ポンカン、八朔のなりごが落ちてしまうのは?

[園芸相談センター]の過去ログです

徳永 悦子 【中国】 2008/07/01(火) 09:22:24
南側の庭に、八朔(2、5m位)、ポンカン(1、5m位)を各1本ずつ植えていますが、毎年沢山の花が咲き、なりごを付けますが、ポロポロと
なりごが(今は濃いグリーン色)落ちています。昨年は八朔が6個とポンカンは0でした。肥料は有機質の油粕と鶏糞と骨粉を与えています。化成肥料は(口に入れる物には、科学肥料は使ってはいけないと、園芸店の方に聞いていて)使っていません。果実を作るのは素人ですので、
どうして、なりごが落下するのか、分りません。御指導をお願いします。     

cat 2008/07/01(火) 11:24:46
生理落果です。
原因はチッソ過多あるいは逆のチッソ不足、開花結実期の高温や日照不足などで発生します。

タネツギ 【関東】 [URL:http://homepage2.nifty.com/tane-tak/] 2008/07/01(火) 20:43:59
 「なりご」という言葉を知りません。検索しても見つかりませんでした。
 幼果のことでしょうか。「カンキツ 幼果 落果」で検索すると、いろいろな情報があります。

パタリロ 【四国】 2008/07/02(水) 18:33:28
中国地方に住んでいたとき、近所の老人たちは「なりご(成り子?)」という言葉をよく使っていました。キュウリ、西瓜の雌花のもとの幼果、果樹の雌花の幼果を「なりご」と呼んでいたようです。

pinetree 【九州】 2008/07/02(水) 19:29:05
 幼果が落ちるのは「生理落果」です。catさんがお書きのように,主な要因は梅雨時の日照不足と温度です。6月に落ちるため「ジューンドロップ」とも言われます。

 栽培年数や施肥時期,施肥量,せん定などの肝心な情報が書かれてありませんので,結実しない理由は何とも答えにくいのですが,推定で。

 花が直花主体で,一緒に新芽が多数出るのなら,花と新芽の栄養競合のために実が止まりにくくなります。
 そうなる理由は,多分,施肥時期と量が適当でない事と,秋芽が多発して直花が多くなる条件を作っているためではないでしょうか。8月以降の肥料が効き過ぎないように調整することが必要です。
>なりごが(今は濃いグリーン色)落ちています
とありますので,多分,こちらではないでしょうか。

 花が直花主体で,新芽がほとんどでないのなら,夏から秋にかけての乾燥や,施肥量不足が考えられます。

 ともに,夏に不用意にせん定すると,実が止まりにくい条件を作り出します。

 油かすは,温度が高くなると急激に分解して効きますし,鶏糞は,窒素分が多く,化学肥料並みに早く効きます。夏秋に効く時期に多めにやっておられるのではないでしょうか。
 ここでの細かい説明は無理ですが,どこに問題があるかを理解するために,基本的な管理を園芸本などで確認された方がよろしいでしょう。

 なお,化成でも有機でも,肥料は特性を理解して上手に使うべきと考えますが,植物が吸収する肥料成分は,最終的には同じ形態のものと習いました。
 園芸店での
>口に入れる物には、科学肥料は使ってはいけないと、・・・
に関しては疑問です。施肥量と時期を,店の勧めるままにやっておられるのでは?

りっこ 【関東】 2008/07/02(水) 23:06:07
八朔は自家不結実性が強いはずですが受粉樹はどうされていますか?近所に夏みかんなどはありますか。ポンカンは1本でも大丈夫ですが八朔は遠くからくるのかわかりませんが、虫の助力が少なければ受粉不良もあるような気がします。

成り子は西のほうではそう呼ぶそうですね。岡山でもスイカの雌花の子房も成り子でした。確かにこれから成長を期待する子で理にかなっています。感心しました。

徳永 悦子 2008/07/03(木) 07:22:50
今日は!
catさん、タネツギさん、バタリロさん、pinetreeさん、りっこさん、
貴重な御回答を頂き有難うございます。色々参考にさせて頂こうと思っています。pinetreeさんの御意見の中にありましたように、成り子と一緒に新芽が数多く出ております。果実を作るのは新米で、本当に恥ずかしいのですが、教えて頂けませんか?花が直花主体で…ってありますが
どのような状態のことなのか、お願いします。

pinetree 【九州】 2008/07/03(木) 19:06:47
 初心者を恥ずかしく思う事はありません。誰でも「初めて」の時期はあるのですから。みんなが最初から解っていたら,この掲示板も必要無いですよ。
 ただ,心がけていただきたいのは,原因解明や解決に必要な情報を提供することです。
 私が聞きたいのは,肥料の種類と量,時期,せん定時期と切る程度,植えてどのくらいなのかなどです。りっこさんは,受粉樹の事をお聞きです。
 最初は何を伝えて良いか解らないでしょうが,質問と答えのやりとりの中で,だんだんと答えが見えてくるものです。

 柑橘類の花は,前年の充実した枝に着きますが,直花(じきばな)は葉を伴わずに花だけが出るもの,有葉花(ゆうようか)は新葉を伴い新しい枝の先端に着くものです。品種や条件によっては混在する場合もあります。「有葉花 直花」で検索すれば,画像もヒットすると思います。
http://www.nogyo.tosa.pref.kochi.lg.jp/saibai/kaju/yougo/kaika/kaika0.html

 今の時期は生理落果直ですので,新芽が多発すると限られた養分を奪い合いますので果実が落ちやすくなります。ただ,よっぽど極端な管理でなければ,少しぐらいは結実するものです。その「よっぽど極端な管理」ではないかと疑ったひとつが肥料なのです。

 春の開花時点で,たくさんの「直花」が着き,かつ新芽がほとんど無い状態だと,貯蔵養分が行き渡らないために個々の花が小さくなり結実率が低くなります。ポンカンでは,不完全花とと呼ばれる奇形花が多くなり更に結実率が低下します。ポンカンは通常でも結実率が数パーセントと低いのですが,不完全花ではほとんどとまりません。
 この状態で,梅雨前後に一斉に新芽が吹きだすと,生理落果が多くなりほとんど結実しなくなる事は容易に想像できます。

 実がとまらないと,夏から秋にかけて新芽が多数出てきますが,カンキツは一般的には,遅く発芽した枝ほど直花が多くなる傾向にあり,落果→秋芽の多発→春に直花のべた花多発→落果,の悪循環を繰り返します。実が着いていない状態で,夏秋に肥料が多いと秋芽が多発しますので,施肥時期と量を間違うと結実は更に悪くなるでしょう。

 細かい理由は省きますが,
 現時点で実が残っているのなら,果実の周りの新芽を欠き取ってください。取り除く新芽の量は多い方が実がとまる確率は高くなります。果実が葉っぱが大きい有葉果なら,果実側の葉を3枚くらい除きます。
 来年に向けては,特にお盆以降の新芽が出過ぎないように,夏肥は少なめにしてください。せん定は新芽が吹くからと不定期に切ったりせず,10月に枝葉の込んだ部分を軽く間引き(枝の股の所で切る)せん定を行います。基本的にはあまり切らないことです。

 少しでも結実すると,来年の実どまりも変わってきます。とにかく今は新芽かきですね。

徳永 悦子 2008/07/04(金) 21:08:53
 今晩は!
pinetreeさん、我が家の八朔は15年位前に植え、途中でキュウイに場所を占領され、3年前に今の南側の塀の側に植替えました。肥料は鶏糞と油粕、骨粉を混ぜて、秋と寒肥の時期と、新芽が吹く頃に量は本当に
おおざっぱに適当に与えていました。八朔の剪定はあまり高く成ったので、秋に背丈を小さく刈り込みました。それでも2,5m位あります。
りつ子さんの言われている受粉樹ですが、近くに夏みかん等は無く、自然に虫が来るままにしています。だからと言って、夏みかんを植える
余裕は庭には有りません。ポンカンは植えて4年目に入ります。
剪定は枝同士が交差したり込み合った所のみ切っています。
受粉は綿棒で同じ1本の木の花同士でしていますが…。
綺麗な画像を入れて頂き、意見もいっぱい送って頂きまして
有難うございました。先は長いような気がしますが、気長にゆっくりと
来年はきっといい知らせが出来るよう頑張ってみますね(*^_^*)

徳永 悦子 2008/07/04(金) 21:24:27
追伸
まず、今はpinetreeさんの言われる通り、現時点で残っている果実を残す様に、回りの新芽を欠き取って見ます。有難うございます。

りっこ 【関東】 2008/07/04(金) 22:25:43
そうですか。途中で移植されたのですか。すると根が落ち着くまでは落果があるかもしれませんね。普通八朔は夏みかんより生理落果はないようで、実が付き過ぎたら摘果をどんどんしていいとあります。又、受粉樹ですが移植前は収穫は多かったのでしょうか?どこの検索サイトでも園芸書でも「ハッサクの受粉樹として、必ず夏みかんの木を植えて下さい」とあります。当方20種類ほどの柑橘を露地植え、鉢植で育てていますが、八朔は夏みかんが受粉樹として必要なので育ててはいません。沢山落果をするのは間違いなく受粉不良も原因の一つです。なにも地植えしなくても鉢植でもいいですから用意するといいと思いますよ。開花は鉢植なら2年目からあるでしょう。

徳永 悦子 2008/07/05(土) 19:29:26
[[解決]]
 りっこさん今晩は!
移植前の収穫ですが、今と ほとんど変わらない状態でした。
やはり、収穫を期待する以上夏みかんは欠かせない物なのですね。
地植えは、無理ですが鉢植えでしたら育てる事が出来るかも知れませんね。頑張ってみます。有難うございました。   

pinetree 【九州】 2008/07/07(月) 00:42:41
>鶏糞と油粕、骨粉を混ぜて、秋と寒肥の時期と、新芽が吹く頃に
 「秋」が9〜10月のいつの時期かで若干変わりますが,多分,この3回の施肥は春に一気に効く可能性があります。春芽を多量に出し実止まりが難くなるやり方ではないでしょうか。

 大まかな計算ですが,八朔に仮に鶏糞だけを用いる場合,年間の量は3kgくらいで,1本の樹から20〜30kgの収量があるはずです。実が着いていないのなら年間2kg程度にし,春の新芽の時期の施肥はやめておいた方が無難と思います。
 また,秋の樹高を下げるために行ったせん定後に新芽が多発したのであれば,そりゃあ実止まりも悪くなるでしょう。実を着けさせたいのなら,秋芽は多発させない事が基本です。

・りっこさんへ
 八朔は完全自家不和合とされていますが,手元の資料では自家受粉でも3.8〜5%程度は結実する場合もあるようです。「白石ら」の試験とありますので,愛媛大学の調査ではないでしょうか。このため,八朔は単植園でも多少は結実するようですが,種がほとんど入らなくなり,小玉になるようです。安定するためには必須と言う事でしょう。
 ポンカンは自家不和合ではありませんが,自分の花粉は少なく,甘夏などの花粉で結実率が向上します。
 花は咲いているようですので,おっしゃるように授粉樹も必要でしょうね。

>受粉は綿棒で同じ1本の木の花同士でしていますが…。
 八朔は自家不和合で自分の花粉ではとまりにくくなります。どうせなら,交互にやってくださいな。

りっこ 【関東】 2008/07/07(月) 02:01:11
確かに1本での受粉は少ないけど結実はあるようですね。完全自家不和合ですか?私は園芸書では「自家不結実性が強い」ということで100%とは思っていませんでした。だから数個結実したのだろうとの認識です。当方は場所がないので八朔や夏みかんの代わりにはるか(日向夏と甘夏柑の自然交配で1本でも結実可能というふれこみ)の2年生苗を鉢植(10号)にして今年2年目で開花、現在3個肥大中です。このあと落果があるかもしれませんが...ポンカンは今年春、露地植えですが樹勢が弱い品種なのでこの先3年くらいしないと収穫できないようです。昨日柑橘の追肥をしています。有機配合肥料(70%)N:P:K成分比8:8:8:を鉢あたり50g〜70g程度です。落葉果樹はこの時期の施肥は禁物なので忘れるところでした。徳永 悦子さん施肥はpinetreeさんが仰るように適切な量を適切な時期に挙げないと逆効果になるおそれがあります。調べましたら結構肥料は必要ですね。(金柑なら挙げなくてもいいと言う園芸書もありますが)寒肥料は12月に15年樹なら骨粉:油カス:草木灰成分比で5:20:3を2kg、春肥料3月に化成肥料N:P:K成分比8:3:4を2kg、追肥として7月に1kgとあります。八朔は1〜2月に混合花芽ができるのでこの時期に窒素が効きすぎるような施肥はしないほうがいいようです。当方の柑橘はまだ5年生未満が多いので施肥量も少ないです。又、剪定は花芽形成後の3月のようです。来年は美味しい八朔とポンカンが沢山収穫できるといいですね。

徳永 悦子 2008/07/07(月) 19:08:30
 今、ポンカンをざっと数えると50個程残って居ます。
周りの新芽は先日欠き取ています。少しでも落下が無くなってくれれば、毎日仕事から帰って一番に楽しみにして眺めております。これからの暑さ除けとして、根元に水仙の枯れた葉で、覆いましたが、蒸れたりするでしょうか?昨年は収穫0でしたので、すご〜く楽しみです。反対に、八朔の方は実がほとんど落下して、下から見る限り2個位しか見当たりません。やはり剪定の時期を、考えてするべきでしたね。
春に与える肥料は、NHK趣味の園芸で春には化成肥料で、寒肥料は有機肥料をって、聞いていましたが、どうしても化成肥料を使う事が出来ず
でしたが、pinetreeさんが問題無いとの事でしたし、量もきちんと守って、与えるようにやって行かないと、先に期待が持てないって事が分り、与える肥料の種類、量、とても参考になり有難うございました。

pinetree 【九州】 2008/07/08(火) 00:20:32
 解決後にくどいようで申し訳ないですが

>ポンカンをざっと数えると50個程残って居ます。
 ポンカンは幼果が小さいので見えにくいものです。もっと沢山残っている事でしょう。梅雨明け後に摘果をお忘れ無く。

>根元に水仙の枯れた葉で、覆いましたが、蒸れたりするでしょうか?
 地面が見えるか見えないか位の量なら問題ないと思います。梅雨明け後の保湿は大事です。

 ところで,有機質肥料が全てゆっくり効くわけで無い事はご理解されていらっしゃるでしょうが,ごく大まかに言いますと
(効きが早い)鶏糞・豚糞・牛糞(効きがゆっくり)
と言うような事のようです。
 鶏糞は化成肥料並みに速く効きますし,牛糞堆肥のチッ素は5年くらいかかってゆっくり溶出するようです。牛糞堆肥は,有機物の補給にも役立ちますし,他の溶出の速い肥料と混ぜて(くるみ肥)使えばその効き目を緩やかにしてくれます。上手に使ってください。

>NHK趣味の園芸で春には化成肥料で、寒肥料は有機肥料をって、聞いていましたが
は,私もそのとおりだと思いますし,そのようにしております。
 ただ,春には鶏糞主体,寒肥には牛糞や牛豚混合の肥料を用いれば,成分バランスは別として,肥料の効きは似たようなものです。化成肥料の方がコントロールしやすいのですが,化成肥料を使いたくないのであれば,そんな使い方もあります。

 先にも少し書きましたが,実がとまらずに新芽がバンバン吹いて,樹が暴れるような状態の時は,
1.間引き主体のせん定を最小限に行う(もしくはせん定しない)
2.夏秋の肥料を減らし秋芽を多発させない
などを行えば来年くらいから少しずつ成り出すはずです。
 そのうえで,授粉樹も考えたらいかがでしょうか。
 それでも成らなければ「環状はく皮」という最後の手もあります。

 八朔やポンカンがたわわに実ると良いですね。

徳永 悦子 2008/07/08(火) 20:48:43
 梅雨明け後の 枝の様子や落下の様子を見て、数が多いようでしたら、摘果をした方が良いんですね。有難うございます。
 肥料も、牛糞堆肥、豚糞等あまり目にする事が無い物ですが
上手く取り入れ混ぜて使っていけたらって思っています。
☆間引き主体の剪定を最小限にして
☆夏秋の肥料を減らし秋芽を多発させない様に気を付け
☆秋に夏みかんの苗を買って来て、鉢植えで育てて見るつもりです。
それでも駄目なら、最後の手段として「環状はく皮」という手も有るとか…。それは又の時に教えて下さい。取り合えず教えて頂いた様に頑張ってみます。でも本当にすごい知識力を持っていらっしゃるんですね。
教えて頂いた事をいつもひも解きながら、たわわに実る事を目標にしてやってみます。有難うございました。


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