受粉について

[園芸相談センター]の過去ログです

わくわくママ 2002/06/06(木) 17:01:31
園芸店で果樹苗のコーナーで受粉苗が必要です。と書かれていたのですが木は自分で受粉しないで他の木が必要なのをしったのいですが、同じ種類でもかけあわせがあるんですね。
なぜかけあわせやなぜ自分で受粉しないで他の花が必要なのか度素人の私に教えてください。

あるびの@管理人 2002/06/06(木) 23:43:59
一本で自分の花粉で結実するのを自家受粉、他の花の花粉で受粉するのを
他家受粉と言います。

前者のメリットは花さえ咲けば確実に受粉でき種が作れること。
後者のメリットは異なった遺伝子を持った子孫を作れること。
自家受粉は自分自身の遺伝子しか使わないので遺伝子的多様性が少ない。
遺伝子云々に関して詳しくは高校の生物の参考書などを参照ください。

と、書きましたが果樹の場合は開花時期があうとか花粉が多いとか
なんやらで経験的に適合する品種が決まっているようです。

わくわくママ 2002/06/07(金) 22:17:27
有難うございます。果樹苗などは同じ品種ではなくて別の品種の組み合わせが書いてありました。同じ品種だとなぜ交配しずらいのですか?
(実がつかないのでしょうか?)
他の遺伝子を持った花粉がついて実に成ったときにはどんなことがおきているのでしょう。もっと高校時代に生物やっておけばよかった・・とほほ・・・

かちがらす [URL:http://hanaya24.tripod.co.jp/] 2002/06/07(金) 23:28:20
同じ品種という事は同じ遺伝子をもったクローンです。いくら個体が違っても分身ですので自家受粉と同じことになります。

実については子房が大きくなったものなので♂の遺伝子は全く影響しません。♂の遺伝子が影響するのは種子だけです。
解りやすく哺乳類で言えば、赤ちゃんには父親と母親の遺伝子が入るけれど子宮や胎盤は母親の遺伝子だけだという事です。

松本俊博 2002/06/07(金) 23:46:25
あのーですねぇ

>同じ品種という事は同じ遺伝子をもったクローンです。
同じ品種の株は皆、クーロンとは言えませんが。

>いくら個体が違っても分身ですので自家受粉と同じことになります。
自家受粉して繁殖した株も栄養繁殖したクーロン株とは
異なりますよ。

>解りやすく哺乳類で言えば、
>赤ちゃんには父親と母親の遺伝子が入るけれど
>子宮や胎盤は母親の遺伝子だけだという事です。胎盤は赤ん坊の体組織ですけど。
んじゃ、また。

松本俊博 2002/06/07(金) 23:55:44
↑のカキコの誤り訂正をさせて貰いますです。

『>解りやすく哺乳類で言えば、
>赤ちゃんには父親と母親の遺伝子が入るけれど
>子宮や胎盤は母親の遺伝子だけだという事です。胎盤は赤ん坊の体組織ですけど。
んじゃ、また。』は、正しくは
↓の通りです。

>解りやすく哺乳類で言えば、
>赤ちゃんには父親と母親の遺伝子が入るけれど
>子宮や胎盤は母親の遺伝子だけだという事です。
胎盤は赤ん坊の体組織ですけど。

んじゃ、また。

スマソでしたm(_ _)m

あるびの@管理人 2002/06/07(金) 23:55:47
挿し木などの栄養(無性)繁殖では完全なクローン。
自家受粉による有性生殖は遺伝子のバリエーションは少ない。
他家受粉では様々な遺伝子を持つ個体が生まれる可能性があります。
様々な遺伝子=異なった特性を持つと言う事で、そこから実がいっぱい
なるとか、耐寒性が強いなどの特性が現れたりします。これらの中から
人間に都合の良い性質を持ったものを「品種」として遺伝子的に固定しています。
環境の変化に強い性質を発現する遺伝子を持った個体当然生き残りやすく
なります。これがダーウィンによるところの「進化」にも繋がります
(進化論に関しては諸説ありますが)。
これがもし同じ遺伝子=同じ性質ばかりの個体だと、環境の変化により
あっさりと全滅=絶滅してしまいます。自家受粉しないのはこれを
避けようとする植物の本能ですね。
自家受粉する植物は「遠くの遺伝子多様性より目先の個体数」と言った
ところでしょうか。

あるびの@管理人 2002/06/08(土) 00:26:38
果樹の同じ「品種」同士でも遺伝子的バリエーションがあれば
結実するような気がするんですけどね。

果樹の品種に関しては詳しく知らないんであくまで予想なんですが
同一品種間で受粉しにくいのは
1:ホントにクローンである。
すべて接木や挿し木によって「品種」の繁殖をしている。この場合遺伝子は同一となる。
「月下美人」が結実しなかったのはすべて一つの個体から葉挿しで繁殖された
物だったと言うのは有名な話です。

2:遺伝子的に非常に近いため
同一品種=遺伝子的に非常に近いです。そのため自家不和合性を司る
遺伝子がクローンであると勘違いし受粉しない。

なのかなぁと考えています。だれか正しい答え知っている人がいたら
教えてくださいまし〜。

松本俊博 2002/06/08(土) 01:36:02
どうも以下のような理由から受粉樹を混植しなければ
ならないんだそうですが。

(1)果樹の主要品種の多くは自家不和合性
(自家不結実性)であって、
同じ品種の花粉を交配しても不受精、不結実になることが
多い(また、異なる品種間でも和合性のない
他家不和合性の性質を持つ品種もあり)。
(2)花粉が不完全であるために自家受精できないことから、
そのような品種だけを単植できない。
では、では。

かちがらす [URL:http://hanaya24.tripod.co.jp/] 2002/06/08(土) 10:56:43
松本さんすみません。またまた無知をさらしてしまいました。
F1品種もあるけど、と思いながら書き込んでしまいました。
胎盤の件は全く知りませんでした。私はそう思い込んでいました。もともと植物の話に哺乳類の例えを持ってきたのが無理でした。反省してます。

余談です。サボテンには自家受精しないものが多いのですが、自家受精しない種に百合の花粉などを付けると結実するそうです。私は試した事は無いのですが、不思議です。

松本俊博 2002/06/08(土) 12:28:04
ところで、
↓にあるようなサボテン科の果樹(?)についても

http://www.geocities.co.jp/PowderRoom/4514/cactaceae.html

自家不結実性があるものが結構あるのだそうですので、
この手の話しは別に果樹に限ったことではないみたいですがね。
どうなんでしょう。

k.k 2002/06/08(土) 15:51:25
自家不和合成のメカニズムについて説明します

受粉にはS遺伝子という遺伝子が色々と関係しています
S遺伝子は普通一植物体では各両親から引き継いだ一タイプずつの計2タイプを持っていて、花粉にはそのどちらか一タイプが引き継がれます

たとえばAという品種がS1とS2というS遺伝子を持っていたとします
このAという品種が自家不和合成の場合、S1とS2の遺伝子を持った花粉では受粉できません
すなわち自分の花粉では受粉できなし、異なった品種でも同じ型のS遺伝子を持っているものとは受粉できないのです
そこでそれ以外の型(たとえばS3やS4等)を持った花粉を提供できる受粉樹が必要になるのです

リンゴではS遺伝子は20種類くらい見つかっています

なぜこのような事が起きるかというと、皆さんが上で書かれたように近親交配をなくし、出来るだけ自分と異なる遺伝子を子孫に取り入れることにより一層病気や環境に強くなろうとすることが目的と考えられています

ややこしくなってしまいすみません

松本俊博 2002/06/08(土) 18:08:02
k.kさん、どうもです。
いや〜もうこの分野では、
↓のように

http://www.istech21.com/japan/Japanese/j_sub02_02.htm

他家受精植物を自家受精に誘導する技術を開発している会社も
あるようで。
全くの勉強不足でしたですわ(^^;

では、では〜

わくわくママ 2002/06/10(月) 21:21:55
凄く専門的な回答有難うございます。受粉というメカニズムは奥が深いんですね。
果樹苗の他にも花苗などにも同じようなことが言えるんですか。度素人ですいません

松本俊博 2002/06/10(月) 23:19:55
↓でさらに専門的な説明が読めますよ。

http://bsw3.aist-nara.ac.jp/isogai/tokutei/tokutei.html

>果樹苗の他にも花苗などにも同じようなことが言えるんですか。

ようするに、こりゃあ、果樹に限ったことではないという
ことになりますねぇ。

んじゃ、また。

わくわくママ 2002/06/12(水) 19:42:40
[[解決]]
有難うございました。凄く面白くなってきました。子供と二人でわくわくみています。

k.k 2002/06/13(木) 17:50:30
こんにちは k.kです
色々な仕事をしている会社もあるのですね、驚きましたよ

もともと植物たちは(生物全般のことですが)交配を重ねて自分の遺伝子に他の環境で生きてきた自分の仲間の遺伝子を取り込むことによって「種」として強くなろうとしていますからね
近親交配をさける為の様々なメカニズムは園芸家の人にとってはやっかいな問題になるのでしょう
S遺伝子だけが自家不和合性に関与しているだけではなく、もっと色々な高配のメカニズムがあるのでしょうがほとんど解明されてないのが現状です
植物たちが何億年とかけて作り上げてきた生のシステムを解明するにはかなりの時間が必要なのでしょうね
完全にすべてを解明するのは私自身は権威ある科学者達が何百年かけても不可能だと思っていますが、、、
だからこそ面白いですよね

園芸のように突然変異の利用やバッククロス(子供と親を掛け合わせる)をさせて奇形を作ることをしていると当然病気や環境条件には弱くなってしまいます
自然界でもそのような雑種は普通出来ますが自然淘汰されてしまうのがほとんどです
つまりそのほとんどは不完全な植物(生物)で自分だけでは生きていけないのですから
園芸植物のほとんどは手をかけなくては生きていけないのはそのせいでもありますね
植物たちにとってはちょっとかわいそうなのかもしれません

動物だけが生き物でなく植物も生き物
動かない、しゃべらないからと言って粗末に扱っては欲しくないです

なんだか暗くなってしまいましたね
ごめんなさいm(_ _)m次からは明るく行きましょう!!

わくわくママ 2002/06/14(金) 23:19:59
kkさんのおっしゃることすごく感動しました。園芸はまだまだ度素人でしが自然の与えてくれたすばらしい命を動物植物の区別無く大切にしていきたいです。沢山のかたが色々教えてくださり本当に感謝しています。


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