有機肥料の効かせかた(2)
ねこ
2012/08/24(金) 19:49:08
えふ様、先日はご丁寧なご説明ありがとうございました。
実は、教えて頂いたことをもとに「肥料の上手な効かせ方」という本を読んでいます。
えふ様にはチッソを例にご説明いただきましたが、その本によるとリン酸の場合は土壌に吸着して土壌中を移動しないと説明されています。
簡単に言えば雨や灌水では地中に浸み込まないという説明です。
なので、私はリン酸肥料は地表10センチから30センチくらいの深さで施肥する必要があると理解しました。
1)この理解は正しいのでしょうか間違っているのでしょうか?
ご教授いただけるとありがたいです。
なお、バラ栽培会社のデビッドオースチン社に問い合わせたところ、同社では地表面に施肥しているとのことでした。
2)これを参考にすればリン酸も雨で地中に浸み込むと理解してよいのかと思いますが、いかがでしょうか?
ご教授のほど、よろしくお願いいたします。
gardenfan
2012/08/26(日) 16:00:25
リン酸は土壌の中の鉄やアルミのような金属と反応して不溶性となります。
また土壌自体に吸着されやすいので、中耕しない場合は、液肥で与えても肥料分は地下10センチ以下には浸透しにくいです。EC値を測定すれば良く判りますよ。
オースチンに問い合わされたということで、バラへの話として書かせてもらいます。
赤玉土には、その中の金属分を腐植酸と反応させるとリン酸が不溶性になるのを減少させますので、腐植酸が多くなる用土構成にするのもありです。
また有機ということでシーバードグアノやバッドグアノはリン酸だけでなく腐植酸(フミン酸)も含みますので、その働きによってリン酸が植物に吸収されやすい状態が続きますので、ちょっと高価ですが元肥としては最高です。
鉢でも地植えでも液肥で散布する(又はボカシ肥料を鉢の上に置く)と肥料分は10センチ程度しか浸透しませんので、深い直根ではなくて、浅い白い細い根を沢山出させることが必要です。ピートモスや腐葉土を米糠でボカシたものでマルチすると白根が地上に向って伸びてきます。(バラの場合)
中耕・グアノ肥料・腐植酸肥料・用土構成・マルチなど色々とあります。
ねこ
[URL:http://ameblo.jp/am6234/]
2012/08/28(火) 22:37:04
[[解決]]
gardenfan様
お礼が遅くなりすみません。
>中耕・グアノ肥料・腐植酸肥料・用土構成・マルチなど色々とあります。
グアノ肥料、地植えで本数が多いので私には手が出ません。
中耕と用土構成を考えてみます。
バラ栽培の本には肥料のことはさらっと当たり前のように説明されていますが、肥料の専門書を読むととても難しく、バラ栽培にどう応用していったらよいのか大変迷っています。
ありがとうございました。
えふ
【甲信越】
2012/09/01(土) 09:03:55
ねこ様
せっかくご指名頂いていたのに即お答えできずにすみませんでした。
気付かずにいました…。解決済みの件ではありますが、理解が深まる
ように述べさせて頂きます。規則違反申し訳ありません。
不快であれば削除して頂いて構いません。(管理人様)
おっしゃる通り基本的にはりん酸は移動しにくい性質があります。
肥料(化成肥料888など)の裏面などには「保証票」の記載があります。
そこには、肥料の詳細があります。(肥料取締法に基づいた表記)
りん酸の種類は以下の通りです(理解しやすくする為、大雑把な説明です)
-------------------------------------------------------
@く溶性りん酸(肥料の根から出ている酸で溶けるリン酸(クエン酸))
A可溶性りん酸(水に溶けにくいが吸収されやすいリン酸(クエン酸アンモ))
B水溶性りん酸(水に溶けやすく早く効きやすい)
Cりん酸全量(上記が色々混じっているリン酸)
りん酸全量は有機由来(天然)のりん酸が主なので(骨粉等)、不純物多く
様々な形のりん酸が多く含まれており、不確定なものなので、まとめて量を
「全量」と大雑把に表記しているものです。
-------------------------------------------------------
@は非常にゆっくり効きます。
Aは次にゆっくり効きます。
Bは早く効きます。
Cはゆっくりですが、どれくらい早くゆっくり効くか不確定です。
-------------------------------------------------------
@Aは、水に溶けません。 根の周りから出ている酸(根酸・有機酸)に溶けて効く。
つまり、根が肥料の近くまで伸びて生長すると効くので、ゆっくり効くと言われています。
Bは、水に溶けて早く効きますが、基本的にりん酸はgardenfanさんがおっしゃる通り
土壌中のアルミナ(金属類、酸化アルミ)などと結合して、溶けにくくなります。
せっかくの早く効く水溶性でも、りん酸は溶けにくくなる性質を持っているのです。
ク溶性、可溶性、水溶性、どれも早く効きにくい要素を持っている。
これらが、一般的に言われる「りん酸は土壌中を移動しない」と言われる理由だと思います。
ねこさんのおっしゃる1)は、正しいと思います。
デビッドオースチン社の地表面施肥は、アルミナの少ない土壌であれば
水溶性りん酸の施肥で十分早く良く効きます。実際、アルミナの無い
溶液栽培では、水溶性りん酸で早く効かせる方法が利用されています。
また、2)については、アルミナの無い環境で水溶性りん酸を使用すれば、
雨で地中にしみ込みます。
基本的にりん酸肥料は効きにくいものなので、元肥で使用したり
地表10〜30cmの深さで施肥する(根が伸びる先に施肥)事が大切です。
また 水溶性りん酸がアルミナで溶けにくくなるのを防ぐ場合、
gardenfanさんの通り「腐植酸」を施肥します。
アルミナと腐植酸が結合し、りん酸が不溶化しにくくなります(キレート作用)
腐植酸は、ピートモスや腐植酸質資材という資材に多く含んでいます。
堆肥やグアノなどにも少量含まれています。
りん酸の効きやすい環境を作るには、
・ピートモスや堆肥類で腐植酸多い環境をつくる。
・また 黒ぼくなど、リン酸吸収係数の高い資材を使用しない。
(リン酸吸収係数はネットで出てきますので調べて下さい)
・りん酸は多めに施肥する(りん酸は過剰害が少ない)
アルミナなどより多く施肥し、不溶化割合を減らす。
・早く効かせたい時は「水溶性りん酸」の肥料を選ぶ。
・長く効かせたい時は「く溶性りん酸」の肥料を選ぶ。
説明が下手なので、理解頂いたかどうかわかりませんが、
お役立てれば幸いです。
解決後の書き込みなので不快に思われた方がおりましたらお詫び致します。
ねこ
[URL:http://ameblo.jp/am6234/]
2012/09/02(日) 19:57:35
[[解決]]
えふ様
この相談を見ていただくのをお待ちしておりました。
大変、わかりやすいご説明ありがとうございます。
>りん酸の効きやすい環境を作るには、
この冬の寒肥施肥の際、合わせて実行してみます。
>「キレート」という言葉も私にとっては以前から難解なものです。
もっと、勉強してみます。
いずれにしましても、gardenfan様、えふ様のご説明、大変ありがたいです。
管理人様削除しないようよろしくお願いいたします。
園芸相談掲示板@園芸相談センター