栄養を吸収すると言う事とは

[園芸相談センター]の過去ログです

M2 【中国】 2006/07/07(金) 08:24:46
初めて、質問させていただきます。M2(エムツー)といいます。以後、よろしくお願いします。

本日、チャットをしていて、チャット後自分の言った事に矛盾が生じている事に気付き、皆さんがどう理解して?どう実行されているか?気になって来ましたので、スレ立たせていただきました。

私はチャットしている時まで「浸透圧の原理」で栄養も吸収していると思っていました。が、よくよく考えると、それですと「水分」しか移動出来ないと(または、それ同等か、それ以下の大きさの物)気付きました。

そこで、皆さんがどう考えていらしてか?(理解なさっているか?)
それでいて、どう実行されていらしてか?
教えて頂けると幸いと思い質問とさせて頂きます。
どうかよろしくお願いします。

ハッピ−マン 2006/07/08(土) 01:55:28
M2さん、こんばんは。
根っ子の仕事とはなんなのか、考えましょう。
@根っ子も呼吸していると聞く・・・気体も吸収できるのか?
A連作障害の原因のひとつは老廃物の蓄積だと聞く・・・根から何かが外にでるのか?
B肥料の三要素や微量元素のことを聞く・・・必要な元素を選択的に吸収することができるか?
C根の形に種類があるのはなぜか・・・ヒゲ根、直根の違いはどうして?
D茎と根っ子の境目はどうなっているのか?
E道管とか篩管は動物の血管と同じような仕事をしていると考えてよいのか?
F植物には心臓がないのに液が移動するとすれば、その原動力はなにか?

M2さんのご質問にお答えするには、↑の問いかけに答えなければなりませんね。みなさんよろしくお願いいたします。

たちつ 【近畿】 2006/07/08(土) 04:37:22

浸透圧に拘り過ぎですね。
 原理原則ですから、部品や構造も理解しないと仕方がない。
 これは、濃度の濃いほうに、吸い寄せられる。染み込むということで、イオン交換方式の海水の淡水化と勘違いしていると考えられます。
フィルターの性質の違い。雑巾は、水も醤油も滲みこみます。
清水器・浄水器・ろ過器(通過)と整水器(分離調合)と純水器(蒸留)との違いのようなもの。

根は、濃度調節を運動エネルギーにした「ろ過器」で、水を媒体にして、それに含まれる、栄養成分を取り入れています。ここは精密で、壊れやすいので、常に再生されています。耐用年数が短い。2-3日とも言われています。
ちなみに、簡易浄水器は、水道の送水圧力で、漏斗ろ紙・井戸水は、引力ですし、雑巾は、毛管現象です。

【浸透圧】
半透膜を隔てて溶媒と溶液をおいたとき、溶媒の一部が膜を透過して溶液側へ移動することによって平衡に達する。その際に両液の間に生じる圧力差。その大きさは溶液の濃度差と絶対温度に比例する。



Iwasaki 【近畿】 2006/07/08(土) 05:45:10
実際人等の動物と植物では、構造的に水分等の移動環境は違いますが、細胞の成長は似ています。
まず、たちつさんが書かれているように、浸透圧にのみ目が行き安いので仕方が無いのですが、植物の細胞は、人の細胞と同じく分裂を行い、成長し、養分や酸素を消費し、古い細胞を廃棄しています。
浸透圧が問題に成るのは、肥料等の濃度によって細胞壁から水分が出て行く為で、漬物等が良い例です。
実際の植物の水分等の移動は、毛管現象により行われています。
此れの理解する為には、植物の繊維の向きと繊維の太さを見れば解り易いと思います。浸透圧の場合は、管状にする必要は有りません。
毛管現象の利点は、浸透圧と違い水の中に溶け込んだ養分は、水と一緒に移動します。
又、果実等の水分を溜める為には、細胞の分裂等による運動エネルギーがスポイドの様な働きを起し水分と養分を蓄えると推測されます。
果実の栄養分は細胞膜から水分の蒸散作用等により濃縮されると思われます。

ウミユスリカ 2006/07/08(土) 10:39:39
まず、M2さんに。

植物の根に水分や栄養塩が吸収される最初の段階は、単なる拡散です。つまり、根の皮層部分の細胞壁の中に単純にしみ込んでいくわけですね。さらに、一部は根毛など皮層を構成している細胞の原形質の内部まで吸い込まれもします。これは、細胞壁の内側にある細胞膜の表面で、わざわざエネルギーを使って細胞膜上にあるタンパク質でできた物質の吸収ゲートを駆動し、栄養塩のイオンを選択して内部に取り込んでいるわけです。この機構がたちつさんのおっしゃっておられるあたりですね。根の皮層のある程度内側までは、細胞壁伝いの拡散ルートと、細胞内部を通して選択吸収された栄養塩類と水分がバトンタッチされて運ばれるルートが併用されます。しかし、皮層の中層の細胞壁にはカスパリー線と呼ばれる防水シールが存在し、それ以上は細胞壁伝いに内部への拡散は不可能となります。ここですべての水分と栄養塩類がいったん細胞の内部にエネルギーを使って選択的に取り込まれ、次いで内皮と呼ばれる皮層の内層部分の細胞間で、水分と栄養塩類がバトンタッチされていき、最終的に維管束の導管に注入されます。つまり、植物の体内に運び込まれた物質は、必ずいったんはこの内皮細胞内通過の洗礼を経て、選択された物質に絞り込まれているというのが重要なポイントですね。Iwasakiさんのおっしゃる毛管現象による水分運搬は、ここから先になります。あと、栄養塩類の中でも植物と土壌微生物が熾烈に奪い合いをしている窒素と燐酸に関しては、ちょっと様子が異なってきます。これらの奪い合いに関しては、植物はいくら根毛を駆使しても、菌類や細菌類には太刀打ちできません。そこで、多くの植物は特定の菌類と共生して菌根という組織を作り、共生菌類に糖分を供給する見返りに、土壌から窒素や燐酸を獲得してもらい、根の細胞に手渡してもらっています。

次にハッピーマンさんの問いかけに関して

@多くの植物では土壌間隙の空気に含まれる酸素を、土壌間隙水への溶け込みを介して吸収しています。しかし、湿地に生える植物や水草の場合、泥の中は酸欠状態なので葉から根まで通じたダクトがあって、根に空気を直接送り込んでいます。蓮根の穴を思い浮かべましょう。

A根と土壌の間の物質のやりとりはかなり複雑です。最近の研究では、根は光合成で作った余剰の糖分を相当多量に根から土壌中に分泌していることが知られてきています。ほかにもアレロパシーといってたのライバル植物にダメージを与える化学物質を分泌したり、菌類ほかさまざまな微生物との共生システムや寄生関係の構築によって、根圏土壌にはきわめて複雑な生態系が成立しています。

Bこれは、先ほど述べましたね。細胞膜上に、エネルギーを使ったり、直接は使わなかったり、はたまた他の物質の取り込みに同調して引き込むなどといったさまざまなメカニズムの選択的取り込みシステムが構築されています。

Cこれは、植物体の生活型のあり方やら、土壌環境と植物の相互作用やら、系統的な制約やら、いろんな要素がからんできますね。ひとことではとても、とても。ケースワークをいろいろと取り上げながら、論じていく必要があるでしょう。

Dもう、非常に大雑把に乱暴に言うと、根から茎へ維管束が移行する時、胚軸という立体交差ポイントで、今まで内皮細胞から水分と栄養塩類をバトンタッチしなければならなかったので表層にあった導管が内側へ、これから表層の同化組織から糖やアミノ酸を受け取ったり、やはり表層にある活発に活動している分裂組織などに糖やアミノ酸を供与しなければならない篩管が表層に移動してきます。

E動物の血管に似た点は栄養素や水分の運搬ですが、動物のように酸素や二酸化炭素は運びません。また、血管には維管束のように、植物体を重力に逆らって支える骨格としての機能は持ち合わせません。

Fさっきは毛管現象のことを言いましたが、厳密に言うと、それにいくつかの要素が加わっています。たとえば、根の内部や幹で導管の水柱に根圧だの幹圧だのといった力が加わっていることが知られています。また、毛管現象についてもちょっと付け加えておくと、独自にそういう力があるというより、これは分子どうしが引っ張り合う力なんですね。非常に細かい管だと、管の壁と水の分子が引っ張り合う力が、水そのものにかかる重力を凌駕してしまって、水がするすると壁を登っていってしまう、そういうことなんです。

wow 2006/07/08(土) 10:43:13
@天気がいい日は葉から水分を蒸散することによって、地上部が乾燥気味になり、毛管現象で根から水分が吸い上げられる。

A天気が悪い日は光合成が活発でないので、あまり水分を必要としない。葉からの蒸散も少ないので、毛管現象で吸い上げる水分の量も減る。

B根の浸透圧は通常、毛管現象で吸い上げる力よりも弱くて問題にならない。しかし、肥料濃度が高くなると、根から水分が出る方向で浸透圧が働く。つまり、植物は思うように水分を吸い上げることができなくなり、しおれてしまう。

こんなイメージだと思っていたのですが・・・

たちつ 【近畿】 2006/07/08(土) 12:21:04

毛管現象・浸透圧・気圧・伝達引渡しなど色々な仕組みを混ぜこぜにして考えないと、仕方がないですよ。
一つの現象だけなら、10m以上の樹は存在できなくなります。高い山に生える樹は、もっと低くなる。

単純に、葉が萎れれば水をやれば、元気になる。
しばらくして、シャキっとしなければ、根が腐っている。
と割り切って、考えたほうが楽。
後は、生きるも死ぬも、お天とうしだい。雨が降ろうが、槍が降ろうが、取り合えず見に行く。雪が積もれば解けるまで、寝て待つ。
暇があれば、草を引き抜いて、株元に敷いたり、土を寄せる。
このような感じで良いのでは。
一寸、時代遅れかもね。



Iwasaki 【近畿】 2006/07/08(土) 12:54:18
たちつさん、園芸を楽しむ物としてはお天道様しだいと言うのは、寂しい気もします。
wowさんが、だいぶ詳しく説明されていますが、実際に動植物の生命維持活動に伴う現象は物凄く複雑です。
細胞一つとっても複数の現象で維持されていますし又、外部の影響も良く受けます。
まして、植物全体を見るとかなり膨大な量に成りますし、未だに解明されていない物も多く含まれています。
又、植物の種類によっても変わってくる事も有りますから簡単には理解出来ないと思います。

ところで、オジギソウや蝿取り草の運動エネルギーていかほどなんでしょうね?

Iwasaki 【近畿】 2006/07/08(土) 12:58:13
あれれ、書いたのに抜け落ちました、「ウミユスリカさんやwowさんが」に訂正してください。

ハッピ−マン 2006/07/08(土) 13:30:56
ウミユスリカさんはじめ皆さんありがとうございます。
園芸相談というより余談とう感じの話になりますが・・・。

根っ子の表皮(表面)から栄養素のイオンが吸収されるのは拡散力ですね。これは簡単にいえば、表皮を介してイオン濃度が高いほうから低いほうへイオンが移動する力が生まれるということですね。表皮はイオンを通過させるのでミクロの単位では穴だらけです。そしてその穴の近くに番人(これは多くが電価を持つたんぱく質)がいて入って来たイオンや出て行くイオンを選別する。これを繰り返しながらイオンは表皮から道管へと移動する。ただしイオンは水溶液の状態でないと移動できないので水も移動することになります。 そして次に水と栄養素のイオンを分離する番人がいて栄養素のイオンが選別、濃縮されます。そしてこれと平行して道管内の蒸散と毛細管現象によるポンプ機能が働きます。

M2さん、植物に生命力がある間は、生命維持の機能が仕事をしています。細胞分裂もそうですが、エネルギ−の溜め込みができます。死んでしまうと単なる物質となってしまいます。植物の生きるエネルギ−の根幹は光からえるエネルギ−です。

栄養素のイオンを選別する番人がいると書きましたが、これは万能ではありません。人にとって有害な金属イオンも時として吸収、蓄積します。

地中を伸びる根は、それはあたかも炭鉱の仕事ににています。石炭だけを100%取り出すことはできません。発破して回収して選別して輸送する。それぞれの仕事をする機能が備わっている。植物の場合は水が運び屋さんの仕事をする。という感じかな〜♪

たちつ 【近畿】 2006/07/08(土) 19:36:34
>園芸を楽しむ物としてはお天道様しだいと言うのは、寂しい気もします。
同感です。納得します。

細かく考えれば、植物の構造から始まって、蛋白質の種類とその働きや連携・ネットワーク・運動(刺激と反応)まで、観察しなければならなくなる。さらに、関連して、葉面吸水のメカニズムとか、退化根・寄生根の例外まで・・・・・挙句の果てに海草・水草とか進化まで・・・
キッチリと纏めれば、博士号も間違いなし。尤も+αをどうするかの問題もある。定義して、+αを省略しても良さそう。

といいつつ、ちゃっかりとDLキープしている私です。(^_^;)



M2 【中国】 2006/07/09(日) 01:45:13
[[解決]]
皆さん、お返事ありがとうございます。

確かに、あまりにも拘りすぎていたようです。(私の実践では)浸透圧を利用しての栽培方法が身近に有った為、其処に固執してしまって居たようです。単純に(自分が単純でした・・・・)栄養の吸収についてだけ見てしまった事から見てもその部分に拘ってしまってますし・・・

改めて、自分の未熟さを思いました・・・
ご迷惑お掛けした方、申し訳ありませんでした。
ご協力頂いた方、ありがとうございました。
意見を参考にさせていただいて、実行出来る様がんばりたいと思います。
とりあえず、解決とさせていただきます。

大変、ありがとうございました。


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