りんご

[園芸相談センター]の過去ログです

すもも 【東海】 2009/04/27(月) 08:47:47
愛知県の北部に住んでいるものです
りんご(品種ふじ)は暖地でも成ると書いてあります
どなたか暖地でりんごを栽培している方がありましたら教えてください。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2009/04/27(月) 22:16:06
‘ふじ’が暖地でも育つかの直接の回答ではないのですが、基本的な事ですので書かせていただきますね・・・。リンゴというのは自家受粉出来ないもの(できても実のなりは少ない)ですので、一本のみでの栽培ではある程度の数の実はできないですよ。受粉させるためにはその品種と相性の良い品種のリンゴの木(開花期が合い、花粉が相手に付けば受精可能なもの)を一緒に植えなくてはならず、それが無理なら一本の台木に2種のお互いに相性の良い品種の枝を接いだものを入手して植え付けるしかないのですが、リンゴの木なら受粉木は何でも良いというわけにはいかず、大体は相手の木が決まっています。ただ、問題なのは相手の木も暖地に強いとは限らない事でして・・・。もちろん相手の品種も花粉親として相性がよく暖地に強い品種でなくてはなりません。それがうまく入手できるかどうかが問題ですね・・・。
リンゴの木によっては近くにコリンゴやクラブアップル類(リンゴの原種に極近い近縁種)などがあれば受粉出来るものもあるのですが、‘ふじ’とそれらが相性が良いとは限らず、コリンゴやクラブアップル自体も北方系の木ですし・・・

結論としてはリンゴは1本では成らないので植えるとすればもう一本‘ふじ’と相性が良い暖地で育つ品種を見つけない事には、暖地でリンゴを収穫するのは無理かと思いますが・・・

ばんざいうさぎ 【北海道】 2009/04/28(火) 10:55:21
今朝、ちょっと調べてみましたが‘ふじ’と交配和合性(相性)の良い品種のうち暖地でも栽培可能とされる品種がいくつかありましたので参考になさって下さい
‘シナノスィート’‘秋映’‘シナノゴールド’‘さんさ’‘メイポール’あたりが良いらしいです。これらを買い足すか、1本しか植えられないなら台木(おそらく矮性台木)に‘ふじ’とこれらの品種のどれかを一緒に接いである接ぎ木苗があればそれ1本を選ぶと良いでしょう。特に‘メイポール’は枝が横に張らない性質で場所を取らないので地面に植えるのなら極近くに一緒に植えられて場所をとりません(鉢植えだと将来巨大な鉢や酒樽鉢などが必要)。似た性質のに‘セイリンスパー’というのもあるのですが、この品種だけは‘ふじ’の枝変わりから出来た品種ですので基本的な性質は見かけ以外は‘ふじ’と同じものですから、‘ふじ’の受粉相手としては買わない方が良いです
リンゴの木は普通かなり大きくなる性質がありますので、家庭で育てる場合、苗木を買う時には(市販の果樹の苗木はすべて接ぎ木されています)矮性の台木に接がれているものを購入なさると良いですよ。矮性台木に接がれている苗木にはラベルに品種名と一緒に数字の前に「M」とか「JM」とか書かれていますから、それが書かれた苗木を買えば将来あまり大きくなりすぎずにリンゴの収穫が楽しめますよ

私の生まれた所が昔リンゴの栽培地だったので周りに元栽培農家や現在も自家用に何本か植えている方がいるのでリンゴの栽培作業を見る機会があるのですが、リンゴに限らず人間によって改良尽くされている果樹というのは年間に何度も人が手入れをしないことには木が野生化して実が大きくなりません。特にリンゴは冬に枝を剪定したり枝を誘導させたり病害虫防除の薬剤を散布してあげなければ満足な実をならせてはくれません。リンゴは農薬を使わないと病気になりやすく農薬を使わない栽培というのは病害虫の発生が高く難しいです。リンゴの産地でリンゴの有機栽培を試みた人が病気を隣の果樹園にまで広めてしまい裁判沙汰になったという話があるくらいですので個人の無農薬栽培では病害虫を防ぐのはほとんど無理でしょう。また花が咲く前から咲く花の数を制限したり、受粉してくれる虫が来ない環境や天候によっては人間が人工授精させてあげなければなりません。付いた実もかなりの数の実を小さいうちに摘み取って、大きくする実の数を制限し、実に袋掛けしたりとそれなりの質の実を成らせたいならかなり手間のかかる果樹なんですね・・・
特に蕾や実を摘まないと生理落下で実のほとんどが落ちてしまいます。木が若いうちは体力がないので花が咲いても実は数年付かないというのは普通なのですが、植えつけて5年以上経った木でも枝の剪定や蕾や実を摘む作業を怠るといつまでも良い実は付かずじまいで枝が増え、すっかり野生化してしまいます。
それら防除や年間管理が無理なのなら最初からクラブアップルを選ぶ方が良いですよ。リンゴの原種に近いので性質は強いですしあまり剪定したりせずにすみ花や実の制限なども要りません(ただし木は大きくなります)実は小さく酸っぱいのでほとんどが生での食用には向きませんがジャムなどの加工品は砂糖と煮ることにより酸味との組み合わせがリンゴの仲間とは思えないほど美味しいものです。花色もリンゴよりも多いですし、葉を観賞出来るものもあります

果樹のリンゴを育てるなら枝を切る場所、枝の誘導の仕方、防除など専門知識がない事にはうまく実がなりませんので年間管理が書かれている本を購入し、それを参考にしながら栽培なさると良いですよ
「NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 リンゴ」が詳しくわかりやすく書かれています。栽培なさるならこの本があると良いですよ

すもも 2009/04/29(水) 13:48:00
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参考になりました有難うございました。


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