ツワブキの白い斑が消える

[園芸相談センター]の過去ログです

くん 【関東】 2011/12/30(金) 01:50:53
 お尋ねします。5、6年、鉢植えで、白い斑入りのツワブキを育てています。株の状態は良好ですが、斑が消えてしまい、普通の深緑色の葉しか出なくなってしまいました。元の斑は、縁やスジが乳白色で、葉で全体が乳白色の葉も以前は出ていました。飼育場所は半日陰、肥料は年に数回、固形肥料を控えめにあげています。別のホタルツワブキはきれいな黄色い斑が入っています。どうしたら、元のきれいな斑入りの葉が出てくるのか、アドバイスいただければ幸いです。よろしくお願いします。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2011/12/30(金) 11:57:24
長文ですが、頑張って読んで下さい。
ツワブキにかぎらず植物の斑入り部分というのは本来は細胞の突然変異で葉緑素が抜けている状態というのはご理解されている事と思います。
本来は植物の一種の奇形で、自然界でこれが出ても不自然なので性質が弱い物が多く大抵は淘汰されてすぐに消えてしまいます。それを人間が珍しいと大切に保護して殖やしています。種子から殖やしても斑入りの性質が必ず出るわけでないので斑入りの性質や模様を受け継がせるにはほとんどが株分けや挿し木・接ぎ木などでの栄養増殖です。斑の性質が固定化されている物以外は人間の適切で細かい管理を受けないと維持できないものが多く、出ても斑模様のパターンが固定されている物以外は必ずしも良い具合に斑が入ってくれません。ようするに出来は運次第と言う事。その為生産者は沢山殖やして育ててみてよく吟味してから良い物だけを売ります。選抜落ちは捨てられるか、後に良い斑が出そうな個体は繁殖個体として残されます。少数精鋭の美しい個体ほど珍重され、生育中の全体の手間暇賃もが含まれてかなりの高価で取引されがちです。そのためによほど栽培に長けている人以外が購入すると後に斑入りが悪くなるケースは多いのです。比較的多く流通し安く買える斑入りは性質が安定しているもので先祖がえりも無いですが、珍しい斑入り模様の高価な物ほど斑入りの性質は安定していません。

斑入りというのは、慢性的に葉緑素から得られる養分が不足しているので動物で言えば虚弱体質で慢性的な栄養失調の様なもの。おまけに葉緑素から作られる養分は肥料などでは補いにくいのもあってか何かのきっかけが起こると元の健康体に戻ろうとする性質が出てくるらしく生長点の緑色の部分が急に活性化される様に感じます。特に斑入り場所が決まっていなくてランダムに入る性質のものほど途中で生長点に斑が入らなくなるのが出易くて、緑色に先祖がえりする事がある様です。
どんな植物でも、黄斑よりも真っ白に近い斑の方が消え易い傾向がある様に感じます。これは斑部分に全く葉緑素が無いのがきっかけになりやすいのかなと思っています。

斑抜け個体を斑入りに戻す、斑抜けを止めるというのは難しいです。専門にしている人以外ではほとんど運の様なもの。入手された時に植わっていた土の配合や栽培されていた環境、肥料の与える時期や種類や量などの年間管理に出来るだけ近づければ少しは斑が維持出来たかもしれませんが、おそらくはくんさんが育てていた環境や管理に馴化してしまったが為に斑入りであることをやめる方向に向かったのでしょうね・・・。
まず地面に植えているか鉢植えなのかを書いて下さい。個人的には山野草の中でもツワブキは土さえ適したものを使っていれば肥料はそんなに必要としないので数回は多すぎると感じますが・・・。与えている肥料の成分比はどうなんでしょう?控えめに与えていても窒素が多めなどのものだと消費しきれずに土内に窒素の残留が起こっている事もあり得ます。そうなると葉の生育ばかり盛ん(人間で言えば肥満で太る様なもの)に成ります。
植物によっては(特に枝別れするもの)先祖がえりした緑の部分だけを見つけ次第小さいうちにマメに摘み取れば長く斑入り状態を楽しめますが、ツワブキは地上に出ている部分が少なく、斑入り物だと先祖がえりした部分だけを完全に取り除くというのは難しいため地上部に出ている株の現在の生長点だけを清潔な新しいナイフなどで取り除いてしまい葉を残します。前に生えた斑入り葉付け根から出る脇芽を期待するしか無いです。緑の葉は残しても良いですが、その付け根から出る芽は緑なので早めに取らないといけません。緑の葉を摘むくらいの消極的な方法は株自体が弱る可能性が強く確実に防止できる訳でもないですから株の維持のために葉だけ残します。広範囲に地下茎が伸びているなら地下茎の他の節から新たに斑入り個体が芽吹く可能性もありますが、あまり地下茎が伸びていないなら株を根元から取り除くと株がさびしい状態になってしまいます。生長点を無くして脇芽に期待するのが一番かと。

植え替え出来るほどの規模なら斑入り株が残っていれば先祖がえりした株だけを取り除き、土をあまり養分や肥料分が多くないものに替える事で維持でき新たに斑入りの新しい芽が生えてくるでしょう。いずれにしろ植えっぱなしや先祖がえり個体をそのまま残して地下茎でつないだままにしておくとそちらの方が性質が強い為優勢に育ち斑入り個体が皆消る可能性が高いです。今時期まだ見分けが付くのならすぐにでも緑の葉が優勢な株は地下茎で切り離して独立させ斑入り株を保護し、春にでも生長点を取り除いて植え替えてあげて下さい。
あと、新しい地下茎が沢山伸びているなら途中で数節つけて切って、別の土に根伏せ(土に浅く埋めておく)しておけば新しい芽が出て殖えます。緑一色のものも出てくるでしょうからそれは処分し、斑入りのものだけ残し今度は土質や肥料の量・成分に気を付けて栽培(植物は飼育と言いません)してみて下さい。

あと、これは個人的に感じたことで確実ではないので最後に書いておきますが、斑入りの程度には土内のミネラルの類の量やバランスが悪い事が関係してくる様で、与えすぎたりバランスの乱れも斑抜けの原因に成るようです。以前、ハオルチアという多肉植物で白斑が入りすぎて何時幽霊斑(葉に全く葉緑素が無くなる事)になって枯れるかというリスクの高い個体があり、保持するのに斑入り個体の葉緑素をどうすれば殖やせるかと調べた事があります。それで行きついたのが土のミネラル分を多くすること。ミネラル各種の成分表示が細かくされている肥料に切り替えると(肥料にはミネラル分を足しているものも多い)新たに出る葉から斑が少なくなりバランスの良い斑になって助かった事があります。くんさんのケースはまさにこの反対ですから、単純に言えば土や肥料にミネラル分が多すぎたりバランスが良過ぎて葉緑素が作られすぎるのかと。やはり、元々の土質や肥料の成分や量に問題があるのかも・・・。

あと、花が咲いた後は放置していませんか?種子が落ちて芽が出れば前述の様に斑入りではなく緑の個体に育ち地下茎でどんどん殖えていきます。案外これらが殖えすぎて斑入り個体が囲まれてしまい勢力に負けて消る事も多いですから、花を楽しんだ後には早めに花茎を取り除いて種子を作らせず、株の体力の消耗を防ぐ事も大切ですよ。

くん 【関東】 2011/12/30(金) 14:39:54
ばんざいうさぎ様

 とても丁寧に役に立つアドバイスをいただき、本当にありがとうございます。とても勉強になりました。アドバイスを受けて自分なりに分析すると肥料が原因かなという印象を持ちました。
 ツワブキは盆栽の下草として、同じ鉢で一度も植え替えをせずに5、6年栽培しておりました。水は切らさないよう気をつけながら、これまでは、時折、薄い液肥をたまにあたえる程度でした。しかし、植え替えをしていないせいか、葉の出が少なくなってきたため、この秋、市販の化成肥料を与えました。すると当然、変来な葉がたくさん出たのですが、斑が一気に消えてしまったという次第です。
 とりあえず、葉を刈って、来春以降、肥料は控えめに管理してみようと思います。うさぎ様、葉が3月ごろ、すべて刈ってしまっても大丈夫でしょうか。今後ともご指導よろしくお願い致します。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2011/12/30(金) 15:36:42
盆栽の下草と言う事は実質の混植な訳ですね。その場合はちょっと難しいですねぇ。メインの盆栽の事を第一に考えなければなりませんし・・・。肥料が少なすぎも植えてある木に影響があるかもしれません
混植えは好む環境や肥料が同じでないと難しいんです。盆栽の樹種によっては本来ツワブキを下草に使うのは良くない可能性もあります。
一番良いのはツワブキを下草に使わず、それぞれを単体植えし、盆栽には新たに適している下草を植えるのがベストなんですが・・・。

葉は刈らない方が良いです。上記に「緑の葉は残しても良い」と書いてしまいましたが、盆栽の下草として良く考えれば「残す方が良い」と思います。よく考えると根への養分は補給は葉緑素が多いほど良く、ダメージがある(この場合生長点を取る)株の場合、脇芽を作るのに必要な養分は葉にある葉緑素頼みとなるのでは・・・。今は生長点を切り取るだけです。新たに斑入り芽が育つまで葉は見苦しくても自然に枯れるまで残して下さい。限られた空間に植わっているものの葉を刈ったら葉緑素が作れないので弱って枯れる可能性があります。ただ、「緑の葉の付け根から出た緑の芽」は忘れずに摘んで下さいね。
現在は株分けや地下茎でバラバラにする事も無理そうなので、生長点を無くし脇芽が出るのを促す方法しかないと思います。

盆栽は必ず来年植え替えして下さい。その時にツワブキが株分けできたり地下茎が採れれば、そこから別の鉢や地面で新たに殖やせるのですが、あくまでも盆栽の下草として斑入りツワブキを楽しみたいだけなのなら、絶対葉は刈らずに残し「生長点だけとって」そのままですよ。見かけが悪いと感じるかもしれませんがすべて刈ってしまうと弱って枯れる怖れが高くなります。

くん 2011/12/30(金) 19:06:20
ばんざいうさぎ様

 何度もご丁寧にありがとうございます。恐縮しております。
 下草は盆栽の展示のときの添えとして使うという意味ですので、寄せ植えにしている訳ではありません。ツワブキは単独で植えてあります。ツワブキの株はイモ状の地下茎がいくつも、土の上でブラブラしているような状態です。そのイモからほとんど斑が入っていない葉が出ています。これでも葉は春先に切り取らないほうが安全でしょうか。また斑入り芽か緑の芽かどう見分ければよろしいでしょうか。来春植え替えるとしたら、どうすべきでしょうか。何から何まで恐縮です。ご指導いただければ大変ありがたく存じます。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2011/12/31(土) 16:52:56
普通下草という言葉は植物全般では一緒に植えて(生えて)いるととれるので一緒の鉢に入っているものと思っていました。新しく生えてきた株が緑色だったというのはよく起きるからです。お返事からすると実は別の鉢にツワブキだけが植えてあるのですよね?盆栽用語で「下草」が一緒に植えられていないものも含まれるのなら、私は知りませんでした。
なら、「途中で斑抜けになった元斑入り株」であれば成長点(天芽)を取れば良いだけです。春になったら現在の葉の付け根あたりから新しく脇芽が大抵は出てくるはずなんです(大抵の植物は天芽を失えば脇枝が旺盛に育ちます)。芽が少し育てば斑入りか斑抜けかは、一目見れば一目瞭然かと思うのですが・・・。そこから緑で出た脇芽の育ったものだけを指か清潔なナイフなどで掻き取ればよいのです。

土から地下茎がでてブラブラしていると言う事はしばらく植え替えていないので鉢の土内が込み合い過ぎ、新しく出た株がはみ出ているのでは?最初の不調は単なる根詰まりだったと思うのですが・・・。根詰まりなら植え替えるだけですぐに元気を取り戻し、肥料も与えなかったので斑抜けも出来なかったと思いますが・・・。来春に鉢から抜いていくつかの塊に株分けし新たな鉢に余裕を持って植え替えるべきと思います。
新しく出ている株ほど緑の葉で、まだいくつも元々の斑入り株が残っているのなら、「斑入り株の生長点を切って脇芽が出るのを待つという表現が解らない」「文章だけではこの方法が理解できない」場合、ちょっと乱暴ですが緑の株だけを抜いて処分するのが一番簡単な方法です。

くんさんの最初の文章では「最初は斑入りだった株が途中から緑の葉に変わった」ともとれた文章だった為、それに対処した回答をしましたが、今回の御返事からはどうも「斑入り株から新たに殖えて出来た株が緑の葉で出てきた(殖えた方のは最初から斑は無い)」ととれるのですが、実際はどちらなのでしょう?もし最初から斑抜けで育った株なら、それはどんなに待っても斑入りにはなりません・・・。なので私の今までの回答のほとんどが無駄なアドバイスになってしまうのですが・・・。
緑の葉のみで育った株なら、回答は「株ごと取って処分。斑入り株だけを残して維持」だけで良かったのですが・・・。
もし途中で斑抜けした株もあるのでしたら上記のアドバイス通りに生長点を切ってしばらく待って下さい。これ以上のアドバイスは私の浅い知識ではもうありません・・・。来年の春になってみれば成功か失敗か、私の言う、脇からの斑入りの芽が出るという状態が御理解できると思います。

回答しながら気が付いていたのですが、失礼ながら、どうもくんさんの説明には重要な情報の後出し、言葉足らず、勘違いさせてしまう表現があると感じるのです・・・。御返事をいただく度にこちらはそれをはじめて知って軌道修正をしなきゃならないのでとても大変なのです・・・。こんな事を言うとお気を悪くさせてしまうやもしれず大変申し訳ありません。

すみませんが、掲示板と言う場では「実際実物を見れない・会えない状況」ですので質問者の正確で詳しい情報がかなり重要ですし、掲示板と言う場所柄ある程度予想の回答が付いた以上は、他の方からの異論が無い限り一人の回答で一つ一つより詳細なアドバイスをして差しあげる事は無理なんです・・・。ましてや私は特段ツワブキについて詳しいわけじゃありませんし。今までの回答で御満足いただけないのなら、もっとツワブキや斑入り個体に詳しい方の回答をもう少しの間お待ち下さい。詳細について御納得なされておられないようですが、申し訳ありませんが私からの回答は今回で終わらせていただきます・・・。

もっと詳しくお知りになりたいのであれば、ご自分で「ツワブキ 斑抜け」などで検索されて画像や詳しい説明文入りのサイトをいくつか読んでご自分でお勉強されて御納得なさってはどうでしょうか・・・。

植木屋 園主 【九州】 [URL:http://green.ap.teacup.com/oujien/] 2011/12/31(土) 18:38:26
こんちは〜♪
【ツワブキの白い斑が消える】と言うことで
植えっぱなしだとどうしても緑葉の力が強くなりがちです!
斑入り種として生かしたいのなら緑一色の葉は時期に関係なく見つけたらすべて引き抜くなり根元際から切り取ります
普通は春の一番芽(梅雨頃までの芽)が斑入り種が強く出るものです
ほとんど緑葉になっていても葉の縁などに少しでも斑入りの兆候が見られる葉があればその葉のみを残します
ツワブキは地下茎というより芋状になっていますので健全な芋さえあれば直ぐに復活してきます
●また大きな芋ならジャガイモのように切り分けて株を増やすことも簡単です
この時に芽立ち(葉が展開)してきたときに斑入り種のみを選別育成するようにして斑入りを固定化していきます

くん 2012/01/01(日) 11:38:20
[[解決]]
みなさま

 ご丁寧にありがとうございました。
まずは今春植え替えてみます。その上で選抜してみます。
親身なご指導、お礼申し上げます。


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