有機肥料の効かせかた

[園芸相談センター]の過去ログです

ねこ 【関東】 2012/08/14(火) 05:44:13
初心者コーナー的相談で恐縮です。
バラ栽培に有機肥料を使っています。(化成肥料も使いますが)
相談内容ですが、
1.有機肥料というのは、微生物による分解と養分を根まで届かせることが必要と思うのですが、まずこの点いかがでしょうか?
2.もし、そうだとしたら微生物による分解は雨が必要なのでしょうか?それとも、土中の水分で十分なのでしょうか?
3.根まで届かせることについても雨によって浸み込んでいくのでしょうか?それとも雨が無くても浸み込んでいくのでしょうか?
あまりにも基本的すぎる質問ですみませんが、このところ、雨が全然降らないので、肥料の効果があるのだろうかと疑問に思った次第です。
素朴な質問ですがご回答のほどよろしくお願いいたします。

たちつ 【近畿】 2012/08/14(火) 18:14:13

有機肥料とは、有機物を微生物が、食べて、その微生物の糞や食べかすなどに分解されます。
次に、その食べかすを又別の、微生物が食べて、分解します。後から来た微生物が、先に食べていた、微生物も食べます。
この繰り返しの弱肉強食が繰り返され戦っています。
このときには、ある程度のさらっとした、水分も必要です。
又、物が腐れば、ジュクジュクになり水分過剰にも、なります。
そこで、水分湿度調節も必要になります。
又、平行して、微生物が活動するには、ある程度の温度も必要になります。微生物が、活発に活動すれば、摩擦熱で、かなり熱くなります。
ここで、温度調節として、切り替えしが必要になります。
更に、微生物でも、呼吸もすればオナラもしますから、醗酵ガスも充満します。
完全に一巡すれば、微生物も、おなかが一杯になっりして、寝てしまいます。
ここで、温度・湿度・発熱・ガスの発生が収まり、安定はします。
これが、完熟堆肥といわれるものです。

次に、完熟堆肥は、雨水などの水分で、植物栄養素が、水に溶けます。
この薄い水溶液が、根から吸収されます。
金属は、酸に溶けます。 ここで、多くの植物は、酸性土壌では、良く栄養素を吸収します。酸性やアルカリが強ければ、根も溶かします。
ここに、弱酸性土壌とか、弱アルカリ土壌とかのpHがうるさく言われるゆえんです。
肥料分が、濃いと水溶液の濃度が 濃くなりますから、根の水分が、肥料に盗られて、根は、脱水してミイラになります。 これが肥料焼けという現象です。

いずれにしても、根は、根張の空間隙間が必要。適度な湿度と温度が必要。酸素も必要。 養分(酸性土壌)も必要。 それらが、調和していることが大切です。

これらが、調和するには、無機質たる岩石(砂・石・礫)と有機質画ほど良く混ざっていることが良い。 この調和を肥沃な土壌という。

植木鉢は、根域が隔離されていますから、欲しいものがあっても、根を伸ばして探しに行けないので、人為的に、色々と保護しないといけません。

と言うことです。

雨水や人為的な散水や夜露や植物の根の排出する水分で、栄養素を溶かして、必要な養分を吸収します。
根の周りになければ、根を伸ばして、探しに行きます。

養分は、雨水と引力で、地中にしみこみますが、乾燥すれば、逆に地表へ向かって、肥料分は、上昇してきます。・・・液状化現象・毛管現象のようなもの。

植物は、お人形ではなく、生きていますから、常に移動します。
水や肥料の匂いも感じれば、明るさも感じます。 時計すら持っています。体温計も持っています。 ある意味では、人間より優れた計器ナビや五感覚を持っていますよ。携帯電話がなくても、数十キロ離れた恋人同士でも会話していますよ。

と言うことで、解らないときには、あなたが植物としたら、貴方自身ならどのような行動をとるか考えれば、良く判るかも。

今の最先端科学は、植物も動物も山も川も海も宇宙も原子の世界もヒッグス粒子も、形や性質が変わっても、区別せずに、栄華盛衰や成り立ちは、同じものと考えたうえで成り立っています。
従って、その辺に転がっている小石も、成長するし、小石同士でも会話もするということです。小石にも年齢がある。ということです。

1)は、基本的には、土と良く混ぜるか、植えつける前に根の下に敷いて、肥料と根の間には、土で隔離する。・・・養分は、滲んで来るか、根が勝手に探しに行く。根と肥料が直接触れれば、脱水ミイラになる。
2)雨は必要ないですが、適度な保湿は必要です。・・・風呂場には、黒かびが生える。
3)保湿があれば、養分は溶けるし、根が勝手に探しに行く。
因みに、カナダのシダの一部は、一株で、カナダ全土に根を張っているそうです。
タコノキや歩く椰子は、株本体が、3本足で歩いて移動します。人間は2本足で歩くし、赤ちゃんは4本で歩くし、老人は3本足で歩く。
身近には、蔓植物は、太陽に向かって、蔓を急速に伸ばします。


えふ 【甲信越】 2012/08/15(水) 09:16:56
1.について
有機肥料は、おっしゃる通り微生物により分解されます。
ところが有機肥料に「養分を根まで届かせる」効果はありません。
以下は代表的に窒素成分について話させてもらいます。

有機肥料は、様々な微生物により分解され、無機化し、植物に吸収されます。
---------------------------------------
@有機肥料→ A微生物により分解→
B無機化(化学肥料の成分/アンモニアや硝酸)→
C肥料は水にとけて、水と一緒に根から吸収される

※植物は一般的に無機化した肥料を吸収します
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■保肥力の無い土壌の場合、無機化した時点で肥料は地下水へ流れてしまいます。
その途中で根があれば、植物が水と一緒に肥料を吸収します。

■保肥力のある土壌の場合は、無機化した肥料を土壌が保持します(CEC)。
保持しているところへ根が伸び挿して行くと、根が肥料を吸収します。


2.について
微生物の分解に水分(雨)はあるとよいです。
基本的には土中水分で十分ですが、水分が無いよりは ある方が微生物が活発化します。
"雨が降らない日が続く時"は、多少灌水すると微生物活動を高める事は事実ですが
植物がしおれない限り、あまり与える必要はないと思います。

3.について
1.でも書きましたが、「肥料を根まで届かせる」効果はありません。
微生物によって分解された肥料は、地下水へ流れるか、土壌に保持されます。
植物の根が、肥料や水分を求めて伸びて、吸収するのです。
たちつさんのおっしゃる通り、根が探しに行くのです。

微生物活動を促進するという目的で、多少水分を加える事は悪い事ではないと思いますが
気にし過ぎてそれほど灌水する必要はないと思います。

ここで「灌水すると良い」と言っているのは、灌水すると微生物活動が活発化し
有機肥料の分解を促進する理屈を説明しているだけで、実際に植物を育てる際には
それ程 気にする必要はないかと思います。 理由が分かって育てる方が楽しく
正しい栽培ができると思ったので、説明させてもらいました。

植物は、それほど気にしなくても意外に強くたくましく育ってくれると思いますが、
ねこさんが気にされる時には、灌水しても良いかもしれません。
いずれにしてもバラの状況を良く知っているのは、ねこさんですから 健康かどうか、
色々バラの状況を見ながら灌水するかどうか決められると良いのではないでしょうか。

ねこ 2012/08/15(水) 21:39:16
[[解決]]
たちつさんありがとうございます。
えふさん簡潔、明瞭なご説明ありがとうございます。
いままで、野菜作りなどで肥料を使っていましたが、バラ栽培を始めて改めて肥料ってなんだろう?どうやって植物が吸収するんだろうと、疑問に思いました。保肥力という言葉も知ってはいましたが余り考えたことはありませんでした。ただ、本などの説明にあるとおり土壌改良として牛糞を入れていました。
お二人にご説明いただいたことは、知っていてやるのと知らないでやるのと結果は同じかもしれませんが、大きな違いがあると思います。
知っていてやれば、工夫と発展につながると思うのです。
貴重なご説明、大変ありがとうございました。
これをもちまして解決とさせていただきます。


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