胡蝶蘭の蕾を咲かせてよいでしょうか?
ぴこK
【関東】
2012/06/10(日) 23:41:14
初めて胡蝶蘭が我が家にやってきました。
ピンクの中輪(花径は横幅約7.5cmほど)で花茎が3本ですが2株の寄植えで、花茎は1株目からは1本、もう一方からは2本出ています。
花茎が1本の株は、まだ12ついたすべての花が美しい状態です。
花茎が2本出ているほうは開花が早かったようで、各茎に花が11個ずつでしたが、今は各7個が残り、7つ目も傷み始めている状態です。
そんな中で、7つ花が残った茎の一方には、まだ開花寸前の蕾と赤く色づいた8ミリほどの2つの蕾があります。
蕾が開花する様子を見たいのですが、今から咲かせると来年の開花に影響が出るでしょうか?
またそれ以外の2茎にも、先端に緑色の花芽のようなものがありますが、こちらも何か対処が必要でしょうか。
また、蕾以外にも質問があります。
2株ある場合花後株分けするとよいようですが、初心者なのでうまく分けられるか心配です。できれば分けずに育てたいのですが、その後を考えると株分けは初心者ほど必須なのでしょうか。
また、「来年も咲かせるには、花が全体の3分の1程度になったら切花にする」と知りました。もしできれば今の鉢を長く楽しみたいので、開花の遅い1茎の株の方が見栄えがするうちは切らずにすめばと思いますが、株分けの問題とからんでくるので悩んでいます。
全くの胡蝶蘭初心者(デンドロビウムは少し育てたことがあります)ということを考えると、株分けと花を切る時期をどのように組み合わせて考えるのが無難でしょうか。どうぞお教え下さい。
ひろし@小南部
2012/06/11(月) 09:14:46
まず、追加でできたつぼみを咲かせて良いか、また、切花にせずに咲かせ続けてよいか、ということについては株全体の調子を見なければ判定はできません。株の調子の判定は緑色の葉の枚数と葉の張りの様子が判定基準になります。ぴんと張った葉が何枚あるかですね。
ピンクの中輪ということなので、交配の先祖に夏〜秋咲きの傾向のあるドリティス・プルケリマが使われている可能性が高く、葉の枚数が4枚くらいでも張りがあって元気であれば咲かせても、咲かせ続けても構わない場合もあります。品種ラベルがある場合はお知らせください。
花軸先端の緑のものはこれから蕾になる可能性のある潜芽です。害虫に食害されたり、接触の刺激などで咲く予定のものを咲かせられなかったときの予備ですね。株が凄く元気であればまた先端が延びては新たな蕾ができる可能性があります。株任せでも構わないのですが、普通はこの芽が伸びてまた蕾ができる確率は低いです。
2株寄せ植えとのことですが、生産者はすべて個別のポリポットで育成し、花時が合いそうな株をポットのまま化粧鉢に据え表面を化粧のミズゴケやバークなどで覆って出荷するというパターンがほとんどで、本当に2株寄せてあるケースはクローン株でさえ花時が一致するのはあまり無いことなので、稀(外国での例を一例だけ見ました)です。
鉢表面の化粧を取り去って、中がどのようになっているかご確認ください。次の3つのケースがあります。
1.ポリポットにミズゴケ植えでポットのまま、化粧鉢に納めてある。
2.ミズゴケ植だがポットから抜いて根鉢の状態で化粧鉢に納めてある。3.ポリポットにバーク植えでポットごと化粧鉢に納めてある。
このどれになっているかで、また根の状態如何で、適切な処置方法が変わりますのでお知らせください。
ぴこK
2012/06/11(月) 21:49:16
ひろし@小南部さま 早速のご回答ありがとうございます。
品種名は添えられていませんでした。
1株に花茎が2つの方は葉が8枚。すべてはりがありますが、一番下したの2枚はやや緑色の鮮やかさが薄くなっています。
1株に花茎1つの方は葉が9枚。1番下の1枚が少し茶色く、あとは緑です。(胡蝶蘭は初めてなので、どのぐらい深い緑が普通なのかはわかりません。)
残念なことに、今日日中出かけ帰宅したところ、1日で新たに花が5輪しおれていました。
お祝い事で沢山の胡蝶蘭を贈られた方が、育てきれないということで昨日1鉢選ばせて下さったのですが、贈られて1週間弱にしては花の減りが元々早かったことに気づきました。
まずは思い切って陶器の鉢から根を出してみたところ、中の状態は
>2.ミズゴケ植だがポットから抜いて根鉢の状態で化粧鉢に納めてある。
でした。確かに想像したよりは2株の根はあまり絡み合ってはいないようです。
ただ、鉢の2/5ほどは発砲スチロールで、しかもかなり大きな塊が使われており、表面のミズゴケは乾いているのに中は湿って根が腐り始めていました。下の方の根はずいぶんやられています。
蕾をどうするか以前の問題ですね。残念ですが、葉を触ったところ張りがあるので、まだ対処できる方法があるでしょうか?
ひろし@小南部
2012/06/11(月) 22:29:27
表面のミズゴケは化粧でしかもただ載せてあるだけなので、本来の胡蝶蘭の根の乾きや湿度の指標には全くなリませんから、ギフトの胡蝶蘭を生かそうと思ったら、まずすべてのラッピングを取り去り、表面の化粧を剥ぎ取って本来の根鉢の湿度が分かるようにして管理すると良いのですが、たいていの場合過湿による根腐れ状態に陥りやすいものです。
葉の張りがまだあって、枚数も十分ですから、おそらく根腐れし始めてそんなに経過していない、生きた根がまだある状態ではないでしょうか?
すぐに植替える鉢が無くても、直ちに花軸を株元近くで切り落とし、根から湿ったミズゴケをすべて取り去って水洗いし、その後、風通しの良い明るい日陰で3日ほど陰干しします。生きた根と死んだ根の区別は比較的容易ですから、死んだ根は切り取り、生きた根の量によって植えつける鉢のサイズを決めます。
ほとんど生きた根が無くても、死んだ根でも芯だけを残せば植え付けのときの支えにはなりますね。
葉の枚数が十分ですから、適正に管理すれば葉に蓄えた養分で、新根を出させることができますが葉は2〜3枚の損耗を覚悟する必要があります。それでも十分な5枚以上の葉が残りますから十分に生かせるどころか、うまく進めば来年も(今回ほどではないにしても)花を見ることが出来る可能性があります。
根傷みした株の回復は小さめの素焼鉢にミズゴケ植えしたほうが、プラ鉢や化粧鉢にバークで植えつけるより回復が早いものです。
新根が出揃うまでは、根の吸水がおそらく不足気味となるでしょうから植え付け後は「ミズゴケを乾かして発根を促しつつ、葉水で葉の消耗を抑える」という管理になります。新根が5cm以上の長さのものが4本ほどになれば普通の管理に戻せます。
葉水は夕方と就寝前の最低2回、葉裏を中心にスプレーしますが、このときミズゴケは表面だけ湿るくらいにして、中まで浸み込ませないようにしてください。鉢をさかさまに持ち葉裏にたっぷりスプレーします。
水は湯冷ましでカルキを飛ばしたものがベターです。できれば鉄瓶で沸かした湯冷ましを使うと二価鉄イオン(メネデールの有効成分)が若干溶出するので、より効果的です。この葉水を新根が出揃うまで毎日続けることになります。
根が出揃うと新葉の成長も始まります。通常サイズの新葉を一枚でも出させることができれば葉の枚数は減って株は小さくなりましたが、回復したことになりますし年末には花芽も期待できます。
ぴこK
2012/06/12(火) 01:28:07
すぐにご返信いただき、本当にありがとうございます。来年お花を見たいならば、やはり今年のお花を早く切らないと無理ですね。
>表面のミズゴケは化粧でしかもただ載せてあるだけ
おっしゃるとおりですね。あまりに綺麗に乾いたミズゴケはよく考えると不自然です。幸い元気な根がミズゴケと葉の上、鉢の外まではみ出ています。そのおかげで腐った根があるのに開花を維持しているのでしょう。葉はネットの画像を色々確認し比較してみましたが、状態として悪くはないように思えます。
鉢の中の根は死んではいないものも多そうです。完全に腐っているものもありますが、まだ緑色をしていて、表面が一部黒ずんでいるものが多数あります。腐敗が移らないようこれらも思い切って多目に切るべきなのでしょうね。
まだ我が家に来てまる1日と少し。お花も20輪以上ありやはり今日花茎を切る決心がつきませんでした。
今とりあえず葉水を軽くスプレーし、花をつけたまま鉢から取り出しました。湿ったミズゴケを取り除き新聞紙の上に広げてあります。
来年の花と今年の花のどちらを優先するか、明日には決心して続きの作業をしようと思います。
ぴこK
2012/06/12(火) 08:48:50
おはようございます。
朝、鉢から出した胡蝶蘭に家族から「もったいない」という反応が集まり、結局鉢に戻すことになりました。
つぼみを切って葉水を与えて様子を見て、落ち着いて作業ができる週末を目途に教えていただいた作業を実行しようと思います。
鉢から取り出すのが少し難しかったので、きっと店頭が長かった蘭なのでしょう。組ませたあとに伸びたのか最初からか、中央の花茎1つの1株は根がかなり鉢の外に出ています。花茎2つの方は難しいかもしれませんが、こちらは週末の作業でも来年の花が見られるかもしれないので、ていねいに株分けしようと思っています。
ひろし@小南部
2012/06/12(火) 22:24:41
根を乾かすことができれば根腐れの進行は停まります。さほどの根腐れでなければもったいないと思う気持ちもわかりますが根の減少した株に花はやはり負担ですから、株を保全するか、花を優先するかなのですが、雨季と乾季のある熱帯、亜熱帯で胡蝶蘭やカトレヤなどの木にへばりついて生活している蘭の生態は地生の普通の草花とはまったく違うのです。
開花中は水をぎりぎりまで与えないほうが株は傷まない、というところなどは温帯地生植物になれた人ほど理解しにくいでしょうね。だから「蘭は難しい」とお考えなのでしょうが、本来どんな生活をしているかわかればできるだけそのような環境を作ってやることが大事で、そうしていれば株は勝手に成長し勝手に咲くようになるものです。
ひろし小南部
2012/06/13(水) 08:48:29
え、、、と
補足します。何を言いたかったかというと、根の回復を促進するためには、水をあまり与えず飢渇状態にしないといけないということです。
そんなことをすると温帯地生植物なら一発枯死ですが、胡蝶蘭のような着生蘭にはあてはまらないという、地生植物の常識を着生蘭の栽培の時には捨ててください、ということです。
また、花軸をつけたままだと、花軸は葉や根の成長を抑制する作用があります。単に葉や根の成長の負担になる、というだけではないように思っています。ですから、株の消耗度、根腐れの程度如何なのですが、株の回復を促進したいときには花、花軸は邪魔者であることをご理解いただきたいということなのでした。
ぴこK
2012/06/14(木) 01:55:50
[[解決]]
ていねいにお教えいただき、本当にありがとうございます。
やはり根のため来年のためには、花を早く切らないとですね。
一昨日仕事帰りに「蘭の里堂ヶ島」の胡蝶蘭をたくさん置いてある店の前を通り、比べても葉の状態は悪くはないと確認して、つい花を切るのを先のばしにしてしまいました。
家族にもう1度話すと「そうだね。この花が毎年咲けばかわいいな。そのほうがやっぱりいいよね〜」と同意もあつまりましたので、明朝花を切ることになりました。
(期待通り咲かせられるかちょっぴりプレッシャーなので、朝今年の見納めタイムを設けることにしました。)
予め支柱をはずし寄せ植えを分けておくためにミズゴケをすべて取り外しました。すると根がからみあっていると思えたのは細い針金でとめられていたためで、問題なく2株に分けることができました。
>開花中は水をぎりぎりまで与えないほうが株は傷まない....
>本来どんな生活をしているかわかればできるだけそのような環境を作ってやることが大事で、そうしていれば株は勝手に成長し勝手に咲くようになるものです
そうですね。この蘭を下さった方はそのあたりをご存知なかったのでしょう。あんなに沢山の立派な蘭がもしかすると...と思うと心配です。
水分はていねいに葉水スプレーをして調節し、根の回復を待つようにします。
鉄瓶は持っていませんが、メネデール自体を使ってみようと思います。
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