かぶれ
チャー
【東海】
2006/07/31(月) 14:34:29
山茶花の枯れ葉、枯れ木を短い棒で落としていましたが、翌日腕がかぶれていました。それからは、洗濯竿で落とすようにしています。山茶花には、何かかぶれるようなものがあるのですか。
未芭
2006/07/31(月) 15:43:11
これはもう間違いなくチャドクガの仕業でしょう。
うちにもたくさん、椿と山茶花があります。
山茶花や椿には、チャドクガが卵を産み、幼虫(毛虫)がそだって、成虫(蛾)になって行きます。
チャドクガはお尻に毒毛の束を持っていて、産み終わった卵に毒毛をこすり付けて、卵に付着させ卵を守ります。この毒毛は卵が孵ったあとも毛虫に付着しており、毛虫を触れば勿論かぶれますし、脱皮した抜け殻にも付着していますので、蛾となっていなくなった後も葉っぱには脱皮した抜け殻とともに毒毛が残っていて、触れば同様にかぶれます。風の強い日に椿や山茶花の剪定をすると、風に舞って広範囲に症状が出ることがあります。
質問からは若干逸れますが、、、
これにかぶれると赤くぶつぶつし、ひどく痒くなり、市販の痒み止めの薬では効果がありません。皮膚科に行っても普通のクリニック等ではステロイドの軟膏をくれる程度で、痒みが治まることは殆どありません。
うちに出入りの庭師さんに聞いたところ、ステロイド系の注射をうって貰ってどうやら治まるそうです。私はひたすらキン○ンを塗って耐えます。3〜4日ほどで痒みが治まり始めます。
防御が一番なので、ツルツル素材の長パンツに靴下、スタンドカラー(立ち襟)のジャケット、頸には襟の外からタオルを巻き、頭にもタオルを巻き付けて、勿論手袋着用で剪定を行っています。フード付きのジャケットを被るのも手です。顔や目もゴーグルやネットで守ればなお良いです。終了後は、外でそっとタオルや衣服を脱ぎ(決して振るわない)、ゴミ袋などに一時入れておき、自分は全身シャワーでよく流します。使用したタオルや着衣は、ゴミ袋ごと洗濯機の所に持ってゆき、中身だけそっと洗濯機に放り込み、他の洗濯物とは分けて選択します。ゴミ袋は外で抜いた雑草などを入れて捨てます。
剪定や衣服を脱ぐ際に、近くにお布団や洗濯物などを干していてはいけません。
庭いじりをしていると、チャドクガやゴールドクレストなどにつくスギドクガ、柿を好むイラガなど危険な生き物に遭遇することも多いですね。本当はどこか蛾に詳しいサイトのリンクをお教え出来ればよかったのですが、私は蛾が大嫌いなので、見るのもちょっと苦手です。ご自分で検索なさってみて下さい。「チャドクガ」で沢山ヒットすると思います。葉っぱにビッシリ列んで隙間無くついている姿なんか、圧巻(私にはひたすら恐怖)です。
ウミユスリカ
2006/07/31(月) 17:05:03
えっと、アウトラインは未芭様のせつめいでいいのですが、若干の訂正を入れさせてください。
>チャドクガはお尻に毒毛の束を持っていて、産み終わった卵に毒毛をこすり付けて、卵に付着させ卵を守ります。この毒毛は卵が孵ったあとも毛虫に付着しており、毛虫を触れば勿論かぶれますし、脱皮した抜け殻にも付着していますので、蛾となっていなくなった後も葉っぱには脱皮した抜け殻とともに毒毛が残っていて、触れば同様にかぶれます。
チャドクガやドクガの毒針毛の起源は幼虫にあります。これらの幼虫はいわゆる毛虫ですが、目に見える長い毛に毒はありません。
取り合えず、次のリンクをご覧下さい。
http://www.jpmoth.org/Lymantriidae/Arna_pseudoconspersa.html
このリンクの【幼虫写真1】を見ていただくとわかると思いますが、幼虫の背中に黒い斑紋が対を成して並んでいます。ここに、粉のように細く、短い針が密生しています。これが毒針毛(どくしんもう)です。そして、弱い刺激でもここからはがれて飛散します。これが皮膚に付着し、摩擦されると皮膚に突き刺さり、皮膚の中で折れて中に封じ込められていた毒が組織に浸透します。
この毒針毛のパッチは1齢幼虫にはなく、2齢幼虫ではじめて生じ、脱皮し、成長するとともに数が増えていきます。そして、幼虫が成長し、口から絹糸を吐いて繭を作るときに繭の内外に毒針毛をなすりつけてしまいます。ここから羽化した成虫も、繭の表面の毒針毛を体、特に腹部にこすり付けて保持し、卵を産むときも卵塊に腹部の毛に毒針毛を混ぜて表面を被います。ここから孵化した1齢幼虫は先述のように毒針毛は本来持たないのですが、卵塊を覆う成虫の腹部の毛の間を潜り抜けるときに、親の幼虫時代の毒針毛を体にまとうことになります。
このように、チャドクガは卵、幼虫、蛹、成虫とすべてのステージで毒針毛をまとっているのみならず、抜け殻や死体からも毒針毛が飛散します。これは注射器型の毒棘を持っており、虫が死んだり蛹になれば無毒になってしまうイラガとの大きな違いです。
ですから、私はツバキやサザンカを管理するときには殺虫剤を使わないことにしています。なぜなら、殺虫剤でチャドクガを殺すと死体が頭の上から降ってきたり、樹上に残った死体や抜け殻が制御不能に陥って結局は痛い思いをするからです。
幸い、チャドクガの幼虫、特に若齢幼虫は群居生活をします。そして、餌の葉の裏側から表の表皮1枚を残して葉肉を食べるため、卵塊から孵化した幼虫の群の食害箇所は非常に目立ちます。そこで、私はいつも幼虫の発生する4〜5月と8〜9月になると、ペーパータオルの束(春には剪定したキウイフルーツの葉もよく使います)を持ってツバキやサザンカを見回ります。そして、食害箇所を見つけたらペーパータオルで食害している葉を群ごとくるんでむしりとり、握りつぶしてポリ袋に放り込んでいきます。見回りが終わったらポリ袋の口をきつく結んで燃えるごみに出してしまいましょう。これをこの季節の早朝の日課にすれば、庭園内のチャドクガの発生量はかなり低く抑えられます。また、先ほどのリンク先のページには卵塊の写真も出ていますので、見つけ次第同様の処置を施して駆除すれば、より確実に発生が抑えられます。
なお、スギドクガは人体に対する毒性はほとんどなかったかと。一般に無毒型のドクガ類とされています。日本産のドクガ科で著しい人体毒性を有するのはドクガ、チャドクガ、モンシロドクガの3種にほぼ限られます。
スギドクガ
http://www.jpmoth.org/Lymantriidae/Calliteara_argentata.html
ドクガ
http://www.jpmoth.org/Lymantriidae/Artaxa_subflava.html
モンシロドクガ
http://www.jpmoth.org/Lymantriidae/Sphrageidus_similis.html
ただし、これは一般の方対象の条件であり、試験所などの研究者や技師で、防除研究などのために大量飼育を繰り返して継続的に多量の毒針毛を浴びていると、たとえばヒメシロモンドクガのように毒性が低く、一般に皮膚害をもたらさないとされている種類であっても、毒素に対するアレルギー反応が引き起こされるようになり、かぶれてしまう体になってしまうことが知られています。
ヒメシロモンドクガ
http://www.jpmoth.org/Lymantriidae/Orgyia_thyellina.html
ウミユスリカ
2006/07/31(月) 17:09:24
付記いたしますと、ドクガやチャドクガの毒針毛の長さは0.1mmほどしかありません。
未芭
2006/07/31(月) 19:16:54
ウミユスリカさん、詳しい説明ありがとうございます。
蛾にもお詳しいし、他の方々とはちょっと違った視点(切り口)でのコメント、いつも参考にさせて頂きながら楽しく勉強させて頂いております(隠れファンとも言いますが・・・)。
私は蛾に対してひどいアレルギーがあるため、スギドクガでも発症するのでしょうか。病院でのアレルギーテストではレッドゾーンまでが●で埋め尽くされて居りました。(余談ですがスギ・ヒノキ・ブタクサ花粉やハウスダスト数種には一切反応がありませんでした。)
リンクも拝見させて頂きたいのですが、見るだけで全身鳥肌がたって、痒みすら感じてしまう体質になってしまっておりまして(図鑑でも同じになります)、コワイモノ見たさという気持ちはあるのですが、体調の万全の時に拝見させて頂きますね。
(チャーさん、横レス失礼いたしました。)
ウミユスリカ
2006/07/31(月) 20:57:27
未芭様、
アレルギーの背景にある人間の免疫系はあまりにも複雑ですし、未解明の部分も多いので、私としてはなんとも・・・。そもそもスギドクガに人間の体に刺さりうる毒針毛があるのかどうかもちょっと自信がありません。ほかのドクガ科の毒針毛のあるべき場所には歯ブラシ状の毛の束がありはしますが、今度肌に押し付けてみようかな・・・。未芭様が病院で検査された蛾のアレルギーとは、何蛾をアレルゲンとして想定した検査だったのでしょうか?
未芭
2006/07/31(月) 21:23:15
スレ主のチャーさんを差し置いて、度々申し訳ありません。
2年程前に、年に3回も肺炎を起こしたことがありまして、その時にアレルギーチェックして頂いたものです。何蛾をアレルゲンとしているのか、聞いておけばよかったと後悔しています。余談ですが、30種近くを検査して頂きましたが、その中で、もう一つネコにアレルギーがあることが判明しました。こちらはイエローゾーンの真ん中辺りでした。でも私、猫を飼っているんです。胸に抱っこしてお昼寝をしても、クシャミも咳も出ませんし、発疹も出ません。これも何猫をアレルゲンとしているのか聞いておけばよかったと後悔しています。今度お世話になることがあったら、聞いて来ようと思います。
しかし、チャレンジャーですね。肌に押しつけてみようなどと・・・。流石です!
(だんだん本題から逸れてしまいました。申し訳ありません!)
植木屋 園主
[URL:http://members.aol.com/Oujien/]
2006/07/31(月) 22:49:05
こんちは〜♪
チャーさんも未芭 さんも辛いですね(ーー;)
ウミユスリカさんが全て解説はされていますので
私は体験談でも(^m^;)
イラガにチャドクガ同時に先日刺されたばかりで現在少しだけ痒みが残っています!
イラガは確認したのですが、まぁ確認しないまでもあの電撃的な痛さでは判りますけどね(^^ゞ
チャドクガ?が姿は見つけることが出来なかったし葉の食害痕も無いから抜け殻か何かの毒針毛があったのだと思います
庭での防御は生きていない死骸などなら叩き落とすなどは散らかすばかりで風向きによってはまともにきますよ
強烈な散水で先ず洗い落とすと被害は最小限で治まります!
チャー
2006/08/01(火) 09:37:49
皆様お返事ありがとうございました。5月から月に2回スミチオン、マラソンを散布しています。それでは効果はあまりありませんか、適当な駆除の方法はありませんか。
ウミユスリカ
2006/08/01(火) 09:50:44
先にも書き込みましたように、殺虫剤で虫を殺しても毒針毛は樹上に残っているので、刺されます。樹上に毒針毛を極力残さないためには、私が前に説明いたしました、若齢幼虫の群と卵塊を手で除去する方法が最も効果的だと考えております。
チャー
2006/08/01(火) 09:57:02
ウミユスリカさんありがとうございます。消毒をしていても、ドクガが飛んできて卵を産み付けていき、その卵には薬が効かないといううことですか。
ウミユスリカ
2006/08/01(火) 10:08:54
スミチオンやマラソンのような有機リン系殺虫剤には産卵予防効果はありません。あくまでも、活動している昆虫の神経系を狂わせて殺す効果があるだけです。すでに庭園に飛来している蛾を殺す効果はあるでしょうが、それでも続いて飛来します。殺虫剤をまいた場合でも、日頃丁寧に観察して卵塊や殺虫剤で死んだ毛虫の群を除去することによって、チャドクガに刺される被害は確実に減らせます。とにかく、死んで孵化しなかった卵塊や毛虫の死体、脱皮後の抜け殻でさえ刺してくる昆虫だということをご理解ください。私がチャドクガに殺虫剤を使わないのは、そのほうが(私にとっては)より若齢幼虫の群を発見しやすいという理由ですので、それによって密度を減らせる効果をも否定はいたしません。
とろのすけ
【近畿】
2006/08/01(火) 15:59:54
横レス失礼します。私もウミユスリカさんのファンでいつも興味津々にレスを拝見しております。
それはさておき、昨年の仕事場にたくさん植わっていたサザンカにチャドクガが大発生したことがありました。
みなさんのおっしゃられるように、枯れ枝などの整理をされるときは、風向き・強さに気を付け、完全防備、散水など行って毒毛の飛び散りを防ぎつつされるといいと思います。落とした葉や枝にも毒毛がついているので、速やかに密封して捨ててくださいね。
ふと思ったのですが、毒毛の付いた枝葉を野焼きや一般焼却炉で焼くと、やはり毒毛が飛び散りますかねえ・・・
ウミユスリカ
2006/08/01(火) 23:12:17
とろのすけ様、
いやぁ、熱であぶられれば、焼け焦げて毒針毛の機能は速やかに失われてしまうと思いますよ。あと、土に埋めてしまっても土壌中のバクテリアや菌類によってすぐに分解が始まり、毒も溶出してしまいます。ですから、私は実家の庭で駆除するときなどは、葉っぱでくるんで土や腐葉土の下に埋め込んでしまいます。
とろのすけ
【近畿】
2006/08/02(水) 10:09:07
なるほど、埋めてしまっても安全なのですね。
袋に入れてゴミに出すと、ゴミ回収の仕事の方に影響が出るかな、それなら焼いた方がいいのかしら、とか考えましたもので。
マックスパパ
【関東】
[URL:http://www.geocities.jp/e55amg_sinagawa/index.html]
2006/08/02(水) 20:59:44
みなさん、こんばんは!
チャドクと聞いて・・・(笑)ご一緒に入れてください。
私の勤める東京の区役所では公共公園に植わっているツバキ、サザンカで、一度でもチャドク発生した場合には撤去(実際は伐採)OKです。
理由は樹木、花の観賞より被害の方が多かった為ですね!
現在も都営住宅には多く植わっていますが・・・
古い話ですが、大量発生し仲間の公園作業員も数十人被害に合いました。
1 蜂の針と同じように、被害にあったら直に水道水の圧力で流す・・・水の勢いで刺さった針が抜ける可能性がある!
2 キンカンやアンモニアは効果が無いに等しい・・・
3 あらかじめショックを抑える予防注射も可能・・・?
これらは当時の講習会(医師)からの話です。
余談的な笑い話ですが・・・
真冬なら大丈夫だろうと、しかし夏に薬剤散布した樹木でも被害になりました。(軽症で助かりましたが)
夏にも数回被害にあったけど、恥ずかしくてプールや海水浴には行かれません(笑)2週間程跡が残ります。
まったく被害にならない職員もいます。
風上から高枝きりを使用し、離れた場所から切る。そして大きなビニール袋に入れる。
こんな作業が面倒ですから、大丈夫な職員を呼んで手伝ってもらいます(笑)
また、伐採後数年すると同じ樹木に付着するんですよね?不思議ですね。
組合が交渉して、チャドクガ等の被害に合った場合「労務災害」に認定してもらっています。小さなお子様の場合、発熱があるそうですね?
みなさんのお話、大変参考になりました。ありがとうございます・・・
ウミユスリカ
2006/08/02(水) 23:10:22
マックスパパさま、
>1 蜂の針と同じように、被害にあったら直に水道水の圧力で流す・・・水の勢いで刺さった針が抜ける可能性がある!
粘着テープを皮膚に貼り付けて、半刺さりした分も含めてくっつけてから引き剥がし、それから水で洗い流すとさらに効果があります。ただし、長年チャドクガの毒針毛に触れ続けた人の場合は、刺された時の即時反応が起きなくなっているため、手当てが遅れがちになってしまう欠点があります。
>2 キンカンやアンモニアは効果が無いに等しい・・・
ドクガの毒針毛の中には、フォスフォリパーゼや、ヒアルロニダーゼなどの皮下組織の構成物質を分解する酵素が含まれています。ドクガ皮膚炎は、これらの酵素が皮膚内の物質に作用した上に、さらに酵素に対するアレルギー反応を引き起こしているようです。イラガ系の毒素がヒスタミンを含んでいて電撃的だけれども比較的短時間で痛みが引く症状であることとの違いは、こういうところにあるようです。つまり、蟻酸のようにアルカリで中和して毒作用が弱まる物質は含まれていないわけです。アレルギー反応の時には、皮膚内の肥満細胞と呼ばれる免疫系細胞からヒスタミンが出て症状を起こしていますので、抗ヒスタミン外用剤の効果が期待できます。
>3 あらかじめショックを抑える予防注射も可能・・・?
アレルギー性のショック症状を起こしやすい人には必要な措置でしょう。
>真冬なら大丈夫だろうと、しかし夏に薬剤散布した樹木でも被害になりました。(軽症で助かりましたが)
夏にいくら散布しても、外から飛来する蛾はいますし、まして冬なら葉の裏で毒針毛にまみれた卵塊が越冬中です。
>また、伐採後数年すると同じ樹木に付着するんですよね?不思議ですね。
いくら伐採しても、チャドクガの成虫には翅がありますから、いくらでも飛んできます。
園芸相談掲示板@園芸相談センター