君子蘭の株が2株に分れることってよくあるのでしょうか?
ゆずゆか
【近畿】
2009/07/24(金) 13:50:42
14年ほど育ててる君子蘭があります。10年ほど前のことになるので記憶があいまいなのですが、あっという間に1株が2株になったのです。葉の間から子株が出てきたのではなく、1株が2株になったのだからお互いスリムになりましたが、6対4の割合で分れました。6の株はずっと花を咲かせ、4の株も翌年から咲きだしたようなきがします。すごく得をしたような気になったことを君子蘭に水をやりながら思い出し、子株は普通でよく見るけど、こんなことよくあるのか不思議に思えてきて、とても気になっています。古い話なのですがよろしくお願いいたします。
デンデン
2009/07/28(火) 11:51:55
あっという間に分かれることはありません。
子株がでていたのに気づかなかったのでしょう。
君子ランは成長がゆっくりですので、逆に普段あまりよく見ないことも多く、変化に気づかないこともあります。
ゆずゆか
2009/07/28(火) 13:32:33
あっという間という表現はたしかに、オーバーな表現だと改めてお詫びします。子株が葉の間から出て成長しても親株と並ぶには3年ほどかかると思います。この株の場合、ワンシーズンで中央から細胞分裂のように分れて行きました。今、ふと気がつきました。花が終わり新芽が双子だったのでは・・・そう言うことはよくあるのでしょうか?
この株の子株が去年から獅子葉になり、今年の若葉が100%獅子葉になりました。このまま獅子葉が定着してくれればと、わくわくしながら育てています。この変な君子蘭のお母さん、昔、2つに分れたことを思い出し、そんなことよくあるのかなぁ?と疑問に思ったので投稿させて頂きました。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2009/07/28(火) 22:15:48
子株が獅子葉に変化したのなら、何らかの原因で生長点が正常に育たなくなったのかもしれません
クンシランの生長点は茎の先端にあります(葉が重なっているので茎も生長点も直接見ることはできませんが・・・)
その生長点で新しい細胞が作られますので葉が出来るのもその場所からです
それが、何らかの原因で元々変化の出やすい性質という遺伝子が隠れていたのが急に表に現れた、例えば品種改良中にはじかれた見た目には普通のクンシランだけども実は親や先祖が芸物の遺伝子を持っていたものが流通していて、そのものを入手したのかそいれの株分けしたものだったかもしれません
クンシランの芸物は早く言えば葉の奇形です。奇形は遺伝子が何らかの刺激を受けてなるものも多く(突然変異と言う言い方もできます)それは遺伝してその後の代に出たりもします
何らかの原因で生長点の細胞のでき方が狂ってしまい、急に生長点が二つに分かれた結果それが育って気が付いた時には2株に成ってしまっていたのでしょうね
もしかしたら元々、獅子葉の芸物を元に交配されて出来た子孫で生長点が狂いやすい遺伝子を持っているのかもしれませんね
ゆずゆか
2009/07/29(水) 10:47:57
いつも、わかりやすく、明快で、やさしい、ばんざいうさぎさんの回答、大ファンです。私の曖昧な質問に、私の知りたかったことそれ以上の回答を頂きました。今まで適当に育てていた君子蘭、変なヒダ
ゆずゆか
2009/07/29(水) 12:26:51
いつも、分り易く、明快で、やさしく、回答して下さるばんざいうさぎさん大ファンです。私の曖昧な質問に的確にそれ以上に教えて頂きありがとうございました。今まで適当に育てていた君子蘭、葉の変化に気が付き、自分なりにいろいろ調べ、プロの方にも見てもらい獅子葉という名で、ゆくゆくは元の葉に戻るだろうということも知りました。その中君子蘭という植物全国的に愛好家もたくさんいて、品種改良、交配、突然変異なども知りました。すると元に戻るだろうと言われても我が子かわいさ、慾眼で葉の凸と凹入り組んで、相対性がくずれているのに昔のツルンとした葉が出てくるのかなぁ?と不信感を感じてしまい、新しい葉が出るたびヒヤヒヤドキドキして今年7枚目の葉が見えてきました。2枚の葉を抱きかかえるようにくの字に曲がっているのが分り、一人大はしゃぎしています。株は5年以上たっているのですが、まだ花を咲かせたことがなく、来期に花を咲かせることを目標に今がんばっています。ばんざいうさぎさんに教えて頂いた”生長点で狂いやすい遺伝子を持っているかもしれない”と言う言葉を励みに、獅子葉の株、お母さん株、2つに分れたお父さん株、今年購入した黄色君子蘭で交配をして種を取ってみたくなりました。もし花が咲けばがんばります。
図々しいですがもう一つ教えて頂けないでしょうか!突然変異の遺伝子の固定化とはどういうことなのでしょうか?どの時点で固定化されたと判断するのか教えて頂けないでしょうか?お願いいたします。
パソコンの操作が不慣れな為、書いている途中で知らぬ間に送信を押してしまったようです。すみません!
ばんざいうさぎ
2009/08/05(水) 20:32:27
お返事が遅れてすみません
今回はたまたまクンシランが前から好きでいろいろ覚えていたのでお答えできただけですよ。他の常連の皆さんすれば私なんぞ過去に興味を持っていて確実にお答えできるものについてだけお返事できるだけで、中には誤って覚えていたり情報が古くて大ポカをやらかすことも多いんです。すべてが正しいとは限りませんので、とりあえずは参考として役立てていただければこちらも助かります
突然変異の遺伝子の固定化については、素人では栽培環境が整えづらいので運に任せるくらいしかないでしょうね
すべての植物がそうとは限りませんが、植物の変わり物の性質の固定は、やはり交配による増殖と選抜を繰り返すしかないでしょう。変わり物の株を母株としてそれから採れる種からの子孫を選別しますが、別の特徴を加えたいのなら、その株を花粉親に使います。クンシランの場合は自家受粉だけの交配・選抜でも固定化は可能でしょうが、できれば他の株との交配で別系統の血を入れると(例えば花の綺麗なものの花粉を受粉させる)その子には性質の優れたものが出やすいです。今度はその種を発芽・育苗して有望そうなものを残しながら何代も同じ先祖を持つ株の交配を繰り返します(品種改良は10年以上かかるのもザラです)。時にはまた最初の変わり物をかけ合わせたり別系統のものと交配しながら好みの葉の形・花のだけを残していく・・・を繰り返すので突然変異のものを固定するには、何年もの年数と有望なものをたくさん栽培できる広い場所が必要で・・・。プロが行う交配では、それらの交配途中で出た見かけは普通のクンシランでも今までの組み合わせの交配で血統的に突然変異の遺伝子が強く隠れていそうな株のも残して交配に使うので一つの突然変異の固定化の為に、何十鉢も育てている場合も多いですね
その過程で望み薄そうで手放したものが普通のクンシランとして売られる事も多いようで、うちでは一見ほとんど斑入りとは気が付かない株から如何したことか、くっきりと分け斑になった子株が育ちました。普通なら親そっくりなクローンのはずなのに。花屋で普通のクンシランとして売っていた株から斑入りらしき脇芽が土から見えているのを見つけ買ったんですが、育ってみたら変わり斑に育ち、全く予想してなかった珍しい斑模様にびっくり。何か、クンシランの遺伝子って予想以上に複雑そうですね。個人の栽培環境では芸物の姿に育った株から子株が出るのを待つ(クローン体なので同じく育つ確率は実生よりもかなり高い)のが確実で、交配してみれば面白いものが出る確率はあるものの、固定化を目指しても2〜3代くらいでの交配・選別では固定化までは無理でしょうね・・・。他のクンシランと掛け合わせると運が良ければまた違う性質のものも出ることもありますが確実な固定化までは難しいですね
あとで思い出しましたが「分頭」って言葉が多肉植物ではよく使われるんです。これは脇芽ではなく、ゆずゆかさんのクンシランの様にてっぺんの生長点が何らかの条件で複数に分かれる事で、多肉植物だと遺伝的にも変わり物が出やすい個体というのも多いものですよ。綴化とか帯化、石化とも呼ばれる生長点が帯状に奇形したものが、多肉植物の場合他の植物よりも出現率が多いですね。クンシランは多肉植物とも違いますが葉が変化してしまう性質の生長点が出来やすいのかもしれませんね
ちなみに私がコレクションしているハオルチアというアロエに近い植物は葉先に透明な窓が出来て美しく(その中でも葉先が指の様なオブツーサと呼ばれる姿のタイプの種類が数年前に評判になりました)葉の美しさを観賞する(極く小さな、ユリの様な地味な白っぽい花が咲く)コレクション性の強い植物なのですが、特定の種類によっては脇芽が出来にくく分頭しやすいと言われるものがあるんですよ
おそらくその種類のものでもたまたま分頭になりやすい生長点の遺伝子を持つものが日本に入り、その株から葉挿しや胴切りで強制的に出させた脇芽で殖やしたクローンものが広まったというものらしいです。同じ種類でも産地が違う株だと分頭しなかったりなど、最近は原産地などで業者が増殖したものを個人輸入する人も多いからか、入手先が違うけれど同じものと思って育ててみると殖えやすかったり殖えにくかったりといろいろなんです。時には栽培が難しい上に全く脇芽も分頭もせず殖えないので元の株が枯死するのが心配でバックアップ苗を作る為に仕方なく胴切りして子を採るなんてこともあり、知れば知るほど興味深い植物なんですよ
ゆずゆか
2009/08/07(金) 12:39:21
ばんざいうさぎさん有難うございます。自分なりにいろいろ調べたりしているのですが、難しいですね!雄しべ、雌しべ交配させて種を取るまではいいのですが、そこから先のメンデルの法則、結果がわかるまでの長い年月、頭がクラクラしてきました。
ばんざいうさぎさんコレクションのハオルチア、私は名前を知らなくって検索したところ3種類育てていました。オブツーサは2種類です。何ヶ月か前にオブツーサの上に物を落とし上部が取れてしまいました。今
取れたところから小さな新芽が15個ほど出てきています。ちょうど蓮の台座に小さなオブツーサが15個乗っている感じです。これを見て、ばんざいうさぎさんの教えてくれていることがはっきり解りました。まさしくこれが生長点の突然変異!「分頭」ですね!頭の中でこういうことなんだろうなぁ?想像していたところ目の前にお手本があり気持ちよく解かってしまいました。スッキリです。
君子蘭は突然変異などあまり考えず楽しみながら交配をしてみようかと思っています。獅子葉の君子蘭もすべて獅子葉になるのに2,3年かかりそうですその間ツルンとした普通の葉が出ないかヒヤヒヤしながら楽しみながら育てていきます。ばんざいうさぎさんのおかげで解らなかったこといっぱい知りました。ありがとうございました。
ゆずゆか
2009/08/07(金) 12:44:33
[[解決]]
みごとに解決です。(チェック忘れてました!)
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