うどんこ病の伝染

[園芸相談センター]の過去ログです

ケロリン55 【東北】 2006/07/18(火) 20:20:21
うどんこ病の、種類のこえた花木にも伝染力があるのかが質問なのですが・・・。バラを庭で栽培していまして、庭にハナミズキが二本2bがあります。バラは、週一で予防・予防・治療などというローテーションで薬剤散布しています。参考にしているのは「ピシャと効かす農薬便利帳」です。うどんこは、種類を超えてという表現が正しいかはわかりませんが、うどんこ病の中で種類がわかれているとの記載をよく目にします。しかし、自宅庭で薬剤散布をしていないのはハナミズキのみでひどいうどんこ病をわずらっています.今まで、違う種類のうどんこ病だとたかをくくっていたのですが、どうでしょうか。バラのうどんこは、完全状態のゴマシオ状で落ち着いていますが。なぜ、うどんこにかかるのか・・・。特効薬のバイレトンとミラネシンで治療していますが、根絶(冬季の作業などで)しないのがハナミズキのうどんこのような気がしてなりません.今月は雨ばかりで乾燥とは無縁の状態です。黒点は今のところ発生はしていません。やはり、移るものなのでしょうか.うどんこが発生しやすいのでどちらもとは思いますが・・・・。いかがなものでしょうか。

cactus 2006/07/18(火) 20:46:13
うどん粉病は糸状菌病の一種で、主に葉や茎の表面で繁殖します。
菌糸を葉や茎の中に伸ばして、栄養分を吸収して被害を大きくします。
バラのうどん粉病が先か、ハナミズキのうどん粉病が先かは分りません
が、いずれにしても胞子が風で運ばれて感染したと思って間違いは無い
と思います。

発病初期なら薬剤で対応出来ますが、末期になると薬剤も効果がないの
で、最悪な場合は感染をした葉や茎を除去して焼却処分をする必要があ
ります。現在では野焼きは禁止されているので、胞子が飛ばないように
袋に入れて密封し、可燃物の日に出すしかありません。
うどん粉病は湿度が低くても発生し、幹下などで雨の当たらない場所や
日当たりが悪い場所でも発生する厄介な病気です。

発生を確認したら早めに薬剤散布を行い、何もしないで放置する事は良
くありません。バラだけ薬剤散布しても意味が無く、発生した植物全て
に行なうようにして下さい。何回か使用して効果が見られない時は、そ
の薬剤の使用を止めて、別の薬剤を使用すれば効果が出る場合もありま
す。ただ自分で薬剤を決めないで、必ず薬剤に詳しい方の指示を受ける
ようにして下さい。

窒素が多くてカリが不足すると発生しやすくなり、窒素を控えてカリを
多くすれば少しは発生が少なくなるかも知れません。

ケロリン55 2006/07/18(火) 21:00:58
cactus 様 早速ありがとうございます。 やはり、ハナミズキを明日の天気しだいですが、治療剤を散布してみます。そして、もし、効かないようでしたら、ばっさり切る事にします。 発生時期につきましては、ハナミズキの方が先のようでもあるのですがはっきりしません。
あと、もうひとつの問題点ですが、東側の空き地の雑草にもうどんこ(本当にクローバーなどが白くまぶれている)が出ているようなんです。ここが原因だとすると、予防と根を丈夫にするしかないのかなと思います.
肥料については、うどんこは控えていまして、自分でブレンドしたり、近くのバラを専門に売っている店のお勧め品をあげています.
薬剤については、今年、けっこう買い増しして種類に抵抗性がつかないように工夫しています。
ただ、専門の人に相談したいのですが、近くのバラ店で使用している薬剤とはほぼ一致していましてしかし、そこでもうどんこがかなり発生しています。
薬剤を購入している農協の購買のある支店の薬剤に詳しい方にも相談はしていますが、バラとなるといまひとつ回答が得られません.
とりあえず、ハナミズキに目が向いたので、うどんこの治療をあわせて行ってみます.
バラのうどんこ部分は、けっこう切って処理はしています。
私、バラの花より、きれいな葉がすきなものですので、蕾も発生がみられたら切っています.

アドバイスありがとうございました。

ケロリン55 2006/07/18(火) 21:02:30
誤記がありました。
「肥料については、うどんこは控えていまして」が、うどんこではなくて「窒素分」のまちがいでした。

R・ひろき 【関東】 2006/07/18(火) 22:18:03
 こんにちは。

 バラのうどんこ病は、バラ以外に感染せず、バラ以外のうどんこ病はバラに感染しないという本があります。例外が一部、ノイバラにあるということです。
 普通の栽培本ではなく、切り花農家用の本で、信頼性は高いと思います。
「バラの生産技術と流通 大川清著 株式会社養賢堂1998」
 根拠としてあげられるのは、この1冊しか持っておりません。
 インターネット上でも、うどんこ病、とくに木の類のものは、宿主範囲が狭いということがあげられております。

 我が家の隣の家で、ハナミズキがあり、10メートル程度の位置で、うどんこ病だらけです。毎年そうなのですが、とくに、その家の近くから感染したことはなく、去年は、バラのうどんこ病は出ませんでした。今年は3株に出ましたが、隣のハナミズキとは離れた場所です。(全体で250〜300株くらいです。)
 逆に、バラ苗などで、うどんこ病にやられたものを購入しますと、予防剤の切れ目などに早く広がることもあります。

 とりあえず、バラ以外のうどんこ病がバラに移るかという問題は、私は、移らないというふうにお答えします。
 少なくとも、周辺の植物すべてのうどんこ病が、バラに全部感染するということはありません。
 ただ、どんな定説も覆ることもありますから、ご自分の庭で、ハナミズキのものが感染したと思えたら、そうなのかもしれません。


>完全状態のゴマシオ状で落ち着いていますが。

 うどんこ病は、この状態で、子ども(子のう胞子)ができてごま塩になりますと、不都合が幾つかあります。
 麦などでは、子のう殻を持っていますので、越冬や越夏に有利です。
 バラで、これが出来るまでうどんこ病を成熟させたことはないのですが、出来ない状態よりは、越冬に有利かと思います。これが出来ていますと、冬にバラのうどんこ病が根絶できていない可能性があります。


>特効薬のバイレトンとミラネシンで治療していますが、根絶(冬季の作業などで)しないのがハナミズキのうどんこのような気がしてなりません.

 バイレトンとミラネシンは、交互に使用されると、各々が違う効き方をする農薬ですので、しばらくはうどんこ病を治すことができます。
 しかし、2種類の治療剤を使用しているとはいえ、ずっと使っていますと、両方に耐性が出来ることがあります。
 おそらくですが、本当に子のう胞子が出来ている状態でしたら、交配も完了ということで、この2剤にはかなりの耐性がついていると思われます。

 このような耐性の発生を防ぐには、お持ちの本にも書いてあるかと思いますが、効かなくなった治療剤は使わないこと、別の作用点を持つ治療剤と、もともと作用点が広い治療剤を併用することです。バイレトンとミラネシンの使用をやめ、他のものを使ってみてはと思います。
 うどんこ病が出続けている状態では、予防剤のほうをローテーションしても、防ぎきれないことがあります。
 初めて使う農薬でも、すでに自分の庭では効かないこともありますから、新しく使い始めたものが常に効くとは限りません。散布後、うどんこ病が逆に増えるようでしたら、それは効いていないということです。

 治療剤をかなり買い足しておられて、十分なローテーションをしているという場合は、展着剤を替えてみてはと思います。お持ちの本のなかのアビオンEは、バラに使えるような登録が下りましたし、アプローチBIのほうも使えると思います。

 展着剤もすでに工夫されているということでしたら、
>週一で予防・予防・治療などというローテーション
 この部分を、
週一で予防+治療、予防+治療、予防+治療
 としてみてはいがかでしょうか。
 予防剤をローテーションするだけではなく、治療剤のほうも、バイレトンとミラネシン以外を使ってローテーションをします。間に、酷い場合は効きにくいとは思いますが、カリグリーンかハーモメイトを、治療剤としてはさんでみてください。混合できるかどうかは、その都度、説明書や事例で確認してみてください。

 で、最後は、弱ったバラ用の液肥を、軽く葉面散布してみてください。うどんこ病が出ているあたりです。

 ごま塩になった部分は、とくに重点的にチェックして、切り捨ててはと思います。
 あまり酷く白くなった部分、分生胞子ができている部分も切っておられるとは思うのですが、切った方がやはり薬が効きやすいです。


>完全状態のゴマシオ状で落ち着いていますが。

 再度、この部分ですが、このゴマシオ状態、ベト病に多少似ています。なにをやっても効かないときは、ベト病かもしれません。ベト病は効く農薬、とくに治療剤が異なります。

ウミユスリカ 2006/07/18(火) 22:31:14
うどん粉病菌は、大まかな傾向として、樹木寄生性のものは宿主特異性が高く、決まった分類群の、しかも葉の表裏まで限定して寄生しており、草本寄生性のものは宿主特異性が低く、比較的多くの範囲の宿主に寄生するといわれています。いま、千葉の実家に帰っていて、北海道に置いてある日本産のうどん粉病菌を網羅した文献を参照できないのでちょっと断言は避けておきますが、ハナミズキとバラのうどん粉病は同じ種類の菌とはちょっと考えにくいですね。

また、うどん粉病菌の胞子には2種類あるのをご存知でしょうか。葉の表面に白く粉をまぶしたように生じる胞子は分生子といって、無性的に生じるものです。この胞子は夏の繁殖期にはどんどん飛散して、飛び散った先の適合した宿主の葉に落ちると、どんどん発芽して新しいコロニーを作ります。しかし、乾燥した葉の上で水の助けを借りずに発芽できるほどの性質のため、雨に濡れるだけで水を吸いすぎて破裂し、死滅してしまうので、自然界で長期間休眠して生存することはありません。だからこそ、雨の当たらない環境や湿度の低い場所で発生しやすいわけです。いわゆるかびがじめじめしたところを好むとみなされがちなのと、かなり様相が異なる生理特性を持っているのです。

また、うどん粉病菌は秋になると有性生殖をして肉眼でようやく見えるぐらいの微小な黒い粒状の子実体(きのこ)を葉の上に形成します。この微小なきのこは成熟すると葉の表面から離脱し、植物の枝に引っかかったり、土に落ちたりして越冬、春になると有性生殖によって生じた子嚢胞子(真正胞子)を中から射出して、新芽に寄生、新しい世代を開始するわけです。

つまり、うどん粉病菌の胞子を封じ込めるには、秋に生じた子実体を封じ込めてしまえばいいわけですね。ですから、夏に剪定した罹患茎葉はすぐに水に数日間漬けてしまう。秋に剪定したものは、土に埋めてしまうという対応でも、新世代を抑える一定の効果があると思います。土の中の子実体が地表に菌糸を伸ばして胞子を出すというのは、うどん粉病菌の場合はまず起こらないでしょう。

ケロリン55 2006/07/19(水) 10:08:11
[[解決]]
R・ひろき 様 ウミユスリカ様

ありがとうごさいます。
うどんこが、他の花木とは 違う種類という 解釈で 安心しました。

薬剤の散布の方法を工夫してみます。

散布薬の、予防+治療 は是非試してみます。

葉のごましお部分は、切り取ります.
(うどんこ 末期 なのか、薬害なのか、それとも ベト病という危険もあるのとは・・・ 今の自分の目では判断がつかないので。)

根を丈夫にするよう、キトサンなど有益と言われている物を 土にすきこむ事も あわせて試してみます。

色々 勉強になり、自分でうる覚えならぬ うる解釈が 不安の種となり アドバイスいただけた事を 感謝 いたします。

皆様、どんな 庭で バラを栽培されているのでしょうか。
バラ園を色々見て周りましたが、よそ様の 自家栽培のバラが 一番みてみたいです。
1軒1軒 条件が異なるバラ栽培でしょうから 工夫やバラの種類も 個性があると思いますので。

ありがとうございました。

R・ひろき 【関東】 2006/07/19(水) 11:39:05
 こんにちは。
 解決済みのところすみません。
 少し、追記させてください。

>>完全状態のゴマシオ状で落ち着いていますが。

 バラのうどんこ病は、これをあまり作らないのです。
 昨日あげた本は、1998年のものですが、その時点で、日本では発見されていないと書いてあります。アメリカでは見つかったということでした。
 昨年出版された別の本でも、まだ日本では発見されていないと書いてあります。
 越冬のために作るということもないのです。

 ただ、個人の庭まで全部調べたわけではないと思いますので、出てくる可能性もありますが、ごく少ないのではないかと思われます。
 出てきても、バラが落葉しないこの時期にあるかどうかです。他の植物では、この時期にできるものもあります。

 万一、これが出てくると、あとが面倒なので、酷くならないうちに治しておくことは必要です。
 念のため、地上に落ちた時のことを考えて、秋遅くに、地面の上のマルチングをそのままにせず、捨てしまうなどしておいたほうがよいかもしれないですね。


>バラ園を色々見て周りましたが、よそ様の 自家栽培のバラが 一番みてみたいです。

 お近くの地域のバラ会に入会されると、剪定講習会等で、ほかのかたのお庭を見せていただけることもあります。
 地域別のバラ会については、日本ばら会のホームページのイベント情報のところに載っています。連絡先まではありませんので、名前を確認した後、別にまた検索してみてください。

ケロリン55 2006/07/19(水) 19:31:18
すみません追記です。

うどんこの被害がひどい今年購入の、寒風にさらされていたベビー苗(新苗よりほんとにベビー)「マダムピエールオディエ」の葉を観察してきました。
新葉と新梢は 健康な状態になっています。
が、さんざん薬と戦った葉をむしろうと思いよくよく見ました.
裏側に良く引用される、「白い霜柱のような粉」があるのをマジマジと発見しました。表面は、灰色ゴマゴマした感じです。
重曹で拭いた時に黒くなったのかなーと思っていて、葉裏はよく見ていませんでした.(マズイ)
これって、R・ひろき 様が 記載してくれていたベト病??でしょうか。
ネットや本で 写真に載っている 葉表の 状態とはちょっと違うのですが.
確かに、うどんこも出ていますが、ミックスで発病している可能性もあるのではと疑いを持ちました.
予防剤で、ジマンダイセンを組込んでいたので、他のバラには伝染しなかったのかもしれないです。
マダムピエール 、花はさきました。小粒ながら3花。

うーん、ベトの治療剤次回、散布してみます。

うなるしかない現状です。

R・ひろき 【関東】 2006/07/19(水) 21:13:44
 こんにちは。

>これって、R・ひろき 様が 記載してくれていたベト病??でしょうか。

 ご参考までに、べと病の性質等について、書いてみます。
 
 べと病は、表にシミ、裏にカビ、そして落葉というふうに言われています。よく調べると、表のシミの色も、黄灰色から汚れた紫色まであり、たまにシミがないこともあり、部分的に黄変もあり、ということなので、これもまた症状だけでは何ともわかりません。
 べと病は、多発する温度湿度の範囲が、うどんこ病よりかなり狭いです。その条件が続いたときに、それらしいものが急激に出てきたときは、べと病だと思います。
 葉裏にしかカビが出てこないのがべと病とする本もありますが、うどんこ病でも、葉裏に出てくるものがあり、これだけでは区別はつきにくいです。べと病の葉裏のカビは、湿度が低くなってくると消えると書いた本もありまして、湿度が低くなったときにカビが見えなくなったら、べと病なのかとも考えられます。酷い落葉を伴う場合は、べと病です。うどんこ病では、酷く葉が落ちるということはなく、ねじれたままくっついています。
 庭での対応としては、温度湿度の条件が、べと病の多発条件に合った場合、べと病も疑ってみるというのもいいかもしれません。

 最近、関東地方では、ずっと雨が続いて、葉裏が何時間も濡れっぱなしです。夕方になって急激に気温が下がると、湿度が100%近くになり、それが一晩くらい軽く続いています。気温はややこの時期にしては低く、25度以下であることが多いです。温室等では、気温が下がって湿度が上がりだし、結露が起きて一晩くらいたつと、多発することがあります。
 露地ではやや少ない病気です。


[園芸相談センター]の過去ログです

園芸相談掲示板@園芸相談センター園芸相談センター