愛犬の排泄物を使っても良いでしょうか?
花恋
【関東】
2011/02/14(月) 20:49:51
愛犬の散歩中の排泄物を持ち帰っています。
台所から出る生ゴミや落ち葉などと混ぜて堆肥を作っています。
プランターに入れて花等に使っても良いでしょうか?
このコーナーにそぐわない質問かも知れませんが、教えてください。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2011/02/18(金) 14:29:48
説明が長くなり申し訳ありませんが、しっかりお読みいただき御理解いただけたら・・・と願っております・・・
基本的に肉食動物の排泄物は堆肥化して植物に使うのは行わない方が良いですよ
衛生面(病原菌や寄生虫と、熟成途中の不快害虫の発生)の問題と堆肥化するには肉食の排泄物は分解が遅い、草食動物のものより成分的にきつすぎるので大量に堆肥を作る事になるなどの問題があります
「我が家のペットはペットフードしか食べないから衛生面は問題ない」と言う方もいますが、動物は「舐める」という行動がありますから結構屋外から細菌や寄生虫の類を体内に持ち込んで潜在させている事も多いです。特に屋外で散歩させていれば、散歩後に毎回体全体をよくシャンプーでもしていない限り、足の裏や自分の毛を舐めた事で体内に簡単に外から持ち込んだ菌を体内に取りこんでしまいます。犬に対して害のある寄生虫などなら駆虫薬で駆除できますが、体内の細菌だとピンポイントに目当ての菌だけを殺菌するのは難しく、菌を退治すると有用細菌まで殺菌してしまい生命活動に重大な影響を及ぼす事もある為、悪い細菌だけを選んで殺菌する事ができません。犬猫は自分の肛門を舐める習慣がありますが、そこには目にみえないほどの排泄物が付き、口の中にはいろんな菌が存在します。そして犬や猫だと全く影響がないのに人間が体内に入れた時に発病する様な病原菌や寄生虫も存在します。犬猫に噛まれるとその部分の周辺が腫れるのはばい菌と呼ばれる有害な細菌が唾液などで傷から入り体内で殖えてしまう為で、これらは常時口中に常在しています。これは犬猫に限った事では無く、人間が本気で噛みつけばその傷も似た様に腫れあがるので似た菌は人間の口中にも常在しているのでしょう
当地ではエキノコックスという、潜伏期間が10年で発病すれば死に至るという寄生虫がいますが、キツネのほか犬や豚にも寄生します。本来は極一部地域の風土病でしたが全道に広まってしまい、最近は本州に住む人で北海道に来たことがない、感染経路が不明な保虫患者が殖えているそうで、犬が媒介している可能性も捨てきれません)
ペットの排泄物には上記の様な人畜共通病の病原菌や寄生虫が混ざっている危険性があり、それを使った土に菌や寄生虫の休眠状態のが混ざっていれば、簡単に人体に入ってしまい、発病すれば手遅れという病気もありますから、そのようなリスクを考えるとわざわざ堆肥の材料として使う事もないかと思います
また、肉食の動物の排泄物を堆肥に使ってしまうと匂いがキツイので(人間が感じない程度でも虫には匂います)ハエなどを呼び寄せてしまいがちです。堆肥はある程度の通気性が必要なので通気する隙間から入る大きさのものだと中に卵を産み、堆肥中でウジが大量に湧きます。ウジが湧くこと自体は堆肥には影響は無いのですが(実際自然界ではウジも土を作る役割をします)、堆肥から這い出てきたりで人間にはかなり不快で困った事ですよね・・・。それと肉食動物性の排泄物は成分的に養分が強すぎる傾向があるので、草食動物性の排泄物よりも処理できる量は少なくて処理しきれません。排泄物を堆肥資材に入れても少ししか入れられない、毎日出る排泄物を処理したいならかなりの量で堆肥化しなければならないのです。犬猫が糞尿した場所で時にその部分だけ草がボーボーに育ってきたり、そこだけ芝生が枯れてしまうという事がありますよね?あれは直接そこに浸みこんだ後発生するアンモニアなどの刺激成分の他、最初から含まれる成分が多すぎるという理由があるのです
また、肉が主体の動物の排泄物はとにかく分解が遅いです。草食動物の排泄物の様な微生物などが住みやすい植物繊維がほとんど含まれておらず堆肥化に不可欠な微細昆虫や微生物が殖えにくいのと、細菌バランスが草食動物ほど良くない為分解が遅いのです。何年かけて堆肥化でき、定期的に切りかえしが出来る様な、匂いや不快害虫も気に成らないかなり広い場所で積んでおけるのなら可能ですが・・・。実際、昔の外国の農場で作る堆肥が載ってた本で家畜のヒヅメや犬の排泄物も入れてしまう方法というのがありましたが、現在外国で似た様な自家製堆肥を作って使えるというのは相当広い敷地だけで、例えばイギリスで前庭とバックヤードがある程度の敷地の家だと、春に住宅街を回ってくる馬糞の移動販売業者を利用するのが普通です
そういう訳で、一般的に畜ふん系堆肥で使用するのは草食動物の排泄物だけなのです。衛生面から考えても排泄物の処理は一般ごみとして地域で回収してもらい、高温のボイラーで殺菌を兼ねた処分をして自然界に戻してもらうのが一番と思います
あと園芸面ではないですが、ペット(特に小型犬)の排泄物の成分には他の犬や動物が寄ってきやすい傾向もありますよ。犬の糞尿にはその犬の大きさや健康状態などの情報が解る成分というのがあるらしく、小型犬の排泄物の匂いがする場所にはもっと大きな犬や、野生動物が寄ってきて排泄する場合(訪れた犬猫が、その場所に住んでいるのが自分より劣っていると感じれば自分の情報を糞尿で上書きして縄張りを主張していくのだそうです)もあります。そうなると衛生面の他に、そこに住んでいるペットのテリトリーが冒されてしまい酷いと外に出られなくなるなど精神衛生面にまでも影響する事があり、そういう面でもペットの排泄物は自宅で処理するよりも回収してもらい適切に処理してもらうのが一番ですよ
久
【北陸】
2011/02/18(金) 23:40:38
ばんざいうさぎさんに賛成で、使わないほうがいいと思います。
はじめ読んだときに寄生虫の心配と、「肥料的に強すぎるのでは
ないか」と直感的に思っておりました。ただ、自分が犬猫を飼っ
て実際にやってみたわけではありませんでしたので、意見を差し
控えていました。
特にペットフードを食べているときはどうなのか、わかりません
でしたので。
犬も周りをよくなめるというので私はなるほどと思いました。
この掲示板では、スレッドによって情報不足などから、いろいろ
なご意見をいただけたり、逆にぜんぜんいただけなかったりしま
す。
誰も悪意はないと思うので、私のようにただ、「賛成です」とい
うのも許されるのではないかと。駄文、偉そうで失礼。
sato
【近畿】
2011/02/21(月) 12:36:49
たまたま、今読んでいる本、チャーリー・ライリー著「ナチュラルなほんものの土と堆肥」(産調出版)のP.24にこう記述されていましたので、参考になればと・・・。
『家禽類の糞、ウサギやモルモットの寝ワラ、それより大型の動物の糞など、動物の排泄物やゴミもほとんどが使えます。ただし犬と猫の糞は、効率のいい高温の堆肥材料の山の中でしか死なない病原菌がいる可能性があるため、堆肥のエキスパートになるまでは使わないことです。』
とありました。「堆肥作りの素材」という項です。
ちょっと話がずれるかもしれませんが、牧場で牛糞をいただいてきたのが、まだ未熟だったので、完熟させようとがんばってます。
この本では、『集中飼育方式の農場では、決して糞を入手しないこと。おが屑を混ぜた糞も、窒素に対する炭素の含有比率が非常に高いので使ってはいけません。』とあり、日本の現状ではなかなか難しいです。わらやもみがらが副資材なら好ましいのかもしれませんが、うちの近所の牧場では、どこもおがくずを使っているからです。
久
【北陸】
2011/02/21(月) 22:30:18
こんにちは。「集団飼育の家畜の糞尿の堆肥化」では使われている
抗生物質など薬剤が気になると思います。おがくずよりも。
(中国ほどではないと思いますが)
えさに薬剤が含まれていることがあるそうで、園芸作物が、数ヶ月
薬剤を使用しないなどの決まりがあるように、えさについても日本
では守られているようです。
しかし、屎尿となるといつのもので、どれだけ薬剤があるものやら。
環境ホルモンなども近年不安だと言われています。実際のところは
わからないのですが、私のような素人には自作は怖いです。
出荷されているものでしたら一度は検査されているとか、農家の、
善意を信用したいと思うのですが。
花恋
【関東】
2011/02/22(火) 08:15:15
[[解決]]
ばんざいうさぎ様 久様 sato様 有難う御座いました。
よく理解できました。私が子供の頃は、人糞を肥料としていましたので
簡単に考えてしまいました。
ペットの糞は、紙に包んで有りますので、ボカシ堆肥の中から出来るだけ掘り出すことにします。
今後とも宜しくお願いします。
園芸相談掲示板@園芸相談センター