Low-E複層ガラスについて
仮住まい
【九州】
2008/06/22(日) 22:28:58
もうすぐ完成の新居のサッシにLow-E複層ガラスというのを採用しました。
このガラス、高断熱はいいのですが、紫外線もカットしてしまいます。
室内の植物の育ちが気になり、ちょっとネットで調べてみたのですが、
メーカーサイトで「可視光は十分に入るので植物の生長に影響は無い」と
書かれているのに対し、他のサイトでは「紫外線がほとんど入らないので
植物は育ちません」とも書かれています。これ、実際どうなんでしょう?
Low-E複層ガラスのお家にお住まいの方の経験談をお教え下さいませんか?
また、紫外線と各種植物の生長についてご存知のことがございましたら
なんでも結構ですのでお教え下さい。よろしくお願いします。
けんたん
2008/06/22(日) 22:50:10
よくわからないのですが、植物は外で育てるのが原則ではない
ですか。家の中に植物が育つほど陽が差し込むと、家(特に床)
が日焼けで傷みますよ。
紫外線領域に近いところの波長の陽があたらないと、植物が育ち
にくいのは事実です。全然育たないことはないと思いますが。
新居のサッシとは、温室のことではないですよね? もし、
室内温室のことであれば、ごめんなさい。
仮住まい
2008/06/23(月) 00:04:57
けんたんさんコメントありがとうございます。
原産地の気象条件が日本と異なる場合など、特に夏場、屋外の強烈な
直射日光下ではうまく育たず、窓辺のカーテン越し程度の光が最適と
言われる植物や、寒さに弱く、温室栽培や室内越冬が基本の植物が、
観葉植物を中心に結構種類ありますよ!
お花でも例えばセントポーリアとか、スパティフィラムとか、
蘭の一部とか、ベゴニアの一部とか、いろいろあります。
Low-E複層ガラスを用いた場合のそれら植物の生育への影響が知りたい
ということで質問を補足いたします。よろしくお願いします。
りっこ
【関東】
2008/06/23(月) 00:05:16
Low-E複層ガラスでの体験はありませんが紫外線に関しては心配要りませんよ。「紫外線がほとんど入らないので植物は育ちません」と言うのは間違いですね。ほんとうならポリカで作った温室のなかでは植物が出来ないことになります。なぜならポリカは紫外線を通さないからです。当方の温室は屋根と回りは全部ポリカで3坪ありますが野菜も観葉植物も育っていますよ。春作の野菜の苗も中に育苗床を作って更にビニールで覆い苗を育苗しています。トマトもナスもピーマン、スイカ、メロン、カボチャ、何でも育苗出来ますよ。勿論その後はメロンなどを立体栽培しそろそろ受粉の時期です。又、紫外線は通さないので観葉植物は葉焼けがありません。ナスは紫が薄いくらいです。あとはトマトもダイコンも大丈夫です。紫外線が多くあたると葉菜類は色濃くなりますがその反面アクが強くなったり、エグミもでたりします。紫外線がないと非常に甘く感じ又、やわらかく食べやすいです。欠点は葉菜類は収穫後日持ちがしないことだけですね。
リトっぷ
【九州】
2008/06/23(月) 01:42:02
こんばんは...
植物は主に640nm付近の波長の光りを効率よく取り込み光合成を行います。これは紫外線と言われる範囲の光と言う事を前提に。
これとは別の波長を取り込むサブの葉緑体も持っています。耐陰性がある物や樹木の下層に生えるシダやランもそうですね。紫外線は熱エネルギーが高い為に人間で言う日焼けを起こす事からUVカットと耳にする機会が増えましたが御承知の通り植物でも同様です。このような耐陰性の植物が強い光に曝されると葉面温度を光合成による気化熱で下げる能力が低い事から葉やけを起こしてしまいます。(この能力NO.1はサンパチェンス)セントポーリア.ハオルチア(南アフリカ)やファレノプシス(東南アジア)等は葉の断面に厚みのある葉緑素の層を持っていて弱い光でも効率よく(万華鏡の様に反射させる)光合成を行っています。室内で育てられる植物とは自然にこの部類になるのではないでしょうか。ですから問題ないと思います。
住居の窓際とは日照時間が限られませんか?しかも季節で...今の朝日が最北東から出て昼間の時間が1番長く日の出は5:30位ですかね。後,湿度と風も必要です。
仮住まい
2008/06/23(月) 09:07:57
りっこさん、リトっぷさん、詳しいご説明ありがとうございます。
おふたりの情報を総合すると、紫外線をカットするポリカーボネートの
温室では観葉は日焼けせず、野菜は甘くやわらかいものが育つということ、
光合成には640nm付近の波長の光があればよいということかと思います。
まず、波長640nmと言えば、可視光の赤の領域かと思います。紫外線は
いろいろ定義はありますが、概して400nm以下とか、短い波長ですので。
一般に、光合成には赤と青(450nm前後)の可視光が必要と言われるので、
光合成の点からはLow-E複層ガラスでも問題ないものと思いました。
但し、紫外線が無いと、植物が紫外線防御のため吸収・生成する
エグみ成分を吸収・生成しないとか、葉を固くしないということが
起こりうるということで、それらの影響を考慮しなければならない
ということかと思いました。
この影響、栽培期間が短いお野菜や、葉焼けする植物ではよいことが
多いようですが、不自然な環境であり、何かありそうな気もします。
この私の推論について、皆様の実体験等から何かお気づきの点が
ございましたら引き続きお教え下さればと思います。
よろしくお願いします。
RED
[URL:http://members.jcom.home.ne.jp/takanuma/index.htm]
2008/06/23(月) 10:59:59
紫外線による影響ですが、まず光合成とは関係ないのは仮住まいさんのおっしゃるとおりだと思います。光合成の吸光スペクトルに紫外線はほとんど関係ありません。
形態形成に関しては、フィトクロム、フィトロロピン、クリプトクロムが知られていますが、それぞれ680/730nm、450nm、450nmあたりが感知する波長のピークで、やはり紫外線ではありません。
紫外線と抗酸化作用云々の記事もネットにありましたが、出典自体が怪しく・・。C3植物の活性酸素は光呼吸によって吸収されるというのが一般的な説だったはずですので、どうかと。
現実問題として、人工照明下における作物栽培では紫外線はほとんど照射されておらず、無くても問題なく栽培できることは間違いありません。とくに屋内で栽培する観葉植物ならば、なおさらでしょう。
水槽では完全に人工照明のみで水草を栽培していますが、それでなにか問題が起こったこともありません。蛍光灯からは僅かに紫外線が出ていますが、その程度で事足りるなら、屋内照明で補完できることになります。
しかし、紫外線が「無影響」というわけではないようで、UV−A(近紫外線)が植物の生育に良影響を与えることは事実のようです。
http://ja-tec.com/E/E01/content12120.html
対照試験としては以下のものが見つかりました。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~amaoda-hs/srk/17nendokenkyu/ultravioletrays.pdf
UV−A照射区と可視光線のみ照射区で若干の違いがありますので、制作者の考察のようにUV−Aがなんらか育成に良い影響を与えている可能性がありますが、「育たない」というようなものではないことも同時に確認できます。
結論から言えば、「育たない」は理論的にも現実的にもありえない。しかし、UV−Aが好影響を与えるのも事実。といったところでしょうか。
採光ガラスに紫外線カット機能を入れないと家の中が日焼けしてしまいますし、上記実験程度の違いであるならメリットのほうが大きいのでないでしょうか。
むしろ有害なUV−Bのカットは、屋内観葉植物では葉焼けリスクを軽減できてよいかもしれません。
RED
[URL:http://members.jcom.home.ne.jp/takanuma/index.htm]
2008/06/23(月) 11:20:14
訂正です。
抗酸化物質の生産量も紫外線と関係があるようです。失礼しました。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070109/news/002/library/news6704.pdf
りっこ
【関東】
2008/06/23(月) 11:37:26
Low-E複層ガラスも品種構成により光学的特性も違うようですね。紫外線透過率も40〜10%とかなり幅があります。可視光線の透過率も幅があります。仮住まい さんはどれを採用されたのかわかりませんので最適な栽培可能な植物も数ある中から特定は無理でしよう。皆さんが仰るように植物は元来外で育てる物であり、その植物が気候風土に適した環境で一番良く育ちます。Low-E複層ガラスは植物の栽培環境を向上させたりするために開発されたものではありませんよ。あくまでそこ住まわれる方の居住性や健康のためではないのでしょうか。植物が心配なら外にガラス張りかアクリル板で温室を作って育てたほうが一番いいですよ。どのサイトをご覧になったかわかりませんが「紫外線がほとんど入らないので植物は育ちません」を信じるかメーカーを信ずるかは仮住まいさん次第です。また、最後に書かれた「不自然な環境であり、何かありそうな気もします」と言うのはどうも理解できません。そもそも植物育成のためではありませんから...。逆に何を心配されているのか、室内に置かれる植物はなにかを挙げればそれに詳しいかたがたのアドバイスがあると思います。
仮住まい
2008/06/23(月) 14:00:04
REDさん、いろいろ調べて頂いてありがとうございます。
やはり可視光だけという不自然な環境だと、色付きや抗酸化物の生成など
植物によっては自然環境とは異なる場合があるということですね。
実際にお宅の窓やサッシのガラスを水ガラスからLow-Eガラスに替えられ、
どんな植物がどのように変わったとか、そんな経験をお持ちの方に
お話を伺ってみたいと思いました。メリットデメリット双方伺いたいです。
私の経験では、セントポーリアで、自然光遮光の場合とLED照明の場合、
お花の色付きに違いがありましたので、Low-EガラスでもLED照明と
似たことがあるのかなぁと思っています。もっといろんな植物について
皆様から情報を頂ければありがたいです。
りっこさん、度々ありがとうございます。
一般の住宅でよく使われるブルー系Low-E複層ガラスは、紫外線遮断率、
熱遮断率、可視光透過率はともに高いものが多いかと思います。店舗等では
それらを犠牲にしても内部が見えにくい品種を採用したりするようですが。
うちのガラスも一般住宅でよく使われるブルー系Low-Eです。日当たり好きの
植物は当然屋外で育てますが、弱光が好きな植物は周年、寒さに弱い植物は
冬季のみ室内で育てようと思っています。今までそれらセントポーリア、蘭、
ベゴニア、多肉、各種観葉など数十種類の植物は換気扇と加湿器の力も借り、
水ガラスの自然光の窓辺や縁側などで育ててましたので、それらが水ガラス
からLow-Eガラスになったらどうなるのか心配なわけです。必要なら紫外線
ランプなどの光源を準備したほうがいいのかなぁとも思ってます。
最近は紫外線を照射できるLEDも開発されていますし。
よろしくお願いします。
リトっぷ
【九州】
2008/06/23(月) 14:21:25
こんにちは、私は40種類程のハオルチアを室内の20W×2の蛍光灯だけで1年間育てましたよ。その時はそれなりに育っていると満足していました。去年の秋から南の日陰の棚上で直接光に当てずに育てていますが全く違いますね。
仮住まいさんも何か試してみては如何でしょうか?
光が植物の成長に与える影響は大きい事は事実ですが光だけではない事は御存じなのではないでしょうか。
全体的にりっこさんが言われる様に私も思います。『だったら』の仮定の部分がある限りいくらでも答えがありそうです。
仮に、そのガラスで温室を建て『〜』を育てた場合に起こり得る不具合。として頂けたらと思います。
仮住まい
2008/06/23(月) 15:03:48
リトっぷさんありがとうございます。
そのハオルチア、人工光下と自然光下で具体的にどのように違いますか?
そんなお話を伺いたいと思ってました。よかったらお教え下さい。
ちょっとみなさん混乱されていますが、私は、窓辺の植物、水ガラスを
Low-Eガラスに替えたらどうなった、ということを具体的に伺いたいと
思っています。ガラスの変更という環境の変化の影響が知りたいのです。
どうぞよろしくお願いします。
ひろし@小南部
2008/06/23(月) 17:44:11
私はラン科植物のカトレアと胡蝶蘭を主に栽培していますが、紫外線は色素形成に影響があると考えています。紫外線がカットされても他の波長により植物体自体の生育はそんなに影響は無いのですが、紫外線があることによって同じ植物が、おそらく防衛反応により、アントシアニンやフラボノイドなどの色素を多量に合成するようです。紫外線の存在によって葉の色が紫を帯びたり、アントシアニンを作れない場合は黄色みを強くします。
その結果作られた色素は花色にも反映するのでより鮮やかな色彩となります。とくにカトレア類の赤系(アントシアニンとフラボノイド/カロテノイドとのコピグメンテーション)でその差が顕著で、直射光不足(紫外線ほとんどナシ)だとぼけたオレンジ赤にしかなりませんが直射光に十分当たったものは冴えた真紅になります。防衛反応による色素形成は紫外線ばかりではなくて低温でも促進されるので冬場はさらに発色がよくなります。
また、カーネーションやバラ栽培農家の温室は特に紫外線透過率の良いフィルム/シートで作られるという話も聞き及んだことがあります。
結論として「花色には影響がでる惧れがある」と思います。
仮住まい
2008/06/23(月) 20:10:39
ひろし@小南部さん、ありがとうございます。
蘭もどうやら紫外線でお花の色が変わってしまうみたいなんですね!
私の実験したセントポーリアは、白地に紫が少し入るものなんですが、
赤色と青色のLEDで育てると、ほとんど白になってしまう一方、
窓辺のレースカーテン遮光では、紫と白の割合が半々ぐらいになるんです。
確かに切花用カーネーションは半日陰と日当たりでは花色が結構違いますし、
あと、スプレーマムなんかもそれが目立ちました。これらが可視光線の量
ではなく、紫外線量によるとしたら、紫外線がカットされるということは、
いろんな植物の花色に影響を及ぼしそうですね。大変参考になりました。
引き続き、いろんな方の経験談を伺えればと思います。
どうぞよろしくお願いします。
リトっぷ
【九州】
2008/06/23(月) 20:25:15
こんばんは、ハオルチアは細かく栽培記録がある訳ではありませんが変化に乏しい植物だけに画像で比較すると顕著に葉の形が太く引き締まった硬作りになっています。これには通風等の用土の乾きが影響大なので光とは関係ないかもしれません。案外、時期問わずに花芽が立ち上がるのですが戸外の日陰では3倍程の花茎が出ていました。自然の光線下では花芽分化にも好成績を修める様です。本来、ハオルチアは花を鑑賞する物ではない為に成長の一過程として観察していました。
花が咲く物に関しては私もファレノプシス・パフェオペディラム・カトレア・デンファレ・セントポーリアを今年の夏は室内で管理する予定でいます。UVカットガラスではありませんがファレは『模様ガラス→UVフィルム→50%遮光カーテン→温室のビニール』の条件で夜明けから11時迄の7時間の予定です。冬期10月以降は日の出位置が移動するので南のベランダで管理予定です。(この季節は温室のビニールのみが遮蔽物です。)
仮住まい
2008/06/24(火) 07:53:36
リトっぷさんありがとうございます。
もし室内環境が空気の動きの無い、乾燥した環境であれば、戸外との違いは
それによるところも大きいかもしれませんね。室内でご使用だった蛍光灯が
植物育成用なら、一般の蛍光灯では弱い赤色や青色、あと紫外線もある程度
出るようですし、自然光との違いも小さいのではないかと思いますので。
斑入り葉の植物なんかどうなんでしょうね?紫外線だけが特に弱いという
不自然な環境だと、斑が薄くなるとか、あるいは逆に美しくなるとか、何か
ありそうな気がします。
仮住まい
2008/06/28(土) 19:02:18
[[解決]]
みなさんありがとうございました。
更新がありませんので解決済とします。
自分でも色々調べましたが、いろいろありそうです。
越冬後の戸外への出し方が課題になりそうです。
園芸相談掲示板@園芸相談センター