バラの新芽(シュートを含む)の成長点が枯れる

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白髪老 【九州】 2006/01/14(土) 22:53:25
 12年前から、大分市でHTばらを30株程栽培して楽しんでおります。3年前頃より、春3月から8月頃にかけて、シュート等の新芽が1/2p程伸び始めた頃に成長点部分がしなび始め、先端2/3oが枯れて、つまむとパリパリと粉になります。クロケシツブチョッキリの害ではないかと推測し、早朝から捜しましたが、その姿を見かけません。
 7日から10日毎に各種殺虫剤を処方しましたが、殆ど効果がありません。何方様か被害の原因とその対処法を御教授戴ければ幸いです。

たちつ 【近畿】 2006/01/15(日) 00:22:57
間違いなくバラクキバチの仕業です。ジットしていてくれないので、良く判らない。10時位に出勤するようです。置く位置か、バラの種類か毎年悪戯される株は決まっています。飛来害虫は、殺虫剤が効かないのが難儀。防虫ネットしか決め手がないですね。

バラの害虫10人衆のメンバー表。・゜゜・(≧д≦)・゜゜・
http://www.hanaippai.com/green/09_3.php

R・ひろき 【関東】 [URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~mham] 2006/01/15(日) 01:20:41
 こんにちは。
 
 私は、ゾウムシ(チョッキリ)の類ではないかと思います。

>春3月から8月頃にかけて、

 ゾウムシ類の活動時期と一致します。イチゴハナゾウムシなどは、9月近くまで活動します。クロケシツブチョッキリは春先から出てきます。
 バラクキバチは、関東地方では、4月から5月のみに飛来します。


>早朝から捜しましたが、その姿を見かけません。

 ゾウムシは、非常に動作が速く、周囲に異常を感じると、ぽろっと下に落ちて、見えなくなってしまいます。大きさも、種類により多少の差はありますが、5o以下の場合が多く、見えにくいものです。
 大きくて色の薄い洗面器を下に置き、木を揺すってみると、水の上に落ちて、見つかることがあります。

 バラクキバチの場合は、大事な茎にホイルや紙を巻いておく、飛んできそうな天候(よく晴れた日の十時から午後三時くらいまで)のときは、庭に居て追い払うなどの手がありますが、産卵現場を見つけることは難しいです。私は一回、針を刺しているところを発見しました。


>シュート等の新芽が1/2p程伸び始めた頃に成長点部分がしなび始め、先端2/3oが枯れ

 新芽5oくらいの被害です。バラクキバチの場合は、もっと下の方から、たとえば、20センチくらい下のほうから、しなび始めます。


> 7日から10日毎に各種殺虫剤を処方しましたが、殆ど効果がありません。

 12年前から栽培を始められて、3年くらい前から被害が出始めているということで、害虫のほうに、抵抗性がつき始めている可能性があります。ゾウムシは、殺虫剤を使っているお庭では、さほど見かけない害虫です。

 もうひとつは、周辺の環境が、4〜5年前に大幅に変わるなどのことがあり、害虫が庭に押し寄せるようになったのかもしれません。

 もしも、薬剤に抵抗性がついている場合、散布されている各種殺虫剤の系統が、同じなのかもしれません。
 違う商品、違う原体でも、系統が同じ場合は、ものにより、抵抗性がついてしまう可能性もあります。最初の9年は被害が無いとのことで、そう感じました。
 具体的な商品名を書いてくださいますと、殺虫剤の系統を調べることができます。もし、お差し支えなければ、いつもお使いのものをお書きください。

R・ひろき 【関東】 [URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~mham] 2006/01/15(日) 01:37:08
 追記です。
 今少し調べた範囲では、ゾウムシの場合、バラで適用があるのは、スミチオン、トクチオンで、両方とも有機リン系です。系統が替えられないですね……。
 ゾウムシであった場合、ゾウムシを狙っての散布となると、この2剤です。

白髪老 【九州】 2006/01/15(日) 18:00:42
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 たちつ様 R・ひろき様 早速大変詳細な御教授有り難う御座います。当方栽培場所は路地で日当たりの良い場所です。被害株は品種に関わりなく全株被害しました。昨年は殆ど全部のシュートが枯れて散々でした。過去の経験からバラ茎蜂の被害とは相違するように思います。
 ご指摘のように、ばら栽培地隣接斜面の草地約100uの草刈り実施による環境変化の影響により、害虫が集中したものかも知れません。
 昨年春、飛来害虫特定のために、黄色粘着捕虫紙をセットしたところ、スリップス類・バラ茎蜂・チューレンジ蜂・ハナムグリ・等を捕獲しましたが、ゾウ虫類は発見できなかったので、対処法を誤ったのかも知れません。薬剤の抵抗性については少し心当たりがあります。スミチオンを常用するという失敗がありました。
 当方の薬剤処方は、害虫の特定ができなかったので、地表散布又は栽培土混和用にオルトラン・アドマイヤー・バイデート・オンコル。
 葉面散布用にオルトラン水和剤・スミチオン・マラソン・カルホス・アーデント・アクテリック・ベストガード・モスピラン・スプラサイド
等を交互又は一部組み合わせて処方しました。
 今後、ゾウムシの発見捕獲と、ご指導いただいたトクチオンを導入し、駆除につとめます。
 お二方様の親切なご指導、有り難く感謝しております。

R・ひろき 【関東】 [URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~mham] 2006/01/16(月) 12:00:22
 こんにちは。
 解決済みマークが入りましたので、雑談として、書いてみます。

 30株のHT、全株に被害ということで、ゾウムシの姿が見えないのが気にかかっております。
 ゾウムシの被害の場合は、1〜2匹は必ず姿が見えるのではないかと思います。
 こちらの庭でも、粘着紙(青色)にはかかりませんでしたが、姿は見えます。

 農薬もいくつかの系統を使われていらっしゃいますので、抵抗性がついたものが生き残っているということも、考えにくいです。他の虫のために撒いたものが、たまたまゾウムシにかかって死ぬこともあると思いますので……。

 ゾウムシとバラクキバチ以外で、いくつか、原因かもしれないというものを、追記いたします。

 何かの微量元素が不足している可能性もあるのですが、全部の株で同じように出ていて、土での栽培ということなので、それも原因とは違うように思います。
 その他、新芽に症状が出るウィルス病というのも、バラにありますが、全株が同じように罹っているということも、考えにくいです。バラのウィルス病は、接ぎ木などの繁殖のときに感染するということです。(アブラムシなどを介してすぐに感染というものでもないのです。)
 新芽なので、薬害ということも可能性としてはあるのですが、12年バラをお育てということで、3月から8月まで、ずっと薬害が出ているとも思えません。(真夏に乳剤をいくつか重ねて散布すると、品種によっては、新芽がぱりぱりに枯れることもあります。品種によりますので、枯れない品種もあります。)

 生理障害とウィルス病については、もうお持ちかもしれないのですが、「バラの生産技術と流通 大川清著 株式会社養賢堂1999」 に載っていました。切り花の本で、趣味栽培とは違うのですが、役に立ちました。

 あまりお役に立てなくて、もうしわけありませんでした。

白髪老 【九州】 2006/01/24(火) 22:52:53
R-ひろき様
 所要があってしばらくこのページを見ておりませんでしたところ、ご親切にも再度詳細なご指導を頂きまして、感謝しております。
 小生の質問の仕方が断片的なため判定困難だったかと思います。当地の栽培土壌は阿蘇・久住及び由布山の火山灰土ですから、毎年冬、少々多めの牛糞堆肥・コンポスト腐葉土を基本に鶏糞・骨粉・油粕・過リン酸石灰・熔成燐肥・燻炭・化学肥料はマグアンプK大粒・・・時期を変えて草木灰・苦土石灰・・・微量要素欠乏改善策の一端に「アースグロウ(商品名・内容微量要素成分不明、黒点病に有効でした。)」・珪酸カルシューム等を施用し、土壌改良・(旨く行けばアルカロイドの生成)に努めておりました。
 新芽の成長点部の長さ直径とも約1〜2oのみ枯れ、被害枝の成長が止まるる症状から見てウイルスというのは、考えられるのでしょうか?
 昨年は、9月の剪定後、10月頃からシュートが伸び始め、虫被害もなく、11月末に開花する枝もありました。
 今思い出しましたが、バラの隣に植えた百合カサブランカの花の付く枝の枝分かれ部分に似たような傷が付き、枯れはしなかったものの、その枝の花が小さかったようです。更にまた、2年前の10月頃ストックの生長点に同様の害を被ったこともあります。万一同一の害虫であれば、今後要注意となります。今年は少し多忙に成りそうです。
 ご照会いただきました「バラの生産技術と流通」を早速買い求めたいと思います。小生は、どう考えてみても、ゾウ虫による被害と思われて成りません。小生宅から約1q離れた地のバラ栽培者宅のバラにも同様な被害に悩んでおります。彼は、スリップス(ミナミキイロアザミウマ・ミカンキイロアザミウマ)の害ではないかと考えているようです。
 R-ひろき様 本当に詳細な御検証と御指導有り難う御座います。心から感謝しております。今後も宜しくご指導下さいますようお願い申し上げます。
 

白髪老 【九州】 2006/01/26(木) 08:21:32
R-ひろき様
 今読み返してみましたところ、1月15日及び1月24日の小生の文書に恥ずかしながら変換ミスがありましたので、お詫びして訂正いたします。「路地」は誤りです。正しくは「露地」でした。
   「ご照会いただきました。」は正しくは「後紹介いただきました。」でした。 今後注意いたします。
 追伸 貴下のホームページ拝見いたしました。大変参考になりました。有り難う御座いました。 

R・ひろき 【関東】 [URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~mham] 2006/01/26(木) 19:14:41
 こんにちは。
 ホームページを見ていただいてありがとうございました。
 変換ミスについても、どうかお気になさらないでください。

 白髪老様のバラの被害、昨年はほとんど全部のシュートが枯れたということと、ご自宅から一キロほどの別の栽培家のかたのバラも同様の被害があるとのこと、ほんとうにお困りのことと思います。
 被害が複数のお宅で発生していて、ほとんど全部被害にあっており、どちらのお宅でも薬剤散布など手抜かり無く行われているということで、原因が虫による場合、かなり難しいようすではないかと思います。

 わたしなどは、趣味で栽培しておりまして、仕事ではありませんから、土壌鑑定や、害虫の被害の鑑定、同定などは、専門機関に依頼したことはありません。でも、もし、白髪老様と同じ被害が3年続き、近くのバラ栽培をしているかたの庭や、ほかの草花にも同様の被害が出ていて、原因が不明で被害が何年か継続しましたら、バラ会等に相談したり、最終的には、依頼を考えるかもしれません。


 ところで、スリップスも、新芽を害することはあります。関東では、発生時期がちょうどバラの開花を少し過ぎたあたりですので、春の最初の芽からやられることはありません。(我が家にいるものが、外来種なのか、在来のものなのかは、不明です。)

 私もスリップスよりゾウムシではないかと思いますが、スリップスは、種類により、かなり生態に違いがありますので、スリップスの類ではないとも言い切れません。
 以下、スリップスについて、少し資料をあげてみます。

 外来の2種については、以下の本に図解で説明がありました。

ミナミキイロアザミウマ おもしろ生態とかしこい防ぎ方  永井 一哉 著  農文協
ミカンキイロアザミウマ おもしろ生態とかしこい防ぎ方  片山 晴喜 著  農文協

 在来種については、この本です。

農作物のアザミウマ 分類から防除まで 宮崎昌久 工藤巌 梅谷献二 編 全国農村教育協会


 農薬につきましては、蜂など、周囲の環境への影響もあり、あまり散布をお勧めするものではありませんが、いくつか、バラ用の範囲で、系統を追加しますと、ネオニコチノイドのなかから、モスピランやベストガードとは少し系統が異なるものとして、ダントツ水溶剤(またはベニカ水溶剤)、ダントツ粒剤(またはベニカ粒剤)、アルバリン顆粒水溶剤(またはスタークル顆粒水溶剤)。脱皮阻害剤でカスケード乳剤。最近バラが追加されたプリンスフロアブル(劇物ですので、ご注意を)。物理的作用で殺虫するものに、オレート液剤、エコピタ液剤、あめんこ100などがあります。
 このなかのいくつかは、バラのミカンキイロアザミウマにも適用があります。
 スリップスは、種類により、効果のある農薬が異なります。


 バラのウィルス病につきましては、前回お勧めしました本のほかに、インターネット上では、バラの台木を挿し木で繁殖している国のホームページなどに写真付きで掲載されていることがあります。国内のページには、さほど情報がありませんでした。
 新芽に症状が出るものにつきましては、ROSE ROSETTE VIRUSの被害写真が掲載されたページがあります。Googleで、rose virusで検索すると、一番上に出てきます。(本日現在) 写真を見た限りでは、新芽が枯れるというより、縮れるというふうに見えます。ご参考になさってみてください。

白髪老 【九州】 2006/01/27(金) 20:57:17
R-ひろき様
 再三にわたり親切な上に詳細な検証有り難う御座います。御指導いただきましたことは全て実行又は購入し経験を積みたいと存じます。
 ひろき様のホームぺージの一部を拝見(大変申し訳ありませんが、小生の視力が落ち、小さな文字が見づらくなったことと、時間的ゆとりがなくて、全部を拝見するには未だ少し時間が掛かりそうです。)しましたところ、ひろき様の集中力と活力には恐れ入りました。これ程のご多忙の中で、小生の質問にご誠実に対応戴き感謝の言葉もありません。
 我が家のバラには、本日現在、長さ約1p直径約5〜6oシュートが数本伸び始めています。ひろき様の御指導に従い、今年こそ無被害で育てたいと存じております。近日中に石灰硫黄合剤を散布する予定です。
 有り難う御座いました。


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