葉っぱの無いポインセチアの剪定と植え替えについて

[園芸相談センター]の過去ログです

JUN 【近畿】 2006/05/26(金) 22:16:58
以前ポインセチアのことで一度相談させていただきました.
今回は剪定と植え替えについて教えていただけますでしょうか?
植え替えよりも剪定を先にやった方が良いと聞いて,剪定の道具を購入してきたのですが,どこで切ればいいのかがわからないのです…過去ログも参照しましたが,ポインセチアの状態が悪くて心配です.
一昨年の12月に購入したものと,去年の初夏に折れた枝を挿し木して根付いたものがありますが,親株の方が特に具合が悪く葉がほとんどありません.
芽はたくさん出ているのですが,何ヵ月経っても育たないという状況です.
どうしてやれば元気になってくれるのか判らず困っています.
http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/chibi2006/c0408_2006_02.jpg
先月8日↑
http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/chibi2006/c0526_2006.jpg
今日の写真↑
葉っぱが全然大きくなってくれません…この状態で剪定,植え替えをして大丈夫でしょうか?
剪定する場合はどこから切れば良いのでしょうか?
小さい方は昨年短日処理が成功しましたが,年明け以降元気がなくなっていました.
http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/chibi2006/cc0408_2006.jpg
現在はかなり元気になっています.
http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/chibi2006/cc0526_2006.jpg
3本枝が分かれていていますがなんだか間延びした感じです.小さいですが剪定した方が良いでしょうか?
それから…肥料についてですが,丸い固形のものをあげるといつまでも溶けずに転がっているのですが,これは定期的に取り替えるものなのでしょうか??
そういう記載はどこにもないので,どうしたものかと考えています.

それでは,よろしくお願いいたします.

ぽー 【関東】 2006/05/27(土) 00:27:36
前回のご質問というのは、これですね。↓
http://botany.cool.ne.jp/wwwlng.cgi?print+200605/06050018.txt

もう成長期に入っていますから、本来なら(挿し木した小株のように)どんどん葉を展開する時期です。それが、いまのように新芽が出ても育たないのは、やはり根に重大な傷害が起きていると想像します。
このままでは、弱ることはあっても、元気になる可能性は少ないのでは。
すぐに植え替えたほうがいいと思います。

【植え替えについて】

親株のほうは、昨年一度植え替えたんですよね?
その後きちんと生長していない=根も育っていないようですし、サイズ的にも、鉢増しする必要はないでしょう。いまと同じ鉢で、新しい土で植えればいいと思います。
写真を見るかぎり、土が乾いていないように見えます。新芽が伸びないことも考え合わせると、根腐れを起こしている印象です。
土を1/3〜半分くらい落とし、前回のハッピーマンさんの回答のように、変色した根・ずるずる腐ったような根・長く伸びすぎた根は切りとってください。

>ポインセチアは根が弱いので触ってはいけないと聞いたのですが,私のような素人が触っても大丈夫でしょうか?
と前回のご質問でお書きですが、ポインセチアの根がとくに弱いという話は私は聞いた記憶がありません。また、うちのポインセチアも上記の手順で植え替えていますが、それで枯れたことはないですよ。
腐った根をそのままにしておくと、せっかく新しい土で植えても、根が再生するのに時間がかかってしまいます。

土はどんなものを使っていますか? 一般的な「赤玉土7:腐葉土3」の基本用土、または市販の花用培養土でいいと思いますが、基本的に過湿に弱い植物なので、水はけに注意してください。
水はけが悪いようなら、バーミキュライトかパーライトなどを1割程度混ぜたほうがいいかもしれません。

【剪定について】

>植え替えよりも剪定を先にやった方が良いと聞いて
今回は、同時でかまわないと思いますよ。
普通は株の負担をやわらげるために、植え替えと同時、または少し前に剪定します(植え替えによる根いたみ→根からの吸水力が落ちる→そのままでは葉が枯れたりする→予防として、枝葉を剪定して蒸散量を抑える)。

ただ、花木の場合は花芽形成の時期がありますので、それも考慮する必要があります。
ポインセチアの場合は短日花=人工的であれ自然状態であれ、数か月間短日が続けば花芽がつきますので、剪定時期は成長期であればいつでも可能だと思います(通常はクリスマスに色づいた葉を楽しむため、9月ごろ短日処理を開始しますから、剪定は春〜8月いっぱいが適期になります)。

「植え替えより先に剪定」というのは、たぶん、健康な株だと植え替え適期(戸外に出せる5月ごろ)より先にどんどん新芽が出てきてしまうので、樹形を整えるためには早めに剪定しましょう・・・ということではないでしょうか。

>剪定する場合はどこから切れば良いのでしょうか?
健康な株でしたら、私は「根元から10〜20センチぐらいのところでバッサリ切って」とアドバイスするのですが、ここまで弱っているのは、どうなんでしょうね? 
また、ポインセチアは品種によって枝ぶりもかなり違いますので、本来の美しく見える形に仕上げたいですよね。この子のもともとの樹形はどうなんでしょう。2枚目(今日の写真)を見ると、左側の枝など1か所から5本もの太い枝が出ていますが、これが本来の姿なんでしょうか。

だとしたら、この分岐しているところと先端との、ちょうど半分あたりで切ってみて、しばらく様子見。
新芽が出てきたら、いちばん下の新芽を残して少し上で切る・・・という二段構え剪定が、無難かなあと思います。
分枝している下から出ている新芽は、とりあえずそのままで。植え替えて体力がついてきたら、こちらも伸び出すと思いますので、あまり込み合うようでしたら、少し間引くように整理したほうがいいかもしれません。

なお、ポインセチアは切ったところから白い樹液が出ます。よく拭きとり、できれば癒合剤(トップジンMなど)を塗っておくと、剪定したところから枯れこむのが防げます。

ぽー 【関東】 2006/05/27(土) 00:44:38
話がややこしくなるので、子株のほうは別に書きますね。

写真を見るかぎり、健康状態に心配な点はないと思います。
年明け以降〜春先ごろ、一時的に下葉が枯れてヘロヘロした感じになるのは、ありがちなことですから・・・(て、自分ちのことを書いてます^^;)
気温の上昇とともに元気を回復しているわけで、自然な姿だと思います。

ただ、まだ若い株ですから、今年これから根も葉もグンと成長すると思います。一回り大きな鉢に植え替えてやってください。また、

>3本枝が分かれていていますがなんだか間延びした感じです.小さいですが剪定した方が良いでしょうか?

剪定したほうがいいと思います。
現在の様子が、真上からの写真なのでよくわからないのですが、とくにいちばん長い枝が間延びした感じ(下葉が落ちて先端部が生長。頭でっかち)なのでは?
このままだと、先端だけ伸びて、下のほうはなかなか新芽が出てきません。
なので、根元に近いところで、思いきってバッサリ切ってください。根元から葉が出て、こんもり形よく仕立てなおしできます。

ペレット型の肥料については、2か月をメドに、新しいものに取り替えたほうがいいです。形が残っていても、肥料としての効き目はそのくらいでなくなることが多いそうです。

JUN 【近畿】 2006/05/27(土) 06:12:07
ぽーさん,レスありがとうございます.
とても不安だったのですが,詳しく教えていただけたので剪定も出来そうです.

昨年の植え替えで使った土は観葉植物専用のもので,今回は「ゼオライト」という根腐れ防止剤の入った観葉植物用の土を必要量の半分だけ買ってみました(他の土を混ぜた方が良いかもしれないので少なめに買いました).
植え替えた当時と違って今は水が染み込むまでに数秒かかるので,少し水はけが悪くなっているかもしれません….

剪定については,切る場所はこのあたり↓で良いでしょうか?
http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/chibi2006/c0526_2006-kk.jpg

> この子のもともとの樹形はどうなんでしょう。
http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/chibi03.jpg
↑葉っぱがかなり厚くて色の濃いとても綺麗なポインセチアだったのですが,どうしてか雰囲気が変わってしまいました.
鉢は今小さい方が入っているものです.

http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/05072005_chibi.jpg
↑昨年の5月始めにはこのようになっていたのですが,そのあと水をいくらあげても葉っぱが萎れたようになっていたことがあって,いろいろ調べて根詰まりが原因と知りすぐに植え替えました.

http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/DSCF0185-x400.jpg
植え替え後は元気に育ったのですが,葉っぱが薄く小さいものになっていました.
このあと短日処理に入ってから,だんだん調子を崩してきたように思います.


小さい方のポインセチアは,横から見るとこんな感じ↓です.
http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/chibi2006/cc0527_2006.jpg

大きい方とは違って3つ枝が伸びている他は新芽らしものは見当たらないのですが,それでも切ってしまって良いのでしょうか?
切ると出てくる…ということなのでしょうか?

追加質問が多くて申し訳ないですが,知識と経験が乏しくて不安なもので。。

肥料は2ヵ月くらいで取り替えなければいけなかったのですね.
替えてないというのは今までは与えてないのと同じだったのですね…TT
ありがとうございます.とても参考になります.

ぽー 【関東】 2006/05/28(日) 10:47:41
JUNさん、おはようございます。返信が遅れてごめんなさいね。
子株のほうが話が簡単なので、そちらを先に。

>大きい方とは違って3つ枝が伸びている他は新芽らしものは見当たらないのですが,それでも切ってしまって良いのでしょうか?
>切ると出てくる…ということなのでしょうか?
その通りです。切ると、根元から出てきます。
アバウトな私と違ってUUNさんは心配性(?)のようなので、理屈を書きますね。

たいがいの植物がそうであるように、ポインセチアも成長点が枝の先端にあります。そのため、「頂芽優位」といって、先端に近いほど新しい葉が出やすく、逆に根もとのほうは芽吹きにくい、という性質があります。
頂芽優位の性質がどの程度強いかは、植物によって違います。
庭木などはたいがい、ほっておいても新芽の時期になると枝のあちこちから芽吹きますが、ポインセチアは頂芽優位の性質がかなり強いようです。
JUNさんのこの子株の姿でわかるように、前年の枝の先端だけがどんどん伸びていって頭でっかちになり、根元からは新芽が出ないでスカスカ・・・結果、アンバランスな姿のまま生長してしまいます。

そこで、芽吹きの時期になったら、根元に近いところで剪定するといいのです。
剪定して生長点を切り落とすことで、それまで先端に集中していた生長エネルギーが根元にも回り、新芽が出てくるんですよ。
以前、親株の枝が折れたとき、その折れたすぐ下から、新しい枝葉が伸びてきませんでしたか? そういう状況を、人間の手でつくってやるわけです。

切る位置の目安ですが、
・最初の回答で書いたように「地際から10〜20センチ程度」が一つの目安。
・ポインセチアは頂芽優位性が強いので、切ったすぐ下の節(葉が落ちたあと)から新芽が出、それより下の節からはまず出ません。したがって、根元に近いところで切ったほうが、こんもり・がっしりと締まった印象の株になります。
(*ただし品種によっては、2か所ぐらいから出るものもあります。うちにはいま3株、それぞれ違う品種がありますが、枝も葉も細く枝数が多いタイプの品種は、1本の枝から複数の新芽が展開します。でも、JUNさんのは、頂芽優位性が強い品種のように見えます)
・ポインセチアも2〜3年目ごろから根元から木質化してきますが、木質化した部分で切っても新芽が出ます。が、まれに切った部分から枯れこんでくることがあります(切り口からの枯れこみは、緑色の枝でもたまに起こります)
・切り口から枯れこんできた場合、たいがいは途中で枯れがとまり、その下から新芽が出ますが、まれに枝ごと枯れる場合もあります。

以上のことから、根元から2〜3節目から発芽させたいとして、その1つ上の節の上で切るのがベストかなと思います。そうすれば、万一切り口から枯れても、その下の節から出る新芽を伸ばせばいいわけですから。
安全策として、切り口に癒合剤を塗れば、枯れこみはかなり防げます。

【土について】
観葉植物用の土は一般に水はけ・水もちのいい用土なので、大丈夫だと思います。ただ、メーカーによっては水はけの悪い土もあります(100円ショップの土はどうも水はけが悪い、という話も聞きますが、私は使ったことがないのでわかりません)。
水をやったとき、ひと呼吸おいてから水がスーッと引き、またひと呼吸すると底から流れ出す・・・というのがいい感じの水はけです。

【肥料について】
元肥入りの土の場合、「観葉植物の土」にはチッソ(N)多めの肥料が配合されています。剪定後はなるべくしっかり葉を育てたいので、これでOKですが、花芽をつけるにはリン(P)多めの肥料がのぞましい。
なので、短日処理の開始と同時にP、K(カリ)多めの「花用」肥料を追加してやりましょう。

元肥入りの土でなければ、NPK等量とか、Pの配合の多い肥料で大丈夫。
なお、固形の肥料は効きはじめるまで時間がかかるので、できれば剪定して1週間後ぐらいに、一度液肥をやるといいです。この場合はハイポネックス原液など、ごく一般的な液肥でOK。

いずれにしても、肥料はちょっとぐらい不足しても大丈夫ですが、やり過ぎはトラブルのもと。控えめに、と考えてちょうどいいぐらいですよ。

ぽー 2006/05/28(日) 11:30:31
さて、親株のほうです。これは私もちょっと悩みます・・・。
すぐ上の子株の対処法で書いたように、去年の春に植え替えたとき、枝も剪定すれば、たぶん健康に育った可能性が高いと思うんですよね。植物には放任で育ててもOKなものも多いのですが、ポインセチアは適切な剪定が必要な植物のように思います。
JUNさんのが最初の年と雰囲気が変わってしまったのは、植え替えが遅れたこともありますが、剪定不足で徒長しちゃったんでしょうね・・・。
赤い葉(=古い葉)がたくさん残っていますが、それより下で剪定して新芽を伸ばし、株をリフレッシュしてやるとよかったですね。

(あ! 上で書き忘れましたが、夏場にどんどん伸びてきた枝についての注意です。あまり枝数が増えすぎて枝が混んできちゃったら、弱そうな枝、細い枝は付け根から切って、少し間引いてやりましょう。そのほうが、残った枝がしっかりと育ち、全体として健康になります)

JUNさんのは、枝が太くがっしり育つ育つ品種のようなので、最終的には枝が3〜5本もあれば、かなり豪華なポインセチアが楽しめると思いますよ。
そういう枝を残す、育てる、という発想で、剪定してやるといいですよね。

具体的には、
剪定については,切る場所はこのあたり↓で良いでしょうか?
http://grifon-web.hp.infoseek.co.jp/Photo/chibi2006/c0526_2006-kk.jpg

右側の枝については、まずいちばんしっかり太い枝から1芽伸ばす。「2回目」の赤いラインの近くに芽がでそうな節が見えますが、その節または1つ上の節の上でカット。
また、赤いラインの下からもいくつか芽が出ていますね。こちらは1つ2つ元気そうなのを残して、残りは切り取るほうがよさそうです。
(植え替え・剪定によって株の勢いがついてきたら、いまある芽も伸びてくると思うので、しばらく様子を見て元気そうなのを残す)
最終的に、右側としては元気な枝が2本残ればいいと思うのですが、左側がどう復活するかしないかわからないので、もう少し枝数を増やす余地を残しておこう・・・という考え方です。

問題は、左側の枝ですね。
最終的に、5つに分枝している部分を残すのか、残さないのか。う〜ん、悩みます。
残す方向のほうが安全だとは思うのですが、そうすると枝数が多すぎるので間引いたほうがいいでしょうね。

私だったら、ですが。
5本のうち弱そうなのを1〜2本、植え替え時に間引き剪定します。
残った枝については、「1回目」の白いライン近くに節が見えますので、その少し上(2センチぐらい上)で切ります。ほんとはもっと節の近くで切ってもよいのですが、枯れこみを見越して長めに残します。
また、分枝している節の下から出ている芽は、元気そうなのを2〜3本残して芽かき(と呼んでいいのかな?)し、生長エネルギーが無駄に分散するのを防ぎます。

こんな感じで剪定して、あとは様子見でしょうねえ・・・。
頂芽優位性が強い、と書きましたが、先端から新芽が出ると同時に、その下からも小さな芽が吹く場合があります。また、いまある根元の芽が、しっかり育つ可能性もあります。
そのへんを見極めて、5本に分枝した部分の下で再度切るか、分枝した枝のうちよさそうなのを2〜3本残すか、決めるといいんじゃないでしょうか。

長々書きましたが、わかりますでしょうか?
文章だけで伝えるのは難しいですね。(^^;)
JUNさんのポインセチアが、親子とも元気に復活しますように!

JUN 【近畿】 2006/05/28(日) 20:35:41
[[解決]]
ぽーさんレス有り難うございます.
全然遅くなんてないですよ.それにこんなに詳しくたくさん書いてくださって嬉しいです^^
確かに私は心配性ですので今の状態がとても心配でしたが,ぽーさんの説明を見てとても安心できました.
知識もたくさん頂いて勉強になりました.
レスを参考に,明日からでも頑張ってみます.
本当に有り難うございます^^!


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