鉢の中に設置するスノコ部分の材質と形と強度が問題に成るわけです。土は水を含めば重さは何倍にもなるので材質が丈夫でないとだんだん下に下がってきます。材質によっては栽培中に破れたり割れたり折れたりで全体が下に落ちる可能性も。また鉢内の形状に合わせた形にするには頑丈に作ってもどうしても隙間が出来てしまい、そこから栽培土が徐々に流失してしまう可能性も・・・。また、水の流れ落ちる様子(水はけの速度)が作った物により変わります。なるべくスノコから染み出した水が速やかに流れ落ちられるような形状の工夫も必要・・・。
こういう鉢が既製品にあって鉢底石無しでも何の問題も無く使えるのならもうすでに誰かが作って販売されて広まっているはずです。でも実際はそういう物はほとんど無く自作する手間や費用を考えれば鉢底石の方が手軽で洗って使えば何年も使いまわせます・・・。

形状のイメージ的には「吸水栽培用の鉢」がそれに近い形状とは思いますが、あの鉢の目的は下の空間に溜めて置く水を上の栽培土の方へ「吸い上げさせる」目的の物ですから、真下には穴が無く必ず鉢(容器?)の下に水が溜まってしまいます(元々溜めて置く目的のスペースですから)。製品によっては上から与えた水が流れ落ちにくい内部の形状である可能性もあり、製品によっては吸水する部品(ひもなど)を取り除いて代用するだけでは無理かもしれないのでお勧めはできません・・・。

「既存の鉢を使う限り」は、やはり鉢底石が必要で一番適していると思います。植物が好む土質や水はけ・水持ち、鉢の材質や大きさによって量や粒の大きさを使い分けていくのが良いかと感じます。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2016/01/06(水) 03:57:42
すみません訂正があります・・・。
下の方の
>底穴土を使わない栽培も出来ないわけでは無いでしょうが
の、「底穴土」は「鉢底石」の書き間違いです・・・。

ミッチー 2016/01/06(水) 08:59:37
[[解決]]
ばんざいうさぎ様

長文の回答ありがとうございます。とりあえず鉢底石は必要との見解ですね。昨日、薔薇土替え作業を行っていて、ごちゃ混ぜになった培養土と底石にうんざりし本当にこれって必要なのかと疑問に思いながら作業していていました。最近は軽石の使用を止めて、大粒の赤玉土を底石の代用として使ってたり、プラ鉢の形状によっては底石自体を使わなかったりと色々試していますが、我が家ではあまり変化が分かりませんでした。年齢的なものもあり、少しでも作業を楽に出来たらなと言うのが本音でした。

ばんざいうさぎ「解決後」 【北海道】 2016/01/06(水) 12:53:31
ミッチーさん、まだご覧になられておられるでしょうか?
確かにいくつもバラの鉢があれば植え替え時に鉢底石の存在にウンザリなさる気持ちも解ります。バラ自体が鉢栽培では結構管理が大変なため、土環境を整える目的で鉢底石無しでの栽培は難しいでしょうし・・・。

ただ、工夫次第で植え替え作業の手間を少しは軽くできますよ。
鉢底石でも最近は販売時から一鉢分づつ網に入れられて売られている製品があります。これはそのまま鉢に入れて使え、一度使用した後はその網に入ったままバケツなど深さのある容器でじゃぶじゃぶ洗うとすぐ再利用できます。この製品はお店によってはまだ扱っている所も少ないでしょうが見かけてお値段的にもご納得されれば試しにお使いになられてみてはいかがでしょうか。

鉢数が多くて鉢底石は大袋で買わなければならないとか、今まで使ってきた鉢底石の再利用の場合は、ビニール製の網袋を使うと良いです。小さな鉢に使うなら台所の生ごみ用ネットやミカンが入って売られているネットを使うので充分ですが、バラの鉢など大き目の鉢に使用するくらい多い量なら、市販の玉ねぎが詰められているネット袋(別名出荷ネット。オレンジ色や青などの色でビニール紐付き)のちょうど良さそうなサイズを捨てずに取り置きしておくか(多少大きくても大丈夫です)、新品を鉢数分購入し使うと良いと思います。

鉢底石は購入物をそのまま使っても良いのですが、製品によっては出荷前に洗われず砕けた粉がそのまま沢山付着している物もあります。その粉はそのままだといずれ鉢の底に溜まってしまい、鉢底穴の形状によっては鉢底穴の水落ちを妨げ悪くしてしまう事があるので(また、植え替え時に溜まっている粉を鉢底内から取り除き洗い流すのも手間なので)私がそういう鉢底石を使う場合は使用前にネットに詰めてからバケツ内で振り洗いし、粉を洗い流してしまってから鉢に詰めます。このひと手間であるだけで鉢底石の水はけ具合も多少ながら良くなります。

玉ねぎが詰められ売られているネット袋は玉ねぎをまとめ買いする習慣のあるお宅なら(箱買い除く)3〜5s用の物に使われているので食べ切ってしまえばネット袋も不要になり、取っておこうと思えば少しづつ溜められますが小売りされている玉ねぎを買う習慣のあるお宅だと1〜2s用のネット袋が使われた玉ねぎはなかなか売っていないかもしれません。スーパーでは大抵ビニール袋に詰められてしまいますから・・・。
お住まいの地域で玉ねぎを栽培している農家が多ければ近くにある農資材屋さん(農家が使う道具を売る店で、農協店舗よりは個人経営の古い店が良い)で扱っていることもありますが、無いならインターネット通販で取り寄せると良いです。「農資材 販売 出荷ネット」のキーワードで検索し、ヒットしたネットショップで購入できると思います。お店は農家向けに沢山の枚数単位で売る店と、家庭菜園向きに小分けして売ってくれるところ(それでも最低20〜30枚からくらいかも)があるので、いくつかの店を比べお店の利用方法と送料の方は必ず確かめたうえでご購入下さい。普通のホームセンターでも農資材を多く扱っている所なら出荷ネット(市販名は違うかも)を扱っていることもあります。一度買えば数年使いまわせますので購入出来れば栽培土と混ざることなく扱えて便利ですよ。

それと、鉢底石代わりに赤玉土を代用する事はしない方が良いですね・・・。赤玉土は使っているうちに砕けてきて粉状になります。あれは元々細かい粒子の土を圧縮・形成し大粒にしているだけですから・・・。この赤玉土の砕けた粉が溜まるのが水はけを悪くしていく原因に成り易いのです。バラの栽培土に混ぜられているもの自体が劣化し徐々に崩れていくのに(もし赤玉土を再利用するなら良く洗い、形の砕けた物は取り除いて、できれば殺菌の為一度完全に乾燥させること)鉢底の方でも砕けてくると砕けた粉が余計溜まります。赤玉土を高温で焼いた砕けにくい焼成赤玉土と言うのもありますが、これは砕けない固さのある粒である代わりに吸水性があまり無くお値段も少し高めで鉢底石代わりには向かず手軽に使えるともいえません・・・。

赤玉土は水分をかなり吸う性質で保水性が有るかわりに空気に晒されていないと渇きは遅く、もし鉢内の底近くにあれば水遣り時の鉢底穴からの通気が確実に劣ってしまうので、鉢底石の代用として赤玉土は使わない方が良いです。

気楽にバラを・・・「解決後」 2016/01/06(水) 16:14:36
>年齢的なものもあり、少しでも作業を楽に出来たらなと言うのが本音でした。

我流で長年バラを育てていますが、鉢底石は使ったことがほとんどありません。理由は、面倒なことはしたくないし土の量が少なくなる。
手抜き大好きな私は、生長に合わせて鉢は大きくしますが土替えなどの作業はほとんどしたことがありません。堆肥などの有機物をのせるだけです。10年ほどで鉢の中が曲がったゴボウのような根でいっぱいになってくる頃には株も老化してくるし花の好みも変わっているので「長い間ありがとう。」の言葉をかけてさようならしています。
私の育て方をお勧めするわけではありませんが、手抜きして美しいバラを
咲かせているおばさんもいることをお伝えしたくて書き込ませていただきました。

解決済ですがmomo2です。 2016/01/06(水) 16:54:28
私は鉢底石を2、3年前から使っていません。
鉢底石は排水の問題のみのような気がします。

害虫の侵入、土の流出を抑えるためネットは入れています。
その上に石の代わりに藁を敷いています。

藁は結果的には肥料化となりその頃には土も落ち着いてくるはずです。
藁ですとその分 土もたくさん入れてあげられます。

土替、鉢増し時にはとても楽ですしバラ栽培ですがまったく問題なく育っています。
今はお見えになられませんが、ここでJさんに教えて頂きました。

ミッチー 2016/01/06(水) 18:23:02
[[解決]]
解決ボタン押すの少し早かっですかね。皆さん、沢山回答ありがとうございました。底石入れてない方も入れてない方も多いようで安心しました。自分も入れたり入れなかったりで特に問題はありません。ただ、、、赤玉土は止めておきたいと思います。

底石の変わりに木炭がいい何って話も聞いた事がありましたね。今後も色々試してみます。


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