バラの根頭がんしゅ病
すずめ
【甲信越】
2010/03/01(月) 12:52:35
庭植えのプリンセス・ド・モナコの根元に根頭がんしゅ病らしきコブを発見しました。一昨年の秋にホームセンターで購入した大苗を植え付けたもので、去年の春と秋には大輪の花を咲かせ、よく育っていました。
そろそろ芽も動き始めているようですが、処分するしかないのでしょうか。こぶを削り取るという方法は効果がありますか。近くに他のバラやムクゲなども植えてあるのであせっています。よい手段を教えてください。よろしくお願いします。
こうちゃん
【関東】
2010/03/01(月) 20:30:24
こんばんは。
「根頭癌腫病」が正しい書き方です。「癌」ですので、不治の病かな?。しかし、「こぶ」を削り取るのは有効な手段かも?昔は、ウスプルンという強力な薬剤があったのですが、有機水銀剤なので販売禁止になってしまいました。木の周りを掘って、根を見て、こぶがなければ大丈夫かな?根にたくさんの「こぶ」があったら、諦めて、処分してください。他のバラにも感染します。病気のバラの、根が張っていた部分の土は、大きく掘って捨てます。堀あげた穴に、新しい土をいれます。そこには、「根頭癌腫病」にかからない、「草花」を植えましょう。
ちなみに、プリンセス・ド・モナコは、私も栽培してます。白地に赤覆輪できれいなバラですよね。正確には「Jubile du Prince de Monaco(フランス語で、モナコの皇太子の50年節、という意味です)」です。
タネツギ
【関東】
[URL:http://homepage2.nifty.com/tane-tak/]
2010/03/01(月) 21:05:43
バラ特有の病気で、他には伝染しないはずです。台木を育てておけば、発見次第接ぎ替え可能です。
犬塚信乃
2010/03/02(火) 07:26:10
プリンセス・ドゥ・モナコ Princesse de Monacoとジュビレ・ドゥ・プリンス・ドゥ・モナコ Jubile du Prince de Monaco とは別のバラですよ。
どちらもメイアンの作出ですが、プリンセス・・・のほうはグレース・ケリーに捧げられたHT。
ジュビレ・・・のほうは先代の大公に捧げられた愛らしいフロリバンダです。
メイアンは王室シリーズが得意なので調べると面白いですよ。
コントウガンシュビョウについては
不治の病というイメージが先行していて、なんとも悲惨な処理をされているバラが数多くあるのに驚きます。
癌という文字に踊らされているのでしょうか?
R・ひろき
【関東】
2010/03/02(火) 09:59:19
こんにちは。
根頭がんしゅ病のコブは、がんしゅ病の細菌だけが利用できる栄養分を垂れ流しています。
そのため、コブを削り取ると、バラは一時的に元気になります。
でも、根の下のほうに出来ていたり、再発したりすると、再び栄養が垂れ流され、元気が無くなっていきます。
一日中日の当たる場所で十分に肥培できるならともかく、ふつうの庭で育てる場合、どうしてもバラの体力が落ち、黒点病やうどんこ病などおさまりにくくなります。数年前、黒点病がおさまりにくいバラがあり、冬に掘ってみましたらコブがあって愕然としたこともありました。
>こぶを削り取るという方法は効果がありますか。
コブを取ることで、一時的な延命は出来ると思います。
でも、周囲への感染は、年数がたてばたつほど危険度が増します。
数年かけて周囲に広がったこともありました。
体力の落ちている株が増えるということなので、庭全体としても、あまり良い状態にはなりません。
何パターンか対策を書きますので、オーナーのすずめさんの判断で、残すか残さないかを決めてみてください。
1.元の株を残さないパターン
元の株を抜きます。抜いた時に土が飛び散らないように気をつけてください。
至近距離にバラがあるときは特に。
シャベル、靴裏などは使用後に熱湯消毒してください。
土は熱湯消毒して51℃以上を保って殺菌するか、真っ黒な袋に入れて、真夏の日なたに出して殺菌してください。
抜く前に枝の上の方を切って、清潔な赤玉土などに挿し木してバックアップを作ります。気長に育てると来年以降、花が咲かせられるようになると思います。
2.元の株は残さないが、バックアップができるまで温存するパターン
挿し木に不安があるときは、挿し木などでバックアップできるまで、もとの株を残します。
ただ、周囲にどうしても感染させたくない株があるときは、この手は使えません。
コブは見つけ次第、深く削り取ってください。
水やりのときは、他のバラに水が流れないように。
バックアップできたら抜きます。
3.元の株を温存して、出てくるコブを削りながら育てるパターン
コブの位置と運次第で、うまくいくこともあります。コブがその位置にしかなく、感染して遺伝子組み換えされた部分を上手く削り取れた場合です。ただ、地植えですと、地下がどうなっているかわかりませんから、失敗することもあります。今度の冬には掘り上げて、隠れた部分のコブがあれば切り取ってください。もし、コブを切り取ると根が無くなるくらいやられていましたら、それはあきらめたほうが良いかもしれません。
近くに感染させたくないバラがある場合は、この手はお勧めできませんし、がんしゅが庭に広がっていく可能性があります。
>近くに他のバラやムクゲなども植えてあるのであせっています。
根頭がんしゅ病は宿主範囲が広く、すべての双子葉植物に寄生します。(※1の本参照)
放っておいても数年は生き延びる細菌ですから、何も植えない状態、あるいは田んぼなどにして数年置く必要があります。家庭では田んぼにはできませんから、安全を取るなら、雑草を含め、何も植えずに数年置いてください。
我が家の場合、地植えで出た場所は土を取り替えたあと、念のためレンガを置いて棚を置き、数年は何も地植えしないようにしています。
独立行政法人農業環境技術研究所のサイトによりますと、さまざまな植物にがんしゅ病が出るということです。
http://www.niaes.affrc.go.jp/bact/BactID6/KDBSN0101000.html
これも関連して、ご参考までに。
また、根頭がんしゅ病は、すずめさんのお書きになった通り、今では平仮名表記です。
論文検索、官公庁サイト、切り花栽培の専門書ともに「根頭がんしゅ病」と書かれています。
ただ、論文検索サイトでは、30年以上前の論文については、漢字で根頭癌腫病と書かれていました。
これもご参考までに。
※1 「バラの生産技術と流通 大川清著 養賢堂1999」
タネツギ
【関東】
[URL:http://homepage2.nifty.com/tane-tak/]
2010/03/02(火) 12:15:17
失礼しました。先の書き込みから、次の部分を削除します。
>バラ特有の病気で、他には伝染しないはずです。
『原色樹木病害虫図鑑』(保育社)にも、草本や針葉樹も罹ると載せています。
ただ、がんしゅが出た後、当時はウスプルンで処理したかもしれませんが、いろいろな樹木等を植え、それを移転で連れてきましたが、がんしゅの再発を経験していません。
記載と経験から推量すると、バラは特に発生しやすいのではないでしょうか。
すずめ
2010/03/02(火) 12:57:16
みなさま、ご意見ありがとうございます。もう少し教えてください。
問題のバラは庭の一番良い場所にあり、抜いてしまうには惜しいので、コブを削り取って春まで様子を見ることにします。削り取った傷口になにかしておくことはありますか。
また、コブが良性のカルス?の場合もあるのですか。ウチのは表面は土と同色で硬く、デコボコに指をかけ力を入れるとコリっと割れるような感じです。中は薄黄色できれいでした。
R・ひろき
【関東】
2010/03/02(火) 13:39:51
こんにちは。
良性のものは品種にもよりますが、いかにもそれらしいコブ型にはならないです。
なにかこうちょっと盛り上がったような感じになります。
がんしゅのコブは、株に対して不自然な感じになり、もろいです。
でこぼこに指をかけると割れるような感じでしたら、根頭がんしゅ病のコブだと思います。
切り口は焼いてください。
51℃くらいで死滅する細菌です。
癒合剤などに含まれている殺菌剤は、細菌に効果がないものが多く、塗っても殺菌できるかどうかは不安が残ります。
適用外の農薬を塗る人もいますが、塗っても塗った場所の殺菌になるだけです。熱処理しますと、少し奥まで51℃になりますから、より深く潜り込んだものまで殺菌することができます。少しだけ再発の可能性が減ります。
ただ、細菌が熱で死んだとしても、バラはすでに遺伝子組み換えされていますから、それが残ると再発します。
切り口を焼く前に、コブのあったあたりの土は多めにすくいとって捨てる、または熱殺菌してください。
コブから垂れた栄養で、根頭がんしゅ病の細菌がその付近で増えているはずです。土の中の細菌を野放しにしていると、またバラに傷口ができたときに侵入し、新たなコブができます。
傷口は雑草を抜いたり、中耕したり、支柱を立てたり、コガネムシ、カミキリムシの幼虫の食害など、ちょっとしたことでもできますから、抜かない場合でも、付近の土を捨てたほうが安全です。
すずめ
2010/03/02(火) 14:17:01
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ありがとうございました。注意しながらやってみます。
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